苗・株の選び方
良い株は、新しい葉に白い筋がはっきり入り、緑の面積が半分以上あること、葉に艶があって縁が傷んでいないこと、茎がまっすぐ立ってぐらつかないことの3点で見分けます。
避けたいのは、緑一色の葉や赤茶色の葉が混じった株で、すでに先祖返りが始まっている可能性があります。反対に真っ白に近い葉ばかりの株も、光合成が足りず育てるうちに弱りやすいので見送ります。葉裏の白いかすれや、新しい葉の銀色の傷も確かめてから選びます。
Hapot編集部より
フィロデンドロン・バーキンは、つるを伸ばす種類が多いフィロデンドロンの中で、茎が上へ立ち上がってつるにならない自立型の品種です。濃い緑の葉に白〜クリーム色の細い筋状の斑が入り、斑の部分が光合成をしない分、定番のオキシカルジウムより明るさを必要とし、成長もゆっくりです。赤みを帯びた葉の園芸品種ロホコンゴ(ロジョコンゴ)の枝変わりから生まれたとされ、新しい葉は白っぽく明るい色で開き、日がたつにつれて地の緑が濃くなって筋がくっきり浮かびます。室内では高さ30〜60cmにまとまることが多く、吊り鉢にせず卓上や床に置いて飾れるのも違いです。一方で斑は不安定で、育つうちに赤茶色の葉や緑一色の葉に戻る先祖返りが起きることがあります。冬は13°C以上、日中はレース越しの明るい光を保てば、白い筋の美しさを長く楽しめます。全草にシュウ酸カルシウムを含むため、ペットや子どもの手が届かない場所に置いてください。

水やり
土の表面から2〜3cm乾いたら(週1回前後)
日光
間接光
温度の目安
13-30°C
湿度
50-70%
土
粒の粗い水はけの良い観葉植物用土
大きさの目安
高さ30〜60cm程度(大株で90cmほど)。葉の長さは10〜20cm。4〜6号鉢が主な流通サイズです。
成長の速さ
ゆっくり(年に5〜8枚ほど葉が増える)
温度の目安(耐寒〜耐暑)
13-30°C
肥料
4〜9月に月1回液肥
成長速度
ゆっくり(年に5〜8枚ほど葉が増える)
毒性
全草に毒性あり(シュウ酸カルシウム)。ペット・子どもに注意
新しい葉の白い筋の量が、光が足りているかの目安です。筋が細く少なくなってきたら、置き場所を窓に近づけます。
良い株は、新しい葉に白い筋がはっきり入り、緑の面積が半分以上あること、葉に艶があって縁が傷んでいないこと、茎がまっすぐ立ってぐらつかないことの3点で見分けます。
避けたいのは、緑一色の葉や赤茶色の葉が混じった株で、すでに先祖返りが始まっている可能性があります。反対に真っ白に近い葉ばかりの株も、光合成が足りず育てるうちに弱りやすいので見送ります。葉裏の白いかすれや、新しい葉の銀色の傷も確かめてから選びます。
基本はフィロデンドロンと同じで、直射日光の当たらない明るい室内に置きます。バーキンで違うのは、耐陰性を当てにしないことです。白い筋の部分は光合成ができないため、照明だけの部屋では新しい葉の筋が細く少なくなり、緑一色に近づいていきます。目安は南か東の窓から1〜2m、レース越しの光が半日以上入る場所です。茎が光の方向へ傾きやすいので、2週間に1回、鉢を90度ずつ回すと株がまっすぐ立ちます。冬は13°C以上を保ち、夜は窓際から部屋の内側へ移します。
よくある失敗は、白い筋を際立たせようと窓辺の直射日光に当て、白い部分から茶色く焼けることです。焼けた跡は戻りませんが、レース越しに戻せば、次に開く葉はきれいにそろいます。
基本はフィロデンドロンと同じく、土の表面が乾いてから与えます。違いは成長がゆっくりな分、吸い上げる水の量も少ないことで、つる性の種類と同じペースで与えると土が乾き切らなくなります。春から秋は表面から2〜3cm乾いたら与え、週1回前後が目安です。冬は土の中まで乾いて2〜3日たってから、10日〜2週に1回にします。葉が大きく広がるので、上からかけずに株元の土へ注ぎ、葉の付け根に水をためないようにします。湿度は50%以上を好むため、乾燥期は葉水を週2〜3回行います。
よくある失敗は、鉢カバーの中にたまった水を捨てずに放置することで、根が傷んで下葉から黄色くなります。水やりから10分ほどたったら鉢を持ち上げて水を捨て、黄色い葉は付け根で切ってください。
水はけと通気性を重視した、粒の粗い土が向きます。手軽なのは、市販の観葉植物用土に小粒の軽石かパーライトを2割足す方法です。自分で配合するなら赤玉土(小粒)4、腐葉土2、小粒のバーク2、パーライト2が目安で、鉢底石は2cm敷きます。バーキンの根は太めで空気を好み、細かい土だけだと鉢の中が蒸れて根腐れしやすくなります。鉢は5号前後から始め、乾きの早い素焼き鉢やスリット鉢が扱いやすいです。元肥は緩効性肥料を少量にとどめます。
自立型のバーキンは、つる性の種類のように切り戻して枝数を増やす剪定はしません。手入れの中心は、古くなった下葉と、斑が戻った芽の整理です。下葉は1年ほどで黄色くなって落ちるのが自然な流れなので、黄色くなったら葉柄の付け根で切ります。株元から緑一色や赤茶色の葉ばかりの芽が出たら、斑入りの部分より勢いが強くなる前に付け根から切り取ります。茎が伸びて倒れそうな株は、5〜7月に頭を切って仕立て直すこともできます。
よくある失敗は、白い部分の多い葉を残して緑の多い葉を先に切り、株全体が弱ることです。白い葉はほとんど光合成をしないため、切りすぎたら肥料を控えて明るい場所に置き、新しい葉が2〜3枚開くまで待ちます。作業は手袋を着けて行います。
時期と道具を準備する
整理は通年できますが、芽の切り取りは5〜9月に行います。清潔なハサミ、手袋、樹液を拭く布を用意します。
黄色くなった下葉を切る
黄色くなった下葉や、縁が大きく枯れた葉を、葉柄の付け根で切ります。緑の残る葉は、株の体力のため残します。
先祖返りした芽を取る
株元から出た緑一色や赤茶色の葉ばかりの芽を、付け根から切り取ります。斑入りの葉が付いた芽は切らずに残します。
作業後の管理をする
樹液の付いた手とハサミを洗い、株はレース越しの明るい場所に戻します。切り口が乾くまでの2〜3日は水を控えます。
植え替えは2年に1回、5〜7月が目安です。成長が穏やかなので、つる性の種類ほど頻繁な植え替えはいりません。鉢底から太い根が出る、茎が鉢の縁に寄って傾いてきた、水がしみ込みにくい、の3つが合図です。鉢は一回り(直径3cm)大きくし、株元の茎が土に埋まらないよう、元の高さで植えます。茎から出ている気根は、土の中へ誘導してかまいません。作業後2週間は明るい日陰で休ませ、肥料は1か月後から再開します。
よくある失敗は、傾いた株をまっすぐにしようと茎を深く埋め込み、付け根が黒く腐ることです。気づいたら土を掘り下げて茎を出し、短い支柱で支えながら乾かし気味に管理して、新しい葉が開くのを待ちます。
時期と道具をそろえる
5〜7月の暖かい時期に行います。直径3cm大きい鉢、粒の粗い土、鉢底石、手袋、清潔なハサミ、短い支柱を用意し、前日は水を控えます。
茎の根元を持って抜く
手袋を着け、鉢の側面を押して土をゆるめ、茎の根元を持って株を抜きます。葉を持って引くと葉柄が折れるので避けてください。
根と子株を確認する
古い土を3分の1ほど落とし、黒く柔らかい根を切ります。株元に根の付いた子株があれば、ここで切り分けて株分けできます。
元の高さで植え付ける
鉢底石を2cm敷いて土を入れ、茎が埋まらない元の高さで植えます。傾く株は支柱を添え、気根は土の中へ誘導します。
明るい日陰で休ませる
鉢底から流れるまで水を与え、2週間は明るい日陰に置いて葉水で湿度を補います。肥料は1か月後から再開します。
つるにならないため、水挿しで次々に増やすことはできません。主な方法は、株元の子株を分ける株分けと、上部を切って根を出させる挿し木の2つです。子株に葉が3〜4枚と根が付いたら、5〜7月の植え替えのときに清潔なナイフで切り分けて小鉢に植えます。茎が伸びた株は、気根の付いた節を含めて上部を10〜15cmで切り、水挿しにすると、25°C前後で3〜5週間で根が出ます。残った茎からも1〜2か月で新芽が出ます。ただし、増やした株は親と同じ斑になるとは限らず、緑一色に戻ることもあるとされます。
よくある失敗は、気根のない部分で切って根が出ないことです。その場合も切り口を少し切り直して水を毎日替え、節が水に浸かるようにすれば発根を待てます。
時期と道具を準備する
適期は5〜7月です。清潔なナイフかハサミ、手袋、水を入れた透明な瓶を用意します。茎が伸びて気根の付いた株を選びます。
気根の付いた節の下で切る
手袋を着け、上部の葉を3〜4枚残して、気根の付いた節の1〜2cm下で茎を切ります。挿し穂の長さは10〜15cmが目安です。
節を水に浸けて置く
節と気根が水に浸かる深さで瓶に挿し、明るい日陰に置きます。水は2日おきに替え、25°C前後なら3〜5週間で根が出ます。
根が5cmで土に植える
根が5cmほどに伸びたら粒の粗い土に植え、1週間は土を乾かさずに管理します。残した親株の茎からも1〜2か月で新芽が出ます。
斑の出方を見守る
新しい葉が2〜3枚開くまで肥料を控えます。緑一色の葉が続く場合は先祖返りの可能性があるため、斑入りの株とは分けて育てます。
注意したいのはハダニ、アザミウマ、カイガラムシです。バーキンの白い筋はハダニの吸った跡の白いかすれと紛れやすく、気付くのが遅れがちなので、月2回は葉を明るい光にかざして葉裏を確認します。新しく開いた葉に銀色に光る傷やゆがみがあれば、アザミウマを疑います。どちらもシャワーで葉の表裏を洗い流し、多いときは観葉植物用の殺虫剤を1週間おきに2〜3回使います。カイガラムシは茎と葉柄の付け根に付くので、歯ブラシでこすり落とします。
よくある失敗は、筋の白さが増したのを斑がきれいになったと喜び、実はハダニが広がっていたというケースです。被害の葉は戻りませんが、駆除して葉水を続ければ、次に開く葉から健康な模様に戻ります。
気温が15°Cを超えたら水やりを週1回に戻し、4〜5月から月1回の液肥を始めます。冬に部屋の奥へ移した株は、レース越しの窓辺へ戻して新しい葉に光を当てます。植え替えと株分けは5月以降に行い、春先の強い日差しによる葉焼けに注意します。
水は表面が乾いたら週1〜2回、液肥は月1回続けます。直射日光と西日には当てないでください。白い筋から先に焼けます。エアコンの風も避け、葉水を毎日にしてハダニとアザミウマを防ぎます。35°Cを超える日は肥料を休みます。
水やりの間隔を広げ、肥料は9月で止めます。日差しが弱まる分、窓に少し近づけて光を確保すると、冬前に開く葉も筋がはっきり出ます。最低気温が15°Cを下回り始めたら、夜は窓際から離します。夏の害虫が残っていないか葉裏も確認します。
13°C以上を保てる明るい部屋に置き、水は10日〜2週に1回、肥料は与えません。冬の光不足で新しい葉の筋が細くなるのは一時的です。暖房で乾くので葉水は週2〜3回続け、水は室温に戻してから与えます。冷えで葉が垂れたら水を控えます。
原因
先祖返り。バーキンの白い筋の斑は不安定で、元になった赤い葉の品種や緑の葉の性質が出ることがある。
対策
株元から出た戻った芽は付け根から切り取ります。中心の芽が戻った場合は数枚様子を見て、筋が戻らなければ斑入りの子株や挿し木で株を更新します。
原因
直射日光や西日による葉焼け。白い部分は葉緑素が少なく、強い光と熱に最も弱い。
対策
窓から1〜2m離したレース越しの位置に移します。焼けた跡は戻りませんが広がりもしないので、見た目が気になる葉だけ付け根で切ります。
原因
光量不足。暗い場所では株が光合成を優先し、緑の面積が多い葉を出すようになる。
対策
レース越しの光が半日以上入る場所へ移し、2週間ごとに鉢を回します。次に開く葉から筋が増えることが多く、すでに開いた葉の模様は変わりません。
原因
光の来る方向へ茎が伸びる性質と、自立型で上部に葉が集まり重くなること。根詰まりで株が不安定になる場合もある。
対策
短い支柱を茎に添えて麻ひもで留め、2週間ごとに鉢を回します。2年以上植え替えていなければ、5〜7月に元の高さのまま一回り大きな鉢へ植え替えます。
原因
アザミウマの吸汁。新芽が開く前に入り込み、葉が開くと銀色に光る傷や縮れとして現れる。
対策
シャワーで葉の表裏と新芽の付け根を洗い流し、観葉植物用の殺虫剤を1週間おきに2〜3回使います。傷んだ葉は戻らないので、次の葉がきれいに開くかで判断します。
ここにない症状は症状から調べるで、葉の色・しおれ・虫・病気などから逆引きできます。

フィロデンドロン・バーキンが家庭の室内で花を咲かせることは、ほとんどないと考えてよいでしょう。自立型でゆっくり育つうえ、白い筋の斑で光合成できる面積が限られるため、花を付けるほど株が充実しにくい品種です。
楽しみの中心は花ではなく、白い筋の模様と新しい葉が開いていく様子です。仮に咲いた場合は、舟形の苞が棒状の花の集まりを包む、サトイモ科に共通する姿になると考えられます。見つけたら記念に眺め、傷み始めたら手袋をして付け根から切り取りましょう。
フィロデンドロンの仲間の花言葉は「壮大な美」「華やかな明るさ」です。大きな葉を広げ、木に寄り添って育つ姿から生まれた言葉とされます。濃い緑に白い筋が走るバーキンの葉は、暗くなりがちな部屋の一角を明るく見せるため、とくに「華やかな明るさ」が似合う品種です。
風水では、上へ向かって伸びる植物は気を高め、仕事運や向上心を後押しするとされます。自立して葉を上へ重ねていくバーキンは、書斎や仕事部屋に向くといわれます。葉に入る白は浄化を表す色とされ、濃い緑との組み合わせが空間を引き締めながら落ち着かせるとも考えられています。
「先祖返り」と呼ばれる現象で、白い筋の斑が不安定なために起こります。バーキンは赤みのある品種の枝変わりとされ、育つうちに元の性質が出て、赤茶色の大きな葉や緑一色の葉を付けることがあります。株元から戻った芽が出た場合は、付け根から切り取ると斑入りの部分を守れます。株の中心の芽が戻った場合は、数枚様子を見ると筋が戻ることもあるとされますが、戻らなければ別の品種として育てるのも一つの楽しみ方です。
開いたばかりの葉が白っぽいのは、バーキンの正常な性質です。新しい葉はクリーム色を帯びた明るい色で開き、2〜4週間かけて地の緑が濃くなり、白い筋がくっきりしてきます。ただし、葉全体が真っ白で緑がほとんど入らない葉は光合成ができず、やがて茶色く枯れることがあります。そうした葉が続くときは、株元から緑の多い芽が育つのを待ち、真っ白な葉は傷んできた時点で付け根から切ります。
明るさを見直せば、次に開く葉から筋が増えることが多いです。斑の部分は光合成をしないため、暗い場所では株が緑の面積を増やそうとし、筋が細く少なくなります。窓から1〜2mのレース越しの場所へ移し、2週間ごとに鉢を回して全体に光を当ててください。すでに開いた葉の模様は変わりません。窒素の多い肥料を濃く与えると緑が濃くなりやすいともいわれるため、液肥は月1回、規定の濃さで与えます。
バーキンは自立型で細い筋の斑、この2つはつる性で白い斑がまだらに入る点が違います。ホワイトウィザードは緑の葉に大きな白い斑が切り分けたように入り、支柱を登って育ちます。ホワイトナイトも同じく大きな白斑で、茎や葉柄が赤紫色を帯びるのが目印です。バーキンは茎が立ち上がって株がまとまり、細い白線が葉脈に沿って何本も走ります。育て方はほぼ共通ですが、つる性の2種は支柱やヘゴ棒が必要になります。
ほかのフィロデンドロンと同じく有毒なので、置き場所に工夫が必要です。全草にシュウ酸カルシウムの結晶を含み、かじると口の中の痛みや腫れ、よだれ、嘔吐を起こすことがあります。床置きの鉢はペットの目線に近く、大きな葉をかじられやすいので、ペットの入らない部屋に置くか、手の届かない高さの棚を選んでください。切った葉や落ちた葉はすぐに片付け、口にした様子があれば早めに動物病院へ相談します。
フィロデンドロン としてまとめている他の品種です。
| 品種 | 大きさの目安 | 難易度 | 水やり |
|---|---|---|---|
| フィロデンドロン・バーキン(本記事) | 高さ30〜60cm程度(大株で90cmほど)。葉の長さは10〜20cm。4〜6号鉢が主な流通サイズです。 | 中級者向け | 土の表面から2〜3cm乾いたら(週1回前後) |
| フィロデンドロン | つる性種はつるの長さ30cm〜2m。直立種のセロームは1m超。3号のハンギングから大鉢まで多彩。 | 初心者向け | 土の表面が乾いたら(週1-2回) |
執筆: Hapot編集部
植物を迎えたばかりの人が枯らさずに育てられるように、植物図鑑と症状別の記事を編集しているチームです。農林水産省や農研機構など公的機関の栽培指針を確認したうえで、温度や頻度を数値で示し、迷いやすい判断は結論から書くことを大切にしています。誤りや古くなった情報はお問い合わせから受け付け、確認のうえ更新しています。