苗・株の選び方
良い株は、幹や根元を軽く押しても硬く張りがあり、しわや柔らかい部分がないこと、枝先の芽がふっくらしていること、鉢の中で株がぐらつかないことの3点で見分けます。塊根らしい姿を楽しみたい場合は、根元がよく太った実生株を選びます。
避けたいのは、幹の根元が黒ずんでいたり、押すとへこんだりする株です。内部が傷んでいる可能性があります。冬に葉のない状態で売られている株は休眠中なので、幹の張りで状態を判断し、購入後は暖かい窓辺で水を控えて春を待ちます。
Hapot編集部より
ブルセラは、枝や葉に触れると樹脂のさわやかな香りが立つ、幹や根元が太る塊根植物(コーデックス)です。メキシコなどの乾燥地に自生するカンラン科の植物で、日本ではブルセラ・ヒンドシアナやブルセラ・ファガロイデスなどが、盆栽のような姿を楽しむ観賞用の鉢植えとして流通しています。樹皮が紙のようにはがれる種や、緑がかった幹肌を持つ種もあり、小さな鉢の中で古木のような雰囲気を作れるのが魅力です。夏型の植物で、春から秋にかけて日なたで育てると葉を茂らせて少しずつ幹を太らせ、気温が下がる秋から冬には葉を落として休眠します。冬は葉が落ちたら断水気味にし、5°C以上、できれば10°C前後の明るい室内で休ませる、これが冬越しの基本です。成長はゆっくりで、流通量が多くないため、実生(種から育てた)株は比較的高価です。増やすのは難しい部類ですが、種まきや挿し木に挑戦する愛好家もいます。乾燥にはとても強い一方、過湿と寒さには弱いため、水はけの良い土で乾かし気味に育てます。

水やり
5〜9月は土が完全に乾いたらたっぷり(夏は5〜7日に1回が目安)。葉が落ちる冬は断水か月1回ごく少量
日光
直射日光
温度の目安
10-35°C(冬は5°C以上、10°C前後あると安心。霜には当てない)
湿度
30-50%
土
水はけの良い多肉植物用土(軽石・硬質赤玉土主体)
大きさの目安
鉢植えでは高さ15〜50cmほどの小型の株が中心で、根元や幹がゆっくり太ります。自生地では低木から高木まで種によってさまざまです。流通は2〜5号鉢の実生株が多くみられます。
成長の速さ
遅い(夏に枝が少し伸び、幹は年単位でゆっくり太る)
温度の目安(耐寒〜耐暑)
10-35°C(冬は5°C以上、10°C前後あると安心。霜には当てない)
肥料
5〜9月に薄めた液肥を月1〜2回、または春に緩効性肥料を少量
成長速度
遅い(夏に枝が少し伸び、幹は年単位でゆっくり太る)
毒性
人やペットへの毒性はとくに知られていないが、口にしないよう置き場所に注意する。樹脂が肌に合わない人は作業時に手袋を着ける
春から秋は屋外の日なたで土が乾いたらたっぷり水を与え、冬は葉が落ちたら水を止めて休ませます。過湿と寒さが最大の失敗の原因です。
良い株は、幹や根元を軽く押しても硬く張りがあり、しわや柔らかい部分がないこと、枝先の芽がふっくらしていること、鉢の中で株がぐらつかないことの3点で見分けます。塊根らしい姿を楽しみたい場合は、根元がよく太った実生株を選びます。
避けたいのは、幹の根元が黒ずんでいたり、押すとへこんだりする株です。内部が傷んでいる可能性があります。冬に葉のない状態で売られている株は休眠中なので、幹の張りで状態を判断し、購入後は暖かい窓辺で水を控えて春を待ちます。
5〜9月は、雨の当たりにくい屋外の日なたで、できるだけ長く日に当てるのが理想です。ブルセラは強い光と高温を好み、日照が足りないと枝が細く間延びし、葉の色も薄くなります。屋外へ出すのは最低気温が15°Cを超える5月頃からで、室内で冬を越した株は1〜2週間ほど半日陰で慣らしてから日なたへ移します。真夏は鉢が熱くなりすぎないよう、コンクリートの上に直接置かず台に乗せます。長雨が続く梅雨は、軒下など雨の当たらない場所へ移します。最低気温が12〜15°Cを下回り始める10月頃には室内へ取り込みます。冬は日当たりの良い窓辺に置き、夜は冷え込む窓際から少し離します。
よくある失敗は、一年中室内で育てて、幹が太らず枝ばかり伸びることです。夏の間は屋外の日なたに出すと、株が締まって育ちます。
ブルセラは乾燥にとても強い反面、過湿で根や幹が傷みやすい植物です。生育期の5〜9月は、土が鉢の中まで完全に乾いてから、鉢底から流れ出るまでたっぷり与えます。真夏の晴天が続く時期は5〜7日に1回が目安で、梅雨や曇りの日が続くときは間隔をあけます。9月下旬からは水やりの間隔を少しずつ広げ、気温が下がって葉が黄色くなり始めたら水を控えます。冬に葉がすべて落ちて休眠したら断水し、幹や枝に強いしわが出る場合だけ、暖かい日の午前中に月1回ごく少量を与えます。春は新芽が動き出してから水やりを再開します。
よくある失敗は、葉の落ちた冬にも水を与え続けて、根を腐らせることです。幹を指で押して柔らかくへこむなら傷みのサインなので、すぐに水を止めて根の状態を確認します。
水はけを最優先にし、軽石や硬質赤玉土を主体にした用土を使います。市販の多肉植物用土に軽石小粒を2〜3割足すか、自分で配合するなら硬質赤玉土小粒4、軽石小粒4、腐葉土かココピート2が目安です。鉢底には鉢底石を2〜3cm敷きます。鉢は通気性と排水の良い素焼き鉢やスリット鉢が向きますが、盆栽のような浅い化粧鉢を使う場合は、土が乾くまでの時間を確かめながら水やりの間隔を調整します。株に対して大きすぎる鉢は土が乾きにくく、根腐れの原因になるので、根鉢より一回り大きい程度にとどめます。
ブルセラは成長がゆっくりなので、剪定は樹形を整えるための最小限にとどめます。適期は生育が始まる5〜6月で、間延びした枝や内側に向かって混み合う枝を、残したい芽の少し上で切ります。枝を切ると下の節から新しい枝が分かれることがあり、小さな盆栽のような姿に仕立てられます。切り口からは香りのある樹脂がにじむことがあるので、清潔な刃物を使い、雨の当たらない場所で切り口を乾かします。太い枝を切った場合は、癒合剤を塗っておくと乾燥と傷みを防げます。
よくある失敗は、休眠前の秋や冬に枝を切り、切り口から枯れ込ませることです。剪定は新芽が動き出してから行い、生育期の間に傷を回復させます。
時期と道具を用意する
新芽が動き出した5〜6月の晴れた日に行います。清潔なハサミ、手袋、太い枝用の癒合剤を用意します。
切る枝を見極める
間延びした枝や内側に向かって混み合う枝を選びます。成長が遅いので、切りすぎないよう残す枝を先に決めます。
芽の少し上で切る
残したい芽の5mmほど上で枝を切ります。下の節から新しい枝が分かれ、樹形が整っていきます。
切り口を乾かす
切り口ににじむ樹脂は拭き取り、雨の当たらない場所で乾かします。太い枝を切った場合は癒合剤を塗ります。
日なたで生育させる
剪定後は日なたで管理し、土が乾いたら水を与えます。生育期の間に切り口が回復し、新しい枝が伸びてきます。
植え替えは2〜3年に1回、気温が上がって新芽が動き出す5〜6月に行います。鉢底から根が出ている、水が染み込みにくくなったといった様子が合図です。数日前から水を止めて土を乾かし、鉢から抜いて古い土を半分ほど落とし、黒く傷んだ根や細かく枯れた根を整理します。一回り大きな鉢に乾いた新しい用土で植え付け、水は1週間ほどあけてから与えます。植え替えのときに太い根の上部を少しずつ土の上に出す「根上げ」をすると、幹と根が一体になった塊根らしい姿に仕立てられます。
よくある失敗は、休眠中の冬に植え替えて、根が動かないまま傷ませることです。作業は必ず生育期に入ってから行います。
時期と道具をそろえる
新芽が動き出す5〜6月に行います。一回り大きな鉢、多肉植物用土、鉢底石、清潔なハサミを用意し、数日前から水を止めます。
株を鉢から抜く
鉢の縁を叩き、根鉢の下から支えて株を抜きます。細い枝は折れやすいので、枝を持たずに根元を支えます。
古い土と傷んだ根を整理する
古い土を半分ほど落とし、黒く柔らかい根や枯れた細い根を切ります。健康な太い根はなるべく残します。
乾いた用土で植え付ける
鉢底石を敷き、乾いた新しい用土で植えます。根上げをする場合は、太い根の上部を1〜2cm土の上に出して植えます。
1週間あけて水を与える
植え付け後は明るい日陰で休ませ、1週間後に鉢底から流れるまで水を与えます。その後少しずつ日なたへ戻します。
ブルセラは種まきと挿し木で増やせますが、どちらも簡単ではなく、流通する株の多くは実生株です。種まきは5〜7月に、新しい種を湿らせた用土の上に置いて薄く覆土し、25〜30°Cほどの暖かい環境で土を乾かさないように管理します。発芽までの日数は種の状態でばらつき、発芽しないことも珍しくありません。挿し木は5〜7月に、元気な枝を10cmほどに切り、切り口を数日乾かしてから乾いた用土に挿し、明るい日陰で管理します。挿し木の株は根元が太りにくいため、塊根の姿を楽しむなら実生株が向きます。
よくある失敗は、気温の低い時期に挿し木をして、根が出ないまま枝を腐らせることです。最低気温が20°C前後になってから作業します。
時期と道具を用意する
種まきも挿し木も5〜7月が適期です。新しい種か元気な枝、清潔な刃物、多肉植物用土と小鉢を用意します。
種を土の上にまく
湿らせた用土の上に種を並べ、薄く覆土します。25〜30°Cほどの暖かい場所に置き、表面が乾いたら霧吹きで湿らせます。
挿し穂を作って乾かす
挿し木の場合は、元気な枝を10cmほどに切り、下の葉を取ります。切り口を日陰で数日乾かします。
乾いた土に挿す
乾いた用土に挿し穂を2〜3cm挿し、明るい日陰に置きます。水は1週間ほどあけてから少量ずつ与えます。
育った苗を鉢に分ける
実生苗は本葉が数枚になったら小鉢に1本ずつ植え替えます。挿し木は根が出て新芽が動いたら日なたで育てます。
比較的病害虫の少ない植物ですが、乾燥した時期の葉裏にはハダニ、枝や幹の付け根にはカイガラムシが付くことがあります。ハダニは葉の色がかすれて白っぽくなるのが目印で、葉の裏に水をかけて洗い流すと減らせます。カイガラムシは柔らかい歯ブラシでこすり落とし、数が多い場合は適用のある殺虫剤を使います。新芽にはアブラムシが付くこともあります。病気では、過湿による根や幹の腐敗が最も深刻で、冬の水やりと梅雨の長雨に注意が必要です。
よくある失敗は、秋に葉が黄色くなって落ちるのを病気だと思い込み、水や肥料を増やしてしまうことです。気温が下がって葉を落とすのは休眠の準備なので、水を控えて見守ります。
最低気温が15°Cを超え、新芽が動き出したら水やりを再開し、屋外の日なたへ移します。1〜2週間は半日陰で慣らします。5〜6月は植え替えと剪定の適期です。液肥は新しい葉が開いてから少量で始めます。
最も生育する季節です。屋外の日なたに置き、土が完全に乾いたらたっぷり水を与えます。梅雨の長雨は軒下でしのぎ、過湿を避けます。乾燥する時期はハダニに注意し、葉の裏に水をかけて予防します。
9月下旬から水やりの間隔を広げ、肥料は9月で止めます。最低気温が12〜15°Cを下回り始めたら、日当たりの良い室内へ取り込みます。葉が黄色くなって落ち始めたら、休眠に向けて水を控えます。
5°C以上、できれば10°C前後の明るい室内に置き、葉が落ちて休眠したら断水します。休眠中に水と肥料を与えないでください。幹のしわが強いときだけ、暖かい日の午前中にごく少量与えます。夜は窓際から離して冷え込みを避けます。
原因
過湿による根や幹の傷みです。葉の落ちた休眠中や梅雨の長雨の時期に、水を与え続けると起こりやすくなります。
対策
すぐに水を止めて鉢から抜き、傷んだ根や幹を健康な部分が出るまで切り取ります。切り口を乾かしてから乾いた新しい用土に植え直します。
原因
気温の低下による休眠です。葉を落として冬を越すのは自然な性質で、幹が硬ければ問題ありません。
対策
5°C以上、できれば10°C前後の明るい室内に置き、葉が落ちたら断水します。春に新芽が動き出してから水やりを再開します。
原因
日照不足です。室内だけで育てた株や、日の当たる時間が短い場所に置いた株に多い症状です。
対策
5〜9月は屋外の日なたでよく日に当てます。間延びした枝は5〜6月に芽の上で切り戻し、締まった枝を育て直します。
原因
ハダニの寄生です。乾燥した時期や、雨の当たらない軒下に置いた株の葉裏に発生しやすくなります。
対策
葉の裏に強めに水をかけて洗い流し、数日おきに繰り返します。数が多い場合は適用のある殺ダニ剤を使います。
原因
気温不足か、冬の過湿で根が傷んでいることが考えられます。ブルセラは芽吹きが遅めの植物です。
対策
幹が硬ければ暖かい日なたに置き、芽が動くまで水は控えめにして待ちます。幹が柔らかい場合は鉢から抜いて根を確認し、傷んだ部分を整理します。
ここにない症状は症状から調べるで、葉の色・しおれ・虫・病気などから逆引きできます。

ブルセラは、株が充実すると春から初夏、新しい葉が開くころに小さな花を付けることがあります。花は直径数mmほどの白から淡いクリーム色で、枝の先や葉の付け根にまとまって咲きますが、目立つ花ではありません。鉢植えでは数年育てた株でも咲かないことが多く、花より幹の姿と樹脂の香りを楽しむ植物と考えるとよいでしょう。
種によっては雄株と雌株があるとされ、実がなるかどうかは株によって異なります。咲き終わった花は自然に落ちるので、とくに手入れは必要ありません。
ブルセラには、広く知られた決まった花言葉は見当たりません。花は小さく目立たないため、花よりも幹の姿と樹脂の香りを楽しむ植物として扱われています。贈り物にする場合は、塊根植物を育てる楽しみや、冬に葉を落として休む性質を添えて伝えると喜ばれます。
ブルセラについて、風水で決まった意味づけはとくにありません。一般に、太くどっしりした幹を持つ植物は安定や蓄えを表すとされ、日当たりの良い南向きの窓辺に置くと、株の健康にも見た目にも良い場所になります。香りのある葉は、気分を切り替えたいときのアクセントとして楽しめます。
多くは寒さによる休眠で、枯れたわけではありません。ブルセラは気温が下がると葉を落として休み、春に暖かくなると新芽を出します。幹や枝を指で押して硬く張りがあれば生きています。休眠中は5°C以上、できれば10°C前後の明るい室内に置き、水は断水か月1回ごく少量にとどめます。幹が柔らかくへこむ場合は傷みが進んでいるので、水を止めて鉢から抜き、根の状態を確認します。
枝や葉に、香りのある樹脂を含んでいるためです。ブルセラはカンラン科の仲間で、同じ科には乳香や没薬の原料になる植物も含まれます。葉に触れたり枝を切ったりすると、柑橘や松を思わせるさわやかな香りが立ちます。香りの強さは種や株の状態によって違います。樹脂が肌に合わない人もいるので、剪定のときは手袋を着けると安心です。
生育期によく日に当て、乾いたらたっぷり水を与えて株を充実させることが基本です。幹が太るのは、夏に光合成で作った養分を幹や根にためるためで、成長はとてもゆっくりです。実生株は根元が太りやすく、挿し木の株は太りにくい傾向があります。植え替えのたびに太い根を少しずつ土の上に出す「根上げ」をすると、幹と根が一体になった塊根らしい姿に仕立てられます。
どちらもブルセラ属の種で、育て方はほぼ共通です。一般に、ヒンドシアナは葉が丸みを帯び、幹肌が灰色からやや赤みを帯びるものが多く、ファガロイデスは小さな葉が羽のように並び、樹皮が薄くはがれる姿が楽しめるとされます。ただし流通名と種の対応は販売元によって異なることもあるため、購入時に学名を確認すると安心です。どちらも夏は日なた、冬は暖かい室内で休ませます。
気温がまだ十分に上がっていないことが多いので、まずは焦らず待ちます。ブルセラは芽吹きが遅めで、最低気温が15°Cを超える5月頃になってから芽が動くこともあります。幹を押して硬く張りがあれば、日当たりの良い暖かい場所に置き、水は芽が動き出すまで控えめにします。芽が出る前に水を多く与えると根が傷むことがあります。幹が柔らかくなっている場合は傷んでいるので、根を確認します。
執筆: Hapot編集部
植物を迎えたばかりの人が枯らさずに育てられるように、植物図鑑と症状別の記事を編集しているチームです。農林水産省や農研機構など公的機関の栽培指針を確認したうえで、温度や頻度を数値で示し、迷いやすい判断は結論から書くことを大切にしています。誤りや古くなった情報はお問い合わせから受け付け、確認のうえ更新しています。