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甲州ブドウの育て方

Vitis vinifera 'Koshu'公開日: 最終更新日:

甲州ブドウの育て方の要点

植えどき・種まき
2月
収穫
10月
水やり
庭植えは根付けば不要。鉢は表面が乾いたら
置き場所
直射日光

Hapot編集部より

甲州ブドウは、古くから山梨で栽培されてきたと伝わる日本固有の品種で、藤色から淡い赤紫に色づく粒と、すっきりした甘さが特徴です。一般的な生食用の改良品種と比べると、樹勢がとても強く棚一面に広がる大型の樹になること、収穫が9月下旬〜10月と遅いことが違いです。

来歴には奈良時代の僧・行基や、鎌倉時代の雨宮勘解由にまつわる伝承が残り、近年のDNA解析では、欧州系の Vitis vinifera を主体に中国の野生ブドウの血が入っているとする研究があります。2010年には国際ブドウ・ワイン機構(OIV)に日本の品種として初めて登録され、白ワインの原料として世界に知られるようになりました。生食用としても古くから親しまれています。

家庭では、広い場所があれば伝統的な棚仕立て、限られた場所なら垣根や大鉢で育てられます。収穫した甲州で自家製ワインを造ることは、酒税法で禁じられています。生食やジュース、ジャムで楽しんでください。

甲州ブドウの姿

分類・基本データ

科
ブドウ科
属
ブドウ属 Vitis
種
甲州ブドウ
別名
甲州、こうしゅう、甲州ぶどう、甲州葡萄、Koshu
原産地
日本の山梨県で古くから栽培されてきた在来品種です。DNA解析では、欧州系の Vitis vinifera を主体に中国の野生ブドウの血が入っているとする研究があります。

甲州ブドウの育て方の5つのポイント

水やり

庭植えは根付けば不要。鉢は表面が乾いたら

日光

直射日光

温度の目安

-10〜35°C程度(強い寒波と遅霜に注意)

湿度

40-60%(風通しのよい環境を好む)

土

水はけの良い土(礫まじりの土が理想)

甲州ブドウはどれくらい大きくなる?

大きさの目安

棚仕立てでは1本で数m四方に広がる大型のつる。垣根なら横3m前後、鉢植えは高さ1.5〜2mに抑えられます。

成長の速さ

非常に旺盛(棚一面に広がる大型のつる)

温度の目安(耐寒〜耐暑)

-10〜35°C程度(強い寒波と遅霜に注意)

ケアのポイント

肥料

寒肥+収穫後のお礼肥(樹勢が強いので窒素は少なめ)

成長速度

非常に旺盛(棚一面に広がる大型のつる)

毒性

実は食用。ただし犬・猫にはブドウ中毒(腎障害)の危険があり、落ちた粒も含めて与えない

広い棚で枝を広げ、房に袋をかけて秋雨を避けるのが甲州の基本です。庭が狭ければ、垣根か大鉢で樹を小さく保ちます。

育て方の詳細

苗・株の選び方

良い苗は、接ぎ目がしっかり癒合した接ぎ木苗であること、枝が鉛筆より太く芽がふっくらしていること、根が乾かずポットに白い根が回っていることの3点で見分けます。甲州は流通量が多くないため、品種名が「甲州」と明記された苗を、果樹苗を扱う専門店や通販で探すのが確実です。

避けたいのは、枝に黒い斑点や膨らみのある苗と、葉が残る時期に投げ売りされている根の弱った苗です。甲州には「甲州三尺」など名前の似た系統もあるため、購入前にラベルを確かめます。広い庭で棚を作るなら2年生の大苗、ベランダの大鉢なら1年生の苗でも十分です。

置き場所・日当たり

日当たりと風通しのよい、水はけのよい場所に植えます。甲府盆地の扇状地で栽培が広がった歴史のとおり、昼夜の寒暖差があり雨の少ない場所ほど、色づきと甘さが上がるとされます。1日6時間以上の日照を目安にし、収穫期の秋雨に当たらないよう、軒下や簡易屋根の下だとさらに安心です。

樹勢がとても強く、伝統的な棚仕立てでは1本で数m四方に枝を広げます。庭植えで棚を作るなら最低でも2m四方、垣根なら横3m前後を確保します。鉢植えは12号前後の大鉢に行灯か支柱仕立てで植え、剪定で小さく保ちます。

よくある失敗は、日陰になる北側のフェンスに植え、房が淡い緑のまま色づかないことです。冬のうちに日なたへ植え替えるか、枝を日の当たる面へ誘引し直すと、翌秋は藤色に色づきやすくなります。

水やりの詳細

庭植えは根付いた後は雨任せでよく、夏に2週間以上まとまった雨がないときだけ株元にたっぷり与えます。甲州は根が深く張り、乾燥には比較的強い品種です。鉢植えは表面が乾いたら鉢底から流れるまで与え、粒が膨らむ7〜8月は朝1回が目安です。

熟期は9月下旬〜10月と遅く、秋雨と重なります。色づき始めたら水やりを控え、土を湿らせ続けないことで甘さが乗り、粒の腐れも減ります。

よくある失敗は、鉢植えを秋雨に当て続け、熟す前の粒が晩腐病で傷むことです。鉢は軒下へ移し、傷んだ粒を早めに取り除いて、残りの粒を乾き気味に管理しながら収穫を待ちます。

最適な土の作り方

甲州は礫の多い扇状地で育ってきた品種で、水はけのよさが何より大切です。庭植えは直径・深さ60cmほどの穴を掘り、掘り上げた土に腐葉土を2割、小石か軽石を1〜2割混ぜて戻し、粘土質なら20cmほど盛り土をして植えます。肥えた畑土では枝ばかり伸びるため、元肥は堆肥程度に控えます。鉢植えは市販の果樹用培養土に軽石を2割混ぜるか、赤玉土小粒6、腐葉土2、軽石2で配合し、鉢底石を3cm敷きます。軽石の代わりに硬質の鹿沼土を使っても構いません。

剪定・切り戻し

剪定は落葉後の12〜2月に行います。甲州は山梨で枝を長く残す長梢剪定の棚仕立てによって育てられてきた品種で、充実した前年枝を芽6〜10個ほどで切り、棚面に枝が重ならないよう扇状に配置します。家庭の小さな棚や垣根では、芽2〜3個で切る短梢剪定でも房は付くとされ、毎年同じ位置で切れるので管理が簡単です。

4〜5月に芽かきをして新梢の間隔を20cmほどに広げ、6月の開花前後に新梢1本に1房を目安に房を減らします。房が長く伸びる場合は、先端を切り詰めて形を整えます。夏は伸びすぎた新梢を摘心し、房に適度な日が当たるようにします。

よくある失敗は、樹勢の強さに任せて枝を残しすぎ、棚の下が暗くなって房が色づかないことです。翌冬は枝の数を半分ほどに減らし、夏の摘心で棚の下に木漏れ日が落ちる程度に整えます。

  1. 1

    落葉後の12〜2月に準備する

    12〜2月に行います。剪定ばさみ、ノコギリ、癒合剤、粗皮削り用のへら、手袋を用意し、樹液が動き出す3月より前に作業を終えます。

  2. 2

    長梢剪定で枝を扇状に配置する

    棚仕立てでは、充実した前年枝を芽6〜10個ほどで切り、棚面に枝が重ならないよう扇状に配置します。細く弱い枝や混み合う枝は元から外します。

  3. 3

    狭い場所は短梢剪定で整える

    小さな棚や垣根では、主枝から出た前年枝を芽2〜3個で切りそろえます。毎年同じ位置で切ることで、限られた場所でも形を保てます。

  4. 4

    粗皮を削って清掃する

    幹の古い皮をへらで削り、切った枝や落ち葉と一緒に集めて処分します。越冬する害虫や病原を減らし、太い切り口には癒合剤を塗ります。

  5. 5

    初夏に房を減らして摘心する

    6月の開花前後に新梢1本に1房を目安に房を減らし、長い房は先端を詰めます。伸びすぎた新梢は摘心し、棚の下に木漏れ日が落ちるよう整えます。

植え替え

甲州は大きく育つ品種なので、鉢植えは12号前後の大鉢で育て、2年に1回、落葉期の12〜2月に植え替えます。根鉢の外側の土を3分の1ほど落とし、黒く傷んだ根を切って、新しい土で植え直します。鉢では樹を大きくできないため、毎冬の剪定で主枝を1本にまとめ、房数も少なめにして樹への負担を抑えます。

庭植えの植え付けも12〜3月が適期で、接ぎ木苗は接ぎ目を地表より上に出して植え、支柱に結んで主枝をまっすぐ伸ばします。棚に届くまでの1〜2年は房を付けず、樹を育てることを優先します。初収穫は3〜4年目が目安です。

よくある失敗は、芽が動き出した後に植え替えて新梢がしおれることです。その場合は日陰で数日休ませ、葉を数枚減らして蒸散を抑えると持ち直すことがあります。植え替えは必ず落葉期に行います。

  1. 1

    12〜2月に大鉢と用土を用意する

    落葉期の12〜2月に行います。12号前後の大鉢、果樹用培養土と軽石、鉢底石、支柱、剪定ばさみを用意し、前日から水を控えて土を乾かしておきます。

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    根鉢をほぐして傷んだ根を切る

    株を鉢から抜き、根鉢の外側の土を3分の1ほど落とします。黒く傷んだ根や長く巻いた根を切り、白く張りのある根を残して整えます。

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    水はけのよい土で植え直す

    鉢底石を3cm敷き、培養土に軽石を2割混ぜた土で植えます。接ぎ木苗は接ぎ目を土の上に出し、棒で突いて根の間に土を行き渡らせます。

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    主枝を支柱に1本で立てる

    冬剪定で主枝を1本にまとめ、支柱に麻ひもで緩く結びます。鉢では樹を大きくできないので、残す枝を少なめにして樹への負担を抑えます。

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    水やり後は日なたで芽吹きを待つ

    鉢底から流れるまで水を与え、日当たりのよい場所に置きます。肥料は芽吹き後に少量与え、芽が動いてからの植え替えは避けてください。

増やし方

甲州は2〜3月の挿し木で増やせます。冬剪定で出た鉛筆ほどの太さの充実した枝を、芽2〜3個付きで15〜20cmに切り、切り口を半日ほど水に浸けてから、上の芽1個が地表に出る深さで挿し木用土に挿します。明るい日陰で土を乾かさなければ、1か月前後で芽が伸び始めます。

ただし欧州系の性質が強いため、庭植えにする場合は、土の中の害虫フィロキセラに強い台木に接いだ接ぎ木苗のほうが安心とされます。挿し木苗は鉢植えで楽しむか、接ぎ木の練習用に使うと無駄がありません。

よくある失敗は、挿し穂の上下を逆に挿して、いつまでも芽が動かないことです。挿し穂を切るときに下側を斜め、上側を水平に切っておくと向きを間違えません。新梢が伸びても、鉢底から根が見えるまでは植え替えずに待ちます。

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    2〜3月に挿し穂と道具を準備する

    冬剪定で出た鉛筆ほどの太さの充実した枝、清潔な剪定ばさみ、挿し木用土を入れた深めの鉢、品種名を書いたラベルを用意します。

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    下を斜め、上を水平に切る

    芽2〜3個付きで15〜20cmに切り、下側は芽のすぐ下で斜め、上側は芽の少し上で水平に切ります。上下を取り違えないための目印になります。

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    半日吸水させて浅く挿す

    切り口を半日ほど水に浸け、湿らせた用土に、上の芽1個が地表に出る深さで挿します。挿した後は鉢底から流れるまで水を与えます。

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    明るい日陰で土を乾かさない

    直射日光の当たらない明るい場所に置き、土の表面が乾かないよう管理します。1か月前後で芽が伸びますが、根が回るまでは動かしません。

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    根を確かめて鉢で育てる

    鉢底から白い根が見えたら鉢上げします。庭植えにするなら、フィロキセラに強い台木の接ぎ木苗を別に用意するほうが安心とされます。

病害虫対策

甲州は欧州系の中では日本の雨に比較的耐える品種とされますが、晩腐病・べと病・黒とう病・灰色かび病にかかることがあり、特に熟期が秋雨と重なる晩腐病に注意が必要です。対策は6月の袋かけ、落ち葉や巻きひげ、罹病した房を残さない冬の清掃、粗皮削りで、発生が多ければブドウに登録のある薬剤をラベルどおりに使います。

害虫ではブドウトラカミキリやブドウスカシバの枝への食入、コガネムシの葉の食害に注意し、冬剪定で膨らんだ枝や穴のある枝を見つけたら切り取ります。熟期にはスズメバチや鳥が集まるため、収穫前に防鳥ネットをかけます。

よくある失敗は、袋をかけずに秋を迎え、色づき始めた房がオレンジ色の粒々を出して次々に腐ることです。腐った房はすぐに摘み取って処分し、翌年は梅雨入り前に袋かけを済ませます。

年間カレンダー

1月
2月
3月
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月
開花
肥料
手入れ
手入れの内容
  • 1月長梢または短梢の剪定・寒肥・粗皮削り
  • 2月剪定完了・植え付け・挿し木
  • 4月芽かき・新梢の誘引・遅霜対策
  • 6月房を減らす・梅雨入り前に袋かけ
  • 9月色づいたら水を控える・防鳥ネット
  • 10月味を見て収穫・お礼肥

季節ごとの管理

春の管理

4〜5月に芽かきと新梢の誘引を行います。肥料は寒肥で足りるので追加しません。庭植えは水やり不要、鉢は乾いたら与えます。日当たりのよい場所に置き、遅霜の予報がある夜は鉢を軒下へ移して新芽を守ります。

夏の管理

6月の開花前後に房を減らし、梅雨入り前に袋をかけます。鉢は朝1回の水やりが目安で、肥料は与えません。棚の下に木漏れ日が落ちる程度に新梢を摘心し、葉裏の白いカビ(べと病)を見回ります。

秋の管理

粒が藤色に色づき、食べて甘さを感じたら9月下旬〜10月に収穫します。色づいたら水を控え、鉢は秋雨を避けて軒下へ。収穫後にお礼肥を少量与えます。熟期は晩腐病と鳥・スズメバチの食害に注意します。

冬の管理

12〜2月に長梢剪定か短梢剪定を行い、寒肥を控えめに与えます。鉢は月2〜3回の水やり、庭植えは不要です。寒風の当たらない場所に置き、粗皮を削って落ち葉とともに処分し、越冬する病害虫を減らします。

11月の作業をくわしく知りたいときは冬の防寒対策や鉢植えで育てる果樹の記事も参考になります。

よくあるトラブルと対策

房が淡い緑のまま色づかない

原因

日照不足か房の付けすぎです。甲州は藤色に色づく品種ですが、棚の下が枝葉で暗かったり、房数が多すぎたりすると色が乗りません。

対策

収穫を少し遅らせて色づきを待ちます。翌年は冬に枝を減らし、6月に新梢1本に1房ほどへ房を減らし、夏の摘心で房に木漏れ日が当たるようにします。

色づき始めた粒にオレンジ色の粒々が出て腐る

原因

晩腐病です。甲州は熟期が9月下旬〜10月と遅く、秋雨と重なるため、袋をかけていない房で発症しやすくなります。

対策

腐った房はすぐに摘み取って処分します。翌年は梅雨入り前に袋をかけ、冬に粗皮を削って、落ち葉や巻きひげと一緒に片付けます。

若い葉や新梢に黒褐色の小さな斑点が出てくぼむ

原因

黒とう病です。春から梅雨の雨で広がり、新梢や葉、幼い粒に斑点を作ります。前年の病気の枝が残っていると発生が増えます。

対策

斑点の出た新梢や葉を切り取って処分します。冬の剪定で病気の枝を残さず外し、雨の多い時期は簡易屋根などで雨を避けます。

枝に小さな穴があき、その先の新梢が枯れる

原因

ブドウトラカミキリの幼虫が枝の中を食べ進んでいます。冬の枝に黒いしみや穴があるのが目印で、放置すると枝が折れることもあります。

対策

冬剪定で被害のある枝を見つけたら切り取り、処分します。太い枝の場合は、穴に針金を差し込んで幼虫を刺殺します。

春に伸びた新芽が一晩で黒く枯れた

原因

遅霜の被害です。甲州は芽吹き後の新芽が霜に弱く、4月の冷え込みで芽が傷むことがあります。

対策

傷んだ芽は取り除き、副芽が伸びるのを待ちます。翌年からは霜の予報がある夜に鉢を軒下へ移すか、庭植えは不織布で株を覆います。

ここにない症状は症状から調べるで、葉の色・しおれ・虫・病気などから逆引きできます。

甲州ブドウの花言葉・風水

花言葉

ブドウの仲間の花言葉には「陶酔」「思いやり」「人間愛」などが挙げられます。甲州は山梨の人々が長い年月をかけて守り継いできた品種で、房を分け合い守り継いできた歴史は「思いやり」の花言葉によく重なります。品種独自の花言葉は、特に定められていないとされます。

風水・縁起

棚一面に房が下がるブドウは、豊かな実りと子孫繁栄の象徴とされ、甲州も古くから縁起物として親しまれてきたといわれます。風水では、藤色のようなやわらかな紫は品格と癒やしを表す色とされ、庭の東から南東に棚を置くと家族の発展を後押しするといわれます。

甲州ブドウのよくある質問

Q収穫した甲州ブドウで自家製ワインを造ってもいいですか?回答を見る
A

造ってはいけません。甲州は日本を代表する白ワインの品種ですが、日本では免許を持たない人がアルコール分1%以上の酒類を造ることは酒税法で禁じられており、自家用でも違反になります。家庭で育てた甲州は、生で食べるほか、ジュース、ジャム、干しブドウにして楽しんでください。ジュースは冷蔵して早めに飲み切ります。甲州ワインの味わいを知りたいときは、山梨などのワイナリーの甲州ワインを購入して、育てた房の味と比べてみるのもおすすめです。

Q甲州ブドウは生で食べられますか?回答を見る
A

生で食べられます。甲州はワインの原料として知られる一方、山梨では古くから生食用としても親しまれてきた品種です。果汁が多く、さっぱりした甘さが特徴で、皮には少し渋みがあるため、皮をむいて食べるのが一般的です。粒には種があるので、飲み込まずに出してください。たくさん採れた年は、ジュースやジャム、干しブドウにすると長く楽しめます。犬や猫には中毒の危険があるので与えないでください。

Q甲州ブドウの収穫時期はいつですか?回答を見る
A

関東の平野部では9月下旬〜10月が目安です。甲州は晩生の品種で、粒が淡い緑から藤色、淡い赤紫へと色づいていきます。色だけで判断せず、房の先端の粒を食べて甘さが乗り、酸味が穏やかになったら収穫どきです。熟期が秋雨と重なるため、袋をかけたまま待ち、鉢植えは軒下へ移して水を控えます。収穫は晴れた日の午前中に、房の付け根をはさみで切って行います。

Q甲州ブドウは鉢植えでも育てられますか?回答を見る
A

12号前後の大鉢なら育てられます。甲州は樹勢が強く、本来は棚一面に枝を広げる品種ですが、鉢では支柱か行灯に主枝を1本立て、冬の剪定で小さく保ちます。房数は少なめにし、2年に1回、落葉期の12〜2月に植え替えて根詰まりを防いでください。秋雨の時期に軒下へ移せる点は、晩腐病の予防に有利です。初収穫は植え付けから3〜4年目が目安です。

Q甲州ブドウとマスカット・ベーリーAの違いは何ですか?回答を見る
A

甲州は藤色の白ワイン用品種、マスカット・ベーリーAは黒紫色の赤ワイン用品種です。甲州は山梨で古くから栽培されてきた日本固有の品種で、2010年に日本の品種として初めてOIVに登録されました。マスカット・ベーリーAは1927年に新潟で川上善兵衛が交配した品種で、2013年に登録されています。どちらも生食できます。家庭栽培では病気と寒さに強いマスカット・ベーリーAのほうが手間が少なく、甲州は広い棚と袋かけが成功の鍵になります。

Q甲州ブドウはなぜ棚仕立てで育てるのですか?回答を見る
A

樹勢がとても強く、枝を広く伸ばしたほうが樹が落ち着き、実付きが安定するとされるためです。甲州は伝統的に、前年枝を長く残す長梢剪定で棚一面に枝を広げて育てられてきました。棚にすると房が地面から離れて風通しがよくなり、雨のはね返りによる病気も減ります。家庭の小さな庭では、垣根に仕立てて芽2〜3個で切る短梢剪定でも房は付くとされるので、場所に合わせて棚か垣根かを選んでください。

Q甲州ブドウは植えてから何年で実がなりますか?回答を見る
A

接ぎ木苗なら植え付けから3〜4年目が初収穫の目安です。甲州は樹勢が強く、若いうちは枝ばかり伸びやすいため、1〜2年目は房を付けずに主枝を育て、棚や垣根の骨格を作ります。3年目以降に房を付け始め、最初の年は1株数房に留めると樹が弱りません。挿し木苗は根を育てる期間が必要なので、さらに1年ほど余分にかかります。1本で実るので、受粉樹は必要ありません。

ブドウのほかの品種

ブドウ としてまとめている他の品種です。

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この記事について

執筆: Hapot編集部

植物を迎えたばかりの人が枯らさずに育てられるように、植物図鑑と症状別の記事を編集しているチームです。農林水産省や農研機構など公的機関の栽培指針を確認したうえで、温度や頻度を数値で示し、迷いやすい判断は結論から書くことを大切にしています。誤りや古くなった情報はお問い合わせから受け付け、確認のうえ更新しています。

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