苗・株の選び方
苗は9月から12月に多く出回ります。良い株は、枝先まで葉が詰まって付き、株元の葉が茶色くなっていないこと、つぼみや花穂が多く色がはっきりしていること、鉢を持ったときに土が乾ききっていないことの3点で見分けます。
避けたいのは、株の内側の葉が茶色く枯れ込んでいる株と、鉢を揺らすと葉がぱらぱら落ちる株です。どちらも水切れや蒸れを起こしている可能性があります。寄せ植えに使うなら、つぼみ咲き品種は色が長持ちし、カラーリーフ品種は花のない時期も楽しめるので、目的に合わせて選びます。
カルーナの育て方の要点
Hapot編集部より
カルーナは、秋から冬の寄せ植えに彩りを添える、ツツジ科の小さな常緑低木です。ヨーロッパの荒れ地(ヒース)を覆う植物で、英名のヘザーとして知られ、カルーナ属はこの1種だけからなります。日本では、花が開かずにつぼみのまま色づく「ガーデンガールズ」などのつぼみ咲き品種と、黄金色やオレンジ、銀色の葉を楽しむカラーリーフ品種が、秋から冬に多く出回ります。つぼみ咲き品種は花が開かない分、白やピンク、赤紫の色が冬まで長く保たれるのが魅力です。よく似たエリカとは同じツツジ科の仲間ですが、カルーナは鱗のような小さな葉が茎に重なって付き、主に夏の終わりから秋に咲く点で見分けられます。寒さには強く、関東以西の平地なら冬も屋外で育ちますが、日本の夏の高温多湿は苦手です。酸性で水はけの良い土に植え、乾かしきらず、夏は風通しの良い半日陰で蒸れを防ぐことが、長く楽しむための要点です。

水やり
土の表面が乾いたらたっぷり(春秋は2〜3日に1回、夏は毎朝確認)。冬も乾かしきらない
日光
直射日光
温度の目安
-10-25°C(寒さに強い。30°Cを超える蒸し暑さに弱い)
湿度
40-60%(蒸れを嫌い、風通しを好む)
土
水はけの良い酸性土。ブルーベリー用土や、鹿沼土とピートモス(酸度未調整)を主体にした配合
大きさの目安
鉢植えでは草丈20〜40cmほどが一般的で、品種や環境によっては60cmほどになります。葉は長さ数mmの鱗のような形で、茎に重なるように付きます。花は直径数mmの小さな鐘形です。
成長の速さ
遅い(鉢植えで草丈20〜40cm。年に5〜15cmほど枝が伸びる)
温度の目安(耐寒〜耐暑)
-10-25°C(寒さに強い。30°Cを超える蒸し暑さに弱い)
肥料
4〜5月と9月に緩効性肥料を少量。与えすぎない
成長速度
遅い(鉢植えで草丈20〜40cm。年に5〜15cmほど枝が伸びる)
毒性
カルーナの強い毒性について、はっきりした報告は多くない。ツツジ科には有毒成分を含む植物もあるため、ペットや子どもが口にしないよう置き場所に注意する
酸性の土、乾かしきらない水やり、夏の蒸れ対策の3つが基本です。つぼみ咲き品種は花がら摘みがいらず、色があせてきた春に切り戻します。
苗は9月から12月に多く出回ります。良い株は、枝先まで葉が詰まって付き、株元の葉が茶色くなっていないこと、つぼみや花穂が多く色がはっきりしていること、鉢を持ったときに土が乾ききっていないことの3点で見分けます。
避けたいのは、株の内側の葉が茶色く枯れ込んでいる株と、鉢を揺らすと葉がぱらぱら落ちる株です。どちらも水切れや蒸れを起こしている可能性があります。寄せ植えに使うなら、つぼみ咲き品種は色が長持ちし、カラーリーフ品種は花のない時期も楽しめるので、目的に合わせて選びます。
秋から春は、日当たりと風通しの良い屋外で育てます。日照が足りないと枝が間延びし、つぼみや葉の色がくすみます。寒さには強いので、関東以西の平地なら冬も屋外の日なたで管理できます。ただし、鉢植えは冬の乾いた北風で土が乾き、葉先が茶色くなることがあるので、強い風が当たる場所は避けます。暖房の効いた室内は乾燥するため、飾るのは数日にとどめます。
苦手なのは日本の夏です。梅雨から夏は、雨の当たらない風通しの良い半日陰に移します。鉢はすのこや台の上に置き、照り返しの強い床から離すと鉢の中の温度が下がります。
よくある失敗は、寄せ植えのまま夏を迎え、ほかの草花の葉に囲まれて株の内側が蒸れ、枝がまとめて枯れることです。夏越しさせたい株は、5月ごろに寄せ植えから掘り上げて単独の鉢に植え替えます。
カルーナは細い根が浅く広がり、一度強く乾かすと葉が茶色くなって、その枝は戻りにくい植物です。土の表面が乾いたら、鉢底から流れ出るまでたっぷり与えます。春と秋は2〜3日に1回、夏は毎朝土を確かめます。冬も、晴れて風の強い日は鉢土が早く乾くので、暖かい日の午前中に確認します。
寄せ植えでは、パンジーやハボタンなど水をよく吸う草花と同じ鉢に入るため、カルーナの株元だけ乾いていることがあります。株元の土に指を入れて確かめ、水は株元に注ぎます。
よくある失敗は、乾燥を恐れて受け皿に水をためたままにし、夏に根腐れさせることです。湿り気は好みますが、水はけの悪い状態は苦手です。鉢が軽くなったら与える、というリズムを覚えると加減がつかみやすくなります。
ツツジの仲間なので、酸性で水はけの良い土が欠かせません。市販のブルーベリー用土やツツジ・サツキ用土がそのまま使えます。自分で配合するなら、鹿沼土小粒5、ピートモス(酸度未調整のもの)4、パーライト1が目安です。一般的な草花用培養土は中性に調整されていることが多く、寄せ植えで使う場合は、カルーナの植え穴の周りだけ鹿沼土やピートモスを混ぜると根の張りが良くなります。鉢底には鉢底石を2cmほど敷きます。苦土石灰や草木灰は混ぜないでください。
カルーナは、その年の春から伸びた枝の先に夏から秋の花を付けます。そのため、剪定は花の色があせた後の3〜4月に行います。花穂の付いていた部分のすぐ下、葉の付いている位置で切り戻すと、脇から新しい枝が伸び、その先に次の花が付きます。株全体を丸く刈り込むように整えると、こんもりした形を保てます。
葉のない古い枝の部分まで深く切り込まないでください。カルーナは古い木質化した部分から芽が出にくく、そこから先が枯れたままになることがあります。よくある失敗は、秋の寄せ植えで形を整えようと枝先を切り、つぼみを落としてしまうことです。夏以降は、枯れた枝や混み合った枝を付け根から抜く程度にとどめます。カラーリーフ品種も、春に軽く刈り込むと新しい葉の色が鮮やかに出ます。
時期と道具を確かめる
花の色があせた3〜4月に行います。清潔な剪定ばさみを用意します。夏以降はつぼみを落とすので強く切りません。
花穂の下で切り戻す
花穂の付いていた部分のすぐ下、葉の付いている位置で切ります。葉のない古い枝まで切り込みません。
形を整える
株全体が丸くこんもりするように、飛び出した枝先をそろえます。カラーリーフ品種も軽く刈り込みます。
混み合った枝を抜く
株の内側の枯れ枝や混み合った枝を付け根から切り取り、梅雨の蒸れに備えて風が通るようにします。
肥料を与えて育てる
切り戻した後、4〜5月に緩効性肥料を少量与え、日当たりの良い場所で新しい枝を育てます。
植え替えは、春の3〜4月か、暑さが落ち着いた9〜10月に行います。購入した苗は根がポットに回っていることが多いので、早めに植え付けます。カルーナの根は細く傷みやすいので、根鉢は大きく崩さず、底の固まった根を軽くほぐす程度にして、一回り大きな鉢に酸性の用土で植えます。
秋から冬の寄せ植えに使った株は、5月ごろに掘り上げて単独の鉢に植え替えると、夏越しの成功率が上がります。根鉢の周りに付いた土はそのまま残して植えます。
よくある失敗は、真夏に植え替えて根を傷め、そのまま枯らしてしまうことです。6〜8月の植え替えは避けます。植え替え後は鉢底から流れるまで水を与え、1週間ほど明るい日陰で休ませてから元の場所へ戻します。鉢植えは2年に1回が目安です。
時期と道具をそろえる
3〜4月か9〜10月に行います。一回り大きな鉢、ブルーベリー用土などの酸性の用土、鉢底石、清潔なハサミを用意します。
株を鉢から抜く
鉢の縁を軽く叩き、株元を持って根鉢ごと抜きます。寄せ植えの株は、周りの根を切らないようスコップで大きめに掘り上げます。
根鉢を軽く整える
根鉢は大きく崩さず、底の固まった根を軽くほぐします。黒く傷んだ根があれば切り取ります。
酸性の用土で植え付ける
鉢底石を2cmほど敷き、元と同じ高さに植えます。すき間に用土を詰め、株元に土を寄せすぎないようにします。
明るい日陰で休ませる
鉢底から流れるまで水を与え、1週間ほど明るい日陰で休ませます。肥料は2〜3週間後から少量与えます。
カルーナは挿し木で増やせます。適期は新しい枝が少し硬くなる6月ごろと、9月ごろです。その年に伸びた花の付いていない枝の先を5cmほどに切り、下半分の葉を取って挿し穂にします。1時間ほど水を吸わせてから、湿らせた鹿沼土小粒や挿し木用土に2〜3cm挿します。
挿した後は、直射日光の当たらない明るい日陰に置き、土を乾かさないように管理すると、1〜2か月で根が出ます。透明なカップをかぶせると湿度を保てますが、蒸れてカビが出ないよう、ときどき換気します。
よくある失敗は、夏の暑い時期に挿して挿し穂が蒸れて黒く傷むことです。7〜8月の挿し木は避けます。根が出たら小鉢に酸性の用土で植え付け、先端を摘んで枝数を増やすと、翌年にはこんもりした株になります。
時期と道具を用意する
適期は6月ごろと9月ごろです。清潔なハサミ、湿らせた鹿沼土小粒か挿し木用土を入れた小鉢、透明なカップを用意します。
挿し穂を作る
その年に伸びた、花の付いていない枝の先を5cmほどに切り、下半分の葉を取ります。
水を吸わせて挿す
切り口を1時間ほど水に浸けてから、用土に2〜3cm挿します。挿した後はたっぷり水を与えます。
湿度を保って発根を待つ
透明なカップをかぶせて明るい日陰に置き、土を乾かさないようにします。ときどき換気し、1〜2か月で根が出ます。
根が出たら鉢に植える
新しい芽が伸び始めたら、酸性の用土で小鉢に植え付けます。先端を摘んで枝数を増やします。
カルーナは病害虫の比較的少ない植物ですが、春から秋の乾燥した時期にはハダニが付くことがあります。葉が白っぽくかすれるのが目印で、ときどき株全体に水をかけると予防になります。新芽にアブラムシが付いたら、水で洗い流すか、数が多ければ園芸用の殺虫剤を使います。
最も注意したいのは、梅雨から夏の蒸れと過湿による根腐れや灰色かび病です。株の内側の葉が茶色くなる、枝がまとめて枯れ込む、といった症状が出たら、枯れた枝を取り除いて風通しを良くし、雨の当たらない半日陰へ移します。
よくある失敗は、枝が密集したまま梅雨を迎え、内側から一気に枯れ込むことです。春の切り戻しで株の中を透かし、水は朝に与える習慣にすると防げます。土がいつまでも湿っている場合は、水はけの良い用土への植え替えを検討します。
3〜4月に、色のあせた花穂の下で切り戻します。4〜5月に緩効性肥料を少量与え、土の表面が乾いたら水を与えます。寄せ植えの株は5月ごろ単独の鉢へ移します。アブラムシに注意します。
梅雨入り前に、雨の当たらない風通しの良い半日陰へ移します。肥料は与えません。水は毎朝土を確かめ、乾いていればたっぷりと与えます。蒸れによる枝の枯れ込みや、乾燥によるハダニに注意します。
暑さが落ち着いたら日なたへ戻し、9月に少量の肥料を与えます。つぼみや花が色づき、寄せ植えに使う適期です。水は表面が乾いたらたっぷりと。9〜10月は植え替えと挿し木もできます。
つぼみ咲き品種の色が長く楽しめる時期です。屋外の日なたで管理し、乾いた北風が強く当たる場所は避けます。肥料は与えず、水は暖かい日の午前中に与えます。寄せ植えではカルーナの株元の乾きに注意します。
原因
水切れか、蒸れや過湿による根の傷みです。細い根は乾燥に弱く、一度強く乾くとその枝は戻りにくくなります。
対策
土の乾き具合を確かめて水やりを見直します。枯れた枝は葉の付いている位置まで切り、風通しの良い場所へ移します。
原因
梅雨から夏の高温多湿による蒸れです。枝が混み合っていたり、寄せ植えでほかの葉に囲まれていたりすると起こりやすくなります。
対策
枯れた枝を取り除き、雨の当たらない風通しの良い半日陰へ移します。寄せ植えの株は5月ごろ単独の鉢に植え替えておきます。
原因
同じ鉢の草花に水を取られ、カルーナの株元だけ乾いていることが考えられます。
対策
カルーナの株元の土に指を入れて乾き具合を確かめ、乾いていれば株元に直接たっぷり水を与えます。
原因
土がアルカリ性に傾き、根が養分を吸いにくくなっている可能性があります。中性の培養土や石灰を混ぜた土で起こりやすくなります。
対策
春か秋に、ブルーベリー用土など酸性の用土へ植え替えます。苦土石灰や草木灰は与えません。
原因
ハダニです。春から秋の乾燥した時期や、暖房の効いた室内に置いたときに発生しやすくなります。
対策
株全体にシャワーをかけて洗い流し、ときどき葉に水をかけて予防します。数が多い場合は園芸用の殺ダニ剤を使います。
ここにない症状は症状から調べるで、葉の色・しおれ・虫・病気などから逆引きできます。
カルーナの花言葉としては、「幸運」「美しさ」などが紹介されることがあります。スコットランドでは白いヘザーが幸運のお守りとされ、結婚式のブーケなどに使われてきたことに由来するといわれます。荒れ地を彩る素朴な花として、詩や歌にもたびたび登場します。
カルーナについて、風水で広く知られた決まった意味づけはありません。一般に、白やピンクの花は人間関係を穏やかにするといわれ、冬の玄関先やベランダの寄せ植えで彩りを添える植物として置かれることが多いです。根拠のある話ではないので、日当たりと風通しを優先して置き場所を決めます。
同じツツジ科の仲間ですが、葉の形と花の咲く時期で見分けられます。カルーナは鱗のような小さな葉が茎に重なって付き、エリカは細い針のような葉が茎の周りに数枚ずつ付きます。花は、カルーナが主に夏の終わりから秋、日本で出回るエリカの多くは秋から春に咲きます。カルーナ属は1種だけですが、エリカ属には数百種があります。どちらも酸性の土を好み、夏の蒸れに弱い点は共通しています。
はい、ガーデンガールズはつぼみのまま色づき、花が開かない品種です。花が開かないため色あせや散る花がらが少なく、白やピンク、赤紫の色が秋から冬まで長く楽しめます。花がら摘みはいらず、色があせてきた3〜4月に、花穂の下の葉の付いている位置で切り戻します。育て方は一般的なカルーナと同じで、酸性の土に植え、土の表面が乾いたらたっぷり水を与え、夏は風通しの良い半日陰で蒸れを防ぎます。
梅雨から夏を、雨の当たらない風通しの良い半日陰で過ごさせれば夏越しできます。カルーナは寒さに強い一方、日本の夏の高温多湿が苦手で、暖地では一年草のように扱われることもあります。寄せ植えの株は5月ごろ単独の鉢に植え替え、すのこや台の上に置いて鉢の下にも風を通します。水は毎朝土を確かめて乾いていれば与え、受け皿に水をためないようにします。春の切り戻しで株の中を透かしておくと蒸れにくくなります。
水切れか、蒸れや過湿による根の傷みが多い原因です。カルーナは細い根が浅く広がるため、一度強く乾かすと葉が茶色くなり、その枝は戻りにくくなります。寄せ植えでは、ほかの草花に水を取られて株元だけ乾いていることがあります。反対に、土がいつも湿っていたり梅雨に蒸れたりしても根が傷みます。土の状態を確かめて水やりを見直し、枯れた枝は葉の付いている位置まで切り、風通しの良い場所へ移します。
パンジーやビオラ、ハボタン、シロタエギク、ハツユキカズラなど、冬に強い草花やカラーリーフと合わせやすい植物です。つぼみ咲き品種は縦に伸びる穂が寄せ植えに高さを出し、カラーリーフ品種は葉色で全体を引き締めます。カルーナは酸性の土を好むので、植え穴の周りに鹿沼土やピートモスを混ぜておくと根が張りやすくなります。ほかの草花に水を取られやすいので、カルーナの株元の乾き具合を指で確かめて水を与えます。
色があせてきたら、3〜4月に花穂の下で切り戻します。葉の付いている位置で切ると脇から新しい枝が伸び、その先に次の秋の花が付きます。葉のない古い枝まで深く切ると芽が出にくいので注意します。切り戻した後は4〜5月に緩効性肥料を少量与え、日当たりの良い場所で新しい枝を育てます。寄せ植えに使った株は、5月ごろに単独の鉢へ酸性の用土で植え替えると、夏越しの準備になります。
カルーナは寒さに強く、関東以西の平地なら屋外で冬越しできます。霜に当たっても傷みにくいですが、鉢植えは冬の乾いた北風で土が乾き、葉先が茶色くなることがあります。強い風の当たらない日なたに置き、水は土の表面が乾いたら暖かい日の午前中に与えます。寒冷地では、鉢ごと凍って根が傷むのを防ぐため、厳しい冷え込みの夜は軒下や玄関先へ移します。冬の間は肥料を与えません。
カルーナの季節の作業や、土・鉢・肥料の選び方をくわしく解説した記事です。
11月の作業と、カルーナの手入れで迷ったときに役立つページです。
執筆: Hapot編集部
植物を迎えたばかりの人が枯らさずに育てられるように、植物図鑑と症状別の記事を編集しているチームです。農林水産省や農研機構など公的機関の栽培指針を確認したうえで、温度や頻度を数値で示し、迷いやすい判断は結論から書くことを大切にしています。誤りや古くなった情報はお問い合わせから受け付け、確認のうえ更新しています。