苗・株の選び方
良い株の目安は3点です。幹(塊根部)がしっかり太く押してもぐらつかないこと、葉が濃い緑でツヤがあり枝間が間延びしていないこと、幹に傷やへこみがなく硬く締まっていることです。
避けたいのは、葉裏や枝の付け根にカイガラムシの白い付着物がある株と、下葉が落ちて枝先にしか葉がない徒長株です。幹の形は一株ごとに違うので、好みのフォルムで選ぶのも楽しみのひとつです。購入適期は成長期に入る5〜7月で、冬の購入は持ち帰り時の寒風で傷むことがあるので暖かい日を選びましょう。
Hapot編集部より
ガジュマルは、丈夫で枯れにくく、剪定すればどこからでも新芽を吹く再生力の高さから、観葉植物初心者に最もおすすめできる樹種のひとつです。ぷっくりと膨らんだ幹と、そこから垂れ下がる気根が独特の存在感を放つクワ科フィカス属の常緑樹で、沖縄や東南アジアの亜熱帯に自生し、現地では高さ20mを超える巨木に育ちます。沖縄では精霊「キジムナー」が宿る木として大切にされ、「多幸の木」の愛称でも親しまれています。日光を好むため、春から秋にベランダに出すと幹の太りと葉の茂りが室内管理とは見違えるほど変わります。耐寒温度は5°C程度で、冬は室内の窓辺に取り込めば問題ありません。一株ごとに幹の形が違うため、盆栽のように自分だけの一鉢を育てる楽しみがあります。手のひらサイズから流通し、デスクや棚にも置きやすいので、初めてのグリーンを探している方や個性的なフォルムの植物が好きな方にぴったりです。

水やり
土の表面が乾いたら(週2-3回)
日光
半日陰
温度の目安
5-30°C
湿度
50-70%
土
一般的な観葉植物用土
大きさの目安
室内鉢植えでは20cm〜1.5m程度。3号鉢の手のひらサイズから8号鉢以上の中型まで幅広く流通します。成長は比較的早く、剪定でコンパクトに維持できます。
成長の速さ
中
温度の目安(耐寒〜耐暑)
5-30°C
肥料
春〜秋に月2回液肥
成長速度
中
毒性
樹液に注意
日光を好むが真夏の直射日光は避ける。根が面白い形に成長するのを楽しめる。
良い株の目安は3点です。幹(塊根部)がしっかり太く押してもぐらつかないこと、葉が濃い緑でツヤがあり枝間が間延びしていないこと、幹に傷やへこみがなく硬く締まっていることです。
避けたいのは、葉裏や枝の付け根にカイガラムシの白い付着物がある株と、下葉が落ちて枝先にしか葉がない徒長株です。幹の形は一株ごとに違うので、好みのフォルムで選ぶのも楽しみのひとつです。購入適期は成長期に入る5〜7月で、冬の購入は持ち帰り時の寒風で傷むことがあるので暖かい日を選びましょう。
日光が大好きな植物です。室内ではレースカーテン越しではなく、できるだけ窓の近くの明るい場所に置きます。理想は春〜秋にベランダなど屋外の日なた〜半日陰に出すことで、幹の太りと葉の茂りが室内管理とは見違えるほど変わります(真夏の直射のみ半日陰に)。耐陰性もあるため暗めの場所でも枯れませんが、徒長して樹形が乱れやすくなります。耐寒温度は5°C程度で、最低気温が10°Cを下回り始める10月中旬〜11月には室内の日当たりの良い窓辺へ取り込みましょう。室内から急に真夏の直射日光に出して葉が白く焼けた場合、焼けた葉は戻りませんが、半日陰に戻して2〜3週間かけて慣らせば新しい葉は正常に育ちます。
春〜秋は土の表面が乾いたら鉢底から流れるまでたっぷり与えます。水を好み、成長期の水切れは葉をパラパラ落とす原因になります。目安は春秋で週1〜2回、夏は毎日〜2日に1回です。屋外管理では想像以上に土が乾くのでこまめにチェックしてください。冬は成長が緩やかになるため、土が乾いてから2〜3日後に控えめに与えます。空中の湿度も好むため、葉水を習慣にすると気根が伸びやすく、ハダニ予防にもなります。夏に水切れさせて葉が一斉に落ちてしまっても、幹が硬く緑の枝が残っていれば生きています。たっぷり水を与えて半日陰に置けば、2〜3週間で新芽が吹いて回復します。
市販の観葉植物用土でそのまま育ちます。配合するなら赤玉土(小粒)6:腐葉土3:軽石1で、水を好む一方で停滞水を嫌うため、鉢底石を2〜3cm敷いて排水を確保します。幹が太く重心が高いので、素焼きや陶器などの重い鉢を選ぶと倒れにくくなります。屋外で育てる場合は雨で土が締まりやすいため、軽石の割合を2割に増やすと水はけを保てます。元肥は緩効性肥料を少量で十分です。化粧鉢に入れる場合は鉢底穴のあるプラ鉢のまま入れる二重鉢にします。
萌芽力が非常に強く、剪定にとことん強いのがガジュマルの魅力です。適期は5〜6月です。伸びすぎた枝は葉を2〜3枚残して切り詰めれば、脇から新芽が吹いて枝数が増えます。樹形が大きく乱れた株は、葉を全部落とす丸坊主剪定でリセットできます。2週間〜1か月で幹のあちこちから新芽が吹き、こんもりした姿に再生します(丸坊主は必ず成長期に)。切り口から出る白い樹液はかぶれの原因になるので、手袋を着用し、切り口が大きい場合は癒合剤を塗っておくと安心です。冬に丸坊主にして芽が動かない場合は低温が原因で、枯れ込んだ枝先を緑の残る位置まで切り戻し、5月以降の芽吹きを待てば回復します。
時期と道具を用意する
適期は5-6月です。清潔なハサミ、手袋、癒合剤を用意します。切り口から出る白い樹液はかぶれの原因になるので手袋は必須です。
伸びすぎた枝を葉2-3枚残して切る
伸びすぎた枝は葉を2-3枚残して切り詰めます。脇から新芽が吹いて枝数が増え、こんもりした樹形になります。
乱れた株は丸坊主にリセットする
樹形が大きく乱れた株は、葉を全部落とす丸坊主剪定で仕立て直せます。必ず成長期に行い、2週間から1か月で新芽が吹きます。
大きな切り口に癒合剤を塗る
太い枝を切った場合は切り口に癒合剤を塗ります。病原菌の侵入と乾燥を防ぎ、回復が早まります。
作業後は明るい場所で管理する
剪定後は明るい間接光の場所に置き、土が乾いたら水を与えます。新芽が動くまでは肥料を控えます。
1〜2年に1回、5〜7月に行います。鉢底から根が出る、水の染み込みが遅い、幹の割に鉢が小さく倒れやすい、が植え替えサインです。根の再生力が強いため、根鉢を1/3ほど崩して整理しても問題ありません。植え替えのたびに株を少し持ち上げて植え、土に埋まっていた根を露出させていくと、その部分が木質化して気根の張った迫力ある幹に育てられます。用土は市販の観葉植物用土か、赤玉土6:腐葉土3:軽石1の配合です。植え替え後2週間は明るい日陰で養生し、肥料は1か月後から再開します。植え替え直後に葉が黄変して落ちるのは根が傷んだ一時的な反応で、乾かし気味に管理すれば2〜3週間で新芽が動きます。
時期と道具を用意する
適期は5-7月です。一回り大きな鉢、観葉植物用土(または赤玉土6:腐葉土3:軽石1)、鉢底石、清潔なハサミ、手袋を用意します。
鉢から抜いて根鉢を崩す
株を鉢から抜き、根鉢を1/3ほど崩して古い土を落とします。根の再生力が強いので多少崩しても問題ありません。
黒く傷んだ根を整理する
黒く傷んだ根や長すぎる根をハサミで切り取ります。健康な白い根は残し、全体の1/3以上は切らないようにします。
株を少し持ち上げて植える
鉢底石を敷いて用土を入れ、株を元より少し高く置いて土を足します。埋まっていた根を露出させると気根の張った幹に育ちます。
水やりをして養生する
鉢底から流れ出るまで水を与え、2週間は明るい日陰で養生します。肥料は1か月後から再開します。
挿し木で簡単に増やせます。適期は5〜7月です。剪定で出た枝を10cm程度に切り、下葉を取って大きい葉は半分にカットし、切り口の樹液を水で洗い流してから挿し木用土に挿します。明るい日陰で土を乾かさないように管理すると、3〜4週間で発根します。水挿しでも発根可能です。ただし挿し木株は実生株のような丸く膨らんだ塊根にはなりにくく、すらっとした樹形に育つ点は知っておきましょう。太い幹から株を作りたい場合は取り木も使えます。挿し穂の葉が全部落ちても枝が緑色なら発根の可能性があるので待ちます。切り口が黒く腐った場合は健全な位置で切り直し、樹液を洗ってから挿し直せばやり直せます。
時期と道具を用意する
挿し木の適期は5-7月です。清潔なハサミ、挿し木用土を入れた小鉢、手袋を用意します。白い樹液でかぶれることがあるので手袋を着用します。
枝を10cm程度に切る
剪定で出た枝を10cm程度の長さに切ります。切り口から出る樹液は水で洗い流します。
葉を整理して蒸散を抑える
下の葉を取り、残した大きな葉は半分にカットします。葉からの水分の蒸発を抑えて発根しやすくします。
湿らせた挿し木用土に挿す
湿らせた挿し木用土に枝を3-5cmの深さで挿し、周りの土を軽く押さえます。水挿しでも発根します。
明るい日陰で3-4週間管理する
直射日光を避けた明るい日陰に置き、土を乾かさないよう管理します。3-4週間で発根したら観葉植物用土に植え替えます。
屋外管理ではカイガラムシ、室内の乾燥期にはハダニが付きやすくなります。カイガラムシは幹や枝の分かれ目に付く白〜茶の粒で、歯ブラシでこすり落とすのが確実です。ハダニは葉裏に発生し葉色がかすれるのがサインで、日々の葉水とシャワーでの洗い流しが有効です。風通しが悪いと発生しやすいため、枝葉が混み合ってきたら間引き剪定をします。春〜秋の屋外管理は日光と風通しの両面で病害虫予防になります。カイガラムシの排泄物で葉が黒ずむすす病が出た場合は、虫を除去したうえで濡れ布巾で黒い膜を拭き取れば、新しい葉は正常に展開します。月1回、幹の分かれ目と葉裏を確認する習慣をつけると初期に対処できます。
水やりは土の表面が乾いたら週1〜2回、液肥は新芽が動く4月下旬から月2回始めます。最低気温が10°Cを超えたら屋外に出し始めますが、急な直射日光は葉焼けの原因なので半日陰から1〜2週間かけて慣らします。植え替えと剪定の適期でもあります。
最もよく成長する時期で、屋外なら毎日〜2日に1回、室内でも週2〜3回の水やりが必要です。液肥は月2回を続けます。日当たりの良い半日陰で管理し、真夏の西日は避けます。水切れで葉を落としやすいので朝に土を確認し、屋外ではカイガラムシにも注意します。
水やりは週1〜2回に戻し、肥料は10月で終了します。最低気温が10°Cを下回り始める10月中旬〜11月に室内の日当たりの良い窓辺へ取り込みます。取り込み前に葉裏の害虫を確認し、急な温度変化を避けるため取り込み後1〜2週間は置き場所を変えないようにします。
水やりは土が乾いて2〜3日後に控えめに、肥料は与えません。5°C以上を保てる室内の窓辺で管理し、夜間は冷気を避けて部屋の内側へ移します。寒さと乾燥で葉を落とすことがありますが、幹が硬ければ春に芽吹きます。週2回の葉水でハダニを予防します。
原因
夏の水切れ、冬の寒さ(5°C以下)、急な環境の変化
対策
成長期は土の表面が乾いたらたっぷり水やり。冬は暖かい場所に移す。幹が硬ければ2〜3週間で新芽が出る
原因
根詰まり(成長のサイン)
対策
5〜7月に一回り大きな鉢に植え替える。株を少し持ち上げて植えると根が露出して幹が太く見える
原因
室内の光不足による徒長
対策
窓の近くや屋外の半日陰に移し、5〜6月に伸びた枝を葉2〜3枚残して切り詰める
原因
カイガラムシの発生(屋外管理や風通しの悪い場所で多い)
対策
歯ブラシでこすり落とし、混み合った枝を間引いて風通しを良くする。放置すると葉がベタつきすす病になる
原因
室内から急に真夏の直射日光に出したことによる葉焼け
対策
半日陰に戻し、1〜2週間かけて徐々に日光に慣らす。焼けた葉は戻らないが新しい葉は正常に育つ
ここにない症状は症状から調べるで、葉の色・しおれ・虫・病気などから逆引きできます。

ガジュマルの花も花嚢の内側に咲き、外から見えるのは葉の付け根に2個ずつつく直径1cmほどの丸い花嚢です。緑色から、熟すとピンクがかった色を経て黒紫色になります。フィカスの仲間のなかでは花嚢がつきやすく、鉢植えでも、春から秋に屋外でよく日に当てた株などで見かけることがあります。
受粉を担うイチジクコバチは沖縄などの自生地にはいて、現地では種ができた実を鳥が食べて運ぶため、塀や石垣の上からガジュマルが芽を出すこともあるといわれます。本州の室内では種はできないので、熟して落ちた花嚢は片づけるか、早めに摘み取りましょう。
ガジュマルの花言葉は「健康」です。亜熱帯の厳しい環境でも気根を伸ばしてたくましく育つ生命力の強さに由来します。また「多幸の木」と呼ばれることから、幸福を呼ぶ木としての意味合いも広く知られています。新築祝いや開店祝い、健康を願う贈り物として選ばれることが多い植物です。
風水では、ガジュマルの丸みを帯びた葉は「調和」や「リラックス」の気を持つとされ、家庭運や金運を高める植物といわれます。由来は沖縄で精霊キジムナーが宿る木として幸せを呼ぶとされてきた言い伝えです。玄関に置けば良い気を呼び込み、リビングの東〜南東に置けば家族の団らん運を支えるとされます。
切っても問題ありません。気根は空気中の水分を取り込むための根で、室内では見た目のアクセントとしての意味合いが大きく、切っても株は弱りません。樹形を整えたい場合は清潔なハサミで根元からカットして構いません。逆に気根を活かしたい場合は、葉水をこまめに行うなど湿度の高い環境で育てると伸びやすくなります。気根を土に誘導して埋めると、そこから養分を吸って幹のように太くなり、より迫力のある樹形を作れます。
大丈夫です。ガジュマルは萌芽力が非常に強く、葉を全部落とす丸坊主剪定をしても、2週間〜1か月ほどで幹のあちこちから新芽が吹きます。樹形が乱れたときや葉がスカスカになったときのリセット手段として有効です。適期は成長期の5〜6月です。冬の丸坊主は回復に時間がかかり枯れ込むリスクがあるため避けてください。剪定時に出る白い樹液はかぶれの原因になるので、手袋を着用しましょう。
関東以西の平野部でも、屋外での冬越しは基本的におすすめできません。ガジュマルの耐寒温度は5°C程度で、霜に当たると一晩で葉が傷みます。10月中旬〜11月、最低気温が10°Cを下回り始めたら室内に取り込みましょう。室内では窓辺の明るい場所が理想ですが、夜間は窓際の冷気で5°C近くまで下がることがあるため、夜だけ部屋の中央に移動させると安心です。沖縄や温暖な海沿いの地域であれば露地での越冬も可能です。
幹を太くする一番の近道は、春〜秋にしっかり日光に当てて育てることです。可能なら5〜9月はベランダなど屋外の半日陰〜日なたに出すと、室内管理より格段に太りやすくなります。また、植え替えのたびに株を少しずつ持ち上げて植え、土に埋まっていた根の部分を露出させると、その部分が幹のように木質化して太く見えるようになります。挿し木から育てた株は塊根が太りにくいので、太い幹を楽しみたい場合は実生(種から育てた)株を選ぶのもポイントです。
育てられます。ガジュマルは水を好み根の適応力も高いため、ハイドロボールやセラミスを使った土を使わない栽培に向いています。虫が出にくく清潔なので、キッチンやデスクにも置きやすいのがメリットです。ただし土栽培に比べて養分が少なく根の張りも制限されるため、成長はゆっくりになり、幹も太りにくくなります。容器の1/5程度まで水を入れ、完全になくなってから2〜3日待って次の水を足すのが根腐れさせないコツです。月1回程度、ハイドロ用の液肥を与えましょう。
日本の室内栽培で実がなることはほとんどありません。ガジュマルはイチジクの仲間で、自生地では直径1cmほどの丸い実(隠頭花序)をたくさんつけますが、実をつけるには受粉を担う特定のコバチ(イチジクコバチの仲間)が必要で、日本にはこの共生相手がいないためです。屋外で大きく育てた株がまれに実のような花嚢をつけることはありますが、観賞用と考えてください。なお実や樹液には微量の刺激成分が含まれるため、ペットが口にしないよう注意しましょう。
ガジュマルの季節の作業や、土・鉢・肥料の選び方をくわしく解説した記事です。

観葉植物の冬越し
観葉植物を室内に取り込む時期の目安(最低気温15°C)、冬の置き場所、水やりの減らし方、肥料と葉水、寒さで傷んだときの対処まで解説。図鑑の観葉植物を耐えられる最低温度で一覧にしています。

秋の植え替え
秋は多肉植物や草花、果樹の植え替え・植え付けに向く一方、観葉植物は春まで待つのが基本です。秋の適期の目安、植物タイプ別の可否、根の扱い方と植え替え後の管理を解説します。

植物別の土の違い
観葉植物の土と野菜・花の土の違いは堆肥と肥料の量、多肉植物の土との違いは乾く速さです。4種類の土の原料・水はけ・保水・肥料分を比較表にし、観葉植物の土で野菜は育つか、多肉の土で観葉植物は育つかなど、代用できる組み合わせと選び方を解説します。
10月の作業と、ガジュマルの手入れで迷ったときに役立つページです。
執筆: Hapot編集部
植物を迎えたばかりの人が枯らさずに育てられるように、植物図鑑と症状別の記事を編集しているチームです。農林水産省や農研機構など公的機関の栽培指針を確認したうえで、温度や頻度を数値で示し、迷いやすい判断は結論から書くことを大切にしています。誤りや古くなった情報はお問い合わせから受け付け、確認のうえ更新しています。