苗・株の選び方
苗を選ぶときは、蕾が色づき始めた株を選ぶと花色のイメージ通りに楽しめます。完全に開花した株より、蕾が3割ほど開いた株のほうが長く観賞できます。株元がぐらつかず、太い枝が3本以上立っているものが理想。葉に黒い斑点や縮れがないかも確認しましょう。購入適期は母の日前後の4〜6月で、品種数が最も豊富です。秋に出回る山採り風の小苗は翌年の開花が不確実なので、初心者は蕾付きの開花株から始めるのが安心です。
Hapot編集部より
アジサイ(Hydrangea macrophylla)は、日本原産のアジサイ科の落葉低木で、梅雨の季節を彩る代表的な花木です。開花期は5〜7月。最大の特徴は土の酸度(pH)によって花色が変わることで、酸性の土では青、アルカリ性の土ではピンクに発色します。実は「花」に見える部分は萼(がく)が変化した装飾花で、本来の花は中心の小さな部分です。ガクアジサイ、ヤマアジサイ、西洋アジサイ(ハイドランジア)、北米原産のアナベルなど品種は2,000以上あり、鉢植え・地植えのどちらでも楽しめます。母の日のギフトとしてカーネーションに次ぐ人気を誇り、挿し木で簡単に増やせるのも魅力。難易度は中級で、翌年も咲かせるには7月中の剪定と夏の水切れ対策が鍵になります。耐寒性が高く、関東以西なら屋外で特別な防寒なしに冬越しできます。
水やり
毎日たっぷり(特に夏場は朝夕2回)
日光
半日陰
適温
-5-30°C
湿度
60-80%
土
酸性土で青花、アルカリ性土でピンク花。赤玉土7:腐葉土3が基本
肥料
花後(7月)と冬(12-2月)に緩効性肥料。追肥は液肥を月2回
成長速度
中〜速い
毒性
全草が有毒(摂取注意)
苗を選ぶときは、蕾が色づき始めた株を選ぶと花色のイメージ通りに楽しめます。完全に開花した株より、蕾が3割ほど開いた株のほうが長く観賞できます。株元がぐらつかず、太い枝が3本以上立っているものが理想。葉に黒い斑点や縮れがないかも確認しましょう。購入適期は母の日前後の4〜6月で、品種数が最も豊富です。秋に出回る山採り風の小苗は翌年の開花が不確実なので、初心者は蕾付きの開花株から始めるのが安心です。
半日陰〜明るい日陰が基本です。理想は「午前中だけ日が当たり、午後は日陰になる」東向きの場所。強い西日は葉焼けと水切れを招くため避けます。耐陰性はありますが、日照が全くないと花付きが悪くなるので、1日2〜3時間の柔らかい日差しは確保したいところ。鉢植えは開花期に直射日光を避けると花が長持ちします。庭植えの場合は、株が横に1m以上広がることを見越してスペースを取りましょう。寒冷地では冬の寒風で花芽が傷むため、北風の当たらない場所が安心です。
アジサイ(紫陽花)は名前の通り水を非常に好み、水切れが最大の敵です。鉢植えは土の表面が乾いたらたっぷりと、真夏は朝夕2回が基本。葉が大きく蒸散量が多いため、夏に半日水を切らしただけで葉がしおれます(夕方の水やりでほぼ回復しますが、繰り返すと花芽に影響)。庭植えは根付けば基本降雨で足りますが、夏の乾燥が続く時期は朝にたっぷり与えてください。開花中の水切れは花の寿命を縮めるので特に注意を。
鉢植えの基本配合は赤玉土(小粒)6:腐葉土3:ピートモス1。花色をコントロールしたい場合は土の酸度を調整します。【青花】鹿沼土を多めに混ぜ、酸度未調整のピートモス2割を追加して pH 5.0〜5.5 の酸性に。硫酸アルミニウムを溶かした水を月1回与えると発色が安定します。【ピンク花】苦土石灰を1㎡あたり100g 混ぜ込み、pH 6.5〜7.0 の弱アルカリ性に。地植えの場合は植え穴に堆肥を多めに入れ、保水性を高めましょう。元肥に骨粉入り油かすを混ぜ込むと花つきが良くなります。
剪定時期が翌年の開花を左右します。鉄則は「花後すぐ、遅くとも7月末まで」。アジサイは秋(9〜10月)に翌年の花芽を作るため、8月以降に枝を切ると花芽ごと落としてしまい、翌年花が咲かなくなります。切る位置は「花から2節下の、脇芽の上」。株を小さくしたい場合も7月中に済ませること。枯れ枝・細く弱い枝は冬(落葉期)に整理してOKです(花芽の付いた枝先は切らない)。咲かなかった枝には翌年花が咲きやすいので残しましょう。
鉢植えは1〜2年に1回、花後の7月か落葉期の11〜3月に一回り大きな鉢へ。根の成長が速く、根詰まりすると水切れが一気に深刻になります。花色にこだわるなら用土が重要です:青系に咲かせたいなら酸性土壌(ピートモス配合、青アジサイ用の土)、ピンク系ならアルカリ寄り(苦土石灰を混ぜる、ピンクアジサイ用の土)。日本の雨は酸性なので、庭植えは放っておくと青に寄る傾向があります。
挿し木が簡単で成功率も高い植物です。適期は6〜7月。①今年伸びた花の付いていない枝を2節分カット、②下の節の葉を取り、上の葉は半分に切って蒸散を抑える、③1時間水揚げしてから赤玉土や挿し木用土に挿す、④明るい日陰で土を乾かさず管理、で1か月ほどで発根します。翌春に鉢上げすれば、2〜3年で花の咲く株に育ちます。お気に入りの花色の株を増やしたり、母の日の鉢を庭用に増やしたりと楽しみの多い作業です。
うどんこ病とハダニに注意します。うどんこ病は葉に白い粉をまぶしたようなカビが生える病気で、風通しが悪いと発生しやすくなります。混み合った枝を剪定して風を通し、発生したら専用殺菌剤を散布。ハダニは乾燥する夏に葉裏へ発生し、葉色がかすれます。葉裏への散水(葉水)が予防に有効です。梅雨時は灰色かび病で花が傷むことがあるため、咲き終わった花をこまめに取り除くことも大切です。
新芽が伸び始めます。4月から肥料を開始。5-6月に花が咲きます。
花後すぐ(7月中)に剪定するのが最重要ポイント。水切れ厳禁。挿し木は6月が適期。
来年の花芽が形成される時期。剪定はしない。追肥を施して来年に備えます。
落葉します。12-2月に寒肥を施します。寒さには強いので特別な防寒は不要。
原因
剪定時期が遅すぎた(8月以降に剪定)
対策
剪定は7月中に完了させる。花芽は8月以降に形成される
原因
土のpHが中途半端
対策
青にするなら酸性資材、ピンクにするなら苦土石灰を施す
原因
水切れ、直射日光
対策
夏は朝夕2回水やりし、西日を避ける
全体の花言葉は「移り気」「家族団らん」。咲き進むにつれて花色が変化することから「移り気」が、小さな花(装飾花)が寄り集まって咲く姿から「家族団らん」が生まれました。色別では、青は「辛抱強い愛情」、ピンクは「元気な女性」、白は「寛容」。母の日にピンクのアジサイが選ばれるのは、フランスで陽気な女性を讃える意味を持つ「元気な女性」の花言葉にちなみます。
風水では水の気を持つ花とされ、青いアジサイは浄化や冷静さをもたらす色として玄関や北側の空間と好相性です。ピンクは人間関係や愛情運を高める色とされ、東南の方角に飾るのがおすすめ。一方で「根を張らない」切り花を寝室に置くのは避けるべきという考え方もあり、鉢植えで生きた株を育てるほうが運気的には良いとされます。6月6日に紫陽花のお守り(軒下に逆さに吊るす風習)を飾ると金運や魔除けになるという言い伝えも各地に残っており、梅雨の行事として楽しめます。
土を酸性(pH5.0〜5.5)に保つことで青く発色します。具体的には、植え付け時に鹿沼土や酸度未調整のピートモスを土の2〜3割混ぜ込み、3〜4月と5月の蕾が見える頃に「アジサイの青花用肥料」または硫酸アルミニウム500〜1,000倍液を月1〜2回与えます。水道水がアルカリ性寄りの地域では雨水を使うのも有効です。ピンクの品種を無理に青くするより、もともと青系の品種(「ブルーダイヤモンド」など)を選ぶほうが美しく発色します。アナベルなど白花品種はpHを変えても色は変わりません。
贈答用の鉢は小さな鉢に根が詰まった状態なので、花が終わったらすぐに一回り〜二回り大きな鉢(6〜8号)へ植え替えます。花は7月中に2節下で切り戻してください。ラッピングの包装紙やアルミホイルは蒸れの原因になるため、もらったその日に外し、受け皿の水も毎回捨てます。室内に置いたままだと日照不足で弱るので、観賞が終わったら屋外の半日陰へ。この手順を踏めば、翌年以降も毎年花を咲かせてくれます。
はい、大きく異なります。一般的なアジサイ(ガクアジサイ・西洋アジサイ)は前年の枝に花芽をつける「旧枝咲き」のため、8月以降の剪定は厳禁で7月中に済ませます。一方アナベルは、その年に伸びた新しい枝に花をつける「新枝咲き」なので、落葉後の11月〜3月にバッサリ強剪定しても問題なく咲きます。地際から2〜3節残して切ると太い枝が出て大きな花になり、長めに残すと花数が増えます。剪定で失敗したくない初心者にはアナベルがおすすめです。
適期は落葉中の11月〜3月(厳寒期の1〜2月の植え付けは関東以北では避ける)か、花後すぐの7月です。場所は午前中に日が当たり午後は日陰になる東向きが理想で、西日の当たる場所は葉焼けと水切れで弱りやすいので避けます。植え穴は根鉢の2倍の大きさに掘り、腐葉土と堆肥をたっぷり混ぜて保水性を高めましょう。地植えにすると2〜3年で1.5m前後まで大きくなるため、株間は1m以上確保してください。一度根付けば水やりはほぼ雨任せで済みます。
成功の鍵は「切る時期」です。咲きたての6月の花は水分が多すぎて縮れやすいため、開花から1か月以上たって花びらが厚く乾いた質感になった7月中旬〜9月(秋色アジサイの状態)に切るのがコツです。葉をすべて取り、風通しの良い直射日光の当たらない室内に1本ずつ逆さに吊るして2〜3週間乾燥させます。より鮮やかに仕上げたい場合は、花瓶に1〜2cmだけ水を入れて自然に蒸発させる「ドライインウォーター法」も人気です。アナベルや「ミナヅキ」は特にドライ向きの品種です。
アジサイは葉・茎・花・蕾を含む全草に毒性成分(青酸配糖体とされる成分など)を含み、犬や猫が口にすると嘔吐・下痢・ふらつきなどの中毒症状を起こすおそれがあります。致死的な事故はまれですが、庭で犬を放す場合は柵で囲う、室内の鉢は猫が届かない場所に置くなどの対策をしてください。人間でも、料理の飾り葉として誤食して食中毒を起こした事例が実際に報告されています。万一ペットが食べてしまった場合は、食べた量と時間をメモして早めに動物病院に相談しましょう。