苗・株の選び方
良い苗は、葉が厚く光沢があり、色が濃いこと、株元から太い枝が複数立ち上がっていること、つぼみの付いた株なら中心の両性花の粒がそろっていることの3点で見分けます。花付き株は、装飾花が開き始めたものを選ぶと長く楽しめます。
避けたいのは、葉に褐色の斑点がある株と、鉢の土がからからに乾いて下葉が落ちている株です。花色は植え付ける土で変わることがあるので、青やピンクにこだわるなら、店頭の色だけでなく用土の準備も考えて選びます。購入適期は花付き株が並ぶ5〜6月です。
ガクアジサイの育て方の要点
Hapot編集部より
ガクアジサイは、潮風や乾いた風にも耐える丈夫さを持つ、日本の海辺で生まれたアジサイの原種で、すっきりとした野趣のある花姿が好きな人や、海に近い庭で花木を育てたい人に向いています。手まり咲きのアジサイとの違いは花の形で、中心に粒のような小さな両性花が集まり、その周りだけを大きな装飾花が額縁のように囲みます。「額」の名もこの姿に由来するといわれます。
関東南部から伊豆諸島などの海岸に自生し、手まり咲きのアジサイはこのガクアジサイから生まれたとされます。葉は厚くて光沢が強く、海辺の強い日差しや潮風に耐える性質を受け継いでいます。
育て方の基本は一般的なアジサイと同じ旧枝咲きで、花後すぐに剪定します。土の酸度で花色が変わる性質も同じで、酸性の土では青、中性から弱アルカリ性ではピンクに咲きます。八重の装飾花が花火のように広がる「墨田の花火」など、園芸品種も多く出回っています。

水やり
鉢は表面が乾いたらたっぷり、真夏は朝夕。庭植えは晴天が続くときだけ
日光
半日陰
温度の目安
-5-30°C(暖地向き。寒風で花芽が傷みやすい)
湿度
50-80%
土
腐葉土入りの水もちのよい土。酸性で青、中性〜弱アルカリ性でピンク
大きさの目安
地植えで高さ1〜2m、株幅1〜1.5m。鉢植えでは50cm〜1mほどに収まります。花房は直径15〜20cmほどです。
成長の速さ
中〜速い
温度の目安(耐寒〜耐暑)
-5-30°C(暖地向き。寒風で花芽が傷みやすい)
肥料
花後の7月にお礼肥、12〜2月に寒肥
成長速度
中〜速い
毒性
全草に有毒成分を含むとされる。犬・猫・子どもが口にしないよう注意し、料理の飾りにも使わない
剪定は花後すぐ、遅くとも7月中に済ませます。装飾花が裏返ったら花の終わりの合図です。寒冷地では冬の寒風から枝先の花芽を守ります。
良い苗は、葉が厚く光沢があり、色が濃いこと、株元から太い枝が複数立ち上がっていること、つぼみの付いた株なら中心の両性花の粒がそろっていることの3点で見分けます。花付き株は、装飾花が開き始めたものを選ぶと長く楽しめます。
避けたいのは、葉に褐色の斑点がある株と、鉢の土がからからに乾いて下葉が落ちている株です。花色は植え付ける土で変わることがあるので、青やピンクにこだわるなら、店頭の色だけでなく用土の準備も考えて選びます。購入適期は花付き株が並ぶ5〜6月です。
ガクアジサイの置き場所は、基本はアジサイと同じ半日陰です。違いは、もともと海岸の崖や林縁に自生していたため、日差しと風に比較的強いことで、午前中に日が当たる場所なら、手まり咲きの品種よりも明るい場所で育てられます。海に近い庭で、潮風が当たる場所にも植えやすい花木です。
一方で暖かい海辺の原種なので、寒さには手まり咲きの品種と同程度かやや弱く、-5°C程度が目安とされます。寒冷地では冬の北風で枝先の花芽が枯れ込みやすいので、建物の南側や生け垣の陰に植えます。
よくある失敗は、日陰の奥に植えて枝ばかり伸び、装飾花の数が少なくなることです。翌年の花後に枝を整理し、日の当たる場所へ移せば花数が戻ります。
水やりの基本は一般的なアジサイと同じで、鉢植えは表面が乾いたらたっぷり、真夏は朝夕2回が目安です。ガクアジサイは葉が厚く光沢があるぶん、手まり咲きの品種より日中のしおれは出にくいとされますが、鉢植えの水切れには変わらず弱い花木です。庭植えは根付けば雨任せでよく、夏に晴天が1週間以上続くときだけ朝に与えます。
花色を青く保ちたい場合、水道水がアルカリ性寄りの地域では、雨水をためて与えると土の酸性が保たれやすくなります。
よくある失敗は、風当たりの強いベランダで鉢が想像以上に早く乾き、開花中の装飾花が縮れることです。風の弱い場所へ移し、マルチングで土の乾きを抑えると、次に咲く花はきれいに開きます。
鉢植えは赤玉土小粒6、腐葉土4を基本に、鉢底石を2〜3cm敷きます。市販のアジサイ用培養土をそのまま使っても構いません。花色を青にしたいなら鹿沼土や酸度未調整のピートモスを2〜3割混ぜて酸性に、ピンクにしたいなら苦土石灰を少量混ぜて中性から弱アルカリ性に寄せます。
庭植えは植え穴に腐葉土を3割ほど混ぜ、海辺の砂地なら堆肥を多めに入れて水もちを補います。元肥には骨粉入りの緩効性肥料を少量入れます。白花の品種は酸度で色が変わらないので、配合は基本のままで構いません。
ガクアジサイは前年の枝に花芽を付ける旧枝咲きで、剪定は花後すぐ、遅くとも7月中に終えます。花の終わりの目安は、周りの装飾花がくるりと裏返って下を向くことだとされます。その頃に、花から2節下の脇芽の上で切ります。
手まり咲きの品種より枝が横に広がりやすいので、株を小さく保ちたい場合は、花後に古い枝を株元から2〜3本間引いて、新しい枝に更新します。8月以降は枝先を切らず、翌年の花芽を残します。
よくある失敗は、装飾花が色あせた後も秋まで花を残し、慌てて秋に切って翌年咲かないことです。切ってしまった年は花が少なくなりますが、残った枝の花を楽しみ、翌年は7月中の剪定を守れば元どおり咲きます。
装飾花が裏返ったら準備する
周りの装飾花が裏返って下を向いたら、花の終わりの合図です。清潔な剪定ばさみを用意し、遅くとも7月中に作業します。
花から2節下の脇芽を探す
花の下の節を数え、2節下にある脇芽の位置を確かめます。ふっくらした脇芽の上で切ると、翌年その芽から伸びた枝に花が付きます。
脇芽の上で切る
確かめた脇芽のすぐ上で切ります。咲かなかった枝は翌年咲きやすいので切らずに残し、株の形を見ながら全体を整えます。
古い枝を株元から間引く
横に広がりすぎた株は、古く太い枝を株元から2〜3本切って新しい枝に更新します。風通しがよくなり、病気の予防にもなります。
8月以降は枝先を残す
8月以降は翌年の花芽が枝先で育つので切りません。冬の作業は枯れ枝の整理と落ち葉の片付けだけにします。
鉢植えは1〜2年に1回、花後の7月か落葉期の11〜3月に一回り大きな鉢へ植え替えます。ガクアジサイは根の張りが強く、鉢の中で根が回ると夏の水切れが急に深刻になります。植え替えのたびに花色に合わせた土を選べるので、青やピンクをはっきり出したい人は、このタイミングで土を入れ替えます。
庭植えへの植え付けは11〜3月が適期ですが、寒冷地では厳寒期を避けて3月に行います。地植えにすると株は1〜2mに育ち横にも広がるため、株間は1m以上取ります。
よくある失敗は、青い花を買ったのに庭に植えたら翌年ピンクに変わることです。植え付け場所の土がアルカリ寄りのためで、鹿沼土やピートモスを株元に混ぜ込み、数年かけて酸性に寄せていくと青に戻りやすくなります。
7月か11〜3月に準備する
花後の7月か落葉期の11〜3月に行います。一回り大きな鉢、赤玉土と腐葉土、花色に合わせた鹿沼土か苦土石灰、鉢底石を用意します。
根鉢をほぐして根を整える
株を鉢から抜き、根鉢の外側を3分の1ほどほぐします。長く巻いた根や黒く傷んだ根を切り、白い根を残します。
花色に合わせた土で植える
青なら鹿沼土を混ぜた酸性の土、ピンクなら苦土石灰を少量混ぜた土を使います。鉢底石を敷き、元の高さで株を据えて土を足します。
明るい日陰で1〜2週間休ませる
鉢底から流れるまで水を与え、直射日光を避けた明るい日陰で1〜2週間休ませます。夏の植え替え後は特に水切れに注意します。
ガクアジサイは6〜7月の挿し木で簡単に増やせます。花の付いていない今年の枝を2節で切り、葉を半分に切って赤玉土に挿せば、1か月ほどで発根します。挿し木で増やした株は親株と同じ花の形になるので、気に入った装飾花の形や色の株を残すのに向いています。
中心の両性花には種ができることがありますが、種から育てると親と違う花になることが多く、開花までに年数もかかるため、家庭では挿し木が一般的です。
よくある失敗は、挿し穂を強い日差しの下に置き、数日で葉が茶色く枯れることです。挿し穂は必ず明るい日陰に置き、しおれ始めたら葉をさらに小さく切って、鉢ごとビニール袋で覆って湿度を保つと持ち直すことがあります。
6〜7月に道具をそろえる
適期は6〜7月です。清潔なはさみ、赤玉土小粒を入れた鉢、水を入れた容器を用意し、親株の品種名をラベルに書いておきます。
花のない枝を2節で切る
今年伸びた花の付いていない枝を、2節分の長さで切ります。下の節の葉を取り、上の葉は半分に切って蒸散を抑えます。
水揚げして赤玉土に挿す
切り口を1時間ほど水に浸けてから、湿らせた赤玉土に下の節が埋まる深さで挿します。指で土を押さえて挿し穂を安定させます。
明るい日陰で湿度を保つ
直射日光を避けた明るい日陰で、土を乾かさずに管理します。しおれやすいときは鉢ごとビニール袋で覆い、1か月ほどの発根を待ちます。
ガクアジサイは丈夫で病害虫は多くありませんが、梅雨から夏のうどんこ病と炭疽病、乾燥期のハダニに注意します。うどんこ病は葉に白い粉が出る病気で、枝が混み合うと発生しやすく、花後の剪定で風通しを確保すると予防になります。炭疽病は葉に褐色の丸い斑点が出る病気で、斑点の出た葉は早めに取って処分します。
害虫では、春の新芽のアブラムシ、夏の葉裏のハダニのほか、葉を巻いて中に潜るハマキムシにも注意します。巻かれた葉は開いて中の幼虫を取り除きます。
よくある失敗は、落ちた病気の葉を株元に残し、翌年も同じ病気が広がることです。秋から冬に落ち葉をこまめに集めて処分すると、翌年の発生が減ります。
新芽が伸びる時期で、水は土が乾いたらたっぷり与えます。花色を青くしたい場合は、つぼみが見え始める頃に青花用の肥料を与えます。置き場所は午前中に日が当たる半日陰で、新芽のアブラムシに注意します。
6〜7月に額縁のような花が咲きます。装飾花が裏返ったら花から2節下で剪定し、お礼肥を与えます。鉢は朝夕2回の水やりが目安で、風の強いベランダは乾きやすいので注意します。乾燥でハダニが出やすい時期です。
枝先で翌年の花芽が育つ時期なので、剪定はしません。水は土が乾いたらたっぷり与え、秋の水切れに注意します。肥料は控えめにし、日当たりのよい場所で株を充実させます。落ち葉は病気予防のためこまめに集めます。
落葉して休眠します。12〜2月に寒肥を施し、鉢の水やりは土が乾いてから控えめにします。枝先の花芽を寒風から守るため、寒冷地では鉢を軒下へ移します。剪定は枯れ枝の整理だけにとどめ、落ち葉は処分します。
原因
秋や冬の剪定で枝先の花芽を切り落としたか、寒冷地で冬の寒風に当たって花芽が枯れています。
対策
剪定は装飾花が裏返った頃、遅くとも7月中に済ませます。寒冷地では冬に鉢を軒下へ移し、庭植えは北風の当たらない場所に植えます。
原因
植え付けた庭の土や用土が中性から弱アルカリ性に寄っていて、花色がピンク側に変わっています。コンクリートの近くや石灰を混ぜた土で起こりやすくなります。
対策
鹿沼土や酸度未調整のピートモスを株元に混ぜ、つぼみが見え始める頃に青花用の肥料を与えます。土の酸度は少しずつしか変わらないので、数年かけて青に寄せます。
原因
花の終わりを迎えた自然な変化とされ、病気ではありません。
対策
剪定の合図として、花から2節下の脇芽の上で切ります。遅くとも7月中に切ると、翌年の花芽を残せます。
原因
梅雨から夏の多湿で発生する炭疽病などの病気です。落ち葉に病原が残ると翌年も発生します。
対策
斑点の出た葉は取り除いて処分し、落ち葉もこまめに集めます。花後の剪定で混み合った枝を間引き、風通しを確保します。
原因
ハマキムシの幼虫が葉を糸で巻き、中に潜んで葉を食べています。
対策
巻かれた葉を開いて中の幼虫を取り除き、被害の大きい葉は摘み取ります。春から初夏に新芽を見回ると早く見つけられます。
ここにない症状は症状から調べるで、葉の色・しおれ・虫・病気などから逆引きできます。
ガクアジサイの花言葉には「謙虚」が挙げられます。中心の小さな両性花を、周りの装飾花がそっと囲むように咲く控えめな姿にちなむとされます。手まり咲きのアジサイと同じく、色によって「辛抱強い愛情」(青)、「元気な女性」(ピンク)といった花言葉も添えられます。
海辺に自生してきたガクアジサイは、風水で水と浄化の気を持つ花とされ、青い花は玄関や北側に置くと気持ちを落ち着かせるといわれます。額縁のような花の形は、家族を囲んで守る形とも見られ、庭の東側に植えると家庭の和を深めるとされます。
一番の違いは花の形で、ガクアジサイは周りだけに装飾花が付く額縁のような咲き方です。手まり咲きのアジサイは装飾花が花房全体を覆いますが、ガクアジサイは中心に小さな両性花が集まり、その周りを装飾花が囲みます。ガクアジサイは日本の海岸に自生する原種で、手まり咲きのアジサイはここから生まれたとされます。剪定時期や花色が土で変わる性質は同じです。
葉の厚さと光沢で見分けるのが簡単です。ガクアジサイの葉は厚く大きく、表面に強い光沢がありますが、ヤマアジサイの葉は薄く細長めで、光沢はほとんどありません。株の大きさも違い、ガクアジサイは高さ1〜2mに育ち、ヤマアジサイは1m以下に収まることが多い植物です。ガクアジサイは海岸に、ヤマアジサイは山地の沢沿いに自生し、どちらも額縁のような花を咲かせます。
花後すぐ、遅くとも7月中に、花から2節下の脇芽の上で切ります。ガクアジサイは前年の枝に花芽を付ける旧枝咲きで、8月以降は枝先で翌年の花芽が育つため、秋や冬に枝先を切ると翌年咲かなくなります。周りの装飾花が裏返って下を向いたら、花の終わりの目安とされます。株を小さくしたい場合も、花後に古い枝を株元から間引いて更新します。
花の役目を終えた合図で、病気ではありません。ガクアジサイの装飾花は、中心の両性花に虫を呼ぶ役割を持つとされ、受粉が終わる頃に装飾花がくるりと裏返って下を向くといわれます。この状態になったら剪定の目安で、花から2節下の脇芽の上で切ります。花を長く楽しみたい場合も、7月中には切って翌年の花芽を残します。
変わります。酸性の土では青、中性から弱アルカリ性の土ではピンクに咲きます。ガクアジサイは手まり咲きのアジサイと同じ Hydrangea macrophylla の仲間で、土の酸度によって装飾花と両性花の色が変わります。青くしたいなら鹿沼土や酸度未調整のピートモスを混ぜ、ピンクにしたいなら苦土石灰を少量混ぜます。白花の品種は、土を変えても色はほとんど変わりません。
育てられます。ガクアジサイはもともと海岸の崖などに自生する、潮風に比較的強いアジサイです。厚く光沢のある葉が、海辺の強い日差しや風に耐えます。ただし潮風が直接当たり続ける場所では葉先が傷むことがあるので、建物や生け垣で風を和らげると安心です。海辺の砂地は水もちが悪いため、植え穴に堆肥や腐葉土を多めに混ぜて植えます。
秋や冬の剪定で花芽を切り落としたことが、最も多い原因です。ガクアジサイは旧枝咲きで、花芽は8月以降に枝先で育つため、剪定は花後すぐ7月中に済ませます。ほかに、寒冷地で冬の寒風に当たり枝先の花芽が枯れた場合や、暗い日陰で株が充実していない場合も咲きません。寒冷地では冬に鉢を軒下へ移し、庭植えは北風の当たらない場所に植えます。
アジサイ としてまとめている他の品種です。
ガクアジサイの季節の作業や、土・鉢・肥料の選び方をくわしく解説した記事です。
11月の作業と、ガクアジサイの手入れで迷ったときに役立つページです。
執筆: Hapot編集部
植物を迎えたばかりの人が枯らさずに育てられるように、植物図鑑と症状別の記事を編集しているチームです。農林水産省や農研機構など公的機関の栽培指針を確認したうえで、温度や頻度を数値で示し、迷いやすい判断は結論から書くことを大切にしています。誤りや古くなった情報はお問い合わせから受け付け、確認のうえ更新しています。