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フィロデンドロンの育て方

Philodendron hederaceum ほか最終更新日:
編集部

Hapot編集部より

フィロデンドロンは、ハート形の葉のオキシカルジウム(ヒメカズラ)を筆頭に、切れ込み葉のセローム、鮮やかな彩りのピンクプリンセスやバーキンまで、500種以上の多様さを誇るサトイモ科の大所帯です。属名はギリシャ語で「木を愛する」:樹木に絡んで育つ性質に由来し、つる性種はハンギングや棚から垂らす飾り方が絵になります。ポトスとよく似た手軽さで、耐陰性が高く、水挿しで簡単に増え、成長も速い。一方でポトスより葉質が柔らかく湿度を好む傾向があり、「ポトスの次の一鉢」として選ぶと違いも楽しめます。定番のオキシカルジウムなら価格も手頃で、初心者の入門にも最適です。

分類・基本データ

サトイモ科
フィロデンドロン属 Philodendron
フィロデンドロン
別名
オキシカルジウム、ヒメカズラ、フィロデン、ブラジル
原産地
中南米の熱帯雨林原産。樹木に気根で絡みつきながら育つ着生気味のつる植物です。
大きさ
つる性種はつるの長さ30cm〜2m。直立種のセロームは1m超。3号のハンギングから大鉢まで多彩。

育て方サマリ

水やり

土の表面が乾いたら(週1-2回)

日光

間接光

適温

13-30°C

湿度

50-70%

水はけの良い観葉植物用土

ケアのポイント

肥料

春〜秋に月1回液肥

成長速度

速い

毒性

全草に毒性あり(シュウ酸カルシウム)。ペット・子どもに注意

ポトス感覚で育てられる手軽さ。葉水を好む点だけポトスより気にかけて、つるはこまめに切り戻すとこんもり茂ります。

育て方の詳細

苗・株の選び方

節間が詰まり、葉数の多い株を選びましょう。間延びした株は光不足のサイン。色物品種(ピンクプリンセスなど)は斑の入り方で価格が大きく変わるため、好みの葉柄と株の健康(新芽が動いているか)の両方を確認して選んでください。

置き場所・日当たり

レースカーテン越しの明るい日陰が最適です。耐陰性は高く、照明メインの部屋でも維持できますが、暗いとつるが間延びして葉も小さくなります。斑入り・色物品種(ブラジル、ピンクプリンセスなど)は、模様を保つためにやや明るめの場所へ。直射日光は柔らかい葉がすぐ葉焼けするため厳禁です。原産地の熱帯雨林を思わせる湿度を好むので、エアコンの風が直撃する場所は避けること。冬は13°C以上を保ってください。

水やりの詳細

春〜秋は土の表面が乾いたらたっぷりと、週1〜2回が目安です。冬は成長が緩むため、土が乾いてから2〜3日後に控えめに。ポトスとの違いは湿度への欲求で、乾燥した部屋では葉先が傷みやすくなります。週2〜3回の葉水を習慣にすると、葉の艶が保たれハダニ予防にもなり、気根の発達も促されます。過湿による根腐れは他のサトイモ科同様に大敵なので、「乾いてから与える」リズムは崩さないこと。

最適な土の作り方

赤玉土5:腐葉土3:パーライト2の標準配合でよく育ちます。市販の観葉植物用土でもOK。ハンギングは軽量のココチップ配合で。上級者に人気の色物品種では、通気性の高いアロイド(サトイモ科)用ミックス(バーク・パーライト・ココチップ主体)もよく使われます。

剪定・切り戻し

つる性種は「切り戻し」が樹形管理のすべてです。伸びすぎたつるを節の上でカットすると、切り口下から新芽が出て枝数が増え、こんもりした株になります。適期は5〜9月ですが室内なら通年OK。葉のない古いつるは株元近くで切って世代交代を。直立種(セロームなど)は枯れた下葉を付け根から取り除く程度で十分です。樹液に触れるとかぶれることがあるため、手袋を着用してください。

植え替え

1〜2年に1回、5〜8月に。成長が速く根詰まりしやすいため、鉢底から根が出る・水の吸い込みが遅い、が植え替えサインです。一回り大きな鉢に植え替えるか、サイズ維持なら根鉢を1/3整理して同じ鉢へ。つる性種は植え替えと同時に切り戻すとバランス良く再生します。植え替え後は2週間の養生を。

増やし方

水挿しで非常に簡単に増やせます。節(気根付きがベスト)を含むつるを2〜3節で切り、水に挿すと1〜2週間で発根。土に植え付ければ半年でボリュームのある株に育ちます。適期は5〜8月。高価な色物品種も同じ方法で増やせるため、「1株買って増やして楽しむ」のがフィロデンドロン趣味の王道です。作業時は樹液対策の手袋を。

病害虫対策

乾燥期のハダニと、茎や葉裏のカイガラムシに注意します。ハダニは葉のかすれと微細な糸で気づきます。予防はこまめな葉水、発生したらシャワーで洗い流しを。カイガラムシはブラシで除去します。葉が密に茂ったら間引き剪定で風通しを確保。高湿度を好む一方で「蒸れ」は病気の元なので、湿度は葉水で、空気は風で動かす、と分けて考えるのがコツです。

年間カレンダー

1月
2月
3月
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月
肥料
手入れ
手入れの内容
  • 5植え替え・切り戻し・肥料開始
  • 6水挿しで増殖
  • 7つるの誘引・葉水
  • 8ハダニチェック・シャワー洗い
  • 9形を整える剪定

季節ごとの管理

春の管理

成長開始。肥料を再開し、植え替え・切り戻しは5月から。

夏の管理

最盛期。水と葉水をたっぷり。つるの伸びに合わせて剪定を。

秋の管理

水・肥料を減らし始め、13°Cを下回る前に室内の定位置へ。

冬の管理

13°C以上を確保。乾かし気味に管理し、葉水は続ける。

よくあるトラブルと対策

つるばかり伸びて葉と葉の間が間延びする

原因

光量不足による徒長。

対策

レースカーテン越しの明るい場所へ移し、間延びした部分は節の上で切り戻します。切ったつるは水挿しで発根させ、親鉢に植え戻すとボリュームが早く回復します。

葉先から茶色く傷む

原因

空気の乾燥。熱帯雨林原産のフィロデンドロンは乾いた風に弱い。

対策

エアコンの風の直撃を避け、週2〜3回の葉水を習慣に。加湿器のある部屋なら理想的です。傷んだ葉先は広がらないので、見た目が気になる場合のみカットを。

フィロデンドロンの花言葉・風水

花言葉

フィロデンドロンの花言葉は「壮大な美」「華やかな明るさ」。属名の「木を愛する」に重ね、寄り添う愛情の象徴として贈り物にも使われます。

風水・縁起

ハート形の葉を持つオキシカルジウムは「恋愛運・対人運を高める」とされ、下向きに垂れる葉が気を鎮めることから、寝室やリビングに向くといわれます。

フィロデンドロンのよくある質問

Qフィロデンドロンとポトスの見分け方は?回答を見る
A

オキシカルジウムとポトスは特に似ていますが、3点で見分けられます。①葉の形:フィロデンドロンは綺麗なハート形で先端が細く伸びる、ポトスはやや左右非対称の卵形。②新芽:フィロデンドロンは薄い鞘(カタフィル)に包まれて出る、ポトスは葉が丸まって出る。③質感:フィロデンドロンはマットで柔らかい、ポトスは厚く艶がある。育て方はほぼ同じなので、間違えても実害はありません。

Qピンクプリンセスのピンクが減ってきました。戻せますか?回答を見る
A

明るさの見直しで「次に出る葉」から改善できます。ピンクの斑は葉緑素のない不安定な変異で、暗い環境では株が光合成を優先して緑の葉ばかり出すようになります。レースカーテン越しの明るい場所に移し、緑一色の葉が続くつるは、斑入りの葉が付く節まで切り戻してください。すでに緑化した葉は戻りませんが、切り戻しで斑入りの芽の展開を促せます。真っピンクの葉は美しい反面、光合成できず株の負担になるため、バランスの良いハーフムーン柄が理想です。

Qセロームもフィロデンドロンの仲間ですか?回答を見る
A

はい、深い切れ込み葉で人気のセロームもフィロデンドロン属の仲間です(近年はタウマトフィルム属に再分類されましたが、流通名はフィロデンドロン・セロームのまま)。つる性のオキシカルジウムと違い、幹が立ち上がる自立型で、大きく育つと幹に「目」のような葉痕が現れる個性派。育て方の基本は共通ですが、セロームはより光を好み、場所も取るため、置き場所に余裕を持って迎えてください。