フィロデンドロンの種類一覧|4品種の違いと選び方
フィロデンドロンは、ポトスと同じ感覚で育てられる丈夫さと、品種ごとに大きく違う葉の表情が魅力の観葉植物です。品種の違いは、つるを伸ばすか幹が立ち上がるかという育ち方と、斑の有無の2つで考えるとわかりやすく、つる性で斑のない種類ほど暗さに強く、斑の多い種類や大型の種類ほど明るい場所を必要とします。図鑑に掲載している品種を一覧で比べ、置き場所と飾り方に合う選び方と、店頭で迷いやすい植物との見分け方をまとめました。
フィロデンドロンの品種を比較
横にスクロールすると、ほかの項目も比べられます
| 品種 | 大きさの目安 | 難易度 | 日当たり | 水やり | 冬の最低温度 |
|---|---|---|---|---|---|
フィロデンドロン | つる性種はつるの長さ30cm〜2m。直立種のセロームは1m超。3号のハンギングから大鉢まで多彩。 | 初心者向け | 間接光 | 土の表面が乾いたら(週1-2回) | 13°C 以上 |
セローム | 室内の鉢植えで高さ80cm〜1.5m、葉の広がりは横幅1m前後。葉は1枚で長さ30〜60cm。4号の小鉢から10号以上の大鉢まで流通します。 | 初心者向け | 半日陰 | 土の表面が乾いたら(春〜秋は週1〜2回) | 5°C 以上 |
バーキン | 高さ30〜60cm程度(大株で90cmほど)。葉の長さは10〜20cm。4〜6号鉢が主な流通サイズです。 | 中級者向け | 間接光 | 土の表面から2〜3cm乾いたら(週1回前後) | 13°C 以上 |
ブラジル | つるの長さ30cm〜1.5m、葉は長さ7〜12cmほど。3〜5号の吊り鉢や鉢植えでの流通が中心です。 | 初心者向け | 間接光 | 土の表面が乾いたら(春〜秋は週1〜2回) | 13°C 以上 |
条件別のおすすめ
フィロデンドロンの選び方
飾り方で選ぶ(垂らすか、立てるか)
棚の上や吊り鉢から垂らして飾りたいなら、つるを伸ばすオキシカルジウム(基本のフィロデンドロン)かブラジル。卓上や床に置いて立ち姿を楽しみたいなら、茎が立ち上がって高さ30〜60cmにまとまるバーキン。床置きで部屋の主役にしたいなら、幹から大きな葉を四方へ広げるセロームが向いています。
置き場所の明るさで選ぶ
照明だけの部屋や窓から遠い場所なら、斑のないオキシカルジウムが最も育てやすい品種です。黄色い斑のブラジルと白い筋のバーキンは、暗い場所では斑が減って緑に戻りやすいため、レース越しの光が半日以上入る場所に向きます。セロームは光を好み、日の入る窓辺に置くと葉柄の締まった姿に育ちます。
置ける広さで選ぶ
セロームは5〜6号鉢でも横幅80cm前後、大きく育つと1mを超えて広がるため、置き場所の横幅を測ってから選びます。オキシカルジウムとブラジルはつるの長さを切り戻しで自由に調整でき、3〜4号の小鉢から楽しめます。バーキンは成長がゆっくりで、長く同じサイズ感を保ちやすい品種です。
冬の寒さで選ぶ
冬の最低温度の目安は、オキシカルジウム・ブラジル・バーキンが13°C以上なのに対し、セロームは5°C前後まで耐えるとされ、仲間の中で最も寒さに強い品種です。暖房を止めると冷え込む部屋や、日の入る窓際で冬越しさせたいならセロームが安心です。
初めて育てるなら
水挿しで簡単に増え、暗さにも強いオキシカルジウムから始めると安心です。セロームも丈夫で初心者向きですが、場所を取る点だけは覚悟が要ります。バーキンは成長がゆっくりで斑が戻ることもあり、葉の変化を観察しながら育てる楽しみがある分、仲間の中では一段手がかかります。
ペットや子どもがいる家では
フィロデンドロンの仲間は品種を問わず、全草にシュウ酸カルシウムを含みます。かじると口の中の痛みや腫れの原因になるため、どの品種を選ぶ場合も、吊り鉢や高い棚など手の届かない場所に置いてください。剪定のときに出る樹液も、皮膚に付くとかゆみが出ることがあります。
似た品種の見分け方
フィロデンドロン・ブラジルとポトスの違い
ブラジルの新芽は薄い鞘に包まれて出て、葉が開いたあとも茶色く乾いた鞘が節に残ります。ポトスには鞘がなく、葉が丸まった状態でつるの先から出ます。葉もブラジルは薄く柔らかいハート形で先が細く伸び、ゴールデンポトスやグローバルグリーンは厚く硬い卵形です。
ブラジルと、緑に戻ったオキシカルジウムの関係
ブラジルはオキシカルジウムの斑入り品種なので、暗い場所で斑が抜けると、葉はオキシカルジウムと見分けがつかなくなります。同じ株のほかのつるに黄色い斑の葉が残っていればブラジルで、斑の葉が付いた節の上で切り戻すと、次の芽から斑が戻りやすくなります。
セロームとモンステラの違い
セロームの葉は縁から中心へ羽のように深く切れ込みますが、葉に穴は開きません。モンステラは切れ込みに加えて葉の内側に楕円形の穴が開き、葉の輪郭も丸みのあるハート形です。株姿も違い、セロームは太い幹から葉を放射状に立ち上げ、モンステラは茎が横へ這うように伸びます。
品種ごとの特徴

フィロデンドロン
Philodendron hederaceum ほか
フィロデンドロンは、ポトスと同じ感覚で育てられるうえに葉の表情が豊かで、初心者から品種集めを楽しむ人まで幅広く向いている観葉植物です。
フィロデンドロンの育て方を見る

セローム
Thaumatophyllum bipinnatifidum(旧 Philodendron selloum / P. bipinnatifidum)
セロームは、つるを伸ばすオキシカルジウムなどと違い、太い幹が立ち上がって葉を四方へ広げる、大型で自立型のフィロデンドロンです。
セロームの育て方を見る

フィロデンドロン・バーキン
Philodendron 'Birkin'
フィロデンドロン・バーキンは、つるを伸ばす種類が多いフィロデンドロンの中で、茎が上へ立ち上がってつるにならない自立型の品種です。
フィロデンドロン・バーキンの育て方を見る

フィロデンドロン・ブラジル
Philodendron hederaceum 'Brasil'
フィロデンドロン・ブラジルは、定番のオキシカルジウム(ヒメカズラ)の斑入り品種で、ハート形の葉の中央に黄緑〜黄色の斑が入るのが違いです。
フィロデンドロン・ブラジルの育て方を見る
品種に共通する水やり・置き場所・植え替えの方法はフィロデンドロンの育て方にまとめています。
そのほかの珍しい種類
国内ではほとんど流通していないため、図鑑に個別のページは作っていない種類です。名前を見かけたときの参考にしてください。
ピンクプリンセス
黒みを帯びた濃い緑の葉に、鮮やかなピンクの斑がまだらに入る品種です。斑の入り方で価格が大きく変わり、人気の高さから高値で取引されることもあります。斑は不安定で、暗い場所では緑の葉に戻りやすく、ピンク一色の葉は光合成ができず株の負担になります。
ザナドゥ(タウマトフィルム・ザナドゥ)
セロームと同じタウマトフィルム属の小型種で、切れ込みの入った葉をこんもりと茂らせます。セロームより葉が小さく幹も立ち上がりにくいため、高さ60cm〜1mほどにまとまり、セロームの葉の形が好きでも置き場所が限られる人に向くとされます。
ミカンス
オキシカルジウムの仲間で、葉の表面がビロードのような質感を持ち、光の当たり方で赤銅色から深い緑に見える種類です。新芽は赤みを帯びて開きます。オキシカルジウムよりやや湿度を好み、葉水を多めにすると葉の質感がきれいに保てます。
レモンライム(ライム)
オキシカルジウムの葉全体が明るい黄緑一色になる品種で、ポトスのライムとよく似ています。新芽が鞘に包まれて出るかどうか、葉が薄く柔らかいかどうかで、ポトスのライムと見分けられます。