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サンスベリアの育て方

Dracaena trifasciata最終更新日:
編集部

Hapot編集部より

サンスベリア(Dracaena trifasciata)は、虎の尾を思わせる縞模様の葉が剣のように直立する、キジカクシ科の多肉質な観葉植物です。アフリカの乾燥地帯原産で、葉に水を蓄えるため極めて乾燥に強く、水やりは月1〜2回、冬はゼロでも越せるほど。「観葉植物を何度も枯らしてしまった」という人にこそ試してほしい、最も枯らしにくい植物のひとつです。NASAの空気清浄研究で取り上げられたことから「空気をきれいにする植物」としても有名になりました。縦のラインを強調するシャープな草姿はモダンなインテリアと相性が良く、省スペースで置けるため一人暮らしのワンルームにも最適。定番のローレンティーのほか、棒状のスタッキー、小型のハニーなど品種も豊富で、耐陰性もあるため寝室や書斎、オフィスのデスクまわりでも育てられます。

分類・基本データ

キジカクシ科
サンスベリア属 Dracaena (Sansevieria)
サンスベリア
別名
トラノオ、虎の尾、サンセベリア、サンスベリア・ローレンティー
原産地
アフリカ西部(ナイジェリア〜コンゴ周辺)の乾燥地帯原産。雨の少ない岩場や砂地に自生し、肉厚の葉に水分を蓄えて乾季を耐えます。
大きさ
室内鉢植えで30cm〜1m程度。代表品種ローレンティーは60cm〜1m、小型のハニーは15〜20cm、棒状のスタッキーは50cm前後と、品種によりサイズ感が大きく異なります。

育て方サマリ

水やり

月1-2回(冬は完全断水)

日光

間接光

適温

10-30°C(最低10°C以上)

湿度

30-50%

多肉植物用土、または赤玉土5:鹿沼土3:腐葉土2

ケアのポイント

肥料

春〜秋に月1回薄い液肥(冬は不要)

成長速度

遅い

毒性

ペットに有毒(サポニン含有)

最大の注意点は水のやりすぎ。根腐れが最も多い枯れる原因です。冬(気温15°C以下)は完全に水を断つことで安全に越冬できます。葉がシワシワになっても水をあげれば復活することが多い丈夫な植物です。株分けや葉挿しで増やせますが、葉挿しの場合は斑入り模様が消える品種もあるので注意。植え替えは2-3年に1回、5-8月が適期です。

育て方の詳細

苗・株の選び方

葉が肉厚でピンと張り、株元を軽く揺らしてもぐらつかない株を選びましょう。縞模様がくっきり出ているものほど良く日に当てられた健康な株です。葉の根元に黒ずみや柔らかい部分がある株は根腐れの恐れがあるので避けてください。鉢底から見て根が回りすぎていないかも確認を。購入適期は成長期の5〜9月。冬は店頭でも休眠しており、購入後の環境変化で傷みやすいため避けるのが無難です。

置き場所・日当たり

日当たりの良い窓辺〜明るい半日陰まで幅広く対応します。本来は強光を好むため、レースカーテン越しの明るい窓辺に置くと葉が締まった良い株姿に育ちます。耐陰性もあり暗めの場所でも枯れませんが、光不足が続くと葉が細く間延びし、倒れやすくなります。真夏の直射日光は葉焼けすることがあるので西日には注意。寒さが最大の弱点で、10°Cを下回ると生育が止まり、5°C以下で株が傷みます。冬は窓際を避け、部屋の暖かい場所へ移動してください。

水やりの詳細

「乾かし気味」が鉄則です。多肉質の葉に水を蓄えるため乾燥には非常に強く、枯らす原因のほぼ100%が水のやりすぎ。春〜秋は土が完全に乾いてから2〜3日後にたっぷり、頻度にして2週に1回程度で十分です。冬(15°C以下)は月1回以下、10°Cを下回る環境なら完全に断水して構いません。断水した株は春に水やりを再開すれば復活します。受け皿の水は必ず捨て、葉の付け根(ロゼットの中心)に水が溜まらないよう株元の土に注ぐのがコツです。

剪定・切り戻し

基本的に剪定不要の手間いらずな植物です。外側の古い葉が枯れたり倒れたりしたら、株元からハサミで切り取る程度でOK。葉先が枯れ込んだ場合、その部分だけ斜めにカットすれば見た目は整いますが、切り口から先は再生しません。株が鉢いっぱいに増えて窮屈になってきたら、剪定ではなく株分けのタイミングです。

植え替え

2〜3年に1回、5〜8月の暖かい時期に。鉢がパンパンに張る・鉢底から地下茎が出る・株が鉢を押し広げるほど増える、が植え替えサインです。サンスベリアは根腐れ防止を最優先に、水はけの良い土(市販のサンスベリア用土、または赤玉土6:軽石3:腐葉土1)を使います。植え替え後は1週間ほど水を与えず、根の傷を乾かしてから水やりを再開するのが多肉系ならではの重要ポイント。同時に株分けすれば簡単に数を増やせます。

増やし方

株分けと葉挿しの2通り。確実なのは株分けで、植え替え時に地下茎をナイフで切り分け、子株を独立させるだけです。葉挿しは、葉を10cm程度に切り分けて切り口を2〜3日乾かし、乾いた土に浅く挿します。発根までは1〜2か月と時間がかかり、水を与えすぎると腐るので「忘れるくらい放置」がコツ。なお斑入り品種(ローレンチなど)を葉挿しすると斑が消えた子株になるため、斑を残したい場合は必ず株分けで増やしてください。

病害虫対策

病害虫には非常に強い植物です。稀にカイガラムシとハダニが付く程度で、見つけたら拭き取り・こすり落としで十分対処できます。最大の敵は虫ではなく「過湿による根腐れと軟腐病」。葉の根元がブヨブヨして異臭がしたら軟腐病のサインで、傷んだ部分を切除して乾かし気味に管理します。予防はとにかく水を控えることと、風通しの確保です。

季節ごとの管理

春の管理

成長期の始まり。水やりを再開し、月1回の液肥を開始。植え替えの適期。

夏の管理

成長期。水やりは月2回程度。高温には強い植物です。

秋の管理

水やり頻度を減らしていきます。肥料は9月で終了。

冬の管理

15°C以下になったら水やりを完全に停止。暖かい室内で管理しますが、暖房の温風には注意。

よくあるトラブルと対策

葉がブヨブヨになる

原因

水のやりすぎによる根腐れ

対策

水やりを完全に止め、腐った部分を切除。新しい土に植え替え

葉が倒れる

原因

根詰まり、光不足

対策

植え替えて根にスペースを与え、明るい場所に移動

葉先が茶色くなる

原因

乾燥しすぎ、肥料焼け

対策

適度に水やりし、肥料を薄めに

サンスベリアの花言葉・風水

花言葉

サンスベリアの花言葉は「永久」「不滅」です。乾燥にも日陰にも耐え、過酷な環境でも枯れずに育ち続ける強い生命力に由来します。縁起の良い言葉なので、開店祝いや新築祝い、長寿のお祝いの贈り物として定番の植物です。数年に一度、白く香りの良い花を咲かせることもあります。

風水・縁起

風水では、サンスベリアのように上に向かって鋭く伸びる葉は「陽の気」を発し、邪気を払う魔除けの植物とされます。悪い気が入りやすいとされる玄関に置けば厄除けに、トイレや洗面所など陰の気がこもりやすい水回りに置けば空間の気を浄化するといわれます。また鋭い葉は集中力を高めるとされ、書斎や仕事部屋にも好適です。方角では鬼門にあたる北東に置いて悪い気を防ぐ使い方が人気。耐陰性が高く水やりも少なくて済むため、こうした置き場所を実際に維持しやすいのも利点です。

サンスベリアのよくある質問

Qサンスベリアを寝室に置くと空気がきれいになるって本当?回答を見る
A

サンスベリアはNASAのクリーンエア研究(1989年)で、ホルムアルデヒドなどの揮発性有害物質を吸着する植物のひとつに挙げられました。またCAM型光合成という性質を持ち、夜間に気孔を開いてCO2を取り込むため「寝室向き」といわれます。ただし研究は密閉空間での実験で、実際の住宅で体感できるレベルの空気清浄効果を得るには相当な数の鉢が必要というのが現実的な見方です。空気清浄機の代わりにはなりませんが、寝室のインテリアと安らぎ効果を兼ねた一鉢としては十分におすすめできます。

Qサンスベリアの冬の水やりは本当にゼロでいいの?回答を見る
A

室温が15°Cを下回る環境なら、11月〜3月頃まで完全断水で問題ありません。サンスベリアは寒い時期に休眠し、水を吸わなくなるため、この時期の水やりはそのまま根腐れにつながります。断水すると葉に多少シワが寄りますが、春に水やりを再開すれば戻ります。一方、暖房で常時20°C前後に保たれている部屋では完全には休眠しないため、月1回程度、暖かい日の午前中に少量与えてください。迷ったら「あげない」を選ぶのがサンスベリアの鉄則です。

Qサンスベリアの葉挿しで模様(斑)が消えるのはなぜ?回答を見る
A

ローレンティーなどの葉の縁に黄色い斑が入る品種は、斑の部分の遺伝情報が葉挿しでは引き継がれないためです。葉挿しで出る新芽は葉の内部組織から作られるため、緑一色の「原種に近い姿」に戻ってしまいます。これは失敗ではなく植物学的に正常な現象です。黄色い縁取りを保ったまま増やしたい場合は、株分けで子株を親株から切り離す方法を選んでください。株分けなら親と同じ姿の株が確実に得られ、適期は5〜8月です。

Qサンスベリアの株分けのタイミングと方法は?回答を見る
A

鉢の中が子株でぎゅうぎゅうになってきたら株分けのサインで、適期は気温が十分上がる5〜8月です。鉢から株全体を抜き、土を落として地下茎でつながった子株を確認し、子株に葉が3〜4枚と根が付いた状態で清潔なナイフで切り分けます。切り口を半日ほど乾かしてから、新しい水はけの良い土に植え付けてください。植え付け後1週間は水を与えず、その後も最初の1か月は控えめに。早ければ翌年には子株がさらに子株を出すほど、よく増える植物です。

Qサンスベリアは屋外やベランダでも育てられますか?回答を見る
A

5〜9月の暖かい時期なら屋外でもよく育ち、室内より葉の縞模様が鮮明になり株も締まります。ただし真夏の直射日光は葉焼けの原因になるため、明るい半日陰か午前中だけ日が当たる場所が理想です。梅雨どきは雨ざらしにすると過湿で根腐れしやすいので、軒下など雨の当たらない場所に置いてください。最低気温が15°Cを下回る10月頃には必ず室内に取り込みを。耐寒温度は10°C程度で、霜に一度当たるだけで葉が溶けるように傷むため、屋外での越冬はできません。

Qサンスベリアに花が咲くことはありますか?回答を見る
A

あります。株が十分に成熟すると、初夏〜秋に株元から細長い花茎を伸ばし、白〜淡い緑色の小花を房状に咲かせます。夜に強く香る上品な甘い香りが特徴で、蜜がしずくのように垂れることもあります。開花は数年に一度あるかないかの珍しい現象で、「咲くと縁起が良い」ともいわれます。開花しても株は枯れませんが、花に養分を取られて葉の成長は一時的に鈍るため、観賞後は花茎を根元から切り取るのがおすすめです。やや根詰まり気味で日当たりの良い環境のほうが花芽が付きやすい傾向があります。

サンスベリアの品種一覧

サンスベリア としてまとめている他の品種です。

品種大きさの目安難易度水やり
サンスベリア(本記事)室内鉢植えで30cm〜1m程度。代表品種ローレンティーは60cm〜1m、小型のハニーは15〜20cm、棒状のスタッキーは50cm前後と、品種によりサイズ感が大きく異なります。初心者向け月1-2回(冬は完全断水)
サンスベリア・シリンドリカ室内で30cm〜1m。葉が扇状に広がるタイプと、編み込み仕立てで流通。初心者向け土が完全に乾いてから(2〜3週に1回程度)
サンスベリア・ゼラニカ室内で30cm〜80cm。4〜8号鉢で流通し、群生株は迫力ある姿に。初心者向け土が完全に乾いてから(2週に1回程度)
サンスベリア・ムーンシャイン室内で20〜60cm。4〜6号鉢の卓上〜中型サイズで流通。初心者向け土が完全に乾いてから(2週に1回程度)
サンスベリア・ローレンチ室内で30cm〜1m。4号鉢の卓上サイズから10号鉢の床置きまで幅広く流通。初心者向け土が完全に乾いてから(2週に1回程度)