苗・株の選び方
良い株は3点で見分けます。節の間が短く、小さな葉が隙間なく付いていること、株元から何本もつるが出て枝分かれしていること、葉の緑が濃くつやがあることです。
避けたいのは、つるが長く伸びて株元の葉が落ちている株で、光不足や根詰まりで弱っています。もう一つは葉が白っぽくかすれている株で、葉裏にハダニが付いている可能性が高いです。ポット苗を選ぶときは、鉢底から根が少し見える程度の、根がしっかり張った苗が植え付け後の生育が早くなります。
ヘデラ・ピッツバーグの育て方の要点
Hapot編集部より
ヘデラ・ピッツバーグは、長さ2〜4cmの小さな濃い緑の葉が密に付き、つるがよく枝分かれしてこんもり茂る、緑葉のアイビーの代表品種です。一般的なアイビーよりも節の間が短く、1本のつるが長く伸びるより先に脇芽を次々に出すため、鉢植えでも株元がすかすかになりにくいのが違いです。1920年代にアメリカのピッツバーグで見つかった、よく分枝する性質をもつ初期の品種とされ、その後の多くの小葉品種のもとになったといわれます。斑のない緑葉なので丈夫さはアイビーの中でも上位で、日陰にも寒さにも強く、鉢植えでも-5°C程度まで耐えるとされます。小さな葉が均一に茂るため、寄せ植えの縁取り、ハンギング、トピアリー(形作り)、グラウンドカバーなど用途が広いのも特徴です。伸びた先を摘むたびに枝数が増えるので、手をかけるほど密な姿になり、初めてアイビーを育てる人や、緑の量感を楽しみたい人に向いています。
水やり
土の表面が乾いたら(春秋は週1〜2回、夏は2〜3日に1回、冬は10日に1回程度)
日光
半日陰
温度の目安
-5〜30°C
湿度
40-60%
土
水はけの良い観葉植物用土か草花用培養土
大きさの目安
つるの長さは鉢植えで20cm〜1m以上。葉は長さ2〜4cmの小葉で、手のひら状に3〜5裂。2〜5号鉢やハンギング、寄せ植え用のポット苗で流通します。
成長の速さ
速い
温度の目安(耐寒〜耐暑)
-5〜30°C
肥料
春と秋に月1回緩効性肥料(真夏と冬は不要)
成長速度
速い
毒性
全草にサポニン(ヘデラサポニン)を含み、犬や猫、子どもが食べると嘔吐・下痢・よだれなどの恐れ。樹液で皮膚がかぶれることもある
よく枝分かれする小葉の緑葉品種。先端を摘むほど密に茂る。丈夫ですが、室内の乾燥によるハダニには注意します。
良い株は3点で見分けます。節の間が短く、小さな葉が隙間なく付いていること、株元から何本もつるが出て枝分かれしていること、葉の緑が濃くつやがあることです。
避けたいのは、つるが長く伸びて株元の葉が落ちている株で、光不足や根詰まりで弱っています。もう一つは葉が白っぽくかすれている株で、葉裏にハダニが付いている可能性が高いです。ポット苗を選ぶときは、鉢底から根が少し見える程度の、根がしっかり張った苗が植え付け後の生育が早くなります。
ピッツバーグは緑葉で丈夫なため、アイビーの中でも置き場所を選ばない品種です。理想は午前中だけ日が当たる半日陰か、室内のレースカーテン越しの窓辺で、北向きの部屋でも育ちます。屋外なら日陰の多い庭や建物の北側でも茂り、グラウンドカバーにも使えます。光が十分だと節の間が詰まって葉がびっしり付き、暗いと節の間が伸びて葉が小さくなります。真夏の直射日光は葉の縁を焼くことがあるので、7〜8月は日差しを和らげます。寒さには強く、霜の当たらない軒下なら鉢植えのまま冬を越せます。
よくある失敗は、日当たりの良い窓辺で冬に暖房をつけ続け、乾燥でハダニを大発生させることです。冬の室内では暖房の風が当たらない位置に置き、葉水を習慣にします。
枝数が多く葉もよく茂るため、緑葉の中でも水をよく吸う品種です。土の表面が乾いたら、鉢底から流れ出るまでたっぷり与えます。目安は春と秋が週1〜2回、夏は2〜3日に1回、冬は10日に1回程度です。葉がこんもり茂ると土の表面が見えにくくなるので、指を土に1〜2cm差し込んで乾き具合を確かめます。ハンギングや小さなポットは特に乾きが早く、夏は朝に与えても夕方に乾くことがあります。受け皿に溜まった水は捨て、根を常に湿った状態にしないようにします。
よくある失敗は、こんもり茂った株の内側の葉が黄色く落ち、それを水不足と思って水を増やすことです。内側の黄変は蒸れや光不足が原因のことも多く、混み合ったつるを間引いて風を通すほうが効果的です。
市販の観葉植物用土か草花用の培養土で十分に育ちます。自分で配合するなら赤玉土(小粒)6、腐葉土3、パーライト1が目安です。ピッツバーグは根の張りが良く、鉢の中にすぐ根が回るため、水はけを確保するために鉢底石を2cmほど敷きます。グラウンドカバーとして地植えにする場合は、植える場所の土に腐葉土を3割ほど混ぜて耕しておくと、根付きが早くなります。元肥には緩効性肥料を規定量混ぜます。トピアリーに使う場合は、水苔で形を作った芯に植えることもあり、その場合は水苔が乾きすぎないよう管理します。
ピッツバーグの剪定は、伸びたつるの先端を摘んで枝数を増やす「摘心」が中心です。つるの先を1〜2節切るだけで、その下の節から2本以上の脇芽が出て、株がどんどん密になります。適期は5〜6月と9〜10月で、真夏と冬の強い剪定は避けます。トピアリーやリース仕立てでは、形からはみ出たつるをこまめに切りそろえると、小さな葉が均一に並んだ美しい形を保てます。地植えでは、範囲の外へ伸びたつるを年2回ほど根ごと取り除きます。
よくある失敗は、摘心をせずに長いつるを伸ばし続け、株元がすかすかになることです。そうなったら全体を10〜15cmほどに切り戻すと、よく枝分かれする性質で株元から新しいつるが出て、密な姿に戻ります。
時期と道具を用意する
5〜6月か9〜10月に行います。清潔なハサミと手袋を用意し、真夏と冬の強い剪定は避けます。
先端を摘んで枝数を増やす
伸びたつるの先端を1〜2節、葉の付け根の少し上で切ります。下の節から脇芽が出て、株が密になります。
内側のつるを間引く
株の内側の細いつるや古いつるを根元近くで切り、光と風が通るようにします。蒸れと害虫の予防になります。
形を整えて管理する
はみ出たつるを切りそろえて形を整え、明るい日陰で管理します。切ったつるは挿し木に使えます。
根の回りが早い品種で、毎年1回の鉢替えが目安です。適期は4〜6月か9〜10月。潅水の水が表面に溜まって引かない、底穴から根がはみ出す、内側の葉が次々黄ばむ、のいずれかが見えたら交換します。根鉢の側面と底を手でほぐし、直径3cm大きい鉢に移すか、大きくしたくなければ2〜3株に割って株分けします。割るときは、それぞれにつると根がしっかり付くよう大きめに分けます。作業後は半日陰で1週間休ませ、追肥は半月後から。
よくある失敗は、根詰まりに気づかず数年放置し、水をやってもすぐしおれる状態にすることです。根鉢を3分の1切り詰めて植え直せば回復します。
時期と道具をそろえる
4〜6月か9〜10月に、1年に1回行います。一回り大きい鉢、観葉植物用土、鉢底石、ハサミ、手袋を用意します。
株を抜いて根をほぐす
鉢を叩いて株を抜き、根鉢の底と側面を3分の1ほどほぐします。底でとぐろを巻いた根や黒い根を切ります。
必要なら株を分ける
大きくしたくない場合は、根鉢を手で2〜3つに割り、根とつるが十分に残る大きさで分けて別々の鉢に植えます。
植え付けて養生する
鉢底石を敷いて植え、水をたっぷり与えます。1週間ほど明るい日陰に置き、肥料は2週間後から再開します。
挿し木と株分けで簡単に増やせ、適期は5〜6月と9〜10月です。挿し木は、よく茂ったつるを2〜3節、長さ8〜10cmで切り、下の節の葉を取って水か挿し木用土に挿します。ピッツバーグは発根が早く、気温20°C前後なら2〜3週間で根が出ます。小さな葉の品種なので、5〜7本まとめて1鉢に植えると、短い期間でこんもりとした鉢に仕上がります。株分けは植え替えのときに根鉢を手で2〜3つに割るだけで、それぞれ別の鉢に植えます。
よくある失敗は、株分けで根鉢を細かく分けすぎ、どの株も弱ってしまうことです。1株に根とつるが十分に残る大きさで分けるのが確実です。
時期と道具を用意する
適期は5〜6月か9〜10月です。清潔なハサミ、水を入れたコップか挿し木用土を入れた小鉢を用意します。
挿し穂を切り分ける
よく茂ったつるを2〜3節、長さ8〜10cmで切ります。下の節の葉を取り、残す葉は3〜4枚にします。
水か土に挿す
節が水に浸かるか土に埋まるように挿し、明るい日陰に置きます。2〜3週間で節から白い根が出ます。
まとめて植え付ける
根が3cmほど伸びたら、5〜7本まとめて1鉢に植えます。先端を摘むと、早くこんもりとした株になります。
ハダニが最も多い害虫で、葉が密に茂るぶん内側が乾くと被害が広がりやすい品種です。葉が白っぽくかすれ、葉裏に細かい点が見えたらハダニで、シャワーで株全体を洗い流し、多ければ殺ダニ剤を1週間おきに散布します。株の内側に茶色や白の粒が付くカイガラムシは、歯ブラシでこすり落とします。春の新芽にはアブラムシが付くことがあります。病気では、茂りすぎて風が通らないと、葉に黒い斑点が広がる斑点病や炭疽病が出ることがあり、混み合ったつるを間引いて予防します。
よくある失敗は、こんもり茂った姿を保とうと間引きをせず、内側の蒸れから病気と害虫を同時に広げることです。年2回は内側のつるを間引いて光と風を通してください。
脇芽が次々にふくらみ、株が一気に厚みを増す季節です。伸びた先を指先で摘むほど枝数が増えます。潅水は表土が乾いてから、4月に入ったら月1回の置き肥を。株分けや鉢増しもこの時期にまとめて行い、若い芽のアブラムシを見張ります。
密に茂ったぶん、株の中心に熱と湿気がこもりやすい季節です。内側の細いつるを根元から抜き取って風の通り道を作り、追肥は盛夏の2か月は休みます。潅水は乾き具合を見て朝に。強い日差しが当たる場所なら日除けをします。
生育が戻り、手を入れるのに最適な季節です。摘心・切り戻し・株分け・枝挿しをまとめて済ませると、冬までに株が整います。潅水は週1〜2回、置き肥は9〜10月に月1回。リースや寄せ植えの素材にも使え、株の芯にハダニが潜んでいないか点検します。
成長は止まりますが、緑葉で寒さに強く、凍らない軒下なら鉢のまま越冬できます。追肥はなし、潅水は10日おきに午前中。室内に置くなら温風の届かない場所を選び、乾燥で増えるハダニには霧吹きで対抗します。
原因
葉が密に茂って内側に光と風が届かず、蒸れと光不足が起きている。
対策
内側の細いつるや古いつるを根元近くで間引き、光と風を通します。土が常に湿っている場合は水やりの間隔も空けます。
原因
摘心をせずにつるを伸ばし続けた、または光不足で節の間が伸びた。
対策
全体を10〜15cmほどに切り戻すと、よく枝分かれする性質で株元から新しいつるが出ます。その後は先端をこまめに摘みます。
原因
ハダニの寄生。葉が密に茂る品種なので、内側が乾くと被害が広がりやすい。暖房期や真夏に多い。
対策
シャワーで株全体を葉裏まで洗い流し、多い場合は殺ダニ剤を1週間おきに散布します。予防には葉水を習慣にします。
原因
根詰まり。根の成長が速く、小さな鉢では1年で鉢の中が根でいっぱいになる。
対策
一回り大きな鉢に植え替えるか、株分けして植え直します。真夏は避け、それまでは朝夕に乾き具合を確かめて水を与えます。
ここにない症状は症状から調べるで、葉の色・しおれ・虫・病気などから逆引きできます。
アイビー全体の花言葉として「永遠の愛」「友情」「誠実」が知られています。ピッツバーグは小さな葉がびっしり茂るため、リースやトピアリーに仕立てて贈られることも多く、変わらない友情を伝える贈り物として選ばれます。
風水では、緑の葉が密に茂る植物は生命力を高め、空間に穏やかな気を巡らせるとされます。つるを垂らして飾ると気を落ち着かせ、トレリスで上に伸ばすと運気を上げるといわれ、ピッツバーグは仕立てやすさから両方の飾り方に使われます。
葉が小さく、よく枝分かれしてこんもり茂るのが違いです。一般的なヘデラ・ヘリックスは長いつるを伸ばしてから枝分かれしますが、ピッツバーグは節の間が短く、伸びながら次々に脇芽を出します。そのため鉢植えでも株元がすかすかになりにくく、寄せ植えやトピアリーに向いています。緑葉なので斑入り品種より丈夫で、寒さや日陰にも強い点は、元のアイビーと同じです。
小さな葉がよく茂るので、トピアリーに向いた品種です。ワイヤーで作ったハートや輪などの枠を鉢に挿し、つるを枠に沿って巻き付けてビニタイなどで留めます。枠からはみ出たつるはこまめに切りそろえ、先端を摘んで枝数を増やすと、半年〜1年ほどで枠全体が葉で覆われます。数本の苗をまとめて植えると早く形になります。明るい日陰で管理し、切ったつるは挿し木で増やせます。
日陰の地面を覆うグラウンドカバーとして使えます。寒さと日陰に強く、つるの節から根を下ろして広がるため、建物の北側や木の下など芝生が育ちにくい場所にも向いています。ただし広がる力が強く、壁や木に登ったり隣の敷地へ入り込んだりすることがあるので、レンガや縁石で範囲を区切り、年2回ほど範囲の外のつるを根ごと抜いてください。株間30cmほどで植えると、1〜2年で地面を覆います。
葉が茂りすぎて、内側に光と風が届いていないことが多いです。ピッツバーグはよく茂る品種なので、株の内側は蒸れて光も不足し、古い葉から黄色く落ちていきます。内側の細いつるや古いつるを根元近くで間引き、光と風が通るようにしてください。土が常に湿っている場合は水のやりすぎも疑い、間隔を空けます。葉裏にハダニがいないかも確かめます。
室内でも十分に育ちます。耐陰性が高く、レースカーテン越しの窓辺なら一年中きれいな緑を保てます。ただし暗い部屋の奥では節の間が伸び、葉が小さくなって株が間延びします。室内で気をつけたいのは暖房期の乾燥で、ハダニが付きやすくなるため、霧吹きで葉水を習慣にし、暖房の風が当たらない場所に置きます。春や秋に数日ずつ屋外の日陰に出すと、株が引き締まります。
アイビー としてまとめている他の品種です。
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執筆: Hapot編集部
植物を迎えたばかりの人が枯らさずに育てられるように、植物図鑑と症状別の記事を編集しているチームです。農林水産省や農研機構など公的機関の栽培指針を確認したうえで、温度や頻度を数値で示し、迷いやすい判断は結論から書くことを大切にしています。誤りや古くなった情報はお問い合わせから受け付け、確認のうえ更新しています。