苗・株の選び方
良い株は3点で見分けます。葉の縁にクリーム色〜白の縁取りがはっきり入っていること、葉に艶と張りがあること、株元から複数のつるが出てボリュームがあることです。冬は葉の縁がピンクに色づいた株も出回りますが、傷みではありません。
避けたいのは、灰緑一色の葉ばかりのつるが目立つ株で、斑が戻りにくくなっています。もう一つは葉が白っぽくかすれている株で、葉裏にハダニが付いている可能性があります。購入時は葉裏も確認してください。
ヘデラ・グレイシャーの育て方の要点
Hapot編集部より
ヘデラ・グレイシャーは、銀色がかった灰緑色の葉に、クリーム色〜白の縁取りが入る斑入りアイビーで、流通量の多い定番品種です。緑葉のアイビーと比べると斑のぶん成長はややゆっくりですが、斑入り品種の中では丈夫で、寒さにも比較的強いのが特徴です。葉は長さ3〜5cmの3〜5裂する形で、灰緑と白の落ち着いた色合いが、寄せ植えやハンギングに涼しげな印象を加えます。寒さに当たると葉の白い縁がピンクや紫を帯びることがあり、冬ならではの色の変化も楽しめます。名前は氷河を意味し、銀白色の葉色に由来するとされます。白い部分が多すぎず、灰緑の部分でしっかり光合成ができるため、斑入りでも生育が安定しているのが人気の理由とされます。室内でも屋外でも育てやすく、明るい半日陰に置き、緑一色の枝を早めに切るだけで斑の美しさを保てます。斑入りのアイビーを初めて育てる人や、白い寄せ植えの名脇役を探している人に向いています。
水やり
土の表面が乾いたら(春秋は週1〜2回、夏は2〜3日に1回、冬は10日に1回程度)
日光
半日陰
温度の目安
-5〜30°C
湿度
40-60%
土
水はけの良い観葉植物用土か草花用培養土
大きさの目安
つるの長さは鉢植えで30cm〜1.5m。葉は長さ3〜5cmで3〜5裂。2〜5号鉢やハンギング、寄せ植え用のポット苗で流通します。
成長の速さ
中〜速い
温度の目安(耐寒〜耐暑)
-5〜30°C
肥料
春と秋に月1回緩効性肥料(真夏と冬は不要)
成長速度
中〜速い
毒性
全草にサポニン(ヘデラサポニン)を含み、犬や猫、子どもが食べると嘔吐・下痢・よだれなどの恐れ。樹液で皮膚がかぶれることもある
斑入りの中では丈夫で寒さにも強い定番品種。冬は白い縁がピンクに色づくことも。緑一色の枝は早めに切り戻すのが斑を保つこつです。
良い株は3点で見分けます。葉の縁にクリーム色〜白の縁取りがはっきり入っていること、葉に艶と張りがあること、株元から複数のつるが出てボリュームがあることです。冬は葉の縁がピンクに色づいた株も出回りますが、傷みではありません。
避けたいのは、灰緑一色の葉ばかりのつるが目立つ株で、斑が戻りにくくなっています。もう一つは葉が白っぽくかすれている株で、葉裏にハダニが付いている可能性があります。購入時は葉裏も確認してください。
グレイシャーは斑入りアイビーの中では日陰にも寒さにも比較的強く、置き場所の自由度が高い品種です。理想は明るい半日陰で、室内ならレースカーテン越しの窓辺、屋外なら午前中だけ日が当たる軒下や木陰が向いています。暗すぎると灰緑の部分が濃くなって白い縁が細くなり、強い直射日光では白い縁が茶色く焦げます。寒さには強く、霜の当たらない軒下なら-5°C程度まで鉢植えのまま冬を越せます。冬に屋外の寒さに当てると葉の縁がピンクや紫を帯び、春に暖かくなると元の色に戻ります。
よくある失敗は、日陰で育てて斑が細くなり、灰緑一色に近い株になってしまうことです。明るい場所へ移し、緑一色の枝を切ると、新しい葉から白い縁取りが戻ります。
水やりは緑葉のアイビーと同じく、土の表面が乾いたら、鉢底から流れ出るまで与えます。目安は春と秋が週1〜2回、夏は2〜3日に1回、冬は10日に1回程度です。グレイシャーは斑入りの中では成長が早く、根もよく張るため、鉢が小さいと夏は乾きが早くなります。ハンギングでは朝に与えても夕方に乾くことがあるので、夏は朝夕に鉢の重さを確かめると水切れを防げます。冬に屋外で管理する場合は、凍る心配のない暖かい日の午前中に与えます。暖房期の室内では葉水でハダニを予防します。
よくある失敗は、冬の屋外で夕方に水を与え、夜の冷え込みで鉢の土が凍って根を傷めることです。冬の水やりは晴れた日の午前中に済ませてください。
市販の観葉植物用土か、草花用の培養土がそのまま使えます。自分で配合するなら赤玉土(小粒)6、腐葉土3、パーライト1が目安です。グレイシャーは根の張りが良いので、鉢底石を2cmほど敷いて水はけを確保し、根詰まりしにくいよう株に合った大きさの鉢を選びます。寄せ植えやハンギングでは、軽さを優先してピートモスやココヤシファイバー主体の軽量培養土を使っても構いません。元肥には緩効性肥料を規定量混ぜます。屋外で冬を越す鉢は、水はけが悪いと凍結で根を傷めやすいので、特に水はけの良い土にします。
剪定の中心は、斑の消えた枝の切り取りと、伸びすぎたつるの切り戻しです。グレイシャーでも元の緑の性質に戻った枝が出ることがあり、灰緑一色の枝を見つけたら、白い縁取りのある葉の位置まで切り戻します。伸びすぎたつるは5〜6月と9〜10月に、葉の付け根の少し上で切ると、節から脇芽が出て株が密になります。斑入りの中では成長が早いので、ハンギングでは年2回ほど長さを整えると形が崩れません。株元が寂しくなったら、全体を15cmほどに切り戻して若返らせます。
よくある失敗は、冬に寒さでピンクに色づいた葉を傷みと思って切ってしまうことです。冬の色づきは自然な変化なので、春まで待てば元の色に戻ります。
時期と道具を用意する
5〜6月か9〜10月に行います。清潔なハサミと手袋を用意し、真夏と冬の強い剪定は避けます。
斑の消えた枝を切る
灰緑一色の葉が付いた枝は、白い縁取りのある葉が付いている節の上まで切り戻します。
伸びすぎたつるを整える
長すぎるつるを葉の付け根の少し上で切り、形を整えます。株元が寂しければ全体を15cmほどに切り戻します。
明るい半日陰で管理する
作業後は明るい半日陰に置き、水は土の表面が乾いてから与えます。切ったつるは挿し木に使えます。
斑入りの中では根の伸びが旺盛で、1〜2年おきに鉢を替えます。適期は4〜6月か9〜10月。夏場に朝あげた水が夕方には切れる、底穴から根があふれる、が交換の合図です。抜いた根鉢は周囲と底を手でほぐし、一回り(直径3cm)大きい器へ。同じ鉢を使い続けたいなら、根を3分の1落としてつるも同じだけ短くし、新しい用土で植え直します。ハンギングの場合は軽い培養土を選ぶと吊り金具への負担が減ります。植え替え後は日差しの弱い場所で1週間休ませ、追肥は半月後から。
よくある失敗は、根詰まりした鉢で夏を迎え、毎日水を与えてもしおれることです。真夏の植え替えは避け、秋まで朝夕の水やりでしのいでから植え替えます。
時期と道具をそろえる
4〜6月か9〜10月に、1〜2年に1回行います。一回り大きい鉢、観葉植物用土、鉢底石、ハサミ、手袋を用意します。
株を抜いて根をほぐす
鉢を叩いて株を抜き、根鉢の底と側面を3分の1ほどほぐします。黒い根や底でとぐろを巻いた根を切ります。
植え付けてつるを整える
鉢底石を敷いて植え付け、長すぎるつるは3分の1ほど切り戻して水の消費を抑えます。
明るい日陰で養生する
水を与えて1週間ほど明るい日陰に置きます。その後は明るい半日陰に戻し、肥料は2週間後から再開します。
枝挿しで手軽に殖やせ、5〜6月と9〜10月が向いています。白い縁取りのそろった葉が付いた部分を選び、節を2〜3個含めて8〜10cmに切り分けます。土に埋まる側の葉を落とし、コップの水か湿らせた挿し床に差します。斑入りの中では根の出が早く、20°C前後なら半月から3週間で白い根が見えてきます。灰緑一色の枝から取った穂は縁取りのない株になるので使いません。根が3cmほどに育ったら3〜5本を1鉢に寄せて植えます。つるを隣の鉢の土に這わせ、節をU字ピンで押さえておく方法でも根付きます。
よくある失敗は、水挿しの水を替えずに放置し、切り口が腐ることです。水は2〜3日に1回取り替え、容器のぬめりも洗い流します。
時期と道具を用意する
適期は5〜6月か9〜10月です。清潔なハサミ、水を入れたコップか挿し木用土を入れた小鉢を用意します。
縁取りのある穂を切る
白い縁取りがきれいに入った葉の付いたつるを、2〜3節、長さ8〜10cmで切ります。灰緑一色の部分は使いません。
下葉を取って挿す
下の節の葉を取り、節が水に浸かるか土に埋まるように挿します。水挿しは2〜3日に1回水を替えます。
まとめて植え付ける
2〜3週間で根が3cmほど伸びたら、3〜5本まとめて小鉢に植えます。明るい日陰で1週間慣らします。
被害が目立つのは葉裏に付くハダニで、暖房の効いた室内や雨の当たらない軒下で増えると、銀灰色の葉がさらに白っぽくかすれていきます。霧吹きで葉裏まで湿らせるのが予防で、増えてしまったらシャワーで洗い流し、それでも収まらなければ殺ダニ剤を1週間おきに使います。春先の若い芽にはアブラムシ、古い茎には殻をかぶったカイガラムシが付くことがあります。屋外では梅雨の長雨で葉に黒い斑点が広がる病気が出やすく、傷んだ葉を摘んで株の中に風を通します。若葉をナメクジがかじることもあります。
よくある失敗は、銀色がかった葉のかすれをもともとの色と見誤り、ハダニの被害に気づくのが遅れることです。月に数回、葉裏に細かい点や糸がないか確かめてください。
縁取りの白がくっきり出る季節で、冬にピンクを帯びた葉も、新しい葉から元の色に戻ります。潅水は表土が乾くたびに週1〜2回、4月から月1回の置き肥を。鉢替えと枝挿しはこの時期が適期で、伸び始めた芽先のアブラムシに目を配ります。
盛夏は伸びが鈍ります。吊り鉢は朝と夕方に重さを確かめて潅水し、追肥は2か月休みます。白い縁は強い日差しで焦げるので、明るい日陰に移動を。梅雨から夏は蒸れで黒い斑点が出やすく、込んだつるを抜いて風を通します。
生育が戻り、寄せ植えやハンギングを作るのに最適な季節です。伸びすぎたつるの切り戻しと枝挿しを済ませ、置き肥は9〜10月に月1回、潅水は週1〜2回。冷え込むと葉の縁がうっすらピンクを帯び始めます。室内の鉢はハダニを点検します。
追肥はせず、潅水は晴れた日の午前中に10日おき。凍らない軒下なら-5°C前後まで耐え、寒さで縁取りがピンクや紫に染まるのを楽しめます。室内に置く場合は温風の届かない窓辺を選び、霧吹きでハダニの発生を抑えます。
原因
低温による自然な色の変化。傷みではない。
対策
そのままで問題ありません。春に暖かくなって新しい葉が出ると、元の灰緑と白の色合いに戻ります。葉が茶色く乾いて縮れる場合は霜の傷みなので、軒下へ移します。
原因
光量不足か先祖返り。暗い場所では灰緑の部分が増える。
対策
明るい半日陰へ移し、灰緑一色のつるは白い縁取りのある葉の位置まで切り戻します。肥料の与えすぎも避けます。
原因
梅雨時の蒸れや雨による斑点病・炭疽病。つるが密集して風が通らないと広がりやすい。
対策
斑点の出た葉を取り除き、混み合ったつるを間引いて風を通します。雨が続く時期は軒下へ移します。
原因
根詰まりと乾きの早さ。グレイシャーは斑入りの中では成長が早く、吊り鉢は乾きやすい。
対策
夏は朝夕に鉢の重さを確かめて水を与え、秋に一回り大きな鉢へ植え替えます。真夏の植え替えは避けます。
ここにない症状は症状から調べるで、葉の色・しおれ・虫・病気などから逆引きできます。
アイビー全体の花言葉として「永遠の愛」「友情」「誠実」が知られています。グレイシャーは銀白色の落ち着いた葉色がどんな花とも合わせやすく、ウェディングブーケや冬の寄せ植えに使われることが多い品種です。
風水では、白や銀色は気を浄化し、空間をすっきりと整える色とされます。グレイシャーの灰緑と白の葉は、玄関や水まわりなど、空気を清らかに保ちたい場所に向くと紹介されることがあります。つるを垂らして飾ると気を落ち着かせるともいわれます。
寒さによる自然な色の変化なので心配いりません。グレイシャーは冬の低温に当たると、葉の白い縁がピンクや紫を帯びることがあります。春に暖かくなって新しい葉が出ると、元の灰緑と白の色合いに戻ります。ただし葉が茶色く乾いて縮れている場合は、霜や寒風による傷みなので、霜の当たらない軒下や室内へ移してください。色づきを楽しみたい場合は、霜の当たらない屋外で冬を越させます。
白い部分の入り方と丈夫さが違います。グレイシャーは灰緑色の葉の縁にクリーム色〜白の縁取りが入り、斑入りの中では成長が早く寒さにも比較的強い品種です。白雪姫は新しい葉がほとんど白く、緑の細かな斑点が散る品種で、白い部分が多いぶん成長がゆっくりで、直射日光と寒さにも弱くなります。丈夫さを優先するならグレイシャー、白さを楽しむなら白雪姫が向いています。
光不足か先祖返りが原因です。暗い場所では灰緑の部分が増え、白い縁取りが細くなります。明るい半日陰に移してください。一部のつるだけが灰緑一色になっている場合は先祖返りなので、白い縁取りのある葉の位置まで切り戻します。肥料の与えすぎも緑の部分を増やす原因になるため、規定量を守ります。新しい葉に縁取りが戻れば、株全体の印象も元に戻ります。
トレリスやワイヤーに這わせて仕立てられます。斑入りの中では成長が早いので、1〜2年でトレリスを覆うことができます。ただし家の外壁に直接這わせると、付着根の跡が残ったり外壁を傷めたりすることがあるため、壁から10cmほど離して設置したトレリスに誘引してください。屋外では霜の当たらない場所を選び、伸びすぎたつるは年2回ほど切りそろえます。
明るい日陰なら育ちますが、暗い場所では斑が薄れます。グレイシャーは斑入りアイビーの中では耐陰性があり、北向きの窓辺や木陰でも枯れることは少ない品種です。ただし光が不足すると白い縁取りが細くなり、つるも間延びします。日陰で育てる場合は、時々明るい場所で数日過ごさせる、緑一色の枝を切るなどして、斑の美しさを保ちます。真っ暗な場所では育ちません。
アイビー としてまとめている他の品種です。
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執筆: Hapot編集部
植物を迎えたばかりの人が枯らさずに育てられるように、植物図鑑と症状別の記事を編集しているチームです。農林水産省や農研機構など公的機関の栽培指針を確認したうえで、温度や頻度を数値で示し、迷いやすい判断は結論から書くことを大切にしています。誤りや古くなった情報はお問い合わせから受け付け、確認のうえ更新しています。