苗・株の選び方
幹の曲がり具合と葉のバランスが樹形の印象を決めるので、部屋に置いたときの姿を想像しながら選びましょう。葉は大きく色が濃く、垂れずにピンと張っているものが健康です。幹を軽く押してぐらつかないか、株元に傷やへこみがないかを確認してください。葉の付け根や裏にカイガラムシ・ハダニがいないかも要チェック。新芽の先端が赤茶色のサヤに包まれて尖っている株は成長中の元気な証拠です。寒さに弱いため、冬の購入は輸送中の冷えで傷むリスクがあり、5〜9月の購入が安心です。
Hapot編集部より
フィカス・ウンベラータ(Ficus umbellata)は、熱帯アフリカ原産のクワ科フィカス属の観葉植物です。薄くやわらかな質感の大きなハート型の葉と、白みがかった幹のしなやかな曲線が織りなす樹形は、まるで一枚の絵のような存在感。おしゃれなカフェやアパレルショップ、インテリア雑誌で最もよく見かける観葉植物のひとつで、北欧系やナチュラル系の部屋に特によく似合います。学名の「umbellata」はラテン語の「日傘」に由来し、その名の通り傘のように広がる葉が空間に心地よい影をつくります。成長が比較的早く、春から秋には新芽がぐんぐん展開するので、育てる楽しみも十分。寒さにやや弱いため冬の置き場所には配慮が必要ですが、ポイントを押さえれば長く付き合える植物です。リビングのシンボルツリーを探している方に最有力の候補といえるでしょう。
水やり
土の表面が乾いたら(週1-2回)
日光
間接光
適温
15-30°C
湿度
50-70%
土
水はけの良い観葉植物用土
肥料
春〜秋に月1回
成長速度
中
毒性
樹液でかぶれる場合あり
幹の曲がり具合と葉のバランスが樹形の印象を決めるので、部屋に置いたときの姿を想像しながら選びましょう。葉は大きく色が濃く、垂れずにピンと張っているものが健康です。幹を軽く押してぐらつかないか、株元に傷やへこみがないかを確認してください。葉の付け根や裏にカイガラムシ・ハダニがいないかも要チェック。新芽の先端が赤茶色のサヤに包まれて尖っている株は成長中の元気な証拠です。寒さに弱いため、冬の購入は輸送中の冷えで傷むリスクがあり、5〜9月の購入が安心です。
レースカーテン越しの明るい間接光が理想です。窓から1〜2mの位置が目安で、大きなハート形の葉は光に向かって育つため、月に1回鉢を90度回すと樹形が偏りません。直射日光は夏場に葉焼けを起こし、暗すぎると葉が小さくなり枝が間延びします。寒さに弱いのが最大の弱点で、冬は15°C以上が安心圏(10°Cを下回ると落葉が始まります)。冬の窓際は夜間に想像以上に冷えるため、夜は部屋の内側へ移動を。エアコンの温風・冷風が直接当たる場所は葉がパリパリに傷むので避けてください。
春〜秋は土の表面が乾いたら、鉢底から流れ出るまでたっぷりと。大きな葉からの蒸散が多く、成長期は水をよく飲みます。目安は春秋で週1〜2回、夏は2〜3日に1回。水切れすると葉が下向きにしおれてサインを出すので、気づいたらすぐたっぷり与えれば回復します。冬は成長が止まるため、土が完全に乾いてから2〜3日後に控えめに。年間を通して霧吹きの葉水を習慣にすると、葉のツヤ維持とハダニ予防に効果的です。大きな葉はホコリが積もりやすいので、月1回濡れ布巾で拭きましょう。
適期は成長期の5〜9月。ウンベラータは「切った所のすぐ下から新枝が出る」性質が素直で、剪定で樹形を作る楽しみが大きい植物です。好みの高さで幹や枝をカットすると、切り口の下から2〜3本の新芽が吹いて枝分かれし、自然樹形のY字が作れます。注意点は切り口から出る白い樹液で、皮膚に付くとかぶれることがあるため必ず手袋を着用し、床は新聞紙で養生を。樹液はティッシュで押さえれば数分で止まります。切り口には癒合剤を塗ると安心です。
1〜2年に1回、5〜8月に一回り大きな鉢へ。鉢底から根が出る・水の染み込みが遅い・成長が鈍る、が植え替えサインです。根鉢を1/3ほどほぐして古い土を落とし、水はけの良い観葉植物用土で植え付けます。深植えは幹の蒸れを招くため、株元の高さは元のまま維持を。植え替え後2週間は直射日光を避けた明るい日陰で養生し、肥料は1か月後から再開します。これ以上大きくしたくない場合は、同じ鉢に根を1/3整理して植え直せばサイズを維持できます。
挿し木と取り木で増やせます。挿し木の適期は5〜8月:剪定で出た枝を10〜15cmに切り、大きな葉は半分にカットして蒸散を抑え、切り口の樹液を洗い流してから挿し木用土へ。明るい日陰で管理すると1〜2か月で発根します。水挿しでも発根可能。太い幹から立派な株を作りたい場合は「取り木」が確実です:幹の樹皮を幅2cmほど環状に剥ぎ、湿らせた水苔を巻いてビニールで包み、発根したら切り離して植え付けます。
ハダニとカイガラムシが二大害虫です。ハダニは乾燥した室内で葉裏に発生し、葉の色が白っぽくかすれてきたら要注意。日々の葉水が最大の予防で、発生初期ならシャワーで葉裏を洗い流せば抑えられます。カイガラムシは幹や葉の付け根に付き、ベタつき(排泄物)で気づくことが多いです。成虫は歯ブラシでこすり落とし、幼虫には薬剤も有効。どちらも風通しの悪さが発生要因になるため、混み合った枝の剪定と、月1回の葉裏チェックを習慣にしましょう。
新芽が出始めます。肥料を月1回与え、日当たりの良い場所で管理。植え替えにも最適な時期。
成長が旺盛に。水やりをしっかり行い、葉水で湿度を保ちます。直射日光による葉焼けに注意。
成長が落ち着きます。肥料を減らし、冬に向けた準備を。
寒さに弱いため15°C以上を確保。葉が落ちることがありますが、春に新芽が出ることが多いので慌てないで。水やりは控えめに。
原因
環境の急変、寒さ、水切れ
対策
置き場所を安定させ、15°C以上を保つ。春に新芽が出る
原因
水不足または乾燥
対策
たっぷり水やりし、葉水で湿度を補う
ウンベラータの花言葉は「すこやか」「永久の幸せ」「夫婦愛」です。ハート型の葉が愛情を象徴することから、夫婦やパートナーの愛にまつわる言葉が付けられたといわれます。「すこやか」は伸びやかに葉を広げる明るい生育姿に由来します。結婚祝いや新築祝い、家族の記念樹として贈られることが多く、ギフト需要の高い観葉植物です。
風水では、ウンベラータのハート型の葉は「愛情運」と「人間関係運」を高めるとされ、丸い葉が放つ穏やかな「陰の気」がリラックス効果をもたらすといわれます。家族が集まるリビングに置くと団らんの気を育み、恋愛運を上げたい場合は部屋の南東が良い方角とされます。また、上に向かって伸びる樹形は「成長」「発展」の象徴で、仕事運を意識するなら書斎やワークスペースにも好適。気の入口である玄関に置けば良縁を呼び込むともいわれますが、寒さに弱いため冬の玄関は温度に注意しましょう。
ウンベラータを剪定すると、切り口から白い乳液状の樹液が出ます。これはクワ科フィカス属に共通する性質で、ゴムの原料に近い成分を含み、肌に付くとかぶれやかゆみを起こすことがあります。作業時は必ず手袋を着用し、付いてしまったらすぐに石けんで洗い流してください。床や家具に付くと乾いて取れにくくなるため、剪定前に新聞紙を敷いておくと安心です。切り口の樹液は濡らしたティッシュで拭き取り、流れが止まらない場合は癒合剤(カットペースト)を塗っておくと樹勢の消耗も防げます。
可能です。曲げ仕立てに向くのは幹がまだ緑色〜薄茶色でしなやかな若い枝で、適期は幹がよく動く6〜8月です。曲げたい方向にゆっくり力をかけ、麻ひもや園芸ワイヤーで鉢や支柱に固定します。一度に強く曲げると折れるので、数週間かけて少しずつ角度を強めるのがコツ。固定したまま3〜6ヶ月ほど育てると形が記憶され、ひもを外しても曲線が保たれます。太く木質化した幹は曲がらないため、その場合は剪定で脇芽を出させ、新しい枝を曲げて樹形を作っていきましょう。
ウンベラータは強剪定に耐える植物で、葉がない位置まで深く切り戻しても、幹の途中の成長点から新芽が出ます。適期は5〜6月。遅くとも8月までに済ませると、冬までに新芽が充実します。理想の樹高より2〜3節低い位置で切ると、切り口の下から複数の枝が分岐してバランスの良い樹形になります。一度に全体の3分の1以上の葉を失う剪定をした後は、水やりをやや控えめにして根への負担を減らしましょう。切った枝は挿し木に使えるので、捨てずに増やして楽しむのもおすすめです。
葉や床がベタつく場合、カイガラムシの排泄物である「甘露」が原因のことが多いです。葉の裏や枝の付け根に白い綿状や茶色い貝殻状の虫が付いていないか確認しましょう。見つけたら濡らした布やティッシュで拭き取るか、歯ブラシでこすり落とし、数が多い場合はマシン油乳剤などの薬剤で対処します。甘露を放置するとすす病を併発して葉が黒ずむため早めの対応が大切です。なお、新芽周辺が少し粘つくのは樹液による自然な現象のこともあり、虫が見当たらなければ心配いりません。
気温が15°Cを超える5〜9月なら屋外でも育てられ、風と光に当てると幹が太く締まった株になります。ただし急に直射日光に当てると、薄い葉が一日で葉焼けすることがあるため、最初の1〜2週間は明るい日陰に置いて徐々に慣らしてください。真夏は西日と照り返しを避け、遮光ネットや軒下を活用しましょう。屋外は土の乾きが早いので水切れに注意し、台風時は室内へ。秋は最低気温が15°Cを下回る前(多くの地域で10月上旬まで)に室内へ取り込み、取り込み前に葉裏の害虫チェックを行うと安心です。
観葉植物の中では成長が早い部類で、春から秋の成長期には環境が良ければ1年で30〜50cm、勢いのある株では70cm以上伸びることもあります。1mの株なら2〜3年で天井近くに達する計算なので、毎年5〜6月の剪定で高さを管理するのが現実的です。成長が早いぶん根詰まりもしやすく、1〜2年に1回の植え替えが必要になります。逆に「ほとんど伸びない」場合は、光不足・根詰まり・低温のいずれかが原因のことが多いので、置き場所と鉢の状態を見直してみましょう。