苗・株の選び方
良い株は3点で見分けます。茎が鮮やかな緑色で張りがあり、しわがないこと、株元の茎が黒ずまず硬いこと、茎の先に新しい芽が伸びていることです。吊り鉢の場合は、垂れた茎が途中で折れたり枯れたりしていないかも確かめます。
避けたいのは、茎全体が黄色や赤紫色に色あせた株と、株元が柔らかく茎が触れただけでポロポロ取れる株です。前者は日焼けや寒さ、後者は根腐れで弱っている可能性があります。茎の付け根にカイガラムシが付いていないかも見ます。
Hapot編集部より
リプサリスは、明るい日陰と適度な湿り気を好む、室内のハンギングに向いた育てやすいサボテンです。サボテンといっても砂漠に生える仲間とは性質が大きく異なり、中南米の熱帯雨林で木の幹や枝に根を張って暮らす森林性(着生)のサボテンです。そのため強い直射日光と極端な乾燥は苦手で、水やりや置き場所は観葉植物に近い感覚で管理します。多くの種はトゲがほとんどなく、細い棒状や鎖状、平たい葉のような茎を枝分かれさせながら垂らし、吊り鉢から緑のカーテンのように広がります。代表種には、糸のように細い茎が長く垂れるカスッサ(イトアシ)、短い茎が房状に付くケレウスクラ、節がくびれて鎖のようにつながるパラドクサなどがあります。冬から春に茎の脇へ小さな白い花を咲かせ、花後に白や淡いピンクの丸い実を付ける種もあります。冬は5°C以上を保ち、レースカーテン越しの光で育てるのが基本です。

水やり
春〜秋は土の表面が乾いたらたっぷり(夏は週2回前後、春秋は週1回程度)、冬は2週に1回程度。乾燥期は葉水
日光
半日陰
温度の目安
5-30°C
湿度
50-70%
土
水はけと水もちを両立した用土(観葉植物用土に軽石やバークを混ぜる)
大きさの目安
茎は種によって数十cmから1m以上垂れ下がります。家庭では3.5〜5号の吊り鉢で、茎の長さ30〜60cm前後のものがよく流通しています。
成長の速さ
中(種や環境により、茎が1年に10〜30cmほど伸びる)
温度の目安(耐寒〜耐暑)
5-30°C
肥料
4〜6月と9月に薄めた液肥を月2回
成長速度
中(種や環境により、茎が1年に10〜30cmほど伸びる)
毒性
ペットや人への毒性は低いとされる。茎は細く折れやすいので、子どもやペットがいたずらしない場所に
砂漠のサボテンと同じように乾かしすぎるのではなく、土の表面が乾いたら水を与え、乾燥する時期は葉水で湿り気を補います。直射日光は避け、レース越しの明るい場所に吊るします。
良い株は3点で見分けます。茎が鮮やかな緑色で張りがあり、しわがないこと、株元の茎が黒ずまず硬いこと、茎の先に新しい芽が伸びていることです。吊り鉢の場合は、垂れた茎が途中で折れたり枯れたりしていないかも確かめます。
避けたいのは、茎全体が黄色や赤紫色に色あせた株と、株元が柔らかく茎が触れただけでポロポロ取れる株です。前者は日焼けや寒さ、後者は根腐れで弱っている可能性があります。茎の付け根にカイガラムシが付いていないかも見ます。
リプサリスは森の木陰で育つサボテンなので、室内ならレースカーテン越しの明るい窓辺、屋外なら木漏れ日ほどの半日陰が適しています。窓から1m前後の位置に吊るすと、光が足りて茎が締まります。真夏の直射日光や西日には当てないでください。茎が黄色っぽく、または赤紫色に変わり、ひどいと焼けて茶色くなります。反対に窓から3m以上離れた暗い場所では、茎が細く間延びして花も付きにくくなります。屋外に出す場合は最低気温が10°Cを超える5月頃からにし、冬は5°C以上の室内で、夜は窓から50cmほど離します。
よくある失敗は、サボテンだからと南向きの窓辺の直射に置き、茎が色あせることです。レース越しの場所に移せば、新しく伸びる茎から緑色が戻ります。
砂漠のサボテンのように何週間も乾かす管理は合いません。生育期の4〜10月は、土の表面が乾いたら鉢底から流れるまでたっぷり与えます。目安は春秋が週1回、気温が高く乾きやすい7〜8月は週2回前後です。吊り鉢は風で乾きやすいので、指で土を触って確かめます。冬は生育がゆっくりになるため、表面が乾いてから2〜3日あけて2週に1回程度に減らします。空気が乾く季節は、霧吹きで茎全体に葉水をすると、着生植物らしく湿り気を好む株の調子が整います。
よくある失敗は、受け皿に水をためたままにして根を腐らせることです。株元の茎が黒ずんだら水を止め、乾き気味にして風通しの良い場所で様子を見ます。
水はけが良く、適度に水分も保つ用土が向いています。市販の観葉植物用土に軽石小粒かパーライトを2〜3割足すと手軽です。自分で配合するなら、赤玉土小粒5、腐葉土3、軽石小粒2が目安で、洋ラン用のバークを1割混ぜると根に空気が通りやすくなります。鉢底には鉢底石を2cmほど敷きます。乾きやすい砂漠のサボテン用土だけでは水もちが足りないことがあるため、使う場合は腐葉土を2割ほど足します。吊り鉢は乾きやすいので、水もちを少し高めにしても構いません。
リプサリスは基本的に剪定の必要が少ない植物ですが、茎が長く垂れすぎたり、混み合って内側が蒸れたりしたら整理します。適期は生育期の5〜6月か9月です。長く伸びた茎は、好みの長さの節や分かれ目の上で切ると、そこから新しい茎が枝分かれします。茶色く枯れた茎や、しわが寄って戻らない古い茎は付け根から取り除きます。切った健康な茎はそのまま挿し木に使えます。吊り鉢の場合は、鉢の縁から30〜40cm下を目安に長さをそろえると、見た目がすっきりします。
よくある失敗は、冬に強く切り詰めて新しい茎が出ず、株が寂しくなることです。低温期は生育が止まるので、切った状態のまま暖かい室内で春まで待てば、5月頃から新しい茎が伸び始めます。
時期と道具を用意する
生育期の5〜6月か9月に行います。清潔なハサミと、切った茎を挿し木にするための小鉢と用土を用意します。
枯れた茎を取り除く
茶色く枯れた茎や、しわが寄って戻らない古い茎を、付け根から切り取ります。内側で絡んだ茎もかき分けて確認します。
長すぎる茎を切り戻す
垂れすぎた茎は、好みの長さの節や分かれ目のすぐ上で切ります。切った位置から新しい茎が枝分かれし、株がこんもりします。
明るい日陰で管理する
剪定後はレース越しの明るい場所に吊るし、土の表面が乾いたら水を与えます。切った茎は挿し木に使えます。
植え替えは2年に1回、4〜6月か9月に行います。鉢底から根が出ている、水が染み込みにくい、茎の伸びが鈍ったといった様子が合図です。リプサリスの根は細く、もともと少ない土で育つ植物なので、鉢は今より一回り大きいものを選び、大きくしすぎないようにします。茎が細く折れやすいため、作業前に茎全体を新聞紙でゆるく包むと傷めにくくなります。根鉢の外側の古い土を軽く落とし、黒く傷んだ根を切って植え付けます。植え替え後は1週間ほど明るい日陰で休ませます。
よくある失敗は、根鉢を大きく崩して茎がしおれることです。肥料を与えずに日陰で葉水を続ければ、多くは2〜3週間で持ち直します。
時期と道具をそろえる
4〜6月か9月に行います。一回り大きな吊り鉢、観葉植物用土、軽石、鉢底石、新聞紙、清潔なハサミを用意し、2〜3日前から水を控えます。
茎を包んで株を抜く
垂れた茎を新聞紙でゆるく包んで折れないように守ります。鉢を横にして縁を叩き、株元を持って根鉢ごと抜き取ります。
古い土と傷んだ根を整理する
根鉢の外側の古い土を軽く落とし、黒く柔らかい根や枯れた根を切ります。細い根は切れやすいので、大きく崩さないようにします。
新しい用土で植え付ける
鉢底石を2cm敷き、軽石を混ぜた用土で元の深さに植えます。割り箸で軽く突いて隙間をなくし、茎の包みを外します。
明るい日陰で休ませる
鉢底から流れるまで水を与え、1週間は直射日光の当たらない明るい日陰に吊るします。肥料は2〜3週間後から再開します。
挿し木で簡単に増やせます。適期は気温が20°C以上になる5〜7月と9月です。元気な茎を節や分かれ目で5〜10cmに切り、切り口を日陰で2〜3日乾かしてから、湿らせた用土に2cmほど挿します。明るい日陰で土を乾かしすぎないように管理すると、2〜4週間ほどで発根するとされます。茎が土に触れたところから根を出すこともあるので、垂れた茎を別の鉢の土にピンで留めて発根させる方法もあります。花後にできた実の種からも育てられますが、時間がかかります。
よくある失敗は、切ってすぐ湿った土に挿し、切り口から腐らせることです。黒くなった部分を切り直し、乾かしてから挿し直せば再び使えます。
時期と道具を準備する
気温が20°C以上になる5〜7月か9月に行います。清潔なハサミ、挿し木用土か観葉植物用土、小鉢、霧吹きを用意します。
茎を5〜10cmに切る
緑色で張りのある元気な茎を、節や分かれ目で5〜10cmに切ります。気根が出ている茎を選ぶと根付きやすくなります。
切り口を2〜3日乾かす
切った茎を風通しの良い日陰に置き、切り口を2〜3日乾かします。細い茎は乾きすぎないよう、直射日光の当たらない場所に置きます。
湿らせた土に挿す
湿らせた用土に切り口側を2cmほど挿します。3〜5本まとめて挿すと、早くボリュームのある株になります。
乾かしすぎずに発根を待つ
明るい日陰で、土の表面が乾いたら水を与え、葉水も続けます。2〜4週間ほどで発根し、新しい茎が伸びたら通常の管理に戻します。
注意したいのは、茎に付くカイガラムシと、乾燥した室内で増えるハダニです。カイガラムシは見つけ次第、綿棒や柔らかい歯ブラシで茎を傷つけないようにこすり落とします。ハダニは茎がかすれたように色あせることで気付きやすく、霧吹きでの葉水を週に数回続けると予防になります。屋外に出す季節は、ナメクジが若い茎をかじることがあるので、鉢の周りを夜に確認します。風通しが悪いと害虫も病気も増えるため、吊るす位置は空気の流れがある場所を選びます。
よくある失敗は、茎が密に絡んだ内側の害虫を見逃すことです。月1回は茎をかき分けて内側を確かめ、多い場合は浴室でシャワーをかけて洗い流します。
4月から生育が始まり、水は表面が乾いたら週1回程度たっぷり与えます。薄めた液肥を月2回再開します。植え替えと挿し木は4〜6月が適期です。屋外に出すのは最低気温10°Cを超えてからで、急な直射日光で茎が色あせないよう注意します。
水は表面が乾いたらたっぷり、週2回前後が目安です。7〜8月は肥料を止めます。強い日差しの窓辺や西日に吊るさないでください。30°Cを超える日は風通しを確保して蒸れを防ぎ、朝夕の葉水でハダニを予防します。
9月は再び生育するので、水は乾いたら与え、液肥を月2回与えます。10月から水の間隔を少しずつ広げます。最低気温が10°Cを下回る前に室内へ取り込みます。冬から春の花芽ができ始める時期なので、急な移動や寒さに注意します。
5°C以上の明るい室内で管理し、肥料は与えません。水は表面が乾いてから2〜3日あけて、2週に1回程度にします。暖房で乾くので葉水は続けます。茎の脇に白い小花が咲くことがあり、夜の窓際の冷え込みで茎が赤くなることもあります。
原因
砂漠のサボテンと同じように乾かしすぎた水不足。土が湿っているのにしわが寄る場合は、過湿で根が傷み、水を吸えなくなっている。
対策
土が乾いていれば鉢底から流れるまで水を与え、葉水も行うと数日で張りが戻ります。土が湿ったままなら水を止めて乾かし、生育期に植え替えて黒い根を切ります。
原因
直射日光や西日による日焼け、または冬の夜の窓際の冷え込み。根詰まりや肥料切れで起こることもある。
対策
レースカーテン越しの明るい場所に移し、冬は5°C以上で窓から50cmほど離します。変色した茎は戻りにくいですが、環境が合えば新しい茎は緑色で伸びます。
原因
受け皿の水や冬の水の与えすぎによる根腐れ。根が傷むと茎の付け根が弱り、触れただけで節から外れる。
対策
水を止めて受け皿の水を捨て、風通しの良い明るい日陰で乾かします。株元が腐っている場合は回復が難しいため、健康な茎を5〜10cmずつ挿し木にして株を更新します。
原因
日照不足による徒長。窓から離れた暗い場所や照明だけの部屋で育てると、茎が細く伸びて花も付きにくくなる。
対策
窓から1m前後のレース越しの明るい場所に移します。急に強い光に当てると焼けるので少しずつ慣らします。伸びすぎた茎は生育期に切り戻し、挿し木に使います。
原因
カイガラムシの寄生。茎が密に絡んだ内側や、風通しの悪い室内で発生しやすい。
対策
綿棒や柔らかい歯ブラシで茎を傷つけないようにこすり落とします。数が多ければ浴室でシャワーをかけて洗い流し、適用のある殺虫剤を使います。吊るす位置は風の通る場所にします。
ここにない症状は症状から調べるで、葉の色・しおれ・虫・病気などから逆引きできます。
リプサリスだけの花言葉は、広く定まったものはありません。サボテン全般には「燃える心」「枯れない愛」などの花言葉が紹介されます。厳しい環境でも枯れずに生き続け、ときに鮮やかな花を咲かせる姿から生まれたとされます。リプサリスの花は小さく控えめですが、冬に咲く白い花は贈り物の話題にもなります。
垂れ下がる植物は、風水では気を落ち着かせ、人間関係をやわらげるとされます。リプサリスはトゲがほとんどない柔らかい印象のサボテンで、リビングや寝室に吊るす使い方が紹介されます。高い位置から垂らすと、部屋の上の空間の気が整うともいわれます。直射日光の入らない部屋でも育つので、北側の部屋の緑にも向いています。
大きく違い、観葉植物に近い育て方をします。砂漠のサボテンは強い日差しと乾燥に耐えますが、リプサリスは熱帯雨林の木の上に着生して育つ森林性のサボテンです。直射日光には当てず、レースカーテン越しの明るい場所に置き、土の表面が乾いたら水を与えます。空気が乾く時期は葉水も効果的です。何週間も水を切る、真夏に直射日光へ出すといった砂漠のサボテンの管理をすると、茎がしおれたり色あせたりします。
多くは強すぎる光か、寒さによるストレスが原因です。直射日光や西日に当たると茎が黄色っぽく、または赤紫色に変わり、冬の夜の窓際で冷えた場合も赤みを帯びることがあります。ラムローサのように、もともと光に当たると赤く色づく種もあります。レース越しの明るい場所に移し、冬は5°C以上で窓から少し離すと、新しく伸びる茎は緑色で出てきます。色が変わった茎は戻りにくいので、気になる場合は生育期に切り戻します。
病気ではなく、着生植物らしい気根なので心配いりません。リプサリスは自生地で木の幹などに根を張って体を支えるため、茎の途中から細い根を出すことがあります。湿度が高い時期や、茎が土や鉢の縁に触れた部分に出やすい傾向があります。気になる場合は切っても株に大きな影響はないとされますが、そのまま残して構いません。気根が出た茎は、切って挿し木にすると根付きやすいので、増やすときに利用できます。
生育期によく育て、秋以降に涼しい環境を経験させることが目安とされます。リプサリスは冬から春に、茎の脇に直径1cm前後の小さな白や淡い黄色の花を咲かせます。春から秋にレース越しの明るい場所で茎を充実させ、秋は最低気温10〜15°Cほどの涼しさに当ててから室内に取り込むと、花芽が付きやすいといわれます。暗い場所に置き続けると咲きにくくなります。花後に白い実が付く種もあります。
株元の根腐れで茎の付け根が弱っていることが多いです。受け皿に水がたまったままだったり、冬に水を与えすぎたりすると根が傷み、茎が少し触れただけで節から外れるようになります。株元を見て黒く柔らかければ水を止め、風通しの良い明るい日陰で乾かします。傷みが進んでいる場合は、健康な茎を5〜10cmずつ切って挿し木にし、株を更新します。根に問題がなく、引っかけて折れただけなら、折れた茎も挿し木に使えます。
執筆: Hapot編集部
植物を迎えたばかりの人が枯らさずに育てられるように、植物図鑑と症状別の記事を編集しているチームです。農林水産省や農研機構など公的機関の栽培指針を確認したうえで、温度や頻度を数値で示し、迷いやすい判断は結論から書くことを大切にしています。誤りや古くなった情報はお問い合わせから受け付け、確認のうえ更新しています。