苗・株の選び方
苗は、秋の開花期に花が付いた状態で買うと、本当に白い花のギンモクセイかを確かめられます。花のない時期は、キンモクセイやウスギモクセイ、ヒイラギモクセイと取り違えられていることもあるため、葉の縁のギザギザと名札を確認します。
株は、幹がしっかりして根元がぐらつかないもの、葉色が濃くツヤがあり、下のほうの枝まで葉が残っているものを選びます。枝に白い殻のようなカイガラムシが付いている株、葉裏がかすれて白っぽい株は避けます。
Hapot編集部より
ギンモクセイ(銀木犀)は、キンモクセイの仲間で、白〜クリーム色の小花を咲かせる常緑樹です。植物学上はこちらがモクセイの基本種で、オレンジ色のキンモクセイはその変種にあたります。花期は9月中旬から10月で、キンモクセイと同じころか、少し早く咲き始める年が多いとされます。香りは甘さが控えめで、近くに寄るとふわりと香る上品な強さなので、玄関先や窓辺など人の近くに植えても香りがきつくなりません。葉はキンモクセイよりひと回り大きく幅があり、縁に細かいギザギザ(鋸歯)が目立つのが見分けのポイントです。丈夫さや育て方はキンモクセイとほぼ同じで、花芽ができる7月以降に刈り込まないことさえ守れば、初心者でも毎年咲かせられます。流通量はキンモクセイより少ないので、苗は秋の開花期に花色を確かめて選ぶのが確実です。

水やり
庭植えは根付けば雨任せ。鉢は表面が乾いたら
日光
直射日光
温度の目安
-5〜35°C(関東以西で庭植え可)
湿度
40-60%
土
水はけと水もちのバランスが良い土
大きさの目安
放任で4〜6m。剪定で2〜3mに保てる。鉢植えは1〜1.5mほど。
成長の速さ
中(年に20cm前後。放任で4〜6m)
温度の目安(耐寒〜耐暑)
-5〜35°C(関東以西で庭植え可)
肥料
2月の寒肥と、花後の軽い追肥
成長速度
中(年に20cm前後。放任で4〜6m)
毒性
無毒とされる。花は香りづけに使われることもある
白い花は満開でも目立ちにくいので、香りで咲いたことに気づく木です。剪定は花が終わった晩秋から早春までに済ませ、夏は枝を伸ばしたままにしておきます。
苗は、秋の開花期に花が付いた状態で買うと、本当に白い花のギンモクセイかを確かめられます。花のない時期は、キンモクセイやウスギモクセイ、ヒイラギモクセイと取り違えられていることもあるため、葉の縁のギザギザと名札を確認します。
株は、幹がしっかりして根元がぐらつかないもの、葉色が濃くツヤがあり、下のほうの枝まで葉が残っているものを選びます。枝に白い殻のようなカイガラムシが付いている株、葉裏がかすれて白っぽい株は避けます。
半日以上日が当たる場所なら花をよく付けます。白い花は日陰では緑の葉に埋もれて目立たないため、濃い色の壁や生け垣を背景にすると、白い花の房が浮き上がって見えます。香りがキンモクセイより穏やかなので、玄関アプローチ、ウッドデッキの脇、寝室の窓の近くなど、人が立ち止まる場所に向いています。耐寒性はキンモクセイと同程度の-5°C前後で、関東以西の平地なら庭植えで冬越しします。北風が直接当たる場所では冬に葉が茶色く傷むことがあるので、建物の南側や東側を選びます。鉢植えなら日当たりのよいベランダで育てられ、香りを部屋に取り込みやすくなります。失敗例は、大きな木の下に植えて枝ばかり間延びすることです。その場合は秋の開花後か3月に、日の当たる場所へ移すと花芽が増えてきます。
庭植えは植え付けから1年目だけ、土の表面が乾いたら水を与えます。2年目以降は雨任せで育ち、真夏の日照りが10日以上続いたときに株元へたっぷり与える程度で十分です。鉢植えは乾きやすいので、春と秋は土の表面が乾いたら、夏は朝に毎日確認して与えます。冬は乾いてから数日おいてからで構いません。8月下旬から9月のつぼみが膨らむ時期の水切れは、つぼみが落ちる原因になります。白い花は傷むと茶色が目立つため、この時期だけは鉢の乾き具合をこまめに見ます。逆に受け皿に水を溜めたままにすると根が傷むので、与えたあとは捨てます。失敗例として、つぼみの時期に旅行で水やりが途切れ、花がまばらになることがあります。株は翌年には回復するので、次の夏は自動水やり器や、日陰への一時移動で乗り切ります。
水はけがよく、適度に水分を保つ土を好みます。鉢植えは赤玉土7、腐葉土3を基本に、緩効性肥料を少量混ぜた土で十分です。市販の庭木・花木用培養土を使っても問題ありません。庭植えは粘土質だと根が伸びにくいため、植え穴の土に腐葉土や堆肥を2〜3割混ぜてやわらかくします。水が溜まりやすい場所は、周囲より10cmほど高く土を盛ってから植えると根腐れを防げます。極端な酸性土では育ちが鈍るので、植え付けの2週間前に苦土石灰をひと握り混ぜておくと安心です。
花芽は春に伸びた枝の葉の付け根に、7〜8月ごろ作られます。そのため剪定は花が終わった11月から3月までに行い、7月以降は形が乱れても切らずに秋を待ちます。ギンモクセイは自然に卵形の樹形にまとまりやすいので、毎年の作業は、枯れ枝、内側へ向かう枝、真上へ勢いよく伸びる徒長枝を付け根から抜く「間引き」が中心です。表面を刈り込むと、白い花が外側だけに偏って咲くようになります。高さを抑えたいときは、2〜3月に一番高い枝を分かれ目の上で切り、木の中心を低く下げます。一度に3分の1以上切ると翌年の花が大きく減るので、2〜3年かけて少しずつ小さくするのが安全です。失敗例は、夏に生け垣と一緒に刈り込み、秋に白い花がほとんど見られないことです。翌年から剪定時期を変えれば、株は弱っていないので元通り咲きます。
剪定してよい時期を確認する
作業は花が終わった11月から3月までに限ります。7月以降は翌年の花芽が枝についているので、形が乱れていても切りません。
不要な枝を付け根から抜く
枯れ枝、内側へ向かう枝、交差する枝、真上へ勢いよく伸びる枝を、枝の付け根で切り取ります。木の内部に光と風が入るようにします。
高さを下げる
背が高くなりすぎたら2〜3月に、一番高い枝を下の枝との分かれ目の上で切ります。一度に切るのは全体の3分の1までにします。
切り口と後片付け
太い枝の切り口には癒合剤を塗ります。カイガラムシの付いていた枝は袋に入れて処分し、2月なら寒肥をあわせて施します。
鉢植えは根が鉢に回ってくる2〜3年ごとに、3月下旬から4月に植え替えます。鉢底の穴から根が出ている、水が染み込みにくくなったら合図です。古い土を3分の1ほど落とし、黒く傷んだ根や長すぎる根を切り詰めて、一回り大きな鉢に植え直します。大きさを今のまま保ちたいときは、根鉢の周りを2〜3cm削って同じ鉢に新しい土で戻します。庭への植え付けは3〜4月か、暑さが落ち着いた9月下旬が適期です。根鉢の倍の穴を掘り、腐葉土を混ぜた土で浅めに植えて、苗が1m以上なら支柱で固定します。根が太く少ない性質で移植を嫌うため、庭植えの場所は将来の大きさを見込んで決めます。失敗例は、開花中の10月に植え替えて花とつぼみが一斉に落ちることです。花が終わるまで待ち、春に植え替えれば株への負担はほとんどありません。
時期と用意するもの
3月下旬から4月に行います。一回り大きな鉢、赤玉土と腐葉土、鉢底石、清潔なハサミ、土を詰める棒を用意します。
根を整える
鉢から抜いて古い土を3分の1ほど落とします。黒く傷んだ根と、鉢底でとぐろを巻いた長い根を切り詰めます。
植え直す
鉢底石を敷いて土を入れ、株元が鉢の縁より2〜3cm低くなるよう高さを合わせます。周りに土を入れ、棒で突いて隙間を埋めます。
水やりと養生
鉢底から流れ出るまで水を与え、2週間ほどは明るい日陰で休ませます。新芽が動いたら日なたへ戻し、肥料は1か月後から与えます。
家庭で増やすなら6月下旬から7月の挿し木が基本です。その年の春に伸び、緑から茶色に変わりかけた枝を12cmほどに切り、上の葉2〜3枚を残して半分に切ります。切り口を1時間ほど水に浸け、発根促進剤を付けて、鹿沼土の小粒か挿し木用土に挿します。明るい日陰で乾かさないように管理すると、2〜3か月で根が出ます。モクセイの仲間は発根に時間がかかり、半分ほどは枯れてしまうので、多めに挿して、元気な数本を残すつもりで行います。鉢上げは翌年の4月で、花が咲くまでには数年かかります。日本のギンモクセイも雄株が中心で実を見る機会は少なく、種から育てるのは現実的ではありません。失敗例は、挿したあとに鉢を日なたへ出してしまい、葉が焼けて枯れることです。挿し穂は葉から水分を失いやすいので、発根するまでは直射日光を避けます。
挿し穂を選ぶ
6月下旬から7月に、春に伸びて茶色く固まりかけた枝を12cmほど切ります。花芽を作る前の時期なので、親株の花への影響は小さく済みます。
挿し穂を整える
上の葉2〜3枚を残して下の葉を取り、残した葉は半分に切ります。切り口を斜めに切り直し、1時間ほど水に浸けます。
用土に挿す
鹿沼土の小粒か挿し木用土を湿らせ、棒で穴を開けて発根促進剤を付けた穂を挿します。発根率が高くないので、10本ほどまとめて挿します。
発根まで管理する
直射日光の当たらない明るい場所で、土と葉を乾かさないよう管理します。2〜3か月で根が出るので、翌年4月に1本ずつ鉢に植えます。
病害虫の少ない木ですが、乾燥する夏のハダニと、風通しの悪い枝に付くカイガラムシには注意します。ハダニは葉の表面が白くかすれ、葉裏に小さな虫が見えるのが目印で、ホースの水で葉裏を洗い流すと数が減ります。カイガラムシは枝に白や茶色の小さな殻が貼り付き、増えると排せつ物からすす病が出て葉が黒く汚れます。見つけたらブラシでこすり落とし、冬に用途に登録のあるマシン油乳剤をラベルどおりに散布すると予防になります。夏から初秋は、葉を食べるイラガの幼虫が付くことがあり、刺されると強く痛むので、葉裏を見てから作業します。どの害虫も混み合った枝で増えやすいので、冬の間引き剪定で内部に風を通すことが一番の予防です。失敗例は、葉の黒い汚れを病気と思って薬だけまき、元のカイガラムシを残すことです。殻を取り除けば、すす病は新しい葉から出なくなります。
3〜4月は植え付けと鉢の植え替えの適期です。鉢は土が乾いたら水を与え、日なたに置きます。新芽が伸びる時期なので、高さを詰める剪定は3月中に終えます。4月以降は新芽に付くアブラムシを確認します。
春に伸びた枝に花芽ができる時期なので、7月以降は枝を切りません。鉢は朝にたっぷり水を与え、庭植えは日照りが続いたときだけ与えます。ハダニとイラガの幼虫が出やすいので葉裏を見ます。
9月中旬から10月に白い花が咲きます。つぼみが膨らむ9月は鉢の水切れに注意します。香りはキンモクセイより穏やかなので、株の近くで楽しみます。花が終わったら軽く追肥し、11月から剪定ができます。
休眠期で水やりは控えめにし、2月に有機質肥料の寒肥を株の周りに施します。混み合った枝を付け根から抜く剪定の適期です。寒冷地の鉢植えは、軒下など北風の当たらない場所に移して冬を越します。
10月の作業をくわしく知りたいときは秋の植え替えの記事も参考になります。
原因
7月以降に刈り込んで花芽を落とした、日当たりが足りない、植えて間もない若木のいずれかが多い原因です。
対策
剪定は11月から3月に限り、夏は枝を伸ばしたままにします。日陰なら春に日の当たる場所へ移し、若木は寒肥を与えて株が育つのを待ちます。
原因
開花中の長雨や強い風、9月の水切れで花が傷んだことが考えられます。白い花は傷みの色が目立ちます。
対策
株は弱っていないので、翌年に向けて9月の水やりを切らさないようにします。鉢植えは開花中だけ雨の当たらない軒下へ移すと花が長持ちします。
原因
枝に付いたカイガラムシの排せつ物にカビが生えるすす病です。
対策
枝の殻をブラシでこすり落とし、混み合った枝を間引いて風を通します。冬にマシン油乳剤をラベルどおりに散布すると翌年の発生が減ります。
原因
乾燥した時期に葉裏で増えるハダニの吸汁です。葉裏に小さな点が動いていれば確定です。
対策
ホースの水で葉裏を勢いよく洗い流し、数が多ければハダニ用の薬剤を葉裏中心に散布します。夏は葉水を習慣にすると予防になります。
原因
寒風や-5°Cを下回る冷え込みで葉が傷んだ状態です。
対策
傷んだ葉は春に新芽が出るまで残し、3月に枯れた枝先だけ切ります。翌冬は鉢を軒下へ移すか、庭植えは寒冷紗で北風をよけます。
ここにない症状は症状から調べるで、葉の色・しおれ・虫・病気などから逆引きできます。
ギンモクセイの花言葉は「初恋」「高潔」「唯一の恋」などとされます。白く小さな花が、強く主張せずに静かに香る姿から、清らかさや一途な思いが連想されたといわれます。キンモクセイの花言葉と重なるものもあり、どちらも秋の香りの記憶と結びついた言葉です。
風水では、モクセイの仲間は香りで良い気を呼ぶ木とされ、白い花は浄化の意味を持つ色といわれます。玄関や門の近くに植えると、来客を穏やかな香りで迎えられます。根拠のある話ではないので、日当たりと香りを楽しめる位置を優先して決めるのがおすすめです。
一番の違いは花の色と香りの強さです。ギンモクセイは白〜クリーム色の花で、香りは甘さが控えめで穏やか。キンモクセイはオレンジ色の花で、遠くまで届く強い香りがあります。葉はギンモクセイのほうがひと回り大きく幅があり、縁に細かいギザギザが目立ちます。植物学上はギンモクセイが基本種で、キンモクセイはその変種です。育て方や剪定の時期はほぼ同じです。
キンモクセイと比べて香りが穏やかなのはギンモクセイの性質で、異常ではありません。株から数m離れると感じにくく、近くに寄るとやさしく香ります。咲き始めと満開のころが一番香るので、その時期に株元や窓辺で楽しんでください。花数そのものが少ない場合は、日照不足や夏の剪定で花芽が減っている可能性があります。
多い原因は、7月以降の剪定で花芽を切ってしまうことです。ほかに、日当たりが悪い、植えてから年数が浅い若木、9月の水切れでつぼみが落ちた、窒素の多い肥料で枝葉ばかり茂った、などが考えられます。剪定を11月から3月に限り、日当たりを確保すれば、多くは翌年から咲き始めます。
9月中旬から10月が開花期で、キンモクセイと同じころか、少し早く咲く年が多いとされます。咲いている期間は1週間から10日ほどと短めです。残暑が長い年は開花が遅れたり、2回に分かれて咲いたりすることもあります。白い花は葉に紛れて見落としやすいので、香りで咲き始めに気づくことも多い木です。
育てられます。8〜10号の鉢で高さ1〜1.5mほどに保てば、ベランダでも毎年咲きます。日当たりのよい場所に置き、土の表面が乾いたら水を与え、2〜3年ごとに春に植え替えます。キンモクセイより香りが穏やかなので、室内に近い場所に置いても香りがきつくなりにくいのが鉢植えの利点です。
ウスギモクセイは淡い黄色の花を咲かせるモクセイの変種で、ギンモクセイより黄色みがあり、秋に何度か咲くことがあります。ヒイラギモクセイはギンモクセイとヒイラギの雑種とされ、葉の縁にとげのような鋸歯があり、白い花を咲かせます。とげがあるため防犯用の生け垣に使われます。どれも花のない時期は見分けにくいので、苗は開花期に選ぶと確実です。
キンモクセイ としてまとめている他の品種です。
| 品種 | 大きさの目安 | 難易度 | 水やり |
|---|---|---|---|
| ギンモクセイ(本記事) | 放任で4〜6m。剪定で2〜3mに保てる。鉢植えは1〜1.5mほど。 | 初心者向け | 庭植えは根付けば雨任せ。鉢は表面が乾いたら |
| キンモクセイ | 放任で5〜6m。刈り込みで2〜3mの生け垣・玉仕立てに維持できる。 | 初心者向け | 庭植えは根付けば不要。鉢は表面が乾いたら |
10月の季節の作業と、ギンモクセイの手入れで迷いやすいところに合わせて選んでいます。
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秋の植え替え
秋は多肉植物や草花、果樹の植え替え・植え付けに向く一方、観葉植物は春まで待つのが基本です。秋の適期の目安、植物タイプ別の可否、根の扱い方と植え替え後の管理を解説します。
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10月にやること
ギンモクセイは今月「白い花と香りを楽しむ」の時期です。ほかの植物の植えつけ・植え替え・肥料の適期も月ごとに確認できます。
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植物名とお住まいの気候帯から、屋外で冬越しできるか・室内に取り込むべきかを図鑑の耐寒データで判定します。
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同じ植物でも地植えと鉢植えでは手間も育ち方も別物です。水やり頻度・成長スピード・冬越しのしやすさで比較し、向く植物を整理します。
執筆: Hapot編集部
植物を迎えたばかりの人が枯らさずに育てられるように、植物図鑑と症状別の記事を編集しているチームです。農林水産省や農研機構など公的機関の栽培指針を確認したうえで、温度や頻度を数値で示し、迷いやすい判断は結論から書くことを大切にしています。誤りや古くなった情報はお問い合わせから受け付け、確認のうえ更新しています。