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アロカシア・フライデックの育て方

Alocasia micholitziana 'Frydek'公開日: 最終更新日:

アロカシア・フライデックの育て方の要点

水やり
土の表面から2〜3cmが乾いたら(春〜秋は週1〜2回、冬は2〜3週に1回)
置き場所
間接光
冬越し
15°C 以上を保つ

Hapot編集部より

アロカシア・フライデックは、ビロードのような手ざわりの深い緑の葉に、白く太い葉脈が走る、「グリーンベルベット」の名でも売られる品種です。基本のアロカシアとの違いは、葉の表面に艶がなく、光を吸い込むようなしっとりした質感をもつことと、細長い矢じり形の葉が斜め上へ立ち上がる姿にあります。フィリピン原産のアロカシア・ミコリツィアナから選ばれた品種とされ、草丈は室内で40〜80cmほどになります。同じ白い葉脈でも、硬く艶のあるアマゾニカとは質感がまったく違い、並べると見分けやすいのが特徴です。一方で、ビロード状の葉は乾燥と寒さで縁が傷みやすく、ハダニの被害も目立ちやすいため、仲間の中では手のかかる部類に入ります。湿度60%以上を保てる部屋かどうかが、迎えるかを決める目安です。加湿器を使う部屋で、質感の違う葉を楽しみたい人に向きます。

アロカシア・フライデックの姿

分類・基本データ

科
サトイモ科
属
アロカシア属 Alocasia
種
アロカシア・フライデック micholitziana 'Frydek'
別名
フライデック、グリーンベルベット、アロカシア・グリーンベルベット、アロカシア・ミコリツィアナ、ミコリツィアナ
原産地
フィリピンに分布するアロカシア・ミコリツィアナから選ばれた品種とされ、ビロード状の濃い緑の葉をもつ株が「フライデック」の名で広まりました。

アロカシア・フライデックの育て方の5つのポイント

水やり

土の表面から2〜3cmが乾いたら(春〜秋は週1〜2回、冬は2〜3週に1回)

日光

間接光

温度の目安

15-30°C

湿度

60-80%

土

バークとパーライトを混ぜた、乾きやすく通気性の良い用土

アロカシア・フライデックはどれくらい大きくなる?

大きさの目安

室内で高さ40〜80cm。葉は長さ25〜40cmの細長い矢じり形で、4〜6号鉢での流通が中心です。

成長の速さ

ふつう(生育期に月1枚ほど新しい葉が開く)

温度の目安(耐寒〜耐暑)

15-30°C

ケアのポイント

肥料

5〜9月に2週に1回、規定の2倍に薄めた液肥

成長速度

ふつう(生育期に月1枚ほど新しい葉が開く)

毒性

全草にシュウ酸カルシウムを含み有毒。かじると口の痛みや腫れ、よだれ、嘔吐を起こすことがある。犬や猫の誤食に注意し、葉の整理や植え替えは手袋を着けて行う

ビロードの葉は、湿度が足りないと縁から茶色く傷みます。葉の縁の色が乾いた茶色に変わり始めたら、まず加湿を見直します。

育て方の詳細

苗・株の選び方

良い株は、ビロードの葉の色が均一な深い緑で、縁に茶色い傷みがないこと、白い葉脈が太くはっきりしていること、葉柄がまっすぐ立っていることの3点で見分けます。

避けたいのは、葉の表に白いかすれが広がっている株と、葉の縁が乾いた茶色に縮れている株です。前者はハダニ、後者は乾燥か寒さで傷んだ可能性があります。ビロードの質感は傷むと戻らないため、葉の状態がいちばんの判断材料になります。購入は湿度と気温の安定する5〜9月が向いています。

置き場所・日当たり

基本はアロカシアと同じで、レースカーテン越しの明るい場所に置きます。フライデックで違うのは、艶のないビロードの葉が強い光を吸収して熱を持ちやすく、ほかのアロカシアより早く葉焼けすることです。夏の窓辺ではレースカーテン1枚では足りないことがあり、窓から1〜1.5m離すのが目安です。暗すぎると葉柄が伸びて葉が垂れ、白い葉脈が細く見えるので、照明だけの部屋は避けます。加湿器のそばの、明るく暖かい場所が最も向いた置き場所です。

よくある失敗は、エアコンの風が届く位置に置き、ビロードの葉の縁が数日で茶色く縮れることです。傷んだ縁は戻らないため、風の当たらない場所へ移して新しい葉で回復を確かめます。

水やりの詳細

乾いてから与えるリズムはアロカシアと同じです。フライデックは葉の表面に水が残るとビロードの毛の間に水がたまり、しみのような跡が残ることがあります。そのため葉水は霧を細かくし、葉の表より葉裏と周りの空気にかけます。土への水やりは、表面から2〜3cmが乾いたら鉢底から流れるまでで、春から秋は週1〜2回、冬は2〜3週に1回です。湿度は加湿器で60%以上を保つほうが、葉水だけに頼るより安定します。

よくある失敗は、乾燥を気にして土への水やりまで増やすことで、根が傷んで下葉から黄色くなります。土が乾かないうちは水を待ち、空気の湿度だけを上げるのが、フライデックの水管理の要です。

最適な土の作り方

根腐れを防ぐため、乾きやすく空気をよく通す用土が向いています。観葉植物用土4、洋ラン用バーク(小粒)3、パーライト2、軽石1が配合の目安です。市販のアロイド用の土も使えますが、粒の細かい土が多いものはパーライトを1割ほど足します。鉢は側面にスリットの入ったプラスチック鉢か素焼き鉢を選び、鉢底石を2cm敷きます。株に対して鉢が大きすぎると乾きが遅れるので、根鉢より一回り大きい程度にとどめ、元肥は緩効性肥料を少量にします。

剪定・切り戻し

フライデックの剪定は、古い葉と、乾燥で縁が傷んだ葉の整理です。葉が半分以上黄色くなったら、葉柄を株元から2〜3cm残して切り、乾いてから外します。縁だけが茶色い葉は、茶色い部分の内側1〜2mmを残して葉の形に沿って切り整えると、見た目を保ったまま株の力を残せます。ビロードの葉は切り口が目立ちやすいので、切れ味の良いハサミを使います。

よくある失敗は、傷みの多い葉を一度に何枚も切って、株の葉が2枚以下になり新しい葉が止まることです。整理は月に1〜2枚までにし、加湿で傷みの原因を取り除いてから、新しい葉と入れ替えるように進めます。

  1. 1

    時期と道具を用意する

    整理は5〜9月に行います。切れ味の良い先の細いハサミと手袋を用意し、葉に触れる手は清潔にします。

  2. 2

    縁の傷みを整える

    葉の縁だけが茶色い場合は、茶色い部分の内側1〜2mmを残し、葉の形に沿って切ります。緑の部分まで切ると新たに傷みます。

  3. 3

    黄色い葉を株元で切る

    葉が半分以上黄色くなったら、葉柄を株元から2〜3cm残して切り、残りが乾いてから外します。

  4. 4

    湿度を整えて回復を待つ

    作業後は加湿器のそばに置き、湿度60%以上を保ちます。1回に切るのは1〜2枚までにし、新しい葉の開き方を確かめます。

植え替え

植え替えは1〜2年に1回、最低気温が18°Cを超える5〜7月に行います。フライデックは根が細く、根鉢を大きく崩すと葉の縁が一気に傷むことがあるため、古い土は3分の1ほど落とす程度にとどめます。鉢底から根が出た、水がしみ込みにくい、子株が出て窮屈になった、が合図です。鉢は直径3cm大きいものにし、塊茎の上部が少し見える浅さで植えます。

よくある失敗は、植え替えの直後に乾いた部屋へ戻して、葉が垂れたまま縁から茶色くなることです。植え替え後の2週間は、透明な袋を軽くかぶせるか加湿器のそばに置き、湿度を高めにして休ませます。

  1. 1

    時期と道具をそろえる

    最低気温が18°Cを超える5〜7月に行います。直径3cm大きいスリット鉢、バークとパーライトを混ぜた用土、清潔なハサミ、手袋、透明な袋を用意します。

  2. 2

    株元を支えて抜く

    鉢の側面を押して土をゆるめ、株元を支えて抜きます。ビロードの葉は触ると跡が付きやすいので、葉に触れないように作業します。

  3. 3

    根鉢は軽くほぐす

    古い土は3分の1ほど落とす程度にとどめ、黒く柔らかい根だけを切ります。根の間の子球は外して取っておきます。

  4. 4

    浅めに植え付ける

    鉢底石を2cm敷き、塊茎の上部が少し見える高さで植えます。鉢底から流れるまで水を与え、受け皿の水は捨てます。

  5. 5

    高い湿度で休ませる

    透明な袋を軽くかぶせるか加湿器のそばに置き、明るい日陰で2週間休ませます。1日1回換気し、肥料は1か月後から再開します。

増やし方

フライデックは、株元から出る子株と、根の間にできる子球で増やせます。適期は5〜7月の植え替えのときです。子株は葉が2枚以上付き、根が伸びたものを根ごと切り離して小鉢に植えます。子球は、湿らせた水苔に半分埋めてふた付きの容器に入れ、25°C前後の明るい日陰に置くと、1〜3か月で芽が出るとされます。子株や子球から育てた株も、ビロード状の葉の質感は親株と同じになります。

よくある失敗は、分けたばかりの子株を乾いた部屋に置き、ビロードの葉の縁が傷んで根付く前に弱ることです。分けた株は湿度80%前後の容器や袋の中で2〜3週間養生させます。

  1. 1

    時期と道具を準備する

    5〜7月の植え替えに合わせて行います。小鉢、乾きやすい用土、清潔なナイフ、手袋、透明な袋、水苔とふた付き容器を用意します。

  2. 2

    子株を根ごと切り離す

    葉が2枚以上付き、根が伸びた子株を選び、親株とのつながりをナイフで切ります。根を傷めないように土をほぐして取り出します。

  3. 3

    植え付けて袋で養生する

    子株を2.5〜3号の小鉢に植えて水を与え、透明な袋をかぶせて湿度80%前後に保ちます。25°C前後の明るい日陰に置きます。

  4. 4

    子球を水苔で芽出しする

    子球は軽く絞った水苔に半分埋めてふたをし、25°C前後に置きます。1日1回換気し、芽と根が出たら小鉢に植えます。

病害虫対策

フライデックはハダニが付きやすく、ビロードの葉では被害がかすれた白い点としてはっきり見えるため、早めに気付けるのは利点です。葉裏の毛の間に潜むので、週1回は葉裏をライトで照らして確かめます。見つけたら浴室で葉裏を中心にシャワーで洗い流し、3日おきに2〜3回続けます。葉の表を強くこするとビロードの毛が傷むので、葉の表は流すだけにします。カイガラムシは葉柄の付け根を確認します。

よくある失敗は、被害を見つけて葉の表を布で拭き、ビロードの質感を損ねてしまうことです。洗い流しで足りないときは、葉の表にかけても跡が残りにくい殺ダニ剤を選んで散布します。

年間カレンダー

1月
2月
3月
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月
肥料
手入れ
手入れの内容
  • 5月植え替え・株分け
  • 6月液肥・葉の向きを整える
  • 7月西日と冷房の風よけ
  • 8月葉裏のハダニ確認
  • 10月加湿器の準備・部屋の内側へ移動

季節ごとの管理

春の管理

最低気温が15°Cを超えたら水やりを週1回に戻し、5月から薄めた液肥を始めます。新しい葉が開く時期は特に湿度を保ち、葉の縁が張り付かないようにします。日差しが強まるので、窓からの距離を1m以上に見直します。

夏の管理

水は土が乾いたら朝に与え、液肥を続けます。ビロードの葉は熱を持ちやすいので、直射日光と西日を避け、30°Cを超える日は風通しを確保します。冷房の風は葉の縁を傷めるため、吹き出し口から離し、加湿器で湿度を保ちます。

秋の管理

9月で肥料を終え、水やりの間隔を10日に1回ほどへ広げます。最低気温が18°Cを下回る前に、部屋の内側の暖かい場所へ移します。暖房を使い始める時期は湿度が急に下がり、葉の縁が傷みやすいので、加湿器を早めに用意します。

冬の管理

15°C以上の部屋で、水は2〜3週に1回に減らし、肥料は与えません。加湿器で湿度60%を保つことが、ビロードの葉を冬越しさせるいちばんの対策です。葉を落としても塊茎が硬ければ休眠なので、水を控えて春を待ちます。

10月の作業をくわしく知りたいときは観葉植物の冬越しや秋の植え替えの記事も参考になります。

よくあるトラブルと対策

ビロードの葉の縁が茶色く縮れる

原因

湿度50%以下の乾燥や、エアコンの風。ビロード状の葉はほかのアロカシアより乾燥で傷みやすい。

対策

加湿器で湿度60%以上を保ち、風の当たらない場所へ移します。傷んだ縁は葉の形に沿って切り整え、新しい葉で回復を確かめます。

葉の表に白いしみのような跡が残る

原因

葉の表にかけた水がビロードの毛の間に残り、乾いてカルキが残った跡。細かい点が増えていくならハダニ。

対策

葉水は細かい霧で葉裏を中心にかけ、葉の表に水滴を残さないようにします。点が広がる場合は葉裏を確かめ、シャワーで洗い流します。

植え替え後に葉が垂れたまま戻らない

原因

根鉢を崩しすぎて細い根が傷んだうえに、乾いた部屋で葉からの水分が奪われている。

対策

透明な袋を軽くかぶせるか加湿器のそばに置き、2週間ほど湿度を高めて休ませます。水は土が乾いてから与え、肥料は控えます。

ここにない症状は症状から調べるで、葉の色・しおれ・虫・病気などから逆引きできます。

アロカシア・フライデックの花言葉・風水

花言葉

フライデック独自の花言葉はなく、アロカシア属の「復縁」「仲直り」が紹介されることが多いです。ビロードのような柔らかい手ざわりの葉から、穏やかに寄り添う気持ちを託して贈られることもあります。

風水・縁起

風水では、深い緑は心を落ち着かせ、上へ伸びる葉は運気を高めるとされます。フライデックの艶を抑えたビロードの葉は、光の反射が少なく落ち着いた印象を与えるため、寝室や書斎など、静かに過ごしたい部屋に向くといわれます。

アロカシア・フライデックのよくある質問

Qフライデックとアマゾニカの違いは何ですか?回答を見る
A

いちばんの違いは葉の質感です。どちらも濃い緑の葉に白い葉脈が入りますが、フライデックは艶のないビロード状で、手で触れるとしっとりした感触があります。アマゾニカは硬く艶のある葉で、縁が大きく波打ちます。株の大きさはフライデックのほうが大きくなりやすく、乾燥にはアマゾニカより弱いとされます。育て方の基本は同じで、冬15°C以上と乾かし気味の水やりです。

Qフライデックの葉の縁が茶色くなるのはなぜですか?回答を見る
A

多くは空気の乾燥で、ビロードの葉の縁から水分が抜けて傷んでいます。湿度が50%を下回る部屋や、エアコンの風が当たる場所で起こりやすくなります。加湿器で湿度60%以上を保ち、風の当たらない場所へ移してください。冬に窓辺の冷気に当たった場合も、縁から黒っぽく傷みます。傷んだ部分は戻らないので、葉の形に沿って切り整え、新しい葉で改善を確かめます。

Qビロードの葉に白いしみのような跡が付きました回答を見る
A

葉の表に残った水滴が乾いた跡か、ハダニの食害のどちらかが多いです。水道水の葉水を葉の表に大量にかけると、ビロードの毛の間に水が残り、乾いたあとにカルキの白い跡が残ることがあります。葉水は細かい霧で葉裏を中心にかけます。跡が細かい点状で広がっていくなら、ハダニの可能性が高いので葉裏を確かめ、シャワーで洗い流してください。

Qフライデックは初心者でも育てられますか?回答を見る
A

加湿器で湿度を保てる部屋なら、初めてでも育てられます。難しさのほとんどは冬の乾燥と寒さで、15°C以上と湿度60%以上を用意できれば、水やりの考え方はほかのアロカシアと同じです。加湿の準備がない場合は、乾燥に比較的強いクワズイモや、小型で棚に置けるアマゾニカから始めると、アロカシアの扱いに慣れやすいでしょう。

Qフライデックの葉が全部同じ方向を向いてしまいます回答を見る
A

光の入る方向へ葉が向いて育つ、自然な性質です。窓の片側からだけ光が入る場所では、新しい葉ほど窓側へ傾きます。1〜2週間に1回、鉢を90度ずつ回すと、葉が四方へ均等に広がります。暗い場所で葉柄が長く伸びると傾きが大きくなるので、明るさが足りているかもあわせて確かめてください。すでに傾いた葉は大きくは戻りませんが、次の葉から向きが整います。

アロカシアのほかの品種

アロカシア としてまとめている他の品種です。

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10月の季節の作業と、アロカシア・フライデックの手入れで迷いやすいところに合わせて選んでいます。

この記事について

執筆: Hapot編集部

植物を迎えたばかりの人が枯らさずに育てられるように、植物図鑑と症状別の記事を編集しているチームです。農林水産省や農研機構など公的機関の栽培指針を確認したうえで、温度や頻度を数値で示し、迷いやすい判断は結論から書くことを大切にしています。誤りや古くなった情報はお問い合わせから受け付け、確認のうえ更新しています。

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