苗・株の選び方
良い株は3点で見分けます。葉が厚く張りがあり、指で押してもへこまないこと、葉の付け根や茎が黒く変色していないこと、つるの株なら節と節の間が詰まっていることです。斑入りを選ぶなら、斑と緑の境目がはっきりしているものを選びます。
避けたいのは、葉にしわが寄っているのに土が湿っている株で、根が傷んでいる可能性があります。もう一つは葉の付け根に白い綿状の粒が付いている株で、カイガラムシが入り込んでいます。つるを伸ばしたいなら、葉1枚の鉢ではなく茎と節のある株を選んでください。
ホヤ・カーリーの育て方の要点
Hapot編集部より
ホヤ・カーリーは、厚みのあるハート形の葉が特徴の種類で、定番のカルノーサより寒さに弱く、成長もゆっくりです。ケリー(Hoya kerrii)の名でも流通し、葉1枚を小鉢に挿した「ハートホヤ」は贈り物の定番になっています。ただし、その葉1枚の鉢は節を含まないことが多く、何年たっても芽が出ないのがふつうです。つるを伸ばして育てたい場合は、茎と節の付いた株を選びます。葉は長さ5〜8cmほどで、多肉植物のように水を蓄えるため乾燥にはよく耐えますが、低温期の過湿で根を傷めやすいのが弱点です。縁や中央に白〜黄色の斑が入るバリエガータ系もあり、斑入りは緑葉よりさらに光と温度を必要とします。花は成熟したつるに咲き、白〜淡いピンクの花の中心が赤く色づき、蜜が茶色っぽく色づくことがあるとされます。冬は10°C以上を保ち、土が乾いて数日してから水を与えるのが長持ちさせるこつで、ハートの形を楽しみたい人や、水やりの手間を減らしたい人に向いています。

水やり
土が中まで乾いて数日後(春〜秋は10日に1回程度、冬は月1回)
日光
間接光
温度の目安
10-30°C
湿度
40-60%
土
水はけの良い多肉植物用土か、観葉植物用土に軽石を3〜4割混ぜたもの
大きさの目安
葉は長さ5〜8cmのハート形。つるの株は室内で50cm〜1.5mほど。葉1枚を挿した2〜3号の小鉢での流通が多い。
成長の速さ
ゆっくり
温度の目安(耐寒〜耐暑)
10-30°C
肥料
5〜9月に2か月に1回の緩効性肥料(葉1枚の鉢はごく少量)
成長速度
ゆっくり
毒性
一般に毒性は低いとされるが、葉や茎を切ると白い乳液が出る。誤食や肌の弱い人の接触は避けるのが無難
ハート形の葉に水をたっぷり蓄える種類。冬に10°Cを下回る場所で水を与えない。葉1枚の鉢は芽が出ない前提で、形を楽しむ鉢として扱います。
良い株は3点で見分けます。葉が厚く張りがあり、指で押してもへこまないこと、葉の付け根や茎が黒く変色していないこと、つるの株なら節と節の間が詰まっていることです。斑入りを選ぶなら、斑と緑の境目がはっきりしているものを選びます。
避けたいのは、葉にしわが寄っているのに土が湿っている株で、根が傷んでいる可能性があります。もう一つは葉の付け根に白い綿状の粒が付いている株で、カイガラムシが入り込んでいます。つるを伸ばしたいなら、葉1枚の鉢ではなく茎と節のある株を選んでください。
基本はホヤと同じで、レースカーテン越しの明るい窓辺が向いています。カーリーで違うのは寒さへの弱さで、冬は最低10°Cを保てる部屋に置き、夜に冷え込む窓際からは1mほど離してください。葉が厚いぶん強い光にもある程度耐えますが、真夏の直射日光は葉の表面を黄色く焼くので避けます。葉1枚の小鉢は鉢が小さく温度変化の影響を受けやすいため、エアコンの風が直接当たる棚の上や、夏の閉め切った窓辺は不向きです。
よくある失敗は、冬の玄関やトイレなど暖房のない場所に置き、葉が黄色く透けたように柔らかくなることです。この状態は低温と過湿による傷みで、すぐに暖かい部屋へ移し、土が完全に乾くまで水を止めます。傷んだ葉は戻りませんが、茎が硬ければ春に新芽が出ます。
カーリーの葉は多肉植物に近く、ホヤの中でも乾燥に強い種類です。水やりは土が中まで乾いてからさらに数日待ち、鉢底から流れ出るまで与えます。目安は5〜9月で10日に1回、冬は月1回程度で、葉が少ししぼんで柔らかくなってから与えても問題ありません。葉1枚の2〜3号鉢は土の量が少なく、乾きと過湿の振れ幅が大きいので、コップ半分ほどの水を土全体に回す程度にとどめます。受け皿の水は必ず捨ててください。
よくある失敗は、小さな鉢がかわいそうに見えて毎週水を与え、葉の付け根が黒く腐ることです。付け根が黒く柔らかくなった葉挿しは回復しにくいので、傷んでいない部分があれば切り戻して乾かし、乾いた新しい土に挿し直します。
根が少なく過湿で傷みやすいので、多肉植物用土をそのまま使うのが手軽です。観葉植物用土を使う場合は、軽石(小粒)かパーライトを3〜4割混ぜて水はけを上げます。自分で配合するなら赤玉土(小粒)4、軽石4、腐葉土2が目安です。鉢底には鉢底石を1〜2cm敷き、元肥はごく少量にします。葉1枚の鉢は購入時の土が保水性の高いものであることも多く、植え替えの機会に乾きやすい土へ替えると失敗が減ります。鉢は素焼き鉢など乾きの早いものが向いており、鉢底穴のない陶器カップに直接植えるのは避けます。
カーリーは成長がゆっくりで、剪定の必要はほとんどありません。つるのある株では、伸びすぎたつるや葉の落ちたつるを5〜7月に節の少し上で切る程度です。ホヤ全般と同じく、花が咲き終わった花柄は翌年も同じ場所から咲くので、切らずに残します。先端に葉のない細いつるは成長中のことが多いので、支柱やリングに巻いて様子を見ます。葉1枚の鉢は剪定の対象がなく、黄色くなった葉だけを付け根から取り除きます。
よくある失敗は、なかなか伸びないつるの先端を切って脇芽を出そうとし、かえって成長が止まることです。カーリーは1年に10〜30cmほどしか伸びないことも多いため、伸びが遅くても切り詰めず、明るさと温度を確保して待つのが近道です。切ったつるは挿し木に使えます。
時期と道具を用意する
つるの整理は5〜7月に行います。清潔なハサミと手袋を用意し、切ってはいけない花柄の位置を先に確かめます。
切るつるを選ぶ
葉が落ちて茎だけになったつるや、枯れたつるだけを選びます。先端に芽のある葉のないつるは成長中なので残します。
節の上で切る
節の5mmほど上で切り、切り口から出た白い乳液は湿らせた布で拭き取ります。花が咲き終わった短い軸は切らずに残します。
切ったつるを挿し木に回す
切ったつるは2〜3節ずつに分ければ挿し木に使えます。親株は明るい窓辺に戻し、水は土が乾いてから与えます。
植え替えは3年に1回程度、5〜7月の暖かい時期に行います。成長が遅く根も少ないため、鉢底から根が出る、土が固くなって水がしみ込まない、といったサインが出るまで急ぐ必要はありません。株を抜いたら古い土を軽く落とし、黒く傷んだ根だけを切って、元と同じか一回り(直径3cm)大きい程度の鉢に植えます。葉1枚の鉢を植え替える場合は、葉の付け根を深く埋めすぎず、葉が倒れない程度の深さで固定します。植え替え後は1週間ほど水を控え、明るい日陰で落ち着かせてから通常の管理に戻します。
よくある失敗は、大きく育てようと大きな鉢に植え、土が乾かずに根腐れさせることです。土がいつまでも湿っている場合は、小さめの鉢と乾きやすい土に植え直します。
時期と道具をそろえる
5〜7月の暖かい日に、3年に1回程度行います。同じか一回り大きい鉢、多肉植物用土か軽石を混ぜた土、鉢底石、清潔なハサミを用意します。
株を抜いて根を確かめる
数日前から水を止めて土を乾かし、鉢を軽く叩いて株を抜きます。黒く柔らかい根だけを切り、白く硬い根は崩さず残します。
浅めに植え付ける
鉢底石を1〜2cm敷いて土を入れ、元と同じ深さで植えます。葉1枚の鉢は、葉が倒れない程度に付け根を軽く埋めて固定します。
1週間は水を控えて養生する
植え替え直後は水を与えず、明るい日陰に置きます。1週間ほどして根が落ち着いてから少量の水を与え、通常の管理に戻します。
増やすなら、葉1枚ではなく節の付いたつるを挿します。適期は気温が20°C以上ある5〜7月で、つるを2〜3節、長さ10cm前後で切り、下の節の葉を外して切り口の乳液を水で洗い流します。湿らせた赤玉土(小粒)か多肉植物用土に節が1つ以上埋まるように挿し、明るい日陰で管理すると4〜6週間ほどで発根します。カーリーはカルノーサより発根が遅い傾向があるため、焦らず待ちます。葉1枚だけを挿す方法でも根は出ますが、節を含まないと芽がほとんど出ないため、つるを増やす目的には向きません。
よくある失敗は、発根を待つ間に土を湿らせ続けて切り口を腐らせることです。土は表面が乾いてから湿らせる程度にとどめ、腐った部分は切り戻して数日乾かしてから挿し直します。
時期と挿し穂を選ぶ
適期は気温20°C以上の5〜7月です。清潔なハサミ、赤玉土(小粒)か多肉植物用土、小鉢を用意し、節の付いた健康なつるを選びます。
2〜3節でつるを切る
つるを長さ10cm前後、2〜3節付けて節の少し下で切ります。土に埋まる下の節の葉を外し、切り口の白い乳液を水で洗い流します。
節を埋めて挿す
湿らせた用土に、節が1つ以上埋まるように挿します。葉が重くて倒れる場合は、割り箸を添えて軽く留めます。
乾かし気味に発根を待つ
明るい日陰に置き、土の表面が乾いたら霧吹きで湿らせます。4〜6週間ほどで発根し、新芽が動いたら通常の管理にします。
害虫は比較的少ないものの、葉の付け根や葉裏に付くカイガラムシに注意します。厚い葉の重なりや、ハート形の葉のくぼみの奥に白い綿状の粒が付くことがあり、見つけたら綿棒や歯ブラシでこすり落とします。数が多いときは観葉植物用の殺虫剤を散布します。冬の暖房で乾燥するとハダニが付き、葉の表面に細かい白い斑点が出るので、月に数回、湿らせた布で葉を拭くと予防になります。病気では、低温期の過湿による根腐れと、葉の付け根が黒くなる腐敗が最も多いトラブルです。
よくある失敗は、葉のべたつきや黒い汚れを見落とし、すす病が広がって葉が黒く覆われることです。べたつきに気づいたら葉裏と付け根を確認し、虫を取り除いてから葉を水拭きすれば、新しい葉はきれいに出ます。
最低気温が15°Cを超える5月ごろから成長が始まります。水は土が乾いて数日後に与え、5月から2か月に1回の緩効性肥料を始めます。置き場所はレース越しの明るい窓辺です。植え替えや挿し木は5月以降の暖かい日に行い、新芽にアブラムシがいないか確認します。
成長期ですが伸びはゆっくりです。水は10日に1回程度、土が乾いてから与え、肥料は2か月に1回続けます。真夏の直射日光は葉を黄色く焼くので明るい日陰へ。閉め切った部屋の高温と蒸れで根を傷めやすいので、風通しを確保し、カイガラムシも見ておきます。
9月で肥料を止め、水やりの間隔を2〜3週に1回へ空けていきます。日が短くなるので窓辺の明るい位置へ移します。最低気温が15°Cを下回る前に屋外やベランダの株は室内へ取り込み、その際に葉の付け根や葉裏の害虫を確認します。
10°C以上の部屋で、水は月1回程度、土が完全に乾いてから暖かい日の午前中に与えます。肥料は与えません。冷え込む窓際からは夜だけ離します。この時期に多いのは低温と過湿による葉の黄変で、暖房の乾燥によるハダニにも注意します。
原因
葉の付け根に節が含まれていない葉挿しのため。新しい芽は茎の節から出るので、葉だけでは根が出ても芽はほとんど出ない。
対策
芽が出ない前提で、ハートの形を楽しむ鉢として管理します。水は月1〜2回の少なめで十分です。つるを伸ばしたい場合は、茎と節が付いた株を選び直します。
原因
冬に10°Cを下回る場所で土が湿った状態が続き、根や葉の付け根が傷んでいる。カーリーはカルノーサより寒さに弱い。
対策
すぐに暖かい部屋へ移し、土が完全に乾くまで水を止めます。付け根が黒く腐っている葉は回復しにくいので、健康なつるがあれば挿し木に回します。
原因
小さな鉢に水を与えすぎ、保水性の高い土で付け根が常に湿っている。葉1枚の鉢で特に起きやすい。
対策
傷んでいない部分があれば切り戻して数日乾かし、多肉植物用土に挿し直します。水やりは土が乾いて数日後に、少量だけ与えます。
原因
長期間の水切れ。葉に蓄えた水を使い切っている。土が湿っているのにしわが寄る場合は、根腐れで水を吸えない状態。
対策
土が乾いていれば鉢底から流れるまで水を与えると、数日で張りが戻ります。土が湿っている場合は鉢から抜き、黒い根を切って乾いた土に植え直します。
原因
コナカイガラムシの寄生。厚い葉の重なりやハート形のくぼみの奥に隠れやすい。
対策
綿棒や歯ブラシでこすり落とし、葉のべたつきは湿らせた布で拭き取ります。数が多い場合は観葉植物用の殺虫剤を散布します。
ここにない症状は症状から調べるで、葉の色・しおれ・虫・病気などから逆引きできます。
ホヤ全体の花言葉として「人生の門出」「同感」が知られています。カーリーはハート形の葉から恋人や夫婦への贈り物に選ばれることが多く、バレンタインの時期に店頭へ並ぶことでも知られます。葉の形そのものが、気持ちを伝える贈り物として好まれる理由です。
風水では、丸みのある葉やハート形の葉が人との縁や恋愛の運気を高めるとされ、カーリーはその代表として紹介されることが多い植物です。リビングや寝室の明るい窓辺に置くと、穏やかな気を呼び込むといわれます。小さな鉢なので、デスクや棚の上に飾りやすいのも特徴です。
多くの場合、何年たっても芽は出ません。新しい芽は茎の節から出るため、葉の付け根に節を含まない葉挿しは、根が出ても葉1枚のまま生き続けるのがふつうです。まれに付け根に節の一部が残っていて芽が出ることもありますが、期待しすぎないほうが安心です。葉1枚の鉢は、ハートの形を長く楽しむ鉢と割り切り、水は月1〜2回の少なめで管理すれば数年は持ちます。つるを伸ばしたい場合は、茎と節が付いた株を選びます。
低温か水のやりすぎで根や葉の付け根が傷んでいるサインです。カーリーは10°Cを下回る場所で湿った状態が続くと、葉が黄色く透けたように柔らかくなります。まず暖かい部屋へ移し、土が完全に乾くまで水を止めてください。付け根が黒く腐っている場合は回復が難しいので、つるの株なら健康な部分を切って挿し木に回します。葉が黄色いだけで付け根が硬ければ、乾かし気味の管理で持ち直すことがあります。
大きな違いは寒さへの強さと水の量です。カルノーサは5°C程度まで耐えるとされますが、カーリーは10°C以上を保つほうが安全です。また葉が厚く水を多く蓄えるため、カーリーは水やりの間隔をカルノーサより長めにとります。成長もゆっくりで、つるが1年に伸びる長さは短めです。置き場所や花柄を切らないことなど、そのほかの基本はホヤ全般と同じです。
基本は同じですが、斑入りはより明るい場所と暖かさが必要です。斑の白や黄色の部分は光合成をほとんどしないため、緑葉より成長が遅く、暗い場所では弱りやすくなります。レースカーテン越しの最も明るい窓辺に置き、冬は12〜15°C以上を目安にすると安心です。斑の部分は強い直射日光で焼けやすいので、真夏は日差しを和らげてください。
つるが十分に伸びて成熟した株で、主に春から夏に咲きます。挿し木から数年かかることが多く、葉1枚の鉢ではまず咲きません。花は白〜淡いピンクの星形で、中心が赤く色づき、20輪前後が手まり状に集まります。蜜が多く、茶色っぽく色づいて垂れることがあるとされます。咲き終わった花柄は翌年も使うので切らずに残し、明るい窓辺で育て続けます。
ホヤ としてまとめている他の品種です。
10月の季節の作業と、ホヤ・カーリーの手入れで迷いやすいところに合わせて選んでいます。
今の季節に読みたい
観葉植物の冬越し
観葉植物を室内に取り込む時期の目安(最低気温15°C)、冬の置き場所、水やりの減らし方、肥料と葉水、寒さで傷んだときの対処まで解説。図鑑の観葉植物を耐えられる最低温度で一覧にしています。
今の季節に読みたい
秋の植え替え
秋は多肉植物や草花、果樹の植え替え・植え付けに向く一方、観葉植物は春まで待つのが基本です。秋の適期の目安、植物タイプ別の可否、根の扱い方と植え替え後の管理を解説します。
植物カレンダー
10月にやること
植えつけ・植え替え・肥料の適期を、植物ごと・月ごとに確認できます。
ツール
水やりチェッカー
植物のタイプ・季節・置き場所・鉢サイズを選ぶだけで、水やり頻度の目安と失敗しないチェックポイントを表示します。
困ったとき
症状から原因を調べる
葉が黄色い・しおれる・虫がついた…症状別に見分け方と対処を解説しています。
ナレッジ
植物別の土の違い
観葉植物の土と野菜・花の土の違いは堆肥と肥料の量、多肉植物の土との違いは乾く速さです。4種類の土の原料・水はけ・保水・肥料分を比較表にし、観葉植物の土で野菜は育つか、多肉の土で観葉植物は育つかなど、代用できる組み合わせと選び方を解説します。
執筆: Hapot編集部
植物を迎えたばかりの人が枯らさずに育てられるように、植物図鑑と症状別の記事を編集しているチームです。農林水産省や農研機構など公的機関の栽培指針を確認したうえで、温度や頻度を数値で示し、迷いやすい判断は結論から書くことを大切にしています。誤りや古くなった情報はお問い合わせから受け付け、確認のうえ更新しています。