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ヘデラ・カナリエンシスの育て方

Hedera canariensis公開日: 最終更新日:

ヘデラ・カナリエンシスの育て方の要点

水やり
土の表面が乾いたら(春秋は週1〜2回、夏は2〜3日に1回、冬は10日に1回程度)
置き場所
半日陰
冬越し
-5°C 以上を保つ

Hapot編集部より

ヘデラ・カナリエンシスは、長さ8〜15cmにもなる大きくつやのある葉が特徴の、ヘリックスとは別種の大葉のアイビーです。和名はカナリーキヅタで、オカメヅタの名でも広く流通しています。一般的なアイビー(ヘデラ・ヘリックス)と比べると、葉は切れ込みが浅いハート形〜卵形で、茎が赤みを帯び、成長が速いのが違いです。一方、原産地がカナリア諸島など温暖な地域のため、寒さにはヘリックスよりやや弱く、-5°C程度が目安とされます。庭や法面のグラウンドカバー、フェンスの目隠しとして使われることが多く、鉢植えでも大きな葉が存在感のある姿になります。クリーム色の縁取りが入る斑入りは「バリエガータ」などの名で流通し、‘グロワール・ド・マレンゴ’など一部の斑入りは、近縁のアルジェリアキヅタの品種として扱われることもあるとされます。日陰に強く、広い面積を早く緑で覆えるので、庭の日陰を手早く緑にしたい人や、大きな葉のつる植物を楽しみたい人に向いています。

分類・基本データ

科
ウコギ科
属
キヅタ属 Hedera
種
ヘデラ・カナリエンシス canariensis
別名
カナリーキヅタ、オカメヅタ、ヘデラ・カナリエンシス、大葉アイビー
原産地
カナリア諸島や北アフリカ沿岸など、大西洋沿いの温暖な地域に分布し、林や岩場を這って育ちます。

ヘデラ・カナリエンシスの育て方の5つのポイント

水やり

土の表面が乾いたら(春秋は週1〜2回、夏は2〜3日に1回、冬は10日に1回程度)

日光

半日陰

温度の目安

-5〜32°C

湿度

40-60%

土

水はけの良い観葉植物用土か草花用培養土(地植えは腐葉土を混ぜる)

ヘデラ・カナリエンシスはどれくらい大きくなる?

大きさの目安

つるの長さは鉢植えで50cm〜2m、地植えでは10m以上に達します。葉は長さ8〜15cmと大きく、切れ込みの浅いハート形〜卵形。ポット苗や3〜6号鉢で流通します。

成長の速さ

速い

温度の目安(耐寒〜耐暑)

-5〜32°C

ケアのポイント

肥料

春と秋に月1回緩効性肥料(真夏と冬は不要)

成長速度

速い

毒性

全草にサポニン(ヘデラサポニン)を含み、犬や猫、子どもが食べると嘔吐・下痢・よだれなどの恐れ。樹液で皮膚がかぶれることもある

大きな葉で成長の速い大葉のアイビー。日陰のグラウンドカバーや目隠しに向く。寒冷地では霜よけをして冬を越します。

育て方の詳細

苗・株の選び方

良い株は3点で見分けます。葉が大きく艶があり、黒い斑点や傷みがないこと、茎が赤みを帯びてしっかりしていること、ポット苗なら根が鉢底から少し見える程度に張っていることです。グラウンドカバー用には、つるが複数出ている苗を選ぶと早く広がります。

避けたいのは、葉に黒褐色の斑点が広がっている株で、斑点病にかかっている可能性があります。もう一つは葉が黄色く垂れ下がった株で、根詰まりや水切れで弱っています。斑入りを選ぶ場合は、緑一色のつるが混じっていないかも確認してください。

置き場所・日当たり

カナリエンシスは日陰にとても強く、建物の北側や木の下など、ほかの植物が育ちにくい場所でもよく茂ります。理想は半日陰で、鉢植えなら午前中だけ日が当たる軒下や、室内の明るい窓辺が向いています。直射日光にもある程度耐えますが、真夏の西日は大きな葉を焼くことがあり、斑入りは特に縁が茶色くなりやすいので避けます。寒さはヘリックスよりやや弱く、-5°C程度が目安で、関東以西の平地なら屋外で冬を越せることが多いとされます。寒冷地では鉢植えにして、冬は霜の当たらない場所へ移します。

よくある失敗は、寒冷地の地植えで強い寒波に当たり、葉が黒く傷んで落ちることです。茎が生きていれば春に新芽が出るので、傷んだ葉を取り除いて暖かくなるのを待ちます。

水やりの詳細

葉が大きく蒸散量が多いため、ヘリックスより水をよく使う種類です。鉢植えは土の表面が乾いたら、鉢底から流れ出るまでたっぷり与えます。目安は春と秋が週1〜2回、夏は2〜3日に1回、冬は10日に1回程度です。大きな葉は水切れするとすぐに垂れ下がるので分かりやすく、与えれば数時間で持ち直します。地植えの株は根付いてしまえば雨水だけで育ちますが、植え付けから1年ほどと、真夏に晴れが続くときは水を与えます。室内の鉢は暖房期の乾燥に弱いので、葉水か濡れた布で大きな葉を拭いてハダニを防ぎます。

よくある失敗は、葉が垂れたのを見て毎日水を与え、受け皿に水を溜めて根腐れさせることです。土が湿っているのに垂れる場合は水を止め、風通しの良い日陰で土を乾かします。

最適な土の作り方

鉢植えなら市販の観葉植物用土か草花用培養土で育ちます。自分で配合するなら赤玉土(中粒)5、腐葉土4、パーライト1が目安で、大きな葉で水をよく使うため、腐葉土をやや多めにして保水性も確保します。鉢底には鉢底石を2cmほど敷きます。地植えでは、植える場所を深さ30cmほど耕し、腐葉土か堆肥を3割ほど混ぜておくと根付きが早くなります。土質はあまり選ばず、水はけの極端に悪い粘土質でなければ育ちます。元肥には緩効性肥料を規定量混ぜます。

剪定・切り戻し

成長が速く、地植えでは1年に1〜2m以上つるが伸びることもあるため、範囲を決めて年2回の切り戻しを習慣にします。適期は5〜6月と9〜10月で、範囲の外へ伸びたつる、壁や木に登り始めたつる、通路にはみ出たつるを根元近くで切ります。地面を這うつるは節から根を下ろしているので、引き抜くときは根ごと取り除きます。鉢植えでは、長すぎるつるを葉の付け根の少し上で切ると脇芽が出て株が密になります。斑入りで緑一色になった枝は、斑のある葉の位置まで切ります。

よくある失敗は、放置して木やフェンスを覆い尽くし、取り除くのに大きな手間がかかることです。家の外壁や樹木には登らせないように、見つけたら早めに切ってください。

  1. 1

    時期と道具を用意する

    5〜6月か9〜10月に行います。剪定バサミと手袋を用意し、樹液でかぶれないよう肌の露出を減らします。

  2. 2

    範囲の外のつるを切る

    決めた範囲の外へ伸びたつるや、壁や木に登り始めたつるを根元近くで切ります。地面を這うつるは根ごと抜きます。

  3. 3

    混み合ったつるを間引く

    重なり合ったつるや、斑点の出た葉が付いたつるを間引き、風が通るようにします。

  4. 4

    切ったつるを片付ける

    切ったつるは地面に置いたままにすると再び根付くことがあるので、まとめて処分するか挿し木に使います。

植え替え

鉢植えは根の勢いが強く、毎年1回、4〜6月か9〜10月に鉢を替えます。大きな葉を支えるために根がよく張り、夏に朝夕の潅水でも追いつかなくなったら交換の時期です。根鉢の周りと底をほぐして直径3cm大きい鉢に移すか、場所を取りたくなければ根を3分の1落とし、つるも同じだけ短くして同じ鉢に戻します。大鉢は重くなるので、キャスター付きの鉢台を使うと移動が楽です。地植えの株は掘り上げる必要はなく、範囲の管理だけで十分です。

よくある失敗は、真夏に植え替えて大きな葉がしおれ続けることです。直射日光を避けた涼しい日陰で、葉水をしながら秋を待ちます。

  1. 1

    時期と道具をそろえる

    4〜6月か9〜10月に、鉢植えは1年に1回行います。一回り大きい鉢、腐葉土多めの用土、鉢底石、ハサミ、手袋を用意します。

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    株を抜いて根をほぐす

    鉢を叩いて株を抜き、根鉢の底と側面を3分の1ほどほぐします。底でとぐろを巻いた根や黒い根を切ります。

  3. 3

    植え付けてつるを切り戻す

    鉢底石を敷いて植え付け、長すぎるつるを3分の1ほど切り戻して、大きな葉からの水の蒸散を抑えます。

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    日陰で養生する

    水をたっぷり与え、1週間ほど明るい日陰に置きます。葉がしおれる場合は葉水を与え、肥料は2週間後から再開します。

増やし方

枝挿しのほか、地面を這ったつるの節から出た根を利用して殖やせます。時期は5〜6月か9〜10月。枝挿しは節を2〜3個含めて10〜15cmに切り、土に埋める節の葉を落とし、残した大葉は半分の大きさに切りそろえてから、湿らせた挿し床に差します。20°C前後なら3〜4週間で根が出ます。グラウンドカバーの株なら、すでに根を下ろした節をスコップで切り分けて移植するのが一番手軽です。地面に広げる苗を作るなら、9cmポットで根を回してから定植すると活着が確実です。

よくある失敗は、大きな葉を付けたまま挿して吸水が追いつかず、しおれさせることです。葉を半分に切ってから挿すと、しおれずに発根まで持ちます。

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    時期と道具を用意する

    適期は5〜6月か9〜10月です。清潔なハサミ、挿し木用土を入れた9cmポット、手袋を用意します。

  2. 2

    挿し穂を作る

    つるを2〜3節、長さ10〜15cmで切ります。下の節の葉を取り、残す大きな葉は半分に切って蒸散を抑えます。

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    ポットに挿す

    節が土に埋まるように挿し、明るい日陰に置きます。土が乾かないよう霧吹きで湿らせ、3〜4週間で発根を待ちます。

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    根が回ってから植える

    ポットの底から根が見えたら、鉢や地面に植え付けます。地面を這うつるの根が出た節ごと切り取って植える方法もあります。

病害虫対策

ハダニとカイガラムシ、アブラムシに注意します。室内の鉢や、雨の当たらない軒下では乾燥でハダニが付きやすく、大きな葉が白っぽくかすれます。葉水や、濡れた布で葉を拭く手入れが予防になります。茎や葉裏に付く茶色や白の粒はカイガラムシで、歯ブラシでこすり落とします。春の新芽にはアブラムシが集まります。地植えでは梅雨時に葉に黒褐色の斑点が広がる斑点病や炭疽病が出ることがあり、密集したつるを間引いて風を通します。大きな葉の陰にはナメクジやダンゴムシが潜みやすいです。

よくある失敗は、地植えの茂みの中で病気の葉を放置し、範囲全体に広げることです。年2回の切り戻しのときに、斑点の出た葉も一緒に取り除いてください。

年間カレンダー

1月
2月
3月
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月
肥料
手入れ
手入れの内容
  • 4月肥料開始・冬の傷んだ葉の整理
  • 5月植え付け・植え替え・挿し木
  • 6月範囲の外のつるを切り戻す
  • 7月肥料停止・西日対策と蒸れ対策
  • 9月肥料再開・切り戻し
  • 10月挿し木・斑点の出た葉の整理
  • 11月寒冷地は霜よけの準備

季節ごとの管理

春の管理

赤みを帯びた新しいつるが勢いよく伸び出す季節です。庭への植え付け、枝挿し、冬に傷んだ葉の整理をまとめて行います。鉢植えは表土が乾いたら週1〜2回潅水し、4月から月1回の置き肥。若芽に集まるアブラムシは早めに除きます。

夏の管理

生育は続きますが、真夏は鈍ります。鉢植えは2〜3日に1回、朝に水を与え、7〜8月は肥料を止めます。大きな葉は西日で焼けやすいので、鉢は半日陰へ。地植えは晴れが続くときだけ水を与え、梅雨の蒸れによる斑点病に注意します。

秋の管理

夏の停滞から再び伸び始める季節です。決めた範囲をはみ出したつるを根元から切り戻し、挿し穂も取ります。鉢は週1〜2回潅水、置き肥は9〜10月に月1回。寒冷地では、霜が降りる前に鉢植えを軒下へ移す段取りを考えておきます。

冬の管理

生育がほぼ止まり、水は10日に1回程度、肥料は与えません。-5°C程度までが目安で、関東以西の平地なら屋外で冬を越せることが多いです。寒冷地では霜よけをするか鉢を軒下へ。室内の鉢は暖房の乾燥によるハダニに注意します。

10月の作業をくわしく知りたいときは観葉植物の冬越しや秋の植え替えの記事も参考になります。

よくあるトラブルと対策

大きな葉が垂れ下がる

原因

水切れ。葉が大きく蒸散量が多いため、ヘリックスより早く水切れする。土が湿っているのに垂れる場合は根腐れ。

対策

土が乾いていればたっぷり水を与えると数時間で持ち直します。湿っている場合は水を止め、風通しの良い日陰で土を乾かします。

つるが壁や木に登って広がりすぎる

原因

成長が速く、付着根で壁や樹木に張り付いて登る性質。

対策

登り始めたつるは早めに根元で切ります。地植えではレンガや縁石で範囲を区切り、年2回は範囲の外へ伸びたつるを根ごと取り除きます。

葉に黒褐色の斑点が出て広がる

原因

斑点病や炭疽病。地植えで茂りすぎて風が通らず、梅雨時に多湿になると発生しやすい。

対策

斑点の出た葉を取り除いて処分し、密集したつるを間引いて風を通します。切り戻しのときに一緒に整理すると広がりを防げます。

ここにない症状は症状から調べるで、葉の色・しおれ・虫・病気などから逆引きできます。

ヘデラ・カナリエンシスの花言葉・風水

花言葉

アイビー全体の花言葉として「永遠の愛」「友情」「誠実」が知られています。カナリエンシスは大きな葉で壁や地面をしっかり覆う姿から、変わらない絆を表す植物として、庭づくりやガーデンウェディングの装飾にも使われます。

風水・縁起

風水では、大きく丸みのある葉は穏やかな気を広げ、空間を落ち着かせるとされます。地面を覆うグラウンドカバーは土地の気を安定させるとも考えられ、日陰になりがちな家の北側を緑で整える植物として紹介されることがあります。

ヘデラ・カナリエンシスのよくある質問

Qカナリエンシスと普通のアイビー(ヘリックス)の違いは?回答を見る
A

葉の大きさと形、寒さへの強さが違います。カナリエンシスは葉が長さ8〜15cmと大きく、切れ込みの浅いハート形で、茎が赤みを帯びます。一般的なアイビーのヘデラ・ヘリックスは葉が2〜6cmほどで、手のひら状に3〜5裂します。寒さにはヘリックスのほうが強く、カナリエンシスは-5°C程度が目安です。成長はカナリエンシスのほうが速く、広い面積を早く覆いたい場所に向いています。

Qオカメヅタとカナリエンシスは同じ植物ですか?回答を見る
A

一般にオカメヅタは、カナリエンシス(カナリーキヅタ)の流通名として使われています。園芸店やグラウンドカバー用の苗では、オカメヅタの名で売られていることが多く、大きなつやのある葉が特徴です。ただし流通名は地域や販売店によって使われ方が異なることがあり、近縁のアルジェリアキヅタが同じ名で売られる場合もあるとされます。葉の大きさや形、茎の色で確かめると確実です。

Qカナリエンシスをグラウンドカバーにするには?回答を見る
A

株間30〜50cmで植えると、1〜2年で地面を覆います。植える場所を耕して腐葉土を混ぜ、ポット苗を植え付けたら、根付くまでの1年ほどは乾いたときに水を与えます。日陰に強いので、建物の北側や木の下にも向いています。ただし広がる力が強く、木や壁に登ったり隣の敷地へ入り込んだりするので、レンガや縁石で範囲を区切り、年2回は範囲の外へ伸びたつるを根ごと取り除いてください。

Q冬に葉が黒く傷みました。枯れてしまいましたか?回答を見る
A

茎が生きていれば、春に新しい葉が出ます。カナリエンシスはヘリックスより寒さにやや弱く、強い霜や寒波に当たると葉が黒く傷んだり落ちたりします。茎を軽く削って中が緑色なら生きているので、傷んだ葉を取り除いて春を待ってください。茎まで茶色く乾いている部分は切り取ります。寒冷地では、冬は鉢植えにして軒下や室内へ移すか、不織布をかけて霜を防ぐと安心です。

Qカナリエンシスは室内で育てられますか?回答を見る
A

明るい窓辺なら室内でも育てられます。耐陰性があり、大きな葉が存在感のある鉢になります。ただし成長が速く、つるが長く伸びるので、こまめに切り戻すか、支柱やトレリスに誘引して形を整えます。室内で気をつけたいのは暖房期の乾燥によるハダニで、濡れた布で大きな葉を拭く手入れを月に数回行うと、ハダニの予防とほこり取りを兼ねられます。

アイビーのほかの品種

アイビー としてまとめている他の品種です。

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この記事について

執筆: Hapot編集部

植物を迎えたばかりの人が枯らさずに育てられるように、植物図鑑と症状別の記事を編集しているチームです。農林水産省や農研機構など公的機関の栽培指針を確認したうえで、温度や頻度を数値で示し、迷いやすい判断は結論から書くことを大切にしています。誤りや古くなった情報はお問い合わせから受け付け、確認のうえ更新しています。

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