苗・株の選び方
良い株は、白い縞がくっきりと入り、葉が硬く張って上向きにそろっていること、ロゼットの中心が詰まっていること、株元の葉が黄色く枯れたり柔らかくなったりしていないことの3点で見分けます。
避けたいのは、葉が外へ倒れて間延びし縞が薄い株と、葉先だけでなく葉の途中まで茶色く枯れ込んだ株です。前者は日照不足、後者は根の傷みや強い西日の可能性があります。葉の内側の面に模様があるかどうかで、アテヌアタ系かファスキアータ系かの見当もつきます。
Hapot編集部より
ハオルチア・十二の巻は、濃い緑の硬い葉に白い横縞が入る、硬葉系ハオルチアの代表種で、多肉植物を初めて育てる人や、窓辺の光が多少強い部屋で育てたい人に向いています。ハオルチアの仲間の中では、葉が硬く尖った形で透明な窓がないこと、光と乾燥に強く、少しくらい世話を忘れても姿が崩れにくいことが違いです。
学名は Haworthiopsis fasciata で、以前は Haworthia fasciata としてハオルチア属に含められていましたが、現在は硬葉系の多くとともにハオルチオプシス属に分けられることが多くなっています。また、日本で「十二の巻」として売られている株の多くは、よく似た Haworthiopsis attenuata(アテヌアタ)だともいわれ、ラベルの名前と実際の種が一致しないこともあります。
草丈は8〜15cmほどで、株元から子株を出して群生し、シャープな縞模様がインテリアのアクセントになります。

水やり
土が完全に乾いてから(成長期は10日に1回前後)
日光
半日陰
温度の目安
5-35°C(0°C近くまで耐えるとされる)
湿度
30-50%
土
水はけのよい多肉植物用土
大きさの目安
草丈8〜15cm程度、ロゼットの直径は5〜10cmほど。子株で群生し、2.5〜4号鉢が扱いやすい大きさです。
成長の速さ
遅い
温度の目安(耐寒〜耐暑)
5-35°C(0°C近くまで耐えるとされる)
肥料
春と秋に月1回薄い液肥
成長速度
遅い
毒性
犬・猫に毒性はないとされる(ASPCA の一覧で無毒)。観賞用として扱い、口にしない
春と秋は朝の日に当て、夏はレースカーテン越しへ。乾かし気味の水やりで、白い縞の締まった姿を保てます。
良い株は、白い縞がくっきりと入り、葉が硬く張って上向きにそろっていること、ロゼットの中心が詰まっていること、株元の葉が黄色く枯れたり柔らかくなったりしていないことの3点で見分けます。
避けたいのは、葉が外へ倒れて間延びし縞が薄い株と、葉先だけでなく葉の途中まで茶色く枯れ込んだ株です。前者は日照不足、後者は根の傷みや強い西日の可能性があります。葉の内側の面に模様があるかどうかで、アテヌアタ系かファスキアータ系かの見当もつきます。
十二の巻は、ハオルチアの仲間では光に強く、午前中の直射日光なら当てても育ちます。基本は明るい窓辺ですが、オブツーサなど軟葉系より一段明るい場所に置けるのが違いで、日当たりがよいほど白い縞がはっきりし、株も締まります。
目安は、春と秋は東向きの窓辺で朝の日を2〜3時間、それ以外はレースカーテン越しの光です。真夏の直射日光と西日は葉先を茶色く焼くので、6〜9月はレースカーテン越しか遮光30〜50%の場所へ移します。
よくある失敗は、暗い部屋の奥に置いて葉が間延びし、縞が薄くなってロゼットが開くことです。伸びた葉は戻りませんが、明るい窓辺へ少しずつ移すと、中心から出る新しい葉が締まった姿で育ちます。
十二の巻は葉が硬く水を蓄える量が多いため、ハオルチアの中でも乾燥に強く、水を控えめにしても傷みにくい品種です。春と秋の成長期は、土が完全に乾いてから10日に1回前後を目安に、鉢底から流れるまで与えます。
夏と冬は月1〜2回に減らし、夏は夕方の涼しい時間、冬は暖かい日の午前中に与えます。葉先が少し内側に丸まったり、葉の色がくすんだりしたら水切れのサインです。尖った葉が密に重なるため、ロゼットの中心に水が入ると抜けにくいので、株元の土に注ぎます。
よくある失敗は、丈夫さを過信して冬も成長期と同じ間隔で水を与え、根が黒く腐ることです。気づいたら鉢から抜いて黒い根を切り、2〜3日乾かしてから乾いた土に植え直します。
市販の多肉植物用土をそのまま使えます。乾燥に強い十二の巻は、水はけを優先して赤玉土小粒4、軽石4、鹿沼土2のように軽石を多めにすると、根腐れの心配がさらに減ります。太い根が下へ伸びるので、鉢は深さのある2.5〜4号を選びます。群生した株は横にも広がるため、鉢の口径にも少し余裕を持たせます。鉢底石を1〜2cm敷き、元肥は入れなくても育ちます。植え付けは乾いた土で行い、根の傷が乾く1週間後から水を与え始めます。
十二の巻は剪定がほとんど要らない多肉植物で、手入れは枯れた下葉と花茎の整理が中心です。葉が硬く尖っているので、枯れ葉を取るときはピンセットを使い、株元の葉の付け根を傷つけないよう、完全に乾いた葉だけを引き抜きます。
春から初夏に伸びる細い花茎は、20〜40cmほどになることがあり、株の体力を残したいときは付け根近くで切ります。子株が増えて鉢から葉がはみ出してきたら、植え替えのときに子株を外して株を整理します。
よくある失敗は、尖った葉先が茶色く枯れたのを見て、生きている葉ごと切り取ることです。葉先の枯れは見た目の問題で株は弱っていないので、気になるなら茶色い部分だけをハサミで斜めに切りそろえます。
通年、乾いた日に道具を用意する
枯れ葉の整理は通年行えます。ピンセット、清潔なハサミ、手袋を用意し、土が乾いて株元が蒸れていない日に作業します。
完全に乾いた下葉を抜く
株元で完全に乾いた下葉だけを、ピンセットで付け根からまっすぐ引き抜きます。緑が残る葉は乾くまで待ちます。
茶色い葉先を切りそろえる
葉先の枯れが気になるときは、茶色い部分だけをハサミで斜めに切ります。生きている緑の部分まで切らないようにします。
伸びた花茎を付け根で切る
春から初夏に20〜40cmの花茎が伸びたら、株の体力を残したいときは付け根近くで切ります。切っても株は傷みません。
植え替えは2年に1回ほど、3〜4月か9〜10月に行います。十二の巻は根が丈夫で、少し根詰まりしても育ちますが、子株で鉢がいっぱいになったり、水が土にしみ込みにくくなったりしたら植え替えの時期です。
株を抜いたら古い土を落とし、黒く空洞になった古い根を取り除きます。白く太い根は切らずに残し、根をまっすぐ下に伸ばして植えます。子株が多い場合は、根付きのものを外して別の鉢に植えます。植え付け後は1週間ほど水を控えます。
よくある失敗は、尖った葉で手を傷めないよう株を強く握り、葉の付け根を折ってしまうことです。株は根鉢の側から持ち、折れた葉はそのまま枯れるのを待って外せば、株の生育に影響はありません。
3〜4月か9〜10月に準備する
2年に1回ほど行います。深さのある2.5〜4号鉢、多肉植物用土と軽石、鉢底石、ピンセット、厚手の手袋を用意し、数日前から水を切ります。
根鉢を持って鉢から抜く
尖った葉を握ると付け根が折れることがあるので、鉢を逆さにして根鉢の側を持ち、株をそっと抜きます。
空洞になった古い根を取る
古い土を落とし、黒く空洞になった古い根を取り除きます。白く太い根は切らずに残し、根付きの子株があれば外します。
根をまっすぐ下に伸ばして植える
鉢底石を敷いて乾いた用土を入れ、根を下に伸ばして株を据えます。葉の付け根が土に埋まらない高さで土を足します。
1週間後から水やりを始める
植え付け後は明るい日陰で1週間ほど水を控えます。その後は土が完全に乾いてから与え、朝日の当たる窓辺に戻します。
十二の巻は子株をよく出すので、株分けで簡単に増やせます。適期は3〜4月と9〜10月で、親株の脇から出た子株が葉を4〜5枚以上付け、自分の根を持ったら外しどきです。根付きの子株はそのまま小鉢へ植え、根のない子株は切り口を2〜3日乾かしてから乾いた土に挿します。
葉挿しは、硬い葉の付け根まできれいに外すのが難しく、成功率は高くありません。数を増やしたいときは、株分けを続けるほうが早く増えます。土の中を伸びた茎の先から子株が出ることもあり、鉢の縁から芽が出ても病気ではありません。
よくある失敗は、根のない子株を植えてすぐ水を与え、切り口から腐らせることです。腐った部分を切り落とし、もう一度乾かしてから挿し直します。
3〜4月か9〜10月に準備する
株分けの適期は春と秋で、植え替えと同時に行います。乾いた多肉植物用土を入れた小鉢、清潔なナイフ、ピンセットを用意します。
葉が4〜5枚以上の子株を選ぶ
親株の脇から出た子株のうち、葉を4〜5枚以上付けて自分の根を持つものを選びます。鉢の縁から出た子株も使えます。
子株を根ごと切り分ける
子株の付け根を持ってゆっくりねじり、根を付けたまま外します。硬くて外れないときは、ナイフで親株との境目を切ります。
根のない子株は切り口を乾かす
根のない子株は日陰で切り口を2〜3日乾かしてから、乾いた土に挿します。根付きの子株はすぐ小鉢に植えます。
明るい場所で根付かせる
1週間ほど水を控え、レースカーテン越しの明るい場所で管理します。新しい葉が中心から出てきたら根付いた合図です。
十二の巻は病害虫に強い品種ですが、葉のすき間と根に付くコナカイガラムシには注意します。白い縞模様にまぎれて見落としやすいので、白い綿や動く粒がないか、葉の付け根をのぞいて確かめます。見つけたら綿棒や古い歯ブラシで取り除き、根に付くネコナカイガラムシは植え替えのときに根を洗って落とします。
病気では、冬の過湿による根腐れと、夏の蒸れに気を付けます。乾かし気味の水やりと風通しが、十二の巻の病害虫対策の基本です。
よくある失敗は、虫に気づかず株元がべたつき、葉にすす病の黒い汚れが広がることです。株を抜いて水で洗い、汚れた葉を拭き取ってから新しい土に植え直します。
成長期です。土が完全に乾いてから10日に1回前後たっぷり与え、薄い液肥を月1回与えます。東向きの窓辺で朝日に当てると縞がはっきりします。冬に暗い場所にいた株は、1〜2週間かけて光に慣らします。植え替えと株分けの適期です。
成長がゆっくりになる時期です。水は月1〜2回、夕方に与え、肥料は止めます。真夏の直射日光と西日は葉先を焼くので、レースカーテン越しへ移します。暑さには比較的強いものの、締め切った部屋の蒸れで根腐れしやすくなります。
9月から成長期に戻り、水やりを10日に1回前後に増やし、10月まで薄い液肥を月1回与えます。朝日の当たる窓辺に戻すと葉が締まります。株分けと植え替えは10月までに済ませ、11月には水の間隔を空け始めます。
休眠期です。水は月1回、暖かい日の午前中に控えめに与え、肥料は与えません。0°C近くまで耐えるとされますが、室温5°C以上の明るい窓辺が安心です。寒さで葉が赤茶色を帯びることがありますが、春に暖かくなれば緑に戻ります。
原因
真夏の直射日光や西日による葉焼け、成長期の水切れ、または外側の古い葉の自然な枯れ込みです。
対策
夏はレースカーテン越しへ移し、成長期は土が乾いたら水を与えます。茶色い部分だけをハサミで斜めに切りそろえれば目立たなくなります。
原因
光不足です。部屋の奥など暗い場所では、葉が細長く伸びてロゼットが開き、縞もぼやけます。
対策
東向きの窓辺など、朝の日が当たる明るい場所へ1〜2週間かけて移します。伸びた葉は戻りませんが、新しい葉は締まって縞もはっきりします。
原因
強い光や寒さ、水切れによるストレスで葉が色づいたものです。硬葉系のハオルチアでよく見られます。
対策
葉が硬く張っていれば病気ではありません。光が強すぎるならレースカーテン越しへ移し、冬の寒さによるものは春に暖かくなれば緑に戻ります。
原因
根腐れです。丈夫さを過信して冬も成長期と同じ間隔で水を与えたり、受け皿に水を溜めたりすると起こります。
対策
鉢から抜いて黒い根と傷んだ部分を切り取り、2〜3日乾かしてから乾いた土に植え直します。冬の水は月1回にします。
原因
水切れか、古い根が傷んで水を吸えなくなっているためです。
対策
土が乾いていれば株元にたっぷり与えます。数日で張りが戻らなければ、植え替えで黒く空洞になった根を取り除き、新しい土に植え直します。
ここにない症状は症状から調べるで、葉の色・しおれ・虫・病気などから逆引きできます。
十二の巻独自の花言葉は特に定められていないとされ、ハオルチアの仲間として「小さな愛」「明晰」が挙げられます。白い縞がくっきりと並ぶ端正な葉姿は「明晰」の印象にぴったりで、親株の周りに子株が寄り添う様子からは「小さな愛」が連想されます。
風水では、葉先が尖った植物は悪い気を払う力があるとされ、十二の巻のようなシャープな葉は、玄関近くや仕事机に置くと気を引き締めるといわれます。白い縞模様は清潔感のある気を表すとされます。ただし暗い場所では弱るので、明るい窓辺に置くことが前提です。
葉の内側の面に白い模様があるかどうかで見分けます。ファスキアータ(Haworthiopsis fasciata)は葉の外側だけに白い横縞が入り、内側の面はつるりとしています。アテヌアタ(Haworthiopsis attenuata)は葉の両面に白い粒状の模様が付きます。日本で十二の巻として売られている株の多くはアテヌアタ系だともいわれ、ラベルと実際の種が一致しないこともあります。どちらも硬葉系で、育て方はほぼ同じです。
現在はハオルチオプシス属に分けられることが多くなっています。十二の巻は以前 Haworthia fasciata としてハオルチア属に含められていましたが、DNAの研究などから、硬葉系の多くがハオルチオプシス属(Haworthiopsis)に移され、学名も Haworthiopsis fasciata とされるようになりました。園芸店では今も「ハオルチア」の仲間として売られることが多く、図鑑でもハオルチアのグループで紹介しています。育て方に変わりはありません。
春と秋の朝の日なら当てても大丈夫です。十二の巻はハオルチアの仲間の中では光に強く、東向きの窓辺で朝の日を2〜3時間当てると白い縞がはっきりし、株も締まります。ただし真夏の直射日光と西日は葉先を茶色く焼くので、6〜9月はレースカーテン越しか遮光30〜50%の場所へ移してください。室内の暗い場所から急に日なたへ出すと葉焼けしやすいため、1〜2週間かけて少しずつ光に慣らします。
多くは強い日差しか水切れ、または古い葉の自然な枯れ込みです。真夏の直射日光や西日に当たると、尖った葉先から茶色く焼けます。成長期に水を控えすぎた場合も、葉先から乾いて枯れ込みます。外側の古い葉の先が少し枯れるのは自然なことで、株が弱っているわけではありません。葉の途中まで枯れ込むときは根の傷みを疑い、植え替えで黒い根を整理します。気になる葉先は、茶色い部分だけをハサミで斜めに切りそろえます。
親株の脇から出る子株を外す株分けで簡単に増やせます。適期は3〜4月と9〜10月で、子株が葉を4〜5枚以上付け、自分の根を持ったら植え替えのときに外します。根付きの子株はそのまま小鉢へ、根のない子株は切り口を2〜3日乾かしてから乾いた土に挿します。十二の巻は子株をよく出すので、2年に1回の植え替えのたびに株分けすれば、数年で鉢がいくつにも増えます。葉挿しは成功率が低いため、株分けが確実です。
置けますが、かじられない場所に置くのが安心です。十二の巻は、米国の動物虐待防止協会(ASPCA)の一覧で、犬や猫に対して毒性がないとされています。ただし硬く尖った葉を食べると、口を傷つけたり、おなかをこわしたりすることがあります。ペットが届かない棚の上などに置き、葉をかじった跡があれば様子を見て、体調に変化があれば動物病院に相談してください。鉢を倒されて土を食べることにも注意します。
0°C近くまで耐えるとされますが、室温5°C以上の明るい窓辺で冬越しさせるのが安心です。十二の巻はハオルチアの中でも丈夫な硬葉系ですが、霜や凍結に当たると葉が傷み、寒さと過湿が重なると根腐れします。冬は休眠期なので、水は月1回、暖かい日の午前中に控えめに与え、肥料は止めます。夜は冷える窓際から離してください。寒さで葉が赤茶色を帯びることがありますが、春に暖かくなれば緑に戻ります。
ハオルチア としてまとめている他の品種です。
ハオルチア・十二の巻の季節の作業や、土・鉢・肥料の選び方をくわしく解説した記事です。

多肉植物の育て方
多肉植物の育て方の基本を、春秋型・夏型・冬型の生育型別に解説。季節ごとの水やりの頻度、置き場所、冬に室内へ入れる温度の目安、土の配合、徒長と根腐れの対処までまとめ、図鑑の多肉植物・サボテン16種を生育型で一覧にしています。

秋の植え替え
秋は多肉植物や草花、果樹の植え替え・植え付けに向く一方、観葉植物は春まで待つのが基本です。秋の適期の目安、植物タイプ別の可否、根の扱い方と植え替え後の管理を解説します。

冬の防寒対策
霜よけ(不織布)、マルチング、鉢の置き場所、北風よけの4つの防寒の方法と、始める時期の目安、冬の水やりを解説。図鑑の庭木・果樹・多肉植物を耐えられる最低温度で一覧にしています。
11月の作業と、ハオルチア・十二の巻の手入れで迷ったときに役立つページです。
執筆: Hapot編集部
植物を迎えたばかりの人が枯らさずに育てられるように、植物図鑑と症状別の記事を編集しているチームです。農林水産省や農研機構など公的機関の栽培指針を確認したうえで、温度や頻度を数値で示し、迷いやすい判断は結論から書くことを大切にしています。誤りや古くなった情報はお問い合わせから受け付け、確認のうえ更新しています。