苗・株の選び方
良い株は、葉が3枚以上そろい、うろこ状の凹凸がはっきりして艶があること、葉柄がまっすぐ立って垂れていないこと、株元が硬く締まっていることの3点で見分けます。
避けたいのは、葉の表面が白くかすれていたり葉裏に細かい糸が見えたりする株で、ハダニが付いている可能性があります。株元が柔らかい株や、土が湿ったままで酸っぱいにおいがする株も、塊茎が傷んでいることがあるので避けてください。冬に買う場合は、売り場が15°C以上に保たれていたかも確認します。
Hapot編集部より
アロカシア・ドラゴンスケールは、竜のうろこのような凹凸のある厚い葉が魅力の、中級者向けの小型アロカシアです。ボルネオ島原産のアロカシア・バギンダから選ばれた品種とされ、銀色がかった緑の葉に濃い緑の葉脈が浮き出し、革のように硬い質感をもちます。草丈は室内で30〜60cmほどにまとまり、葉は長さ15〜30cmの楕円形で、株全体に葉が3〜5枚付く姿が一般的です。同じアロカシア属のクワズイモと違い寒さに弱く、15°Cを下回ると生育が止まり、冬に葉を落として休眠することがあります。高い湿度を好む一方で、根や地下の塊茎は過湿で腐りやすく、「空気は湿らせ、土は乾かし気味に」という管理が求められます。冬は15°C以上を保ち、土の水やりを控えめにすることが長く育てる最大のポイントです。乾燥した室内ではハダニが付きやすいので、葉裏の点検も欠かせません。3.5〜5号の小鉢で売られることが多く、棚の上でも楽しめるのも人気の理由です。

水やり
土の表面から2〜3cmが乾いたら(春〜秋は週1〜2回、冬は2〜3週に1回)
日光
間接光
温度の目安
15-30°C
湿度
60-80%
土
粗いバーク・軽石・パーライトを混ぜた水はけの良い用土
大きさの目安
室内で草丈30〜60cm程度。葉は長さ15〜30cmほど。3.5〜5号鉢で流通することが多く、棚や卓上に置ける大きさです。
成長の速さ
ゆっくり(生育期に1〜2か月に1枚ほど新しい葉が開く)
温度の目安(耐寒〜耐暑)
15-30°C
肥料
5〜9月に2週に1回、規定の2倍に薄めた液肥
成長速度
ゆっくり(生育期に1〜2か月に1枚ほど新しい葉が開く)
毒性
全草にシュウ酸カルシウムを含み有毒。かじると口の中の痛みや腫れ、よだれ、嘔吐を起こすことがある。犬や猫の誤食に注意し、樹液で肌がかぶれることもあるため作業は手袋を着ける
新しい葉が1枚開くと古い葉が1枚枯れるのは自然な入れ替わりです。葉が3枚以上残っていれば心配はいりません。冬に葉が減っても、塊茎が硬ければ春に芽吹くことがあります。
良い株は、葉が3枚以上そろい、うろこ状の凹凸がはっきりして艶があること、葉柄がまっすぐ立って垂れていないこと、株元が硬く締まっていることの3点で見分けます。
避けたいのは、葉の表面が白くかすれていたり葉裏に細かい糸が見えたりする株で、ハダニが付いている可能性があります。株元が柔らかい株や、土が湿ったままで酸っぱいにおいがする株も、塊茎が傷んでいることがあるので避けてください。冬に買う場合は、売り場が15°C以上に保たれていたかも確認します。
レースカーテン越しの明るい窓辺が適しています。目安は窓から1mほどの位置で、日中に照明なしで細かい文字が読める明るさです。厚い葉は日焼けしにくそうに見えますが、直射日光に当てると葉が白っぽく焼けて茶色い跡が残ります。暗すぎる場所では葉柄が細く長く伸び、葉が垂れて独特のうろこ模様もぼやけます。15°C以上を保てる部屋を選び、エアコンや暖房の風が直接当たらない位置に置きます。湿度を保つため、ほかの観葉植物とまとめて置くのも効果的です。
よくある失敗は、冬に窓際へ置いたまま夜の冷え込みに当て、葉に黒っぽいしみが出ることです。夜は窓から1m以上離した暖かい場所へ移せば、傷んだ葉は戻らなくても新しい葉は正常に開きます。
春〜秋の生育期は、土の表面から2〜3cmが乾いたら鉢底から流れるまで与えます。目安は5〜9月で週1〜2回です。根が細く、常に湿った土では呼吸ができずに傷むため、表面がまだ湿っているうちは待ちます。冬は土が中まで乾いてからさらに数日待ち、2〜3週に1回に減らします。葉に水を蓄える力はそれほどないので、空気の湿度は葉水や加湿器で補い、湿度60%以上を目指します。受け皿にたまった水は毎回捨ててください。
よくある失敗は、湿度を上げようと土への水やりまで増やし、塊茎を腐らせることです。株元が柔らかくなったら水を止め、鉢から抜いて傷んだ部分を確かめ、乾いた新しい用土に植え直します。
根に空気が通る粗い用土が向いています。市販の観葉植物用土をそのまま使うと保水しすぎることが多いので、洋ラン用のバーク、軽石(小粒)、パーライトを合わせて半分ほど混ぜます。市販のアロイド用やアロカシア用の用土も使えます。自分で配合するなら、観葉植物用土4、バーク2、軽石2、パーライト2が目安で、鉢底石を2cm敷きます。鉢は根鉢より一回り大きい程度の、やや小さめの素焼きかスリット鉢が乾きやすく扱いやすいです。水はけの悪い粘土質の土は避けてください。
剪定はほとんど必要なく、黄色くなった古い葉を取り除く程度です。葉が半分以上黄色くなったら、葉柄の付け根から2〜3cm残して清潔なハサミで切り、残りが乾いて茶色くなってから手で外します。緑の部分が残る葉は、養分を回収させるためにすぐには切らずに待ちます。株全体で葉が3枚を下回ると成長が鈍るので、見た目を整えるための切りすぎは控えます。花が上がった場合は、株の体力を温存するため付け根から切り取ることが多いです。
よくある失敗は、冬に黄色くなった葉を次々と切り、株が丸坊主になって焦ることです。休眠の可能性があるので、塊茎が硬いうちは水を控えて15°C以上で春まで待ちます。
時期と道具を用意する
古い葉の整理は一年中できますが、株への負担が少ない5〜9月が適期です。清潔なハサミと手袋を用意し、樹液に触れないようにします。
切る葉を見極める
葉の半分以上が黄色くなった古い葉を選びます。緑の部分が多い葉は、株が養分を回収し終えるまで切らずに残します。
葉柄を付け根近くで切る
葉柄を株元から2〜3cm残して切ります。残った葉柄は数日で乾いて茶色くなるので、軽く引いて自然に外れるようになってから取り除きます。
花が上がったら切り取る
株元から仏炎苞の付いた花茎が出たら、株の体力を残すため付け根から切り取ります。切ったあとは刃物を洗って樹液を落とします。
葉の数を確認して管理する
作業後に葉が3枚以上残っているか確認します。3枚未満なら以後の切り取りを控え、明るい日陰で新しい葉が開くのを待ちます。
1〜2年に1回、最低気温が18°Cを超える5〜7月に行います。鉢底から根が出る、水がしみ込みにくい、株元から子株が出て窮屈になった、が植え替えのサインです。株を抜いたら古い土を半分ほど落とし、黒く柔らかい根を切ります。根の間に豆粒ほどの小さな塊茎(子球)が付いていることがあり、増やす材料になります。鉢は今より一回り(直径3cm)大きい程度にとどめ、大きすぎる鉢に植えないでください。土の量が多いと乾きが遅れ、根腐れの原因になります。
よくある失敗は、休眠中や寒い時期に植え替えて根が動かず、そのまま弱ることです。冬に根詰まりに気付いても、春の生育開始まで待ちます。
時期と道具をそろえる
最低気温が18°Cを超える5〜7月に行います。一回り大きい鉢、バークや軽石を混ぜた用土、鉢底石、清潔なハサミ、手袋を用意し、数日前から水を控えます。
株を鉢から抜く
手袋を着け、鉢の縁を軽く叩いて株元を持ち、根鉢ごと抜きます。葉柄は折れやすいので、葉ではなく株元を持って作業します。
古い土と傷んだ根を整理する
古い土を半分ほど落とし、黒く柔らかい根を切ります。根の間に豆粒ほどの子球があれば外して取っておき、増やす材料に使います。
新しい用土で植え付ける
鉢底石を2cm敷き、株元の高さを元と同じにして用土を入れます。塊茎を深く埋めすぎると腐りやすいので、上部がわずかに見える程度にします。
明るい日陰で養生する
鉢底から流れるまで水を与え、1〜2週間は明るい日陰で葉水を続けて湿度を保ちます。肥料は新しい葉が動き出す1か月後から再開します。
株分けと、根の間にできる小さな塊茎(子球)で増やせます。適期は5〜7月の植え替えのときです。株分けは、株元から出た子株を根を付けて親株から切り離し、小鉢に植えます。子球は、湿らせた水苔やパーライトを入れたふた付きの透明容器に半分ほど埋め、25°C前後の明るい日陰に置きます。子球の芽吹きには1〜3か月かかることが多く、焦らずに待つのがコツです。硬い外皮の一部を爪で薄くむくと芽が出やすくなるといわれます。
よくある失敗は、容器の中を水浸しにして子球を腐らせることです。水苔は軽く絞った湿り気にとどめ、1日1回ふたを開けて換気し、柔らかくなった子球は取り除きます。
時期と道具を準備する
植え替えに合わせて5〜7月に行います。ふた付きの透明容器、水苔かパーライト、小鉢、清潔なハサミ、手袋を用意します。
子株や子球を取り出す
株を鉢から抜き、株元の子株は根を付けて親株から切り離します。根の間にできた豆粒ほどの子球も、傷つけないように外して集めます。
子株を小鉢に植える
根の付いた子株は、親株と同じ用土で2.5〜3号の小鉢に植え、明るい日陰で湿度を保ちます。2〜3週間で新しい葉が動き出します。
子球を水苔に半分埋める
子球は軽く絞った水苔に半分ほど埋めて容器に並べ、ふたをして25°C前後の明るい日陰に置きます。外皮を爪で薄くむくと芽が出やすいとされます。
芽と根が出たら鉢上げする
1〜3か月で芽と根が出たら、1日1回ふたを開けて換気しながら外気に慣らし、根が2〜3cmに伸びたら小鉢に植え替えます。
最も多いのはハダニで、葉の表面に細かい白い点やかすれが広がり、ひどくなると葉裏にクモの巣のような糸が見えます。うろこ状の凹凸があるため被害に気付きにくく、乾燥する冬と夏のエアコン期に増えやすくなります。予防は毎日の葉水と、週1回、葉裏を明るい場所で確かめることです。発生したら浴室で葉の表裏をシャワーで洗い流し、3日おきに2〜3回繰り返します。カイガラムシやアザミウマが付くこともあるので、葉柄の付け根も確認します。
よくある失敗は、葉の色がぼんやりしたのを寒さや肥料のせいと思い込み、ハダニを広げることです。数が多い場合は殺ダニ剤を1週間おきに2〜3回散布します。
最低気温が15°Cを超え、新しい芽が動き出したら水やりを週1回に増やし、5月から薄い液肥を2週に1回始めます。置き場所はレース越しの窓辺です。植え替えと株分けは5月以降に行います。休眠していた株は、塊茎が硬ければここで芽吹くことがあります。
生育が最も盛んな時期で、土の表面が乾いたら週1〜2回たっぷり与え、液肥も続けます。直射日光と西日は葉焼けの原因になるので避けます。エアコンの効いた室内は乾燥するので、毎日の葉水でハダニを防ぎます。30°Cを超える蒸れにも注意します。
気温が下がるにつれて水やりの間隔を空け、10月には10日に1回ほどにします。肥料は9月で止めます。日差しが弱まるので窓辺に近づけます。最低気温が18°Cを下回り始めたら、15°C以上を保てる暖かい部屋へ移す準備をします。
15°C以上の暖かい室内に置き、水は土が中まで乾いてから数日待って2〜3週に1回にします。肥料は与えません。葉が減っても塊茎が硬ければ休眠なので、水を控えて春を待ちます。暖房の乾燥でハダニが増えるため、葉水は続けます。
原因
低温や日照不足による休眠。15°Cを下回ると生育が止まり、葉を落として地下の塊茎で冬を越すことがある。過湿で塊茎が腐った場合も同じように見える。
対策
株元を押して硬ければ休眠なので、水を月1〜2回の軽い湿り程度に控え、15°C以上で春を待ちます。柔らかければ鉢から抜き、腐った部分を切り取って乾いた用土に植え直します。
原因
ハダニの吸汁。うろこ状の凹凸で被害に気付きにくく、暖房やエアコンで湿度が40%以下になると急に増える。
対策
浴室で葉の表裏をシャワーで洗い流し、3日おきに2〜3回繰り返します。多い場合は殺ダニ剤を1週間おきに2〜3回散布し、以後は毎日の葉水で予防します。
原因
塊茎や根の腐敗。冬の低温期の水やりや、保水性の高すぎる土、大きすぎる鉢で土が乾かないと起こりやすい。
対策
水を止めて株を鉢から抜き、黒く柔らかい部分を清潔な刃物で硬い部分まで切り取ります。切り口を1日乾かしてから、バークや軽石を多く混ぜた乾いた用土に植え直し、1週間は水を控えます。
原因
空気の乾燥や低温。巻いた新葉が開くときに湿度が足りないと、縁が張り付いたまま傷む。
対策
加湿器や毎日の葉水で湿度60%以上を保ち、15°C以上の場所に置きます。開きかけの葉は手で広げず、そのまま待ちます。傷んだ縁は広がらないので、気になれば葉の形に沿って切ります。
原因
直射日光による葉焼け。厚い葉でも強い日差しや西日には弱い。
対策
レースカーテン越しの明るい日陰へ移します。焼けた部分は元に戻りませんが広がることもないので、葉が十分に残っていればそのまま育て、新しい葉で入れ替えます。
原因
光量不足。暗い場所では光を求めて葉柄が伸び、葉が支えきれずに垂れ下がる。
対策
窓から1mほどの明るい場所へ移し、週1回鉢を90度ずつ回します。一度垂れた葉は戻りにくいですが、次に開く葉から葉柄が短く締まった姿になります。
ここにない症状は症状から調べるで、葉の色・しおれ・虫・病気などから逆引きできます。

ドラゴンスケールは室内で花が咲くことは多くありませんが、数年育てて充実した株では、夏前後に株元から花茎が上がることがあります。花は長さ10cm前後とされる、淡い緑白色の仏炎苞が棒状の肉穂花序を包む、サトイモ科らしい形です。葉の陰で目立たず、香りもほとんど感じられないといわれます。
花を咲かせ続けると株の体力を使い、次の葉が小さくなったり出るのが遅れたりすることがあるため、観賞したら早めに花茎の付け根から切り取るのが一般的です。切り口の樹液にはシュウ酸カルシウムが含まれるので、手袋を着けて作業し、刃物は洗っておきます。
ドラゴンスケール独自の花言葉はなく、アロカシア属として「復縁」「仲直り」が紹介されることが多いです。由来ははっきりしませんが、葉が寄り添うように広がる姿にちなむといわれます。うろこ模様の硬い葉からは、困難に負けない強さを連想する人もいるようです。
風水では、上へ向かって伸びる葉は運気を高め、硬く厚い葉は邪気を払うとされます。竜のうろこを思わせる葉の模様から、勝負運や仕事運を後押しする植物として、書斎や仕事机の近くに置かれることもあります。置き場所は、明るさと暖かさを確保できる部屋の東側が向くとされます。
塊茎が硬ければ、枯れたのではなく休眠している可能性が高いです。ドラゴンスケールは気温が下がったり日照が減ったりすると、葉を落として地下の塊茎だけで冬を越すことがあります。株元を指で押して硬ければ生きているので、水やりを月1〜2回、土を軽く湿らせる程度に控え、15°C以上の場所で春を待ちます。5〜6月に気温が上がると新しい芽が出てきます。株元が柔らかい場合は腐敗が進んでいるので、植え替えて傷んだ部分を確認してください。
どちらもアロカシア・バギンダの品種で、葉の色が違います。ドラゴンスケールは銀色を帯びた緑の地に濃い緑の葉脈が浮き出し、うろこ模様のコントラストが強いのが特徴です。シルバードラゴンは葉全体がより白っぽい銀色で、葉脈が淡く見えます。育て方は同じで、冬15°C以上、明るい日陰、乾かし気味の土と高い空気湿度が基本です。シルバードラゴンのほうが葉色が明るい分、強い光でやや焼けやすいといわれます。
病気ではなく、余分な水分を出す自然な現象です。根からたくさん水を吸ったときに、葉の先や縁にある水孔から水を排出する「溢液(いつえき)」と呼ばれる働きで、水やりの翌朝などに見られます。ただし毎日のように続く場合は、土が湿りすぎているサインのこともあります。水やりの間隔を少し空け、土の表面から2〜3cm乾いてから与えるようにしてください。水滴にもシュウ酸カルシウムが含まれることがあるため、ペットがなめないよう注意します。
多くは空気の乾燥が原因です。ドラゴンスケールの新しい葉は巻いた状態で伸びてきて、開くときに湿度が足りないと縁が張り付いたまま茶色く傷むことがあります。湿度60%以上を目安に、加湿器や毎日の葉水で周りの空気を湿らせてください。開きかけの葉を手で無理に広げると裂けるので、触らずに待ちます。気温が15°Cを下回ると開くのが遅れることもあるので、温度も確認します。
ペットには有毒なので、届かない場所で育てる必要があります。ほかのサトイモ科と同じく、全草に針状のシュウ酸カルシウムを含み、かじると口の中の痛みや腫れ、よだれ、嘔吐を起こすことがあります。床に置くのは避け、ペットが入らない部屋か、登れない高さの棚で管理してください。落ちた葉もすぐに片付けます。口にした様子があれば、早めに動物病院へ相談しましょう。
執筆: Hapot編集部
植物を迎えたばかりの人が枯らさずに育てられるように、植物図鑑と症状別の記事を編集しているチームです。農林水産省や農研機構など公的機関の栽培指針を確認したうえで、温度や頻度を数値で示し、迷いやすい判断は結論から書くことを大切にしています。誤りや古くなった情報はお問い合わせから受け付け、確認のうえ更新しています。