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ヘデラ・ピッツバーグの育て方

Hedera helix 'Pittsburgh'公開日: 最終更新日:

ヘデラ・ピッツバーグの育て方の要点

水やり
土の表面が乾いたら(春秋は週1〜2回、夏は2〜3日に1回、冬は10日に1回程度)
置き場所
半日陰
冬越し
-5°C 以上を保つ

Hapot編集部より

ヘデラ・ピッツバーグは、長さ2〜4cmの小さな濃い緑の葉が密に付き、つるがよく枝分かれしてこんもり茂る、緑葉のアイビーの代表品種です。一般的なアイビーよりも節の間が短く、1本のつるが長く伸びるより先に脇芽を次々に出すため、鉢植えでも株元がすかすかになりにくいのが違いです。1920年代にアメリカのピッツバーグで見つかった、よく分枝する性質をもつ初期の品種とされ、その後の多くの小葉品種のもとになったといわれます。斑のない緑葉なので丈夫さはアイビーの中でも上位で、日陰にも寒さにも強く、鉢植えでも-5°C程度まで耐えるとされます。小さな葉が均一に茂るため、寄せ植えの縁取り、ハンギング、トピアリー(形作り)、グラウンドカバーなど用途が広いのも特徴です。伸びた先を摘むたびに枝数が増えるので、手をかけるほど密な姿になり、初めてアイビーを育てる人や、緑の量感を楽しみたい人に向いています。

分類・基本データ

科
ウコギ科
属
キヅタ属 Hedera
種
ヘデラ・ピッツバーグ helix 'Pittsburgh'
別名
ピッツバーグ、ヘデラ・ヘリックス・ピッツバーグ、小葉アイビー
原産地
元になったヘデラ・ヘリックスはヨーロッパから西アジアにかけて原産。ピッツバーグは1920年代にアメリカで見つかったとされる、よく分枝する園芸品種です。

ヘデラ・ピッツバーグの育て方の5つのポイント

水やり

土の表面が乾いたら(春秋は週1〜2回、夏は2〜3日に1回、冬は10日に1回程度)

日光

半日陰

温度の目安

-5〜30°C

湿度

40-60%

土

水はけの良い観葉植物用土か草花用培養土

ヘデラ・ピッツバーグはどれくらい大きくなる?

大きさの目安

つるの長さは鉢植えで20cm〜1m以上。葉は長さ2〜4cmの小葉で、手のひら状に3〜5裂。2〜5号鉢やハンギング、寄せ植え用のポット苗で流通します。

成長の速さ

速い

温度の目安(耐寒〜耐暑)

-5〜30°C

ケアのポイント

肥料

春と秋に月1回緩効性肥料(真夏と冬は不要)

成長速度

速い

毒性

全草にサポニン(ヘデラサポニン)を含み、犬や猫、子どもが食べると嘔吐・下痢・よだれなどの恐れ。樹液で皮膚がかぶれることもある

よく枝分かれする小葉の緑葉品種。先端を摘むほど密に茂る。丈夫ですが、室内の乾燥によるハダニには注意します。

育て方の詳細

苗・株の選び方

良い株は3点で見分けます。節の間が短く、小さな葉が隙間なく付いていること、株元から何本もつるが出て枝分かれしていること、葉の緑が濃くつやがあることです。

避けたいのは、つるが長く伸びて株元の葉が落ちている株で、光不足や根詰まりで弱っています。もう一つは葉が白っぽくかすれている株で、葉裏にハダニが付いている可能性が高いです。ポット苗を選ぶときは、鉢底から根が少し見える程度の、根がしっかり張った苗が植え付け後の生育が早くなります。

置き場所・日当たり

ピッツバーグは緑葉で丈夫なため、アイビーの中でも置き場所を選ばない品種です。理想は午前中だけ日が当たる半日陰か、室内のレースカーテン越しの窓辺で、北向きの部屋でも育ちます。屋外なら日陰の多い庭や建物の北側でも茂り、グラウンドカバーにも使えます。光が十分だと節の間が詰まって葉がびっしり付き、暗いと節の間が伸びて葉が小さくなります。真夏の直射日光は葉の縁を焼くことがあるので、7〜8月は日差しを和らげます。寒さには強く、霜の当たらない軒下なら鉢植えのまま冬を越せます。

よくある失敗は、日当たりの良い窓辺で冬に暖房をつけ続け、乾燥でハダニを大発生させることです。冬の室内では暖房の風が当たらない位置に置き、葉水を習慣にします。

水やりの詳細

枝数が多く葉もよく茂るため、緑葉の中でも水をよく吸う品種です。土の表面が乾いたら、鉢底から流れ出るまでたっぷり与えます。目安は春と秋が週1〜2回、夏は2〜3日に1回、冬は10日に1回程度です。葉がこんもり茂ると土の表面が見えにくくなるので、指を土に1〜2cm差し込んで乾き具合を確かめます。ハンギングや小さなポットは特に乾きが早く、夏は朝に与えても夕方に乾くことがあります。受け皿に溜まった水は捨て、根を常に湿った状態にしないようにします。

よくある失敗は、こんもり茂った株の内側の葉が黄色く落ち、それを水不足と思って水を増やすことです。内側の黄変は蒸れや光不足が原因のことも多く、混み合ったつるを間引いて風を通すほうが効果的です。

最適な土の作り方

市販の観葉植物用土か草花用の培養土で十分に育ちます。自分で配合するなら赤玉土(小粒)6、腐葉土3、パーライト1が目安です。ピッツバーグは根の張りが良く、鉢の中にすぐ根が回るため、水はけを確保するために鉢底石を2cmほど敷きます。グラウンドカバーとして地植えにする場合は、植える場所の土に腐葉土を3割ほど混ぜて耕しておくと、根付きが早くなります。元肥には緩効性肥料を規定量混ぜます。トピアリーに使う場合は、水苔で形を作った芯に植えることもあり、その場合は水苔が乾きすぎないよう管理します。

剪定・切り戻し

ピッツバーグの剪定は、伸びたつるの先端を摘んで枝数を増やす「摘心」が中心です。つるの先を1〜2節切るだけで、その下の節から2本以上の脇芽が出て、株がどんどん密になります。適期は5〜6月と9〜10月で、真夏と冬の強い剪定は避けます。トピアリーやリース仕立てでは、形からはみ出たつるをこまめに切りそろえると、小さな葉が均一に並んだ美しい形を保てます。地植えでは、範囲の外へ伸びたつるを年2回ほど根ごと取り除きます。

よくある失敗は、摘心をせずに長いつるを伸ばし続け、株元がすかすかになることです。そうなったら全体を10〜15cmほどに切り戻すと、よく枝分かれする性質で株元から新しいつるが出て、密な姿に戻ります。

  1. 1

    時期と道具を用意する

    5〜6月か9〜10月に行います。清潔なハサミと手袋を用意し、真夏と冬の強い剪定は避けます。

  2. 2

    先端を摘んで枝数を増やす

    伸びたつるの先端を1〜2節、葉の付け根の少し上で切ります。下の節から脇芽が出て、株が密になります。

  3. 3

    内側のつるを間引く

    株の内側の細いつるや古いつるを根元近くで切り、光と風が通るようにします。蒸れと害虫の予防になります。

  4. 4

    形を整えて管理する

    はみ出たつるを切りそろえて形を整え、明るい日陰で管理します。切ったつるは挿し木に使えます。

植え替え

根の回りが早い品種で、毎年1回の鉢替えが目安です。適期は4〜6月か9〜10月。潅水の水が表面に溜まって引かない、底穴から根がはみ出す、内側の葉が次々黄ばむ、のいずれかが見えたら交換します。根鉢の側面と底を手でほぐし、直径3cm大きい鉢に移すか、大きくしたくなければ2〜3株に割って株分けします。割るときは、それぞれにつると根がしっかり付くよう大きめに分けます。作業後は半日陰で1週間休ませ、追肥は半月後から。

よくある失敗は、根詰まりに気づかず数年放置し、水をやってもすぐしおれる状態にすることです。根鉢を3分の1切り詰めて植え直せば回復します。

  1. 1

    時期と道具をそろえる

    4〜6月か9〜10月に、1年に1回行います。一回り大きい鉢、観葉植物用土、鉢底石、ハサミ、手袋を用意します。

  2. 2

    株を抜いて根をほぐす

    鉢を叩いて株を抜き、根鉢の底と側面を3分の1ほどほぐします。底でとぐろを巻いた根や黒い根を切ります。

  3. 3

    必要なら株を分ける

    大きくしたくない場合は、根鉢を手で2〜3つに割り、根とつるが十分に残る大きさで分けて別々の鉢に植えます。

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    植え付けて養生する

    鉢底石を敷いて植え、水をたっぷり与えます。1週間ほど明るい日陰に置き、肥料は2週間後から再開します。

増やし方

挿し木と株分けで簡単に増やせ、適期は5〜6月と9〜10月です。挿し木は、よく茂ったつるを2〜3節、長さ8〜10cmで切り、下の節の葉を取って水か挿し木用土に挿します。ピッツバーグは発根が早く、気温20°C前後なら2〜3週間で根が出ます。小さな葉の品種なので、5〜7本まとめて1鉢に植えると、短い期間でこんもりとした鉢に仕上がります。株分けは植え替えのときに根鉢を手で2〜3つに割るだけで、それぞれ別の鉢に植えます。

よくある失敗は、株分けで根鉢を細かく分けすぎ、どの株も弱ってしまうことです。1株に根とつるが十分に残る大きさで分けるのが確実です。

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    時期と道具を用意する

    適期は5〜6月か9〜10月です。清潔なハサミ、水を入れたコップか挿し木用土を入れた小鉢を用意します。

  2. 2

    挿し穂を切り分ける

    よく茂ったつるを2〜3節、長さ8〜10cmで切ります。下の節の葉を取り、残す葉は3〜4枚にします。

  3. 3

    水か土に挿す

    節が水に浸かるか土に埋まるように挿し、明るい日陰に置きます。2〜3週間で節から白い根が出ます。

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    まとめて植え付ける

    根が3cmほど伸びたら、5〜7本まとめて1鉢に植えます。先端を摘むと、早くこんもりとした株になります。

病害虫対策

ハダニが最も多い害虫で、葉が密に茂るぶん内側が乾くと被害が広がりやすい品種です。葉が白っぽくかすれ、葉裏に細かい点が見えたらハダニで、シャワーで株全体を洗い流し、多ければ殺ダニ剤を1週間おきに散布します。株の内側に茶色や白の粒が付くカイガラムシは、歯ブラシでこすり落とします。春の新芽にはアブラムシが付くことがあります。病気では、茂りすぎて風が通らないと、葉に黒い斑点が広がる斑点病や炭疽病が出ることがあり、混み合ったつるを間引いて予防します。

よくある失敗は、こんもり茂った姿を保とうと間引きをせず、内側の蒸れから病気と害虫を同時に広げることです。年2回は内側のつるを間引いて光と風を通してください。

年間カレンダー

1月
2月
3月
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月
肥料
手入れ
手入れの内容
  • 4月肥料開始・先端の摘心
  • 5月植え替え・株分け・挿し木
  • 6月内側のつるの間引き
  • 7月肥料停止・蒸れ対策
  • 9月肥料再開・摘心と切り戻し
  • 10月挿し木・リースや寄せ植え

季節ごとの管理

春の管理

脇芽が次々にふくらみ、株が一気に厚みを増す季節です。伸びた先を指先で摘むほど枝数が増えます。潅水は表土が乾いてから、4月に入ったら月1回の置き肥を。株分けや鉢増しもこの時期にまとめて行い、若い芽のアブラムシを見張ります。

夏の管理

密に茂ったぶん、株の中心に熱と湿気がこもりやすい季節です。内側の細いつるを根元から抜き取って風の通り道を作り、追肥は盛夏の2か月は休みます。潅水は乾き具合を見て朝に。強い日差しが当たる場所なら日除けをします。

秋の管理

生育が戻り、手を入れるのに最適な季節です。摘心・切り戻し・株分け・枝挿しをまとめて済ませると、冬までに株が整います。潅水は週1〜2回、置き肥は9〜10月に月1回。リースや寄せ植えの素材にも使え、株の芯にハダニが潜んでいないか点検します。

冬の管理

成長は止まりますが、緑葉で寒さに強く、凍らない軒下なら鉢のまま越冬できます。追肥はなし、潅水は10日おきに午前中。室内に置くなら温風の届かない場所を選び、乾燥で増えるハダニには霧吹きで対抗します。

10月の作業をくわしく知りたいときは観葉植物の冬越しや秋の植え替えの記事も参考になります。

よくあるトラブルと対策

株元がすかすかで、長いつるだけが伸びる

原因

摘心をせずにつるを伸ばし続けた、または光不足で節の間が伸びた。

対策

全体を10〜15cmほどに切り戻すと、よく枝分かれする性質で株元から新しいつるが出ます。その後は先端をこまめに摘みます。

葉が白っぽくかすれる

原因

ハダニの寄生。葉が密に茂る品種なので、内側が乾くと被害が広がりやすい。暖房期や真夏に多い。

対策

シャワーで株全体を葉裏まで洗い流し、多い場合は殺ダニ剤を1週間おきに散布します。予防には葉水を習慣にします。

水をやってもすぐにしおれる

原因

根詰まり。根の成長が速く、小さな鉢では1年で鉢の中が根でいっぱいになる。

対策

一回り大きな鉢に植え替えるか、株分けして植え直します。真夏は避け、それまでは朝夕に乾き具合を確かめて水を与えます。

ここにない症状は症状から調べるで、葉の色・しおれ・虫・病気などから逆引きできます。

ヘデラ・ピッツバーグの花言葉・風水

花言葉

アイビー全体の花言葉として「永遠の愛」「友情」「誠実」が知られています。ピッツバーグは小さな葉がびっしり茂るため、リースやトピアリーに仕立てて贈られることも多く、変わらない友情を伝える贈り物として選ばれます。

風水・縁起

風水では、緑の葉が密に茂る植物は生命力を高め、空間に穏やかな気を巡らせるとされます。つるを垂らして飾ると気を落ち着かせ、トレリスで上に伸ばすと運気を上げるといわれ、ピッツバーグは仕立てやすさから両方の飾り方に使われます。

ヘデラ・ピッツバーグのよくある質問

Qピッツバーグと普通のアイビーの違いは?回答を見る
A

葉が小さく、よく枝分かれしてこんもり茂るのが違いです。一般的なヘデラ・ヘリックスは長いつるを伸ばしてから枝分かれしますが、ピッツバーグは節の間が短く、伸びながら次々に脇芽を出します。そのため鉢植えでも株元がすかすかになりにくく、寄せ植えやトピアリーに向いています。緑葉なので斑入り品種より丈夫で、寒さや日陰にも強い点は、元のアイビーと同じです。

Qピッツバーグでトピアリーを作れますか?回答を見る
A

小さな葉がよく茂るので、トピアリーに向いた品種です。ワイヤーで作ったハートや輪などの枠を鉢に挿し、つるを枠に沿って巻き付けてビニタイなどで留めます。枠からはみ出たつるはこまめに切りそろえ、先端を摘んで枝数を増やすと、半年〜1年ほどで枠全体が葉で覆われます。数本の苗をまとめて植えると早く形になります。明るい日陰で管理し、切ったつるは挿し木で増やせます。

Qピッツバーグをグラウンドカバーにできますか?回答を見る
A

日陰の地面を覆うグラウンドカバーとして使えます。寒さと日陰に強く、つるの節から根を下ろして広がるため、建物の北側や木の下など芝生が育ちにくい場所にも向いています。ただし広がる力が強く、壁や木に登ったり隣の敷地へ入り込んだりすることがあるので、レンガや縁石で範囲を区切り、年2回ほど範囲の外のつるを根ごと抜いてください。株間30cmほどで植えると、1〜2年で地面を覆います。

Q株の内側の葉が黄色くなって落ちます。回答を見る
A

葉が茂りすぎて、内側に光と風が届いていないことが多いです。ピッツバーグはよく茂る品種なので、株の内側は蒸れて光も不足し、古い葉から黄色く落ちていきます。内側の細いつるや古いつるを根元近くで間引き、光と風が通るようにしてください。土が常に湿っている場合は水のやりすぎも疑い、間隔を空けます。葉裏にハダニがいないかも確かめます。

Qピッツバーグは室内でも育てられますか?回答を見る
A

室内でも十分に育ちます。耐陰性が高く、レースカーテン越しの窓辺なら一年中きれいな緑を保てます。ただし暗い部屋の奥では節の間が伸び、葉が小さくなって株が間延びします。室内で気をつけたいのは暖房期の乾燥で、ハダニが付きやすくなるため、霧吹きで葉水を習慣にし、暖房の風が当たらない場所に置きます。春や秋に数日ずつ屋外の日陰に出すと、株が引き締まります。

アイビーのほかの品種

アイビー としてまとめている他の品種です。

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10月の季節の作業と、ヘデラ・ピッツバーグの手入れで迷いやすいところに合わせて選んでいます。

この記事について

執筆: Hapot編集部

植物を迎えたばかりの人が枯らさずに育てられるように、植物図鑑と症状別の記事を編集しているチームです。農林水産省や農研機構など公的機関の栽培指針を確認したうえで、温度や頻度を数値で示し、迷いやすい判断は結論から書くことを大切にしています。誤りや古くなった情報はお問い合わせから受け付け、確認のうえ更新しています。

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