多肉植物の育て方|春秋型・夏型・冬型の水やりと冬越し、初心者向けの12種
多肉植物の育て方の基本を、春秋型・夏型・冬型の生育型別に解説。季節ごとの水やりの頻度、置き場所、冬に室内へ入れる温度の目安、土の配合、徒長と根腐れの対処までまとめ、図鑑の多肉植物・サボテン16種を生育型で一覧にしています。

多肉植物の育て方の要点
- まず育てている多肉植物の 生育型(春秋型・夏型・冬型) を確かめる。水やりを増やす季節と減らす季節は型で決まる
- 水やりは、生育期に土が完全に乾いてから鉢底から流れるまで。休む季節は月1回ほどか断水にする
- 日当たりと風通しの良い場所に置き、雨には当てない。日照不足は徒長の一番の原因
- 冬は種類ごとに室内へ入れる温度が違う。夏型の多くは 最低気温10°C を目安に取り込む
- 土は水はけを最優先にした多肉植物用土。普通の培養土のままだと根腐れしやすい
春秋型・夏型・冬型の違い
多肉植物は、原産地の気候によってよく育つ季節が違います。この育つ季節の違いを「生育型」と呼び、生育期にはしっかり水を与え、休む季節には水を控えるのが育て方の基本です。同じ「多肉植物」でも型が違えば、同じ月に正反対の管理になります。
春秋型
よく育つのは春(3〜5月)と秋(9〜11月)
真夏の蒸し暑さと冬の寒さでは生育がゆるみ、休むような状態になります。エケベリアやハオルチアなど、多肉植物の多くがこの型です。夏と冬は水を月1〜2回に減らし、肥料は与えません。
夏型
よく育つのは春の終わりから秋(4〜10月)
暖かい時期に伸び、冬は休眠します。アロエや柱サボテン、パキポディウムなどの塊根植物(幹や根が太る多肉植物)が代表です。寒さに弱い種類が多く、冬は断水か月1回ほどに減らして室内で休ませます。
冬型
よく育つのは秋から春(10〜4月ごろ)
リトープスやコノフィツム、アエオニウムなどが代表で、夏は休眠します。ほかの型と水やりの季節が逆になるので、同じ棚に並べるときは特に注意します。冬に育つといっても霜と凍結には弱いので、寒い夜は軒下や室内へ移します。Hapot の図鑑にはまだ冬型の多肉植物を掲載していません。
図鑑の多肉植物・サボテンの生育型一覧
Hapot の植物図鑑に掲載している多肉植物・サボテンのうち、生育型がはっきりしている 16 種を型ごとに並べました。 冬の温度は冬越しで保ちたい温度、取り込みの目安は室内や軒下へ移すタイミングです。植物名から育て方のページを開けます。
| 植物 | 生育型 | 日当たり | 冬の温度 | 取り込みの目安 | 難易度 |
|---|---|---|---|---|---|
| エケベリア | 春秋型 | 日なた | 0°C程度まで耐える(霜と凍結は避ける) | 5°C以下になる夜は軒下か室内の窓辺へ | 初心者向け |
| ハオルチア | 春秋型 | レース越しの明るい場所 | 5°C以上 | 一年中、室内の明るい窓辺で育てられる | 初心者向け |
| アガベ | 春秋型 | 日なた | 種による(アメリカーナや笹の雪は-5°C程度、チタノタ系は5°C以上) | 耐寒性の低い種は10月後半から準備し、冬は室内へ | 初心者向け |
| 金のなる木 | 春秋型 | 日なた | 5°C以上(霜は厳禁) | 霜の予報が出る前に室内へ | 初心者向け |
| セダム | 春秋型 | 日なた | 多くは屋外で越せる(虹の玉などは-3°C前後で傷むことがある) | 寒冷地の紅葉種は軒下や霜の当たらない場所へ | 初心者向け |
| グリーンネックレス | 春秋型 | 半日陰 | 5°C以上 | 夜の気温が10°Cを下回るころから準備 | 初心者向け |
| ガステリア | 春秋型 | 半日陰 | 5°C以上が安心(0°C近くまで耐えるとされる) | 最低気温が5°Cを下回る前 | 初心者向け |
| セロペギア・ウッディー | 春秋型 | 半日陰 | 5°C以上(できれば10°C前後) | 最低気温が5°Cを下回る前 | 初心者向け |
| 柱サボテン | 夏型 | 日なた | 5°C以上 | 11月から水を減らし、5°C以上の窓辺で冬越し | 初心者向け |
| アロエ・ベラ | 夏型 | 日なた | 10°C以上の室内(耐えられる目安は5°C前後) | 最低気温が10°Cを下回る前 | 初心者向け |
| ハナキリン | 夏型 | 日なた | 10°C以上が安心(乾かし気味なら5°C前後まで) | 最低気温が10°Cを下回る前 | 初心者向け |
| リプサリス森林性のサボテン | 夏型 | 半日陰 | 5°C以上 | 最低気温が10°Cを下回る前 | 初心者向け |
| ユーフォルビア・アエルギノーサ | 夏型 | 日なた | 5°C以上 | 最低気温が5°Cを下回る前 | 中級 |
| パキポディウム塊根植物 | 夏型 | 日なた | 10°C以上(ラメリーは5°C程度まで) | 最低気温が10°Cを下回る前 | 中級 |
| アデニウム塊根植物 | 夏型 | 日なた | 10°C以上 | 最低気温が15°Cを下回り始めたら | 中級 |
| ブルセラ塊根植物 | 夏型 | 日なた | 5°C以上、できれば10°C前後 | 最低気温が12〜15°Cを下回り始めたら | 中級 |
※ 地域の基準は関東以西の平地です。同じ仲間でも品種によって性質が違うことがあるので、購入時のラベルも確認してください。
冬に花を咲かせるカランコエとシャコバサボテンは、秋に夜を暗く保って花芽をつける独自の育て方なので、各ページで管理を確かめてください。柱サボテンの仲間の竜神木は、ほかの柱サボテンより寒さにやや弱く、冬は5°C以上を保ちます。図鑑の一覧は多肉植物とサボテンのページにまとめています。
初心者におすすめの多肉植物
上の一覧のうち、図鑑で難易度を「初心者向け」としている 12 種です。はじめての1鉢なら、置き場所の日当たりに合う種類を選ぶと失敗が少なくなります。
季節ごとの水やり
水やりの基本は、土が完全に乾いてから、鉢底から流れ出るまでたっぷりです。少しずつ毎日与えるより、乾いたらまとめて与えるほうが根が健康に育ちます。受け皿にたまった水は必ず捨てます。
| 季節 | 春秋型 | 夏型 | 冬型 |
|---|---|---|---|
| 春(3〜5月) | 生育期。土が完全に乾いてから鉢底から流れるまで。週1回〜10日に1回が目安 | 3月下旬〜4月に少量から再開し、暖かくなるにつれて増やす。塊根植物は最低気温が15°Cを超えてから | 生育がゆるむので、乾いてから数日あけて与える |
| 夏(6〜8月) | 休みがち。月1〜2回、夕方の涼しい時間に控えめに。肥料は与えない | 生育期。乾いたらたっぷり。猛暑期は夕方に与え、梅雨の長雨は軒下でしのぐ | 休眠期。断水するか、ごく少量にとどめる |
| 秋(9〜11月) | 生育期。乾いたら週1回〜10日に1回。11月から間隔を広げる | 9月までは生育期の水やり。10月から間隔を広げ、肥料は9月で止める | 涼しくなったら少しずつ再開する |
| 冬(12〜2月) | 休みがち。月1回程度、暖かい日の午前中に | 休眠期。断水するか月1回ごく少量。葉が落ちる塊根植物は断水 | 生育期。乾いたら与える。霜と凍結は避ける |
乾いたかどうかの見分け方
鉢を持ち上げて、水やり直後より明らかに軽くなっていれば乾いています。竹串や割り箸を土に挿しておき、抜いたときに湿った土が付かなければ水やりのタイミングです。 回数はあくまで目安で、小さな鉢や素焼き鉢、風通しの良い場所ほど早く乾きます。
与える時間帯
夏は昼の熱で鉢の中が蒸れないよう、夕方の涼しい時間に与えます。冬は夜の冷え込みで鉢の中が冷えたまま湿らないよう、暖かい日の午前中に与えます。 よくある失敗は、冬に春と同じ間隔で水を与え続けて根を傷めることです。
置き場所と日当たり
春と秋
日なたを好む種類は、屋外の日当たりと風通しの良い場所が理想です。柱サボテンなら1日4時間以上の直射日光が目安です。雨ざらしは蒸れと徒長を招くので、雨の当たらない軒下に置きます。ハオルチアやガステリアは強い光で葉が赤茶けやすく、レースカーテン越しの窓辺や明るい半日陰が向いています。
夏
春秋型は高温多湿が苦手です。エケベリアは真夏だけ30〜50%遮光するか、半日陰に移します。西日と照り返しを避け、棚や台の上に置いて鉢の下にも風を通します。 梅雨の長雨に当てると根腐れしやすいので、軒下へ移します。
室内で育てる場合
南向きなどできるだけ明るい窓辺に置き、ときどき窓を開けて空気を動かします。室内の光だけでは足りない種類が多く、日照不足が続くと茎が間延びします。 室内から屋外へ出すときは、半日陰で1〜2週間かけて光に慣らします。
冬越しの方法
冬越しで大切なのは、種類ごとの室内に入れる温度を決めておくことです。天気予報の最低気温を見て、下のグループの温度を下回る前に室内か軒下へ移します。 霜は気温が3°C前後でも地面近くで降りることがあるので、屋外に置く株も霜の当たらない場所にします。
室内に入れる目安(最低気温)
最低気温10°C
関東以西の平地では10月下旬〜11月中旬ごろ
夏型の多くと、シャコバサボテン、グリーンネックレスです。取り込みが遅れて冷え込みで葉が傷むのが、よくある失敗です。
最低気温5°C
関東以西の平地では11月下旬〜12月ごろ(内陸はもっと早い)
春秋型の多くと、柱サボテンの仲間などです。5°C以上を保てる明るい窓辺か、霜の当たらない軒下で冬を越します。
※ 月は関東以西の平地での目安です。年や場所によって前後するので、天気予報の最低気温で判断してください。ハオルチアは一年中室内の明るい窓辺で育てられます。
冬越しの手順
- 1
11月に入ったら水やりの間隔を少しずつ広げます。肥料は9〜10月で止め、冬のあいだは与えません。寒くなってから水を多く与えると、根腐れが始まります。
- 2
取り込む前に、葉の付け根や幹にカイガラムシなどの虫がいないかを確かめます。鉢底から虫が出てくることもあるので、受け皿も洗っておきます。
- 3
室内では南向きなど日当たりの良い窓辺に置きます。夜の窓際は外と同じくらい冷えるので、寒波の夜は窓から1mほど離すか、カーテンで冷気を遮ります。暖房の風が直接当たる場所は避けます。
- 4
冬の水やりは、暖かい日の午前中に与えます。春秋型は月1回程度、夏型は断水か月1回ごく少量が目安です。冬に葉に少ししわが寄るのは休眠中の姿で、春に水やりを再開すれば戻ります。
- 5
春に外へ出すときは、半日陰で1〜2週間慣らしてから日なたへ移します。冬のあいだ室内にいた株を急に直射日光に当てると、葉焼けや日焼けを起こします。夏型は最低気温が10〜15°Cを超えてから出します。
屋外や軒下で冬を越すとき
雨と霜の当たらない南向きの軒下に置き、鉢は台に載せて地面から離します。寒波の夜だけ玄関などへ取り込むか、不織布をかけます。 エケベリアやセダムの紅葉は、日なたで昼夜の寒暖差に当てるほど鮮やかになります。
寒さで傷んだときは
葉が凍って透けたり、黒ずんだりしたら、すぐに暖かい室内へ移し、水は与えずに様子を見ます。傷んだ葉は戻らないので、乾いてから取り除きます。 株元や幹を押して柔らかい場合は、根腐れも疑います。
土と鉢、植え替え
土の配合例
市販の多肉植物用土・サボテン用土をそのまま使うのが確実です。自分で配合するなら赤玉土(小粒)4、鹿沼土3、軽石3が基本で、腐葉土は入れないか1割ほどにとどめます。草花用や観葉植物用の培養土は水もちが良すぎるので、使うなら軽石や日向土を3〜5割混ぜます。
土の違いは植物別の土の違い、材料の性質は赤玉土・鹿沼土・日向土の違いで比べています。
鉢の選び方
乾きの早い素焼き鉢か、底穴の大きいプラ鉢を選び、鉢底石を2cmほど敷きます。株に対して大きすぎる鉢は土が乾かず根腐れしやすいので、株よりひと回り大きい程度にします。 背の高い柱サボテンは倒れやすいので、重い陶器鉢か素焼き鉢が向いています。
植え替えの時期と注意
1〜2年に1回、生育期の入り口に行います。春秋型は3〜4月か9〜10月、夏型は4〜6月で、塊根植物は最低気温が15°Cを超えてからです。 植え替えは乾いた土で行い、根の傷を乾かすため、植え付け後数日〜1週間は水を与えません。 冬が近い11月以降や、休眠中の植え替えは根が動かず傷みやすいので避けます。
鉢の号数と必要な土の量は鉢の号数・土の量 早見表で確認できます。
徒長したとき
徒長は、茎が間延びしてひょろひょろと伸び、ロゼットが開いたり葉の間隔が広がったりする状態です。主な原因は日照不足で、 水や肥料の与えすぎ、暖かい室内での冬越しが重なると起きやすくなります。伸びた部分は日に当てても元には戻りません。
原因
- 室内の窓辺だけで育て、光が足りない
- 休む季節にも生育期と同じように水を与えている
- 冬に暖房の効いた部屋で、暗いまま育ち続けた
対策
- これから伸びる部分のために、日当たりの良い場所へ移す
- 生育期に、伸びた茎を切って頭を挿し直す(切り口は1週間ほど乾かす)
- 冬に徒長した株は、3〜4月まで待ってから仕立て直す
植物ごとの仕立て直し方は徒長・間延びするにまとめています。
根腐れを防ぐ
多肉植物が枯れる原因で特に多いのが根腐れです。株元がぶよぶよと柔らかくなる、葉がしぼんで透けたように濁る、幹を押すとへこむ、といった様子が出たら疑います。 起きやすいのは、寒い時期や梅雨に土が湿ったままになったときです。
原因
- 休む季節の水の与えすぎ
- 梅雨や秋の長雨に当てたまま
- 水もちの良い普通の培養土や、大きすぎる鉢
- 受け皿に水をためている
対処
- 鉢から抜き、黒く柔らかくなった根や茎を清潔なハサミで切り取る
- 切り口を数日〜1週間、明るい日陰で乾かす
- 新しい乾いた多肉植物用土に植え、1週間ほどは水を与えない
- 株元まで傷んでいるときは、健全な葉や茎を挿して株を更新する
詳しい救出の手順は根腐れ・株元が腐るをご覧ください。
月ごとの作業は植物カレンダーで確認できます。
よくある質問
多肉植物の水やりの頻度はどれくらいですか?
春と秋の生育期は、土が完全に乾いてから鉢底から流れるまで与え、頻度にすると週1回〜10日に1回が目安です。春秋型は夏と冬に月1〜2回へ減らし、夏型は冬に断水か月1回ほどにします。回数より「土が乾いたか」で判断するのが確実で、鉢を持ち上げて軽くなっていれば水やりのタイミングです。小さな鉢や素焼き鉢は乾きが早く、大きな鉢やプラ鉢は遅くなります。
多肉植物は冬も外に出しっぱなしで大丈夫ですか?
種類によります。多くのセダムや、アメリカーナなど寒さに強いアガベは、霜と雨の当たらない軒下なら関東以西の平地で冬を越せます。エケベリアは0°C程度まで耐えますが、5°C以下になる夜は軒下か室内へ移すと安心です。アロエ・ベラやハナキリン、パキポディウムは10°C以上の室内で冬を越します。霜に一度当たるだけで葉が凍って透けることがあるので、迷ったら室内へ入れます。
自分の多肉植物が何型かわからないときは?
まず植物の名前を調べ、図鑑や購入時のラベルで生育型を確かめます。名前がわからない場合は、春と秋に新しい葉が出て夏に動きが止まるなら春秋型、真夏も元気に伸びるなら夏型、夏に葉がしぼんで秋に動き出すなら冬型と考えられます。判断がつかない間は、春秋型の育て方に合わせ、夏と冬は水を控えめにしておくと大きな失敗を避けられます。
冬に室内に入れた多肉植物の水やりはどうしますか?
春秋型は月1回程度、夏型は断水か月1回ごく少量にし、暖かい日の午前中に与えます。暖房の効いた部屋は乾きやすいものの、日照が少ない冬に水を多く与えると徒長や根腐れの原因になります。葉に少ししわが寄る程度は休眠中の正常な姿です。夕方に与えると夜の冷え込みで鉢の中が冷たく湿ったままになるので避けます。
多肉植物に普通の培養土は使えますか?
そのままでは使わないほうが安心です。草花用や観葉植物用の培養土は水もちが良すぎて乾くまでに時間がかかり、根腐れや徒長の原因になります。市販の多肉植物用土をそのまま使うのが確実で、普通の培養土しかない場合は軽石や日向土を3〜5割混ぜて水はけを上げます。自分で配合するなら赤玉土(小粒)4、鹿沼土3、軽石3が基本です。
徒長した多肉植物は元に戻りますか?
伸びてしまった部分は、日に当てても元の形には戻りません。春か秋の生育期に、伸びた茎を切って頭の部分を挿し直すと、締まった姿に仕立て直せます。切った頭は切り口を1週間ほど乾かしてから乾いた土に挿し、残した株元からも新しい芽が出ます。冬のあいだに徒長した株は、暖かくなるまでそのまま日当たりの良い場所で育て、3〜4月に作業します。