苗・株の選び方
良い株は、葉が3枚以上そろい、葉柄がまっすぐ立って垂れていないこと、株元が指で押しても硬く締まっていること、葉の表裏に白いかすれや細い糸がないことの3点で見分けます。
避けたいのは、土が湿ったまま酸っぱいにおいのする株と、葉の縁が黒く傷んでいる株です。前者は塊茎が腐り始めている可能性があり、後者は寒さに当たった跡のことがあります。購入は気温の安定する5〜9月が向いていて、冬に買う場合は売り場が15°C以上に保たれていたかを確かめます。
アロカシアの育て方の要点
Hapot編集部より
アロカシアは、冬に15°C前後を保てる部屋と、乾かし気味の水やりができれば長く楽しめる、中級者向けの観葉植物です。東南アジアからオーストラリア北部の熱帯に90種以上が分布するとされるサトイモ科の仲間で、矢じり形やハート形の大きな葉を、長い葉柄の先に立ち上げる姿が特徴です。葉の質感は種類によって大きく違い、白い葉脈がくっきり入るアマゾニカ、ビロードのような手ざわりのフライデックやブラックベルベット、金属のような光沢をもつクプレアなど、模様と艶の幅の広さが人気の理由です。地下や株元に水分と養分をためる塊茎(イモ)をもち、寒さや乾燥が続くと葉を落として休眠することがあります。土は乾かし気味、空気は湿らせ気味という管理のメリハリが、どの種類にも共通するいちばんのコツです。全草にシュウ酸カルシウムを含むため、ペットや小さな子どものいる家では置き場所に気をつけます。

水やり
土の表面から2〜3cmが乾いたら(春〜秋は週1〜2回、冬は2〜3週に1回)
日光
間接光
温度の目安
15-30°C
湿度
60-80%
土
バークや軽石、パーライトを混ぜた水はけの良い用土
大きさの目安
種類によって幅があり、小型種は室内で高さ20〜40cm、大型種は1m以上になります。葉は長さ15〜60cmほどで、3.5〜8号鉢での流通が中心です。
成長の速さ
ふつう(生育期に月1枚ほど新しい葉が開き、古い葉が1枚ずつ入れ替わる)
温度の目安(耐寒〜耐暑)
15-30°C
肥料
5〜9月に2週に1回、規定の2倍に薄めた液肥
成長速度
ふつう(生育期に月1枚ほど新しい葉が開き、古い葉が1枚ずつ入れ替わる)
毒性
全草に針状のシュウ酸カルシウムを含み有毒。かじると口や喉の痛みと腫れ、よだれ、嘔吐を起こすことがあり、犬や猫の誤食に注意が必要。切り口の樹液で肌がかぶれることもあるため、作業は手袋を着ける
新しい葉が開くと古い葉が1枚黄色くなるのは、アロカシアの自然な入れ替わりです。葉が3枚以上残り、株元の塊茎が硬ければ心配はいりません。
良い株は、葉が3枚以上そろい、葉柄がまっすぐ立って垂れていないこと、株元が指で押しても硬く締まっていること、葉の表裏に白いかすれや細い糸がないことの3点で見分けます。
避けたいのは、土が湿ったまま酸っぱいにおいのする株と、葉の縁が黒く傷んでいる株です。前者は塊茎が腐り始めている可能性があり、後者は寒さに当たった跡のことがあります。購入は気温の安定する5〜9月が向いていて、冬に買う場合は売り場が15°C以上に保たれていたかを確かめます。
アロカシアの多くは熱帯の林の中や林の縁に育つため、木漏れ日のような柔らかい光が合います。室内ではレースカーテン越しに光が入る部屋が基本で、種類によって明暗の好みが少しずつ違います。艶のある葉のアマゾニカやクワズイモは明るめ、ビロードのフライデックや金属光沢のクプレアはやや控えめの光が目安です。夏の西日や窓ガラス越しの直射は、半日で葉に焼け跡を残すことがあります。冬の夜は窓辺から離し、最低15°Cを保つことが、熱帯の種類に共通する条件です。
避けたいのは、寒い季節に窓際へ置いたままにすることです。夜の冷え込みで葉の縁が黒く縮れた場合は、部屋の中央へ移し、春に出る葉で調子を確かめます。
水やりは「土が乾いたら、たっぷり」の繰り返しです。アロカシアは株元に水を蓄える塊茎をもつため、土が湿ったままの状態が続くことのほうが、乾きすぎより危険です。指を第一関節まで土に挿して湿り気がなければ、鉢底から水が流れ出るまで注ぎます。暖かい時期は週1〜2回、気温が下がる冬は2〜3週に1回まで減らします。熱帯の種類は空気の湿度を好むので、葉のまわりの湿り気は加湿器や霧吹きで別に補います。
ありがちな失敗は、葉が垂れるたびに水を足すことです。垂れた原因が根の傷みなら、水はかえって傷みを広げます。土が湿っているのに垂れるときは、株元を指で押し、柔らかければ植え替えて腐った根を取り除きます。
根に空気が通る、粗くて水はけの良い用土が向いています。市販の観葉植物用土だけでは水持ちが良すぎることが多いので、洋ラン用のバーク、軽石(小粒)、パーライトを合わせて3〜5割混ぜます。自分で配合するなら、観葉植物用土5、バーク2、軽石2、パーライト1が目安です。市販のアロイド用やアロカシア用の土もそのまま使えます。鉢底石は2cmほど敷き、鉢は根鉢より一回り大きい程度の、乾きやすい素焼き鉢かスリット鉢を選ぶと根腐れを防ぎやすくなります。
アロカシアは枝分かれしない草姿なので、切り戻して形を作る剪定はしません。手入れは、役目を終えた古い葉を取り除くことだけです。葉は下から順に1枚ずつ黄色くなり、色が抜けきるまでの間に養分が株へ戻るので、黄色が葉全体に広がってから切ります。切る位置は葉柄の根元近くで、刃物は使う前後に洗っておきます。株元から花の茎が伸びてきたら、葉を育てる力を残すために早めに切り取る人が多いです。
気をつけたいのは、冬に黄ばんだ葉を急いで全部切ってしまうことです。葉がなくなっても株元の塊茎が硬いうちは生きているので、水を控えて暖かい場所で春を待ちます。
時期と道具を用意する
古い葉の整理は一年中できますが、株の負担が少ない5〜9月が適期です。清潔なハサミと手袋を用意し、樹液に素手で触れないようにします。
切る葉を見極める
葉の半分以上が黄色くなった古い葉を選びます。緑の部分が多い葉は、株が養分を回収し終えるまで残しておきます。
葉柄を株元近くで切る
葉柄を株元から2〜3cm残して切ります。残った部分は数日で乾いて茶色くなるので、軽く引いて自然に外れるようになってから取り除きます。
残りの葉の数を確かめる
作業のあとに葉が3枚以上残っているか確認します。3枚未満なら以後の切り取りを控え、明るい日陰で新しい葉が開くのを待ちます。
アロカシアの根は生育期に一気に伸び、1〜2年で鉢の中がいっぱいになります。作業は最低気温18°Cを超えた初夏、5〜7月に限ります。鉢の底穴から根がのぞく、水を注いでも表面にたまる、株元から子株が並んで窮屈そう、といった様子が見えたら時期です。古い根鉢の土は半分ほど崩し、黒ずんだ根だけ切り取ります。新しい鉢は今より一回り大きいものを選び、塊茎の頭が土からわずかに出る浅植えにします。
ありがちな失敗は、秋や冬に根詰まりに気付いて植え替え、根が動かないまま弱らせることです。寒い時期は鉢をそのままにして、翌年の初夏まで待ちます。
時期と道具をそろえる
最低気温が18°Cを超える5〜7月に行います。直径3cm大きい鉢、バークや軽石を混ぜた用土、鉢底石、清潔なハサミ、手袋を用意し、数日前から水を控えます。
株元を持って鉢から抜く
手袋を着け、鉢の縁を軽く叩いて土をゆるめ、株元を持って根鉢ごと抜きます。葉柄は折れやすいので、葉を持って引っ張らないようにします。
古い土と傷んだ根を整理する
古い土を半分ほど落とし、黒く柔らかい根を切ります。根の間に豆粒ほどの子球が付いていれば外して取っておき、増やす材料に使います。
塊茎を浅めに植え付ける
鉢底石を2cm敷いて用土を入れ、塊茎の上部が少し見える高さで植えます。割り箸で軽く突いて隙間をなくし、鉢底から流れるまで水を与えます。
明るい日陰で休ませる
1〜2週間は明るい日陰で葉水を続け、湿度を保ちます。新しい葉が動き出すまで肥料は与えず、1か月後から薄めた液肥を再開します。
アロカシアは種類を問わず、株元の脇から出る子株と、根の間に付く豆粒ほどの子球の2つで増えます。初夏の植え替えのついでに増やすと、親株への負担が一度で済みます。子株は根の付いたものだけを選び、親株との付け根を切って小さな鉢に植え替えます。子球は、湿った水苔を入れた透明容器に寝かせ、暖かい明るい日陰に置くと、数か月かけて芽と根を出します。葉や茎を挿す方法では増えません。
うまくいかない例として多いのは、容器の中を湿らせすぎて子球を腐らせることです。水苔は手で固く絞った湿り気にし、毎日ふたを開けて空気を入れ替え、柔らかくなった子球は取り除きます。
時期と道具を準備する
植え替えに合わせて5〜7月に行います。小鉢、ふた付きの透明容器、水苔かパーライト、清潔なハサミ、手袋を用意します。
子株と子球を取り出す
株を鉢から抜き、株元の子株は根を付けたまま親株から切り離します。根の間にできた子球も、傷つけないように外して集めます。
子株を小鉢に植える
根の付いた子株は親株と同じ用土で2.5〜3号の小鉢に植え、明るい日陰で湿度を保ちます。2〜3週間で新しい葉が動き出します。
子球を水苔で芽出しする
子球は軽く絞った水苔に半分ほど埋め、ふたをして25°C前後の明るい日陰に置きます。1日1回ふたを開けて換気し、1〜3か月で芽と根が出るのを待ちます。
アロカシアで気をつけたい害虫の筆頭はハダニです。体長0.5mmほどで目に見えにくく、葉の表に針でつついたような白い点が増えてきたら、葉の裏に群れている合図です。暖房や冷房で室内が乾く時期に急に増えるため、霧吹きで葉の裏を湿らせる習慣が予防になります。被害を見つけたら、鉢ごと浴室へ運び、葉の裏表をシャワーで流す作業を数日おきに繰り返します。葉柄の付け根にはカイガラムシも付くので、白い綿や茶色い粒がないかも見ておきます。
よくある見落としは、葉の色がくすんだ原因を肥料や寒さだと考え、葉の裏を確かめないことです。洗い流しで減らないときは、ハダニ用の薬剤を1週間おきに数回散布します。
芽が動き出す季節です。最低気温が15°Cを超えたころから水やりの間隔を縮め、5月に入ったら薄い液肥を2週に1回のペースで始めます。植え替えや子株の株分けは、暖かさの安定する5月以降にまとめて行います。
1年でいちばん葉が増える時期です。土が乾くたびにたっぷり水を与え、液肥も続けます。強い日差しは葉焼けを招くので、窓辺はレース越しにします。冷房の効いた部屋はハダニが増えやすく、葉の裏の霧吹きを欠かさないようにします。
成長がゆるやかになる時期です。水やりの間隔を少しずつ広げ、液肥は9月までで終えます。日差しが和らぐ分、窓辺へ少し寄せて光を確保します。夜の気温が18°Cを切り始めたら、冬の置き場所を決めておきます。
多くの種類が成長を止める時期です。15°C以上の部屋に置き、水は土が中まで乾いてから数日あけ、2〜3週に1回にとどめます。肥料は与えません。葉が落ちても塊茎が硬ければ休眠なので、加湿だけ続けて春を待ちます。
原因
15°Cを下回る寒さや日照不足で、葉を落として塊茎だけで冬を越す休眠に入った。塊茎が柔らかい場合は過湿による腐敗。
対策
株元を押して硬ければ休眠なので、水を月1〜2回に控えて15°C以上の場所で春を待ちます。柔らかい場合は鉢から抜き、傷んだ部分を切って乾いた用土に植え直します。
原因
新しい葉との自然な入れ替わりのほか、土が乾かないうちの水やりで根が傷んでいる。1枚ずつなら正常、数枚まとめてなら過湿を疑う。
対策
土の表面から2〜3cmが乾くまで水を待ちます。土が湿ったまま黄変が続くなら、鉢から抜いて黒い根を切り、乾きやすい用土に植え替えます。
原因
根がたくさん水を吸ったときに、葉先の水孔から余分な水を出す溢液という自然な働き。毎日続く場合は土の湿りすぎ。
対策
病気ではないので心配はいりません。毎日続くなら水やりの間隔を広げます。水滴にもシュウ酸カルシウムが含まれることがあるので、ペットがなめないようにします。
原因
ハダニの食害。暖房や冷房で空気が乾く時期に増えやすく、ひどくなると葉裏に細い糸が張る。
対策
浴室で葉の表裏をシャワーで洗い流し、3日おきに2〜3回繰り返します。毎日の葉水で予防し、数が多いときは殺ダニ剤を1週間おきに散布します。
原因
冬の窓辺の冷気や、15°Cを下回る寒さによる低温障害。
対策
夜は窓から1m以上離した暖かい場所へ移します。傷んだ部分は戻らないので、緑が多ければ葉は残し、春に開く新しい葉で回復を確かめます。
ここにない症状は症状から調べるで、葉の色・しおれ・虫・病気などから逆引きできます。
アロカシアの花言葉は「復縁」「仲直り」と紹介されることが多いです。由来ははっきりしませんが、大きな葉が寄り添うように重なって広がる姿にちなむといわれます。上へ向かって立ち上がる葉の姿から、前向きな気持ちを託して贈られることもあります。
風水では、上へ向かって伸びる葉は運気を高め、大きく広がる葉は周りの気を和らげるとされます。アロカシアの矢じり形の葉は、悪い気を払う力があると考える人もいます。リビングの明るい一角や、人の出入りのある場所に置くと気の流れを整えるといわれます。
株元の塊茎が硬ければ、枯れたのではなく休眠している可能性が高いです。アロカシアは気温が下がったり日照が減ったりすると、葉を落として塊茎だけで冬を越すことがあります。指で押して硬ければ生きているので、水は月1〜2回、土を軽く湿らせる程度に控え、15°C以上の場所で春を待ちます。5〜6月に気温が上がると新しい芽が出ます。塊茎が柔らかい場合は腐っているので、傷んだ部分を確かめてください。
病気ではなく、余分な水を出す「溢液(いつえき)」という自然な働きです。根がたくさん水を吸ったとき、葉の先にある水孔から水分を排出します。水やりの翌朝に見られることが多く、株が元気に水を吸っている証拠でもあります。ただし毎日続くなら土が湿りすぎている合図なので、水やりの間隔を少し広げます。水滴にもシュウ酸カルシウムが含まれることがあるため、ペットがなめないように気をつけます。
クワズイモはアロカシア属の一種(Alocasia odora)で、同じ仲間です。ただし育てやすさには差があり、日本の暖かい地域にも自生するクワズイモは5°C前後まで耐えるとされるのに対し、アマゾニカやフライデックなど模様を楽しむ熱帯の種類は15°C以上が必要です。店頭で「アロカシア」と書かれている株の多くは後者なので、冬の室温を基準に選びます。
有毒なので、ペットの届かない場所で育てることが前提です。全草に針状のシュウ酸カルシウムを含み、かじると口の中の痛みや腫れ、よだれ、嘔吐を起こすことがあります。床置きは避け、ペットが入らない部屋か、登れない高さの棚で管理します。落ちた葉もすぐに片付けてください。口にした様子があれば、早めに動物病院へ相談しましょう。
光不足か根詰まりのどちらかが多い原因です。暗い場所では葉を大きく育てる力が足りず、新しい葉ほど小さく、葉柄だけが長くなります。まずレース越しの窓辺へ移し、それでも小さいままなら鉢底から根が出ていないか確かめ、5〜7月に一回り大きい鉢へ植え替えます。株元から子株がたくさん出ている場合も養分が分散するので、株分けすると親株の葉が大きく戻りやすくなります。
アロカシア としてまとめている他の品種です。

アロカシア・アマゾニカ
品種: × amazonica 'Polly'
Alocasia × amazonica 'Polly'

アロカシア・クプレア
品種: cuprea
Alocasia cuprea

アロカシア・ゼブリナ
品種: zebrina
Alocasia zebrina

アロカシア・ドラゴンスケール
Alocasia baginda 'Dragon Scale'

アロカシア・フライデック
品種: micholitziana 'Frydek'
Alocasia micholitziana 'Frydek'

アロカシア・ブラックベルベット
品種: reginula 'Black Velvet'
Alocasia reginula 'Black Velvet'

クワズイモ
Alocasia odora
10月の季節の作業と、アロカシアの手入れで迷いやすいところに合わせて選んでいます。
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植物カレンダー
10月にやること
植えつけ・植え替え・肥料の適期を、植物ごと・月ごとに確認できます。
ツール
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観葉植物の土と野菜・花の土の違いは堆肥と肥料の量、多肉植物の土との違いは乾く速さです。4種類の土の原料・水はけ・保水・肥料分を比較表にし、観葉植物の土で野菜は育つか、多肉の土で観葉植物は育つかなど、代用できる組み合わせと選び方を解説します。
執筆: Hapot編集部
植物を迎えたばかりの人が枯らさずに育てられるように、植物図鑑と症状別の記事を編集しているチームです。農林水産省や農研機構など公的機関の栽培指針を確認したうえで、温度や頻度を数値で示し、迷いやすい判断は結論から書くことを大切にしています。誤りや古くなった情報はお問い合わせから受け付け、確認のうえ更新しています。