苗・株の選び方
紅葉する10〜11月に買うと、葉の色づき方をその場で確かめられます。枝の翼がはっきり付いているものがニシキギ、翼のないものはコマユミです。狭い庭や鉢植えには、コンパクトにまとまる'コンパクタ'も向いています。
良い株は、枝に翼がしっかり付き、株元から複数の枝が出てバランスよく広がっているもの、枝に白い殻のカイガラムシや黒いすすが付いていないものです。日陰の売り場に長く置かれた株は紅葉が淡く見えることがありますが、日なたで育てれば翌年から色づきます。
Hapot編集部より
ニシキギ(錦木)は、秋に葉が燃えるような赤に染まる日本の代表的な紅葉樹で、狭い庭でも紅葉を楽しみたい人や、和風の庭や生け垣に季節感を出したい人に向いています。名前は紅葉の美しさを錦にたとえたことに由来し、ニッサ、スズランノキと並んで世界三大紅葉樹の一つに数えられることがあります。5〜6月に目立たない淡い黄緑の小花を咲かせ、秋には赤い実が割れて橙赤色の種がのぞきます。
見分けの特徴は、枝にコルク質の板のような「翼(よく)」が付くことです。同じ仲間で翼が出ないものはコマユミと呼ばれ、紅葉や実の美しさはニシキギとほぼ同じで、山に自生しているのはこちらのほうが多いとされます。寒さ暑さに強く、刈り込みにも耐える丈夫な木ですが、紅葉を赤く色づかせるには日当たりが欠かせません。実や種子を含めてニシキギ属には有毒成分が知られているので、子どもやペットの誤食に注意します。

水やり
庭植えは植え付け2年目以降は雨任せ。鉢は表面が乾いたら
日光
直射日光
温度の目安
-20〜35°C程度(寒さに強く、北海道でも育つ)
湿度
40-60%
土
水はけがよく、肥沃な土
大きさの目安
高さ1〜3mの落葉低木。生け垣や玉仕立てにもできる。鉢植えは6〜8号鉢で高さ50cm〜1mが目安。'コンパクタ'は1〜2mにまとまるとされる。
成長の速さ
中(年に20〜30cm。高さ1〜3m)
温度の目安(耐寒〜耐暑)
-20〜35°C程度(寒さに強く、北海道でも育つ)
肥料
1〜2月の寒肥、鉢植えは3月に追肥
成長速度
中(年に20〜30cm。高さ1〜3m)
毒性
ニシキギ属の植物は実や種子などに有毒成分を含むことが知られ、ニシキギも口にすると嘔吐や下痢などを起こすおそれがあるとされる。子どもやペットの誤食に注意
紅葉を赤くする条件は、日当たりと夏の水切れ防止です。剪定は落葉期に混んだ枝を元から間引くのが基本で、刈り込みだけを続けると株の中が枯れ込みます。
紅葉する10〜11月に買うと、葉の色づき方をその場で確かめられます。枝の翼がはっきり付いているものがニシキギ、翼のないものはコマユミです。狭い庭や鉢植えには、コンパクトにまとまる'コンパクタ'も向いています。
良い株は、枝に翼がしっかり付き、株元から複数の枝が出てバランスよく広がっているもの、枝に白い殻のカイガラムシや黒いすすが付いていないものです。日陰の売り場に長く置かれた株は紅葉が淡く見えることがありますが、日なたで育てれば翌年から色づきます。
一日中、または少なくとも半日以上日が当たる場所に植えるのが、紅葉を真っ赤にするいちばんの条件です。日陰でも育ちますが、日照が足りないと紅葉がピンクや淡い黄色にとどまり、くすんだまま落葉します。昼夜の寒暖差が大きく、夜露や霜に当たる開けた場所ほど色が冴えるとされます。耐寒性が非常に強く、北海道でも庭植えで育ち、関東以西の平地では防寒は要りません。暑さにも強いものの、真夏の西日が強く当たる乾いた場所では葉が傷み、色づく前に落ちることがあります。
よくある失敗は、建物の陰に植えて紅葉が毎年茶色っぽくなるケースです。鉢植えなら、秋だけでも日なたへ移すと色づきが変わります。
庭植えは植え付けから2年ほど、土の表面が乾いたら株元へたっぷり与え、根付いたあとは雨任せで育ちます。ただし真夏に晴天が10日以上続くときは、株元に水を与えると秋の紅葉がきれいに残ります。鉢植えは表面の土が乾いたら鉢底から流れるまで与え、夏は朝に毎日、暑い日は夕方にも確かめます。落葉した冬は水を控えめにし、土が乾いてから与えます。夏に葉を傷めると、秋に色づく前に落葉します。
よくある失敗は、紅葉を見越して秋に急に水やりを減らし、鉢を乾かしすぎるケースです。秋も乾いたら与え、控えるのは落葉してからにします。
水はけがよく、腐葉土などを含む肥沃な土を好みます。鉢植えは赤玉土中粒2、完熟腐葉土または樹皮堆肥1の配合か、市販の庭木・花木用培養土をそのまま使えます。鉢底には鉢底石を鉢の高さの1割ほど敷き、水はけを確保します。鉢は素焼き鉢や駄温鉢だと根腐れしにくくなります。庭植えは植え穴を根鉢の2倍ほど掘り、掘った土に腐葉土や堆肥を3割ほど混ぜ、元肥として有機質肥料か緩効性肥料を入れて埋め戻します。粘土質で水がたまる場所は、周囲より少し高く盛って植えます。
ニシキギの剪定は、葉が落ちた12〜2月に、重なった枝や内向きの枝を付け根から間引くのが基本です。萌芽力が強く刈り込みにもよく耐えるので、生け垣や玉仕立てにもできますが、刈り込みだけで形を保つと切り口から細い枝が多く出て、株の内側に光が入らず枯れ枝が増えます。2〜3年に1回は落葉期に混んだ枝を元から間引き、刈り込みは外形を軽く整える程度にします。生育期に刈り込むと、花と実を付ける枝を多く切ることになるので、実も楽しみたい場合は注意します。
よくある失敗は、毎年夏に生け垣を強く刈り込み、秋の実がほとんど見られなくなるケースです。刈り込みは落葉期にまとめ、夏は飛び出した枝を数本切る程度にします。
時期を確かめる
葉が落ちた12〜2月に行います。枝ぶりがよく見えるので、どの枝が混んでいるか判断しやすい時期です。
不要な枝を見つける
枯れ枝、内向きの枝、交差した枝、重なった枝を探します。株の中に光が入るかを目安にします。
付け根から間引く
不要な枝は途中で切らず、出ている付け根から切ります。途中で切ると、切り口から細い枝が何本も出て混み合います。
外形を軽く整える
最後に飛び出した枝先を刈り込んで形を整えます。強い刈り込みは控え、2〜3年に1回は間引きを中心に行います。
植え付けと植え替えの適期は、厳寒期を除く落葉期、関東以西の平地では11〜12月と2〜3月です。植え穴や鉢底に元肥を入れて植えます。鉢植えは2〜3年に1回、根が鉢に回ったら一回り大きな鉢に植え替えます。6〜8号鉢から始めると管理しやすく、コンパクトにまとまる品種'コンパクタ'なら鉢植えでも樹形を保ちやすくなります。庭植えは1本で楽しむならほかの木から1.5mほど、生け垣にするなら株間50cm前後で植えます。
よくある失敗は、芽吹いたあとの5月に植え替えて葉がしおれるケースです。その場合は半日陰で水を切らさずに休ませます。
時期と道具をそろえる
厳寒期を除く落葉期の11〜12月か2〜3月に行います。一回り大きな鉢、赤玉土と腐葉土、鉢底石、緩効性肥料、剪定ばさみを用意します。
株を抜いて根を整える
鉢から株を抜き、根鉢の肩と底を軽くほぐします。黒く傷んだ根や、底で巻いた長い根を切り取ります。
元肥を入れて植える
鉢底石を敷いて土を入れ、元肥を少量混ぜます。元と同じ深さに株を据え、周りに土を入れて隙間をなくします。
水やりと養生
鉢底から流れるまで水を与え、芽が動くまで風の当たらない場所で休ませます。芽吹いたら日なたへ移します。
家庭では3月上旬の挿し木が簡単です。前年に伸びた枝を15〜20cmに切り、下の部分を斜めに切り直して水揚げし、赤玉土小粒や挿し木用土に挿します。明るい日陰で乾かさずに管理すると、春のうちに根が出ます。ほかに、3月上旬に掘り上げた根を15〜20cmに切って埋める根伏せや、秋に採った種を冷蔵しておいて翌年3月にまく方法もあります。種から育てると、翼の付き方や紅葉の色に個体差が出ることがあります。
よくある失敗は、挿したあとに日なたに置いて穂を乾かすケースです。根が出て新芽が伸びるまでは明るい日陰に置きます。
時期と枝を選ぶ
3月上旬、芽が動く前に、前年に伸びた元気な枝を選びます。翼のしっかり付いた枝を使うと、翼のある株が育ちます。
挿し穂を整える
枝を15〜20cmに切り、下の切り口を斜めに切り直します。1時間ほど水に挿して水揚げします。
用土に挿す
湿らせた赤玉土小粒か挿し木用土に、穂の半分ほどを挿します。株元を軽く押さえ、たっぷり水を与えます。
発根まで管理する
明るい日陰で土を乾かさずに管理します。新芽が伸びて根が回ったら、翌春に小鉢へ植え替えます。
病気はほとんどなく、注意したいのはカイガラムシと、春の毛虫です。カイガラムシは樹液を吸って樹勢を弱らせ、排せつ物からすす病が出て葉が黒く汚れます。成虫は竹べらなどで樹皮を傷めないようにかき落とし、6〜7月に幼虫が動き回る時期に用途に登録のある薬剤を散布します。春の芽吹きのころには、ミノウスバの幼虫などニシキギ属を好む毛虫が群れで発生し、新芽を食べ尽くすことがあります。4〜5月は新芽を数日おきに見回り、群れを枝ごと切り取ります。
よくある失敗は、毛虫に気づくのが遅れて、春のうちに株が丸坊主になるケースです。葉は再び出ることが多いので、虫を取り除いて水を切らさずに待ちます。
3月上旬は挿し木と根伏せの適期で、植え付けは3月までに済ませます。鉢植えは3月に追肥し、芽吹いたら日なたに置きます。4〜5月は新芽に毛虫が付きやすいので、数日おきに見回ります。
5〜6月に淡い黄緑の小花が咲きます。夏の水切れや西日で葉を傷めると、秋の紅葉がくすみます。鉢は朝に毎日乾き具合を確かめます。6〜7月はカイガラムシの幼虫が動く時期です。
関東以西の平地では10月下旬から色づき始め、11月が紅葉の見頃です。赤く熟した実が割れて、橙赤色の種がのぞきます。鉢植えは日なたに置くと色が冴えます。11月下旬から落葉し、植え付けの適期に入ります。
落葉期で、12〜2月が剪定の適期です。混んだ枝や内向きの枝を付け根から間引きます。庭植えは1〜2月に寒肥を施します。寒さに強いので防寒は要りません。翼の付いた枝ぶりも冬の見どころです。
10月の作業をくわしく知りたいときは秋の植え替えの記事も参考になります。
原因
日照不足や夏の水切れ。日陰では赤い色素が作られにくく、夏に葉が傷んだ株は色づく前に落葉しやすい。
対策
半日以上、できれば午前から日の当たる場所で育てます。鉢植えは秋に日なたへ移し、夏は水切れさせないようにします。庭植えで日陰になる場合は、冬の落葉期に日なたへ移植すると翌秋から色が冴えます。
原因
ミノウスバの幼虫など、ニシキギ属を好む毛虫の食害。春の芽吹きに合わせて群れで発生し、短期間で葉を食べ尽くすことがある。
対策
4〜5月は新芽を数日おきに見回り、群れている幼虫は枝ごと切り取って処分します。数が多いときは用途に登録のある殺虫剤を使います。冬に枝に付いた卵を見つけたら取り除くと発生を減らせます。
原因
カイガラムシと、その排せつ物に生えるすす病。刈り込みだけで管理して枝が混み合った株に多い。
対策
成虫は竹べらなどで樹皮を傷めないようにかき落とし、6〜7月に幼虫が動き回る時期に用途に登録のある薬剤を散布します。落葉期に混んだ枝を元から間引いて風を通すことが予防になります。
原因
刈り込みの繰り返しで外側に細い枝が密集し、株の内側に光が入らなくなったため。
対策
12〜2月の落葉期に、内向きの枝や枯れ枝、重なった枝を付け根から間引きます。2〜3年に1回はこの間引きを行い、刈り込みは外形を軽く整える程度にします。
原因
鉢の水切れと西日。鉢は土が少なく、真夏の西日に当たると半日で乾くことがある。
対策
夏は朝に鉢の乾き具合を確かめ、乾いていればたっぷり与えます。西日の当たらない場所へ移し、傷んだ葉は無理に取らずに秋を待ちます。新しい葉は翌春に出るので、株が無事なら回復します。
ここにない症状は症状から調べるで、葉の色・しおれ・虫・病気などから逆引きできます。
ニシキギの花言葉は「あなたの魅力を心に刻む」「危険な遊び」「あなたの定め」などとされます。由来ははっきりしませんが、心に残る鮮やかな紅葉の姿や、枝の鋭い翼の印象に結び付けて語られることがあります。名前は、秋の紅葉を錦にたとえた「錦の木」から来たとされます。
風水では、秋に赤く色づく木は活力や情熱の気を呼ぶとされ、ニシキギも庭の南側に植えるとよいと紹介されることがあります。ただし、言い伝えの域を出ない話です。実用面では、刈り込みに強く狭い場所にも収まるので、和風の庭の生け垣や添え木として昔から使われてきました。
関東以西の平地では、10月下旬から色づき始め、11月が見頃です。葉は緑から紫がかった色を経て、鮮やかな赤に変わります。標高の高い地域や寒冷地では10月中旬ごろから色づきます。紅葉と同じころ、赤く熟した実が割れて橙赤色の種がのぞくのも見どころです。色づきは日当たりで大きく変わり、日なたでは真っ赤に、日陰ではピンクや淡い黄色にとどまります。11月下旬から12月にかけて落葉します。
いちばんの違いは、枝にコルク質の「翼」があるかどうかです。ニシキギの若い枝には板のような翼が2〜4枚付きますが、コマユミには翼がほとんど出ません。コマユミはニシキギの品種として扱われることが多く、紅葉の色や実の美しさ、育て方はほぼ同じです。山に自生しているのはコマユミのほうが多いとされます。翼のある枝ぶりを冬も楽しみたいならニシキギ、すっきりした枝ぶりがよければコマユミを選ぶとよいでしょう。
多い原因は日照不足です。ニシキギの赤い色は日光をよく浴びた葉で作られるため、日陰では紅葉がピンクや淡い黄色、茶色っぽい色にとどまります。昼夜の寒暖差が大きく、夜露や霜に当たる開けた場所ほど色が冴えるとされます。また、夏に水切れや西日で葉を傷めると、色づく前に落葉します。半日以上日が当たる場所で育て、夏は水を切らさないようにします。鉢植えなら、秋に日なたへ移すだけでも色づきがよくなります。
育てられます。6〜8号鉢から始め、高さ50cm〜1mに仕立てると管理しやすくなります。コンパクトにまとまる'コンパクタ'なら、鉢でも樹形を保ちやすく向いています。用土は赤玉土と腐葉土を混ぜた水はけのよい土か、庭木用培養土を使います。紅葉させるには日当たりが必要なので、日なたに置き、夏は朝に毎日乾き具合を確かめます。2〜3年に1回、落葉期に一回り大きな鉢へ植え替え、3月に追肥します。
葉が落ちた12〜2月に、重なった枝や内向きの枝を付け根から間引くのが基本です。ニシキギは刈り込みにも強く、生け垣や玉仕立てにもできますが、刈り込みだけを続けると外側に細い枝が密集し、株の中に光が入らず枯れ枝が増えます。2〜3年に1回は混んだ枝を元から間引き、刈り込みは外形を軽く整える程度にします。生育期に刈り込むと花と実の付く枝を多く切るので、秋の実を楽しみたい場合は落葉期にまとめて行います。
ニシキギ属の植物は、実や種子などに有毒成分を含むことが知られています。ニシキギも、口にすると嘔吐や下痢などを起こすおそれがあるとされ、ペットの中毒情報でも注意が必要な植物に挙げられています。赤い実は子どもの目を引きやすいので、小さな子どもやペットが口にしないよう注意してください。剪定などで触れる程度なら問題になることは少ないとされます。万一口にして具合が悪くなった場合は、医師や獣医師に相談します。
10月の季節の作業と、ニシキギの手入れで迷いやすいところに合わせて選んでいます。
今の季節に読みたい
秋の植え替え
秋は多肉植物や草花、果樹の植え替え・植え付けに向く一方、観葉植物は春まで待つのが基本です。秋の適期の目安、植物タイプ別の可否、根の扱い方と植え替え後の管理を解説します。
植物カレンダー
10月にやること
植えつけ・植え替え・肥料の適期を、植物ごと・月ごとに確認できます。
ツール
冬越しチェック
植物名とお住まいの気候帯から、屋外で冬越しできるか・室内に取り込むべきかを図鑑の耐寒データで判定します。
困ったとき
症状から原因を調べる
葉が黄色い・しおれる・虫がついた…症状別に見分け方と対処を解説しています。
ナレッジ
地植えと鉢植え
同じ植物でも地植えと鉢植えでは手間も育ち方も別物です。水やり頻度・成長スピード・冬越しのしやすさで比較し、鉢ごと地植え(根域制限)のメリット・デメリットや、シンボルツリーを鉢で育てる場合の注意点まで整理します。
執筆: Hapot編集部
植物を迎えたばかりの人が枯らさずに育てられるように、植物図鑑と症状別の記事を編集しているチームです。農林水産省や農研機構など公的機関の栽培指針を確認したうえで、温度や頻度を数値で示し、迷いやすい判断は結論から書くことを大切にしています。誤りや古くなった情報はお問い合わせから受け付け、確認のうえ更新しています。