苗・株の選び方
葉と葉の間が詰まり、ロゼットがぎゅっと締まった株を選びます。茎が長く伸びて葉がまばらなものは徒長株で、日光不足の環境で管理されていた可能性が高いです。葉にハリとツヤ(品種によっては白い粉)があり、下葉が黄色く溶けていないか、株元にカイガラムシの白い綿状のものが付いていないかを確認しましょう。鉢を軽く揺らしてグラつく株は根が傷んでいることがあります。購入適期は成長期に入る3〜5月と9〜10月。真夏と真冬に買った株は環境変化で傷みやすいので避けるのが無難です。
Hapot編集部より
エケベリア(Echeveria)は、バラの花のようなロゼット状に葉を重ねる姿が美しい、ベンケイソウ科の多肉植物です。メキシコを中心とした中南米の乾燥地帯が原産で、原種だけで180種以上、交配種を含めると数千品種が流通するといわれるコレクション性の高さが最大の魅力です。葉色は青白いものから紫、ピンク、黒に近いものまで幅広く、秋から冬には寒さと日光で鮮やかに紅葉する品種も多くあります。乾燥に強く水やりの手間が少ないため初心者にも育てやすい一方、日光不足だと姿が崩れやすいので、ベランダや南向きの窓辺など日当たりの良い置き場所を確保できる方に向きます。手のひらサイズの鉢で楽しめるので、省スペースで植物を集めたい方や寄せ植えを作りたい方にもぴったりです。

水やり
土が完全に乾いてから(月2-3回)
日光
直射日光
適温
5-35°C
湿度
30-50%
土
多肉植物用土
肥料
春と秋に月1回薄い液肥
成長速度
遅い
毒性
なし
葉と葉の間が詰まり、ロゼットがぎゅっと締まった株を選びます。茎が長く伸びて葉がまばらなものは徒長株で、日光不足の環境で管理されていた可能性が高いです。葉にハリとツヤ(品種によっては白い粉)があり、下葉が黄色く溶けていないか、株元にカイガラムシの白い綿状のものが付いていないかを確認しましょう。鉢を軽く揺らしてグラつく株は根が傷んでいることがあります。購入適期は成長期に入る3〜5月と9〜10月。真夏と真冬に買った株は環境変化で傷みやすいので避けるのが無難です。
日当たりと風通しの良い場所で育てると、バラの花のようなロゼットが締まって美しくなります。理想は屋外の日なた(真夏のみ遮光30〜50%か半日陰)。室内の窓辺だけでは光量不足になりがちで、茎が伸びて形が崩れる「徒長」の最大原因になります。徒長した姿は元に戻らないため、「よく日に当て、風に当てる」が美形維持の絶対条件です。雨ざらしは蒸れと徒長を招くので、屋外では雨の当たらない軒下がベスト。寒さは0°C程度まで耐えますが、霜と凍結は避けてください。
「土が完全に乾いてから数日後に、たっぷり」が基本リズムです。春と秋の成長期は週1回〜10日に1回、夏と冬の休眠期は月1〜2回に減らします(断水気味でOK)。葉に水を蓄えているため水切れにはめっぽう強く、下葉がシワシワになってから与えても十分間に合います。逆に過湿は即根腐れに直結。水やり時はロゼットの中心に水を溜めないよう株元に注ぎ、溜まったらティッシュで吸い取ってください。
剪定は不要ですが「枯れた下葉の除去」が大切な手入れです。ロゼットの下の葉は成長とともに自然に枯れるので、カラカラに乾いたらそっと外します。放置すると蒸れてカイガラムシの隠れ家になります。徒長したり、茎が伸びて古株になったりしたら「胴切り」でリセット:頭をカットして切り口を乾かし、挿し木にすれば締まった姿に再生できます。残った茎からも子株が吹きます。
1〜2年に1回、成長期の入り口(3〜4月か9〜10月)に。鉢底から根が出る、土の乾きが早すぎる、株が鉢からはみ出す、が植え替えサインです。植え替えの1週間前から水を切り、乾いた状態で鉢から抜いて古い土を落とし、枯れた根を整理して多肉植物用土へ。植え替え後は1週間ほど水を与えず、根の傷を乾かしてから水やりを再開します。この「乾かしてから」が多肉植物の植え替えの鉄則です。
葉挿し・挿し木(胴切り)・株分けと、増やす楽しみが豊富です。葉挿しは、元気な葉を付け根からきれいに外して乾いた土の上に置いておくだけ。数週間で葉の付け根から子株と根が出ます(水やり不要、発根後に霧吹き開始)。挿し木は徒長株の頭をカットして切り口を1週間乾かし、土に挿す方法。株元の子株を外す株分けも簡単です。適期はいずれも春と秋。エケベリアの品種コレクションが増える最大の楽しみです。
カイガラムシ(特に白いワタムシ状のコナカイガラムシ)がロゼットの隙間や葉の付け根に付きやすいので、見つけたらピンセットや爪楊枝で除去し、多発時は薬剤を。それ以上に多い失敗は病害虫ではなく「蒸れ」です。梅雨〜夏の高温多湿で株が突然溶けるように腐る(ジュレる)ことがあり、予防は風通し・断水気味の管理・雨よけの3点セット。枯れ葉をこまめに取り除くことも蒸れ対策になります。
成長期。月1回薄い液肥を。屋外に出す場合は急な直射日光を避けて徐々に慣らします。
高温多湿が苦手。風通しの良い半日陰で管理し、水やりは涼しい夕方に。
秋も成長期。紅葉する品種は日光と寒暖差で美しく色づきます。
水やりを月1回に減らし、5°C以上を保つ。霜に当てると枯れるので屋内管理を。
原因
水のやりすぎによる根腐れ
対策
水やりを中止し、風通しの良い場所で乾燥させる
原因
日光不足
対策
日当たりの良い場所に移動する
エケベリアの花言葉は「優美」「たくましさ」「穏やか」です。バラの花のように整然と葉を重ねる優雅な姿から「優美」が、乾燥した岩場でも水をたくわえて生き抜く強さから「たくましさ」が生まれたとされます。春に伸びる花茎の先に咲くベル形の花も控えめで愛らしく、贈り物にも向く花言葉がそろっています。
風水では、エケベリアのように葉が放射状に広がる植物は気を周囲に広げ、人間関係や金運を活性化するとされます。丸みのある肉厚な葉は「金運をたくわえる」象徴ともいわれ、リビングや西側の窓辺に置くと良いとされます。トゲのあるサボテンと違って邪気を跳ね返す性質はないため、玄関や寝室にも置きやすい多肉です。ただし風水以前に日光が不可欠な植物なので、暗い玄関に置くと徒長して運気どころか株姿が崩れます。明るい窓辺を基本に、こまめに日に当てて元気な状態を保つことが開運の前提です。
紅葉のカギは「日光・寒さ・肥料を控えること」の3つです。10月頃から日中はよく日に当て、夜は5〜10°C程度の寒さに当てると、昼夜の寒暖差でアントシアニンが増えて色づきが進みます。秋以降は肥料を与えず、水やりも月1〜2回に控えると葉がさらに引き締まって発色が良くなります。室内の暖かい場所に置きっぱなしだと寒暖差がつかず、緑のままになりがちです。霜と0°C以下は傷みの原因になるので、寒波の夜だけ軒下や室内に取り込んでください。桃太郎や紅司など、もともと紅葉しやすい品種を選ぶのも近道です。
成功率を上げるポイントは「葉の付け根を傷つけずに外すこと」です。葉を左右に小さく揺らしながら、茎との接合部(成長点)ごときれいに外します。途中でちぎれた葉からは芽が出ません。外した葉は水やりせず、乾いた土の上に置くだけにして明るい日陰で管理します。2〜3週間で根と小さな芽が出たら、霧吹きで軽く湿らせ始めます。適期は気温20°C前後の4〜6月と9〜10月で、真夏と真冬は発根しにくいです。元気な株の中段のふっくらした葉を使うと成功率が上がります。
エケベリアは高温多湿が苦手で、日本の梅雨〜真夏が一年で最も危険な時期です。ポイントは「遮光・断水気味・風通し」の3つ。6〜8月は直射日光を避けて30〜50%程度の遮光下か明るい日陰に置き、水やりは月1〜2回、夕方の涼しい時間に土の表面が湿る程度にとどめます。蒸れを防ぐため、ベランダではコンクリート床に直置きせず、棚やスノコの上に置いて風が抜けるようにしましょう。雨ざらしは蒸れの原因になるため、梅雨時期は必ず雨の当たらない場所へ移動してください。
株の体力を優先するなら、花茎は早めに切るのがおすすめです。春に伸びる花茎は開花までに多くの養分を使うため、小さな株や弱った株では葉がやせる原因になります。花を楽しみたい場合は、元気な株なら咲かせても問題ありません。咲き終わったら花茎を根元から2〜3cm残してハサミで切り、残りは自然に枯れてから取り除きます。なお、切った花茎の上部に付く小さな葉も葉挿しに使えることがあり、貴重な品種を増やしたいときに役立ちます。
拭き取らないでください。葉の表面の白い粉は「ブルーム(果粉)」と呼ばれるロウ質の保護層で、強い日差しや乾燥、病気から葉を守る役割があります。一度こすれて取れた部分は再生せず、跡が残ったままになります。水やりのときに葉に水をかけたり、手で触ったりするだけでも取れてしまうので、株元に静かに水を与え、持ち運ぶときは鉢を持つようにしましょう。ラウイやカンテなど粉が美しい品種ほど、扱いはていねいに。粉がまだらに取れている販売株は避けるのが賢明です。
適切に管理すれば10年以上育てられます。ただし年数が経つと下葉が枯れ上がって茎が木のように立ち上がり、いわゆる「木立ち」した姿になります。これは老化ではなく自然な成長で、あえて盆栽のように楽しむ愛好家もいます。姿を若返らせたい場合は、春か秋にロゼットの数cm下で茎を切る「胴切り」を行い、切り口を1週間ほど乾かしてから土に挿すと発根して仕立て直せます。残った茎からも子株が吹くので、1株が2〜3株に増えるのも楽しみのひとつです。