苗・株の選び方
良い株は、幹を軽く押しても硬く張りがあり、しわや柔らかい部分がないこと、葉の色が濃く艶があること、枝先に蕾が付いていることの3点で見分けます。塊根の形を楽しみたい場合は、実生(種から育てた)株を選ぶと、幹が太りやすく根上げの仕立てにも向きます。
避けたいのは、幹の根元が黒ずんでいたり、押すとへこんだりする株です。幹の内部が腐っている可能性があります。冬に葉のない状態で売られている株は休眠中なので、幹の張りで状態を判断し、購入後は暖かい窓辺で水を控えて春を待ちます。
Hapot編集部より
アデニウムは、ぷっくり太った幹(塊根)と、バラのように鮮やかな花を両方楽しめる、夏型の塊根植物です。砂漠のバラ、デザートローズの名で流通し、ピンクや赤、白の直径5〜7cmほどのラッパ形の花を、春から秋にかけて繰り返し咲かせます。原産はアラビア半島から東アフリカにかけての乾燥地で、強い日差しと高温を好み、寒さと過湿を嫌います。日本の家庭では、夏は屋外の日なたでよく育つ一方、冬は気温が下がると葉を落として休眠するため、その間の水と温度の管理が成否を分けます。冬は10°C以上の明るい室内で、葉が落ちたら断水気味に休ませる、これが冬越しの基本です。また、キョウチクトウ科の仲間らしく、茎や幹を傷つけると出る白い樹液には強い毒があります。剪定や植え替えでは手袋を着け、子どもやペットが口にしないよう注意が必要です。株元の根を少しずつ土の上に出して、盆栽のような姿に仕立てる楽しみ方もあります。

水やり
5〜9月は土が乾いたらたっぷり(夏は3〜5日に1回が目安)。葉が落ちる冬は断水か月1回ごく少量
日光
直射日光
温度の目安
10-35°C(冬は10°C以上が安心。乾かしておけば5°C前後まで耐えるとされる)
湿度
30-50%
土
水はけの良い多肉植物用土(軽石・赤玉土主体)
大きさの目安
鉢植えでは高さ30cm〜1mほどで、幹の根元が徳利のように太ります。自生地では数mになるとされます。流通は3.5〜6号鉢の実生株や接ぎ木株が中心です。
成長の速さ
中(夏はよく伸び、冬は休眠して止まる)
温度の目安(耐寒〜耐暑)
10-35°C(冬は10°C以上が安心。乾かしておけば5°C前後まで耐えるとされる)
肥料
5〜9月に薄めた液肥を2週間に1回、または春に緩効性肥料を少量
成長速度
中(夏はよく伸び、冬は休眠して止まる)
毒性
全草、とくに白い樹液に強心配糖体を含み有毒。人も犬や猫も、口にすると嘔吐や心臓への影響が出るおそれがある。樹液が皮膚に付くとかぶれることがあるので、作業時は手袋を着け、子どもやペットの手の届かない場所に置く
春から秋は屋外の日なたで乾いたらたっぷり水を与え、冬は10°C以上で葉が落ちたら水を止めます。樹液は有毒なので、作業のときは必ず手袋を着けます。
良い株は、幹を軽く押しても硬く張りがあり、しわや柔らかい部分がないこと、葉の色が濃く艶があること、枝先に蕾が付いていることの3点で見分けます。塊根の形を楽しみたい場合は、実生(種から育てた)株を選ぶと、幹が太りやすく根上げの仕立てにも向きます。
避けたいのは、幹の根元が黒ずんでいたり、押すとへこんだりする株です。幹の内部が腐っている可能性があります。冬に葉のない状態で売られている株は休眠中なので、幹の張りで状態を判断し、購入後は暖かい窓辺で水を控えて春を待ちます。
5〜9月は、雨の当たりにくい屋外の日なたで1日6時間以上日に当てるのが理想です。アデニウムは日照が花付きに直結し、光が足りないと枝が細く伸びて蕾が付きません。屋外へ出すのは最低気温が15°Cを超える5月頃からで、室内で冬を越した株は1〜2週間半日陰で慣らしてから日なたへ移します。真夏の直射日光にも強いですが、鉢が熱くなりすぎないよう、コンクリートの上には直接置かず台に乗せます。長雨が続くときは軒下へ移します。最低気温が15°Cを下回り始める10月には室内へ取り込みます。冬は日当たりの良い窓辺に置き、夜は冷え込む窓際から離します。
よくある失敗は、室内の窓辺だけで一年中育てて、枝ばかり伸びて花が咲かないことです。夏の間だけでも屋外の日なたに出すと、花付きが大きく変わります。
水やりは季節で大きく変わります。生育期の5〜9月は、土が乾いたら鉢底から流れるまでたっぷり与えます。真夏の晴天が続く時期は3〜5日に1回が目安で、水が足りないと蕾が落ちやすくなります。9月下旬からは間隔を少しずつ広げ、気温が下がって葉が黄色くなり始めたら水を控えます。冬に葉がすべて落ちて休眠したら断水し、幹にしわが目立つ場合だけ、暖かい日の午前中に月1回ごく少量与えます。春は新芽が動き出してから水やりを再開します。
よくある失敗は、葉の落ちた冬に、夏と同じように水を与えて幹を腐らせることです。幹を指で押して柔らかくへこむなら腐敗のサインなので、すぐに水を止め、傷んだ部分を確認します。
市販の多肉植物用土に、軽石小粒を2〜3割足すと水はけが安定します。自分で配合するなら、硬質赤玉土小粒4、軽石小粒4、腐葉土2が目安です。鉢底には鉢底石を2〜3cm敷きます。鉢は通気性と排水の良い素焼き鉢やスリット鉢が向き、株に対して大きすぎない鉢を選ぶと土が乾きやすく、根腐れを防げます。元肥として緩効性肥料を少量混ぜます。水もちの良い草花用培養土をそのまま使うと、冬の休眠中に幹が腐りやすくなるため、水はけを最優先にします。
アデニウムは、切った枝の下から新しい枝が2〜3本分かれて伸び、その先に花を付けます。剪定の適期は生育が始まる5〜6月です。枝数を増やして花をたくさん咲かせたい場合は、伸びた枝を半分ほどの長さで切り戻します。幹を低く太く仕立てたい場合は、幹の高さ10〜15cmほどで切る強い剪定も行われますが、株が充実していることが前提です。切り口から白い樹液が出るので、ティッシュで押さえて止め、雨の当たらない場所で乾かします。
よくある失敗は、素手で作業して樹液が手に付き、そのまま目や口を触ることです。ゴム手袋を着け、樹液が付いたらすぐ石けんと流水で洗います。秋の剪定は休眠前に回復しきれないため避けます。
時期と道具を用意する
生育が始まる5〜6月の晴れた日に行います。清潔なハサミかカッター、ゴム手袋、ティッシュを用意します。
切る枝と高さを決める
細く伸びた枝や混み合う枝を選び、残したい樹形を考えます。枝数を増やすなら、伸びた枝を半分ほどの長さで切ります。
手袋を着けて切る
手袋を着け、枝を切ります。切った位置の下から新しい枝が2〜3本分かれて伸び、その先に花が付きます。
樹液を止めて乾かす
切り口から出る白い樹液をティッシュで押さえて止め、雨の当たらない場所で切り口を乾かします。樹液が肌に付いたらすぐ洗います。
日なたで新芽を待つ
剪定後は日なたで管理し、土が乾いたら水を与えます。2〜3週間で新芽が動き、夏から秋に枝先へ花が咲きます。
植え替えは1〜2年に1回、気温が上がる5〜6月に行います。鉢底から根が出ている、水が染み込みにくい、幹が鉢いっぱいに太ったといった様子が合図です。数日前から水を止めて土を乾かし、鉢から抜いて古い土を半分ほど落とし、黒く傷んだ根を切ります。一回り大きな鉢に乾いた用土で植え、水は1週間ほどあけてから与えます。植え替えのたびに株元の太い根を少しずつ土の上に出す「根上げ」をすると、幹と根が一体になった独特の姿に仕立てられます。
よくある失敗は、寒い時期に植え替えて根が動かないまま腐らせることです。休眠中の株は植え替えず、最低気温が15°Cを超えてから作業します。
時期と道具をそろえる
最低気温が15°Cを超える5〜6月に行います。一回り大きな鉢、多肉植物用土、鉢底石、ゴム手袋、清潔なハサミを用意し、数日前から水を止めます。
手袋を着けて株を抜く
樹液に備えて手袋を着け、鉢の縁を叩いて根鉢ごと抜きます。幹を強く握ると傷むので、根鉢の下から支えます。
古い土と傷んだ根を整理する
古い土を半分ほど落とし、黒く柔らかい根を切ります。切り口から樹液が出たら拭き取り、数時間乾かします。
乾いた用土で植え付ける
鉢底石を2〜3cm敷き、乾いた新しい用土で植えます。根上げをする場合は、太い根の上部を1〜2cm土の上に出して植えます。
1週間あけて水を与える
植え付け後は明るい日陰で休ませ、1週間後に鉢底から流れるまで水を与えます。その後1週間ほどで日なたへ戻します。
アデニウムは種まきと挿し木で増やせます。ぷっくりした塊根の株を育てたいなら種まきが向きます。種は鮮度が大切で、5〜7月に湿らせた土の上に置いて薄く覆土し、25〜30°Cに保つと数日〜1週間ほどで発芽します。発芽後は日に当て、本葉が4〜6枚になったら小鉢に分けます。挿し木は5〜7月に、元気な枝を10〜15cmに切り、樹液を洗って切り口を数日乾かしてから乾いた用土に挿します。挿し木の株は幹が太りにくいため、塊根を楽しむなら種から育てた株を選びます。
よくある失敗は、低温で種をまいて発芽しないまま腐らせることです。気温が十分に上がってからまき、室内なら発芽用のヒーターマットを使うと安定します。
時期と道具を用意する
種まきも挿し木も5〜7月が適期です。新しい種か元気な枝、清潔なカッター、ゴム手袋、多肉植物用土と小鉢を用意します。
種を土の上にまく
湿らせた用土の上に種を並べ、2〜3mmほど薄く覆土します。25〜30°Cに保ち、土の表面が乾いたら霧吹きで湿らせます。
挿し穂を作って乾かす
挿し木の場合は、手袋を着けて元気な枝を10〜15cmに切り、樹液を水で洗い流します。切り口を日陰で数日乾かします。
乾いた土に挿す
乾いた多肉植物用土に挿し穂を2〜3cm挿し、明るい日陰に置きます。水は1週間ほどあけてから少量ずつ与えます。
育った苗を鉢に分ける
実生苗は本葉が4〜6枚になったら小鉢に1本ずつ植え替えます。挿し木は1か月ほどで根が出たら日なたで育てます。
生育期の新芽や蕾にはアブラムシ、乾燥期の葉裏にはハダニ、幹や枝の付け根にはカイガラムシが付きやすい植物です。アブラムシとハダニは、見つけたら水で強めに洗い流すのが手軽な対策です。カイガラムシは柔らかい歯ブラシでこすり落とし、数が多い場合は適用のある殺虫剤を使います。病気では、過湿による幹や根の腐敗が最も深刻で、冬の水やりと梅雨の長雨に注意します。屋外で管理すると、葉を食べるイモムシが付くこともあるので、葉が欠けていたら葉裏を確認します。
よくある失敗は、蕾が落ちる原因を病気と思い込むことです。多くは水切れや日照不足、急な環境の変化が原因なので、置き場所と水やりを先に見直します。
最低気温が15°Cを超える5月頃から、水やりを再開して屋外の日なたへ移します。1〜2週間は半日陰で慣らします。新芽が動き出したら液肥を始め、5〜6月は植え替えと剪定、種まきの適期です。急な強い日差しによる葉焼けに注意します。
最も生育する季節で、屋外の日なたで土が乾いたらたっぷり水を与え、液肥を2週間に1回続けます。花が次々に咲くので、水切れによる蕾落ちに注意します。長雨は軒下でしのぎ、鉢が熱くなりすぎないよう台に乗せます。アブラムシとハダニを確認します。
9月下旬から水やりの間隔を広げ、肥料は9月で止めます。最低気温が15°Cを下回り始めたら室内の日当たりの良い窓辺へ取り込みます。気温が下がると葉が黄色くなって落ち始めるので、それに合わせて水を控え、休眠の準備をします。
10°C以上の明るい室内に置き、葉が落ちて休眠したら断水します。休眠中に水と肥料を与えないでください。幹のしわが目立つときだけ、暖かい日の午前中に月1回ごく少量与えます。夜は窓際から離して冷え込みを避けます。暖房の風が直接当たる場所も避けます。
原因
冬の休眠中や梅雨の過湿による幹と根の腐敗。気温が低く水を吸わない時期に水を与え続けると起こりやすい。
対策
水を止めて鉢から抜き、手袋をして腐った部分を健全な組織が出るまで切り取ります。幹全体が傷んでいる場合は、元気な枝を挿し木にして株を残します。
原因
気温の低下による休眠。最低気温が15°Cを下回ると葉を落とし始めるのは自然な性質で、幹が硬ければ問題ない。
対策
10°C以上の明るい室内に置き、葉が落ちたら断水します。幹を押して硬ければ生きているので、春に気温が上がって新芽が動き出してから水やりを再開します。
原因
水切れ、日照不足、置き場所や向きの急な変化。真夏の水切れで株が蕾を落とすことが多い。
対策
晴天が続く時期は土が乾いたらすぐたっぷり水を与え、日なたに置いた株は動かさずに管理します。蕾にアブラムシが付いていないかも確認します。
原因
光不足による徒長。室内だけで育てた株や、日照時間の短い場所に置いた株に多い。
対策
5〜9月は屋外の日なたで1日6時間以上日に当てます。伸びた枝は5〜6月に半分ほどに切り戻すと、下から新しい枝が分かれて花が付きやすくなります。
原因
ハダニの寄生。乾燥した時期や、軒下などで雨の当たらない場所に置いた株の葉裏に発生しやすい。
対策
葉の裏に強めに水をかけて洗い流し、数日おきに繰り返します。被害が広がっている場合は適用のある殺ダニ剤を使い、傷んだ葉は取り除きます。
ここにない症状は症状から調べるで、葉の色・しおれ・虫・病気などから逆引きできます。

アデニウムの花は、直径5〜7cmほどのラッパ形で、5枚の花びらが星のように開きます。色は中心が白や淡いピンクで縁に向かって濃いピンクや赤になる品種が多く、白、赤、紫がかった色、八重咲きなど、タイなどで作られた交配種が数多く流通しています。日当たりの良い場所で育てると、5〜10月ごろに新しく伸びた枝の先に数輪ずつ咲き、1輪は数日〜1週間ほどもちます。
花が終わると自然に落ちるので、花がらは拾う程度で構いません。受粉すると、2本の角が向かい合うような細長いさやができ、熟すと綿毛の付いた種がはじけ出ます。種をまけば、塊根の太る実生株を育てられます。
アデニウム(砂漠のバラ)の花言葉として、「一目惚れ」「純粋な心」などが紹介されることがあります。乾いた土地で突然鮮やかな花を咲かせる姿が、見る人の心を一瞬でつかむことに由来するともいわれます。花の美しさと幹のユニークな姿から、開店祝いや新築祝いに選ばれることもありますが、樹液に毒があることを添えて贈ると安心です。
風水では、太く安定した幹を持つ植物は財をためる力を表すとされ、鮮やかな赤やピンクの花は南の方角に置くと活力や人気運を高めるといわれます。日当たりを好むので、南向きの明るい窓辺が株にとっても最適な場所です。樹液に毒があるため、子どもやペットの手の届かない高さに置いて楽しみます。
はい、白い樹液には強い毒があるので注意が必要です。アデニウムは強心配糖体という成分を含み、口にすると嘔吐や心臓への影響が出るおそれがあります。かつて自生地では矢毒に使われたとも伝えられています。剪定や植え替えではゴム手袋を着け、樹液が肌に付いたらすぐ石けんと流水で洗います。目に入った場合はよく洗い流して眼科を受診してください。子どもやペットが葉や枝をかじらない場所に置くことも大切です。
多くは寒さによる休眠で、枯れたわけではありません。アデニウムは気温が下がると葉を落として休眠し、春に暖かくなると新芽を出します。幹を指で押して硬く張りがあれば生きています。休眠中は10°C以上の明るい室内に置き、水は断水か月1回ごく少量にとどめます。幹が柔らかくへこむ場合は腐敗が進んでいるので、傷んだ部分を切り取り、健全な枝を挿し木にして株を残します。
最も多い原因は日照不足です。アデニウムは強い光を好み、室内の窓辺だけでは花芽が付きにくくなります。5〜9月は屋外の日なたで1日6時間以上日に当て、生育期に液肥を2週間に1回与えます。花は新しく伸びた枝の先に付くため、5〜6月に枝を切り戻して枝数を増やすと花の数も増えます。株がまだ若い実生株は、数年かけて充実してから咲くこともあります。
生育期によく日に当て、水と肥料をしっかり与えて株を充実させることが基本です。幹が太るのは、夏に光合成で作った養分を幹にためるためです。種から育てた実生株は幹が太りやすく、挿し木の株は太りにくい傾向があります。植え替えのたびに株元の太い根を少しずつ土の上に出す「根上げ」や、幹を低い位置で切って枝を分ける剪定を組み合わせると、ずんぐりした姿に仕立てられます。
水切れ、日照不足、急な環境の変化が主な原因です。真夏は土が乾くのが早く、水が足りないと株が蕾を落として体力を守ろうとします。晴天が続く時期は3〜5日に1回、土が乾いていればたっぷり与えます。蕾が付いた株を急に暗い室内へ移したり、向きを大きく変えたりしても落ちやすくなります。置き場所を決めたら動かさず、アブラムシが蕾に付いていないかも確認します。
執筆: Hapot編集部
植物を迎えたばかりの人が枯らさずに育てられるように、植物図鑑と症状別の記事を編集しているチームです。農林水産省や農研機構など公的機関の栽培指針を確認したうえで、温度や頻度を数値で示し、迷いやすい判断は結論から書くことを大切にしています。誤りや古くなった情報はお問い合わせから受け付け、確認のうえ更新しています。