苗・株の選び方
良い株は3点で見分けます。葉柄が太く、根元までしっかり緑で張りがあること、株元から複数の芽が立ち、新しい葉柄が中心から伸びていること、鉢を揺らしても株がぐらつかないことです。価格は葉柄の本数と高さで決まることが多く、本数の多い株ほど年数を経ています。
避けたいのは、葉柄の先が広く茶色く枯れ込んでいる株と、株元が柔らかく変色している株で、根傷みの可能性があります。また、葉柄が細く互いにもたれ合っている株は、暗い場所で育った可能性が高いので避けます。
Hapot編集部より
ストレリチア・ノンリーフは、ストレリチアの仲間のうち葉の平らな部分がほとんどなく、棒状の葉柄だけが伸びる珍しい種です。幅広の葉を持つレギネやオーガスタと違って葉が裂けることがなく、乾燥や暑さにはさらに強い一方、成長がとてもゆっくりです。学名は Strelitzia juncea で、レギネの変種(S. reginae var. juncea)として扱われることもあり、名前の juncea は「イグサのような」という意味です。細い緑の棒がまっすぐ空へ向かう姿は、和室にも洋室にも合う、すっきりした印象を与えます。成熟した株は、レギネによく似たオレンジと青の花を咲かせますが、苗から咲くまでには年数がかかります。年に出る葉は数本程度で、株が大きくなるのに時間がかかることが、流通量が少なく値段が高い理由とされます。水やりは控えめで済み、日当たりの良い窓辺と乾かし気味の管理が合えば、手間はほとんどかかりません。インテリアとして個性のある一鉢を、何年もかけて育てたい人に向いています。

水やり
土の中まで乾いてから数日後(春秋は10日に1回、冬は3週に1回)
日光
直射日光
温度の目安
5-30°C
湿度
30-60%
土
水はけの良い用土(観葉植物用土に軽石を多めに混ぜる)
大きさの目安
鉢植えで高さ50cm〜1.2m、株張り30〜60cm。5〜8号鉢で流通することが多く、年に伸びる葉柄は数本程度。
成長の速さ
とても遅い
温度の目安(耐寒〜耐暑)
5-30°C
肥料
5〜9月に2か月に1回緩効性肥料(少なめ)
成長速度
とても遅い
毒性
ペットが食べると中毒の恐れ(嘔吐など)
成長が遅いので、水も肥料も少なめが基本。日なたで葉柄を締めて育てると、倒れずにまっすぐ立ちます。
良い株は3点で見分けます。葉柄が太く、根元までしっかり緑で張りがあること、株元から複数の芽が立ち、新しい葉柄が中心から伸びていること、鉢を揺らしても株がぐらつかないことです。価格は葉柄の本数と高さで決まることが多く、本数の多い株ほど年数を経ています。
避けたいのは、葉柄の先が広く茶色く枯れ込んでいる株と、株元が柔らかく変色している株で、根傷みの可能性があります。また、葉柄が細く互いにもたれ合っている株は、暗い場所で育った可能性が高いので避けます。
基本はストレリチアと同じで、日光をよく当てるほど締まった姿になります。ノンリーフで違うのは、葉身がないぶん光を受ける面積が小さく、レギネ以上に日当たりが必要な点です。室内なら南向きの窓辺で、直射日光が1日4時間以上入る位置を選びます。春から秋は屋外の日なたに出すと、葉柄が太くなり株元から新しい芽も出やすくなります。葉が裂けないので、風通しの良いベランダにも置けます。寒さには比較的強いとされますが、霜には当てず、冬は5°C以上の室内に移します。
よくある失敗は、北向きの部屋で育てて葉柄が細く長く伸び、外側へ倒れていくことです。倒れた葉柄は元に戻らないので、ひもで軽くまとめて支え、南の窓辺へ移します。次に出る葉柄が太く立てば回復のサインです。
基本はストレリチアと同じく乾燥寄りの管理ですが、ノンリーフは葉からの蒸散が少なく、土が乾くのに時間がかかるため、水やりの間隔はさらに長くします。鉢の中まで乾いてから3〜4日待つのが目安で、春と秋は10日に1回、夏は週1回、冬は3週に1回程度です。成長が遅いぶん根の吸い上げもゆっくりで、湿った土が続くと太い根が傷みやすくなります。棒状の葉には葉水の必要はほとんどなく、ほこりが付いたら湿らせた布でなでる程度で十分です。
よくある失敗は、成長しないのは水不足と考えて水を増やし、根を腐らせることです。株元がぐらつく、葉柄の根元が茶色く柔らかい場合は水を止め、鉢から抜いて傷んだ根を切り、乾いた土で植え直します。
乾きやすさを重視して、赤玉土(小粒)4、軽石4、腐葉土2の配合が向いています。市販の観葉植物用土を使う場合は、軽石や日向土を半分近くまで混ぜると根腐れを防げます。成長が遅く根の量も少ないので、鉢は株に対して小さめで深さのある素焼き鉢が適しています。鉢底石は2〜3cm敷き、元肥は緩効性肥料をごく少量にとどめます。鉢底穴のない鉢は使わず、化粧鉢に入れる場合は素焼き鉢ごと入れて、受け皿の水をこまめに捨てます。
ノンリーフは葉の数が少なく成長も遅いため、剪定は枯れた葉柄を取るだけにとどめます。1本の葉柄は数年かけて先端から茶色く枯れ込んでくるので、全体が茶色くなってから付け根で切ります。先端だけが枯れている場合は、緑の部分を残して茶色い部分だけを斜めに切ると見た目が整います。株の中から葉身のある葉が出てきた場合も、株が作った大切な葉なので切る必要はありません。
よくある失敗は、樹形を整えようと緑の葉柄を何本も切り、1年たっても新しい芽が出ないことです。切った葉柄は戻らないため、その後は肥料を控えめに日なたで育て、株が葉を増やすのを2〜3年待ちます。
時期と道具を用意する
枯れた葉柄の整理は通年できますが、5〜9月が株への負担が少なく済みます。よく切れる剪定ばさみと手袋を用意します。
枯れた葉柄を見つける
全体が茶色く乾いた葉柄と、先端だけが枯れた葉柄を分けて確認します。緑の部分が多い葉柄は残します。
全体が枯れた葉柄を付け根で切る
茶色くなった葉柄を株元までたどり、付け根近くで切ります。周りの若い葉柄を傷つけないよう、刃先を外側に向けます。
先端の枯れを斜めに切る
先端だけ枯れた葉柄は、緑の部分を1〜2mm残して茶色い部分を斜めに切ります。切り口が自然な形に見えます。
成長がゆっくりなので、植え替えは3〜4年に1回で十分です。適期は5〜6月で、鉢底から根が出る、水がしみ込みにくい、鉢が根で変形している、といった状態になってから行います。根を崩すと回復に時間がかかるため、古い土を軽く落とす程度にし、鉢は直径1〜2cm大きいものにとどめます。葉柄が細く倒れやすい株は、植え付けの際に株元を少し深めに据えると安定します。
よくある失敗は、大きな鉢に植え替えて土が乾かず、根が傷んで葉柄が倒れることです。その場合は元のサイズの鉢に戻し、軽石の多い土で植え直してから、1週間は水を与えずに様子を見ます。
時期と道具を準備する
5〜6月に、3〜4年に1回を目安に行います。直径1〜2cm大きい深めの素焼き鉢、軽石の多い土、鉢底石、手袋を用意します。
葉柄をまとめて株を抜く
細い葉柄が折れないよう麻ひもで軽く束ね、鉢を横に倒して抜きます。抜けにくい場合は鉢の縁を叩いてゆるめます。
古い土を軽く落とす
根鉢の表面と底の古い土を軽く落とし、黒く柔らかい根だけを切ります。根を大きく崩すと回復に時間がかかります。
少し深めに植え付ける
鉢底石を敷き、株元が以前より1cmほど深くなるよう据えて土を入れます。葉柄が倒れやすい株も安定します。
乾かし気味に養生する
水は1回たっぷり与え、明るい日陰で2週間ほど養生します。以後は土が乾いてから与え、肥料は1か月後から少量にします。
株分けで増やせますが、芽が増えるペースが遅く、分けられる株になるまで数年かかります。5〜6月の植え替え時に、株元から3〜4芽以上に増えている株を選び、根を付けて2芽以上ずつに分けます。種まきもでき、発芽した苗はしばらく小さな葉身を付けることがあり、成長とともに棒状の葉になるといわれます。苗から花が咲く大きさまでは5年以上かかるとされるため、気長な楽しみ方になります。
よくある失敗は、1芽ずつ細かく分けて株が弱り、何年も成長しなくなることです。分けたあとは明るい日陰で乾かし気味にし、新しい葉柄が伸び出すまでは肥料を与えません。
時期と株を見きわめる
5〜6月に、株元の芽が3〜4本以上に増えた株で行います。清潔なナイフ、小さめの鉢、軽石の多い土、癒合剤を用意します。
株を抜いて芽の分かれ目を確認する
鉢から抜いて土を落とし、芽と芽の分かれ目を探します。それぞれの芽に太い根が付いているかを確認します。
2芽以上ずつに分ける
1株に2芽以上と太い根が残るよう、ナイフで株元を切り分けます。1芽ずつ細かく分けると、株が弱って成長が止まりがちです。
切り口を乾かして植える
切り口に癒合剤を塗るか半日乾かし、小さめの鉢に植えます。葉柄が倒れる場合は、細い支柱を添えて固定します。
新しい葉柄を待つ
明るい日陰で乾かし気味に管理し、肥料は控えます。新しい葉柄が伸び始めるまで、数か月かかることもあります。
病害虫はほとんど付きませんが、葉柄の付け根の重なった部分にカイガラムシが付くことがあります。白い綿のような塊や茶色の殻を見つけたら、綿棒や歯ブラシで取り除きます。乾燥した室内では細い葉柄にハダニが付き、緑が白っぽくかすれて見えることがあるので、月に1〜2回、葉柄の表面をシャワーで洗うと予防できます。
よくある失敗は、成長が遅い株にカイガラムシを放置し、数少ない葉柄が弱って枯れ込むことです。見つけたら早めに落とし、数が多い場合は殺虫剤を散布して、新しい葉柄が出てくるのを待ちます。屋外に出す株はナメクジが新芽をかじることがあるので、鉢を台に載せます。
気温が上がると株元から新しい葉柄が伸び始めます。水は乾いて3〜4日後に与え、肥料は5月から少量です。植え替えは株を崩さず5〜6月に行います。屋外に出す場合は日陰で1週間慣らし、細い葉柄の日焼けを防ぎます。
日なたでよく育ち、水は鉢の中まで乾いたら週1回程度与えます。肥料は2か月に1回を続けます。蒸れると株元が傷みやすいので、風通しの良い場所に置きます。屋外では長雨に当たらない軒下が向き、鉢を直接床に置かないようにします。
水を10日に1回に戻し、肥料は9月で止めます。秋の日差しで株を充実させ、最低気温が10°Cを下回るころに室内へ移します。取り込み先は南向きの窓辺が理想で、取り込み前に葉柄の付け根の虫を確かめておきます。
室内の日当たりの良い窓辺で5°C以上を保ちます。水は3週に1回程度まで減らし、肥料は与えません。寒さで葉柄の先が茶色くなることがあるので、夜は窓辺の冷気から離します。冬は成長がほぼ止まるので、植え替えは春まで待ちます。
原因
日照不足で葉柄が細く伸びたか、過湿で根が傷んで株元が支えられなくなった。
対策
株元が硬ければ南向きの窓辺か屋外の日なたへ移し、倒れた葉柄は麻ひもでまとめて支えます。株元が柔らかければ水を止め、傷んだ根を切って植え直します。
原因
若い株は小さな葉身をつけることがあり、レギネとの中間的な性質をもつ株は成株でも葉身を出すことがある。
対策
病気ではないので切らずに育てます。株が成熟するにつれて棒状の葉が増えることが多いので、日当たりの良い場所で様子を見ます。
原因
もともと成長がとても遅い性質。加えて日照不足、鉢が大きすぎて根が湿ったままになっている場合はさらに遅くなる。
対策
年に1〜3本の新しい葉柄が出ていれば正常です。日なたに置き、軽石の多い土と小さめの鉢で乾かし気味に育て、肥料は少量にとどめます。
原因
古い葉柄の寿命のほか、冬の冷気、水切れの繰り返し、根詰まりで吸水が落ちている場合に起こる。
対策
先端の茶色い部分は斜めに切って整えます。冬は夜間に窓から離し、3〜4年植え替えていなければ5〜6月に植え替えます。
原因
カイガラムシの寄生。葉柄が密に重なった付け根は風が通りにくく、見つけにくい。
対策
綿棒や歯ブラシでこすり落とし、数が多い場合は殺虫剤を散布します。成長が遅く葉柄が貴重な種なので、月1回は付け根を確認します。
ここにない症状は症状から調べるで、葉の色・しおれ・虫・病気などから逆引きできます。

ノンリーフは、苗から5年以上かけて株が成熟すると花をつけるとされ、家庭で咲かせるには日当たりと時間の両方が必要です。花はレギネによく似ていて、緑の舟形の苞からオレンジの萼と青い花弁が立ち上がりますが、花茎が葉柄より短く、棒状の葉の間に埋もれるように咲くこともあります。鉢植えで咲く場合は暖かい5〜9月が中心で、春から秋を屋外の日なたで過ごした株ほど花茎が上がりやすいといわれます。香りはほとんどありません。
咲き終わったら花茎を付け根近くで切ります。葉の数が少ない種なので、周りの葉柄を傷つけないよう、刃先を外へ向けて作業してください。
ストレリチア全体の花言葉として「輝かしい未来」「寛容」などが知られています。ノンリーフも成熟すると極楽鳥の花を咲かせることから同じ花言葉で呼ばれ、長い年月をかけて花をつける性質が、未来への希望や辛抱強さと重ねられるといわれます。
風水では、まっすぐ上へ伸びる細い葉柄が「上昇」の気を持ち、仕事運や向上心を高めるとされます。すっきりした形で場所を取らないため、玄関の脇や書斎の机の近くなど、気持ちを引き締めたい場所に置く使い方がすすめられます。尖った形のため、寝室の枕元は避けるとよいともいわれます。
日照不足か水のやりすぎが主な原因です。ノンリーフは葉身がないぶん光を集める力が弱く、明るさが足りないと葉柄が細く伸びて重さに耐えられなくなります。株元が硬ければ日照不足なので、南向きの窓辺か屋外の日なたへ移し、倒れた葉柄は麻ひもで軽くまとめて支えます。株元が柔らかい場合は根腐れが疑われるので、水を止めて根を確認してください。
若い株や交雑の性質をもつ株では、葉身のある葉が出ることがあります。ノンリーフは若いうちに小さな葉身をつけ、株が育つにつれて棒状の葉に変わるとされます。また、レギネとの中間的な性質をもつ株は、成株でも小さな葉身を出すことがあります。どちらも病気ではなく、株にとっては光合成をする大切な葉なので、切らずに育ててかまいません。
年に新しい葉柄が数本出ていれば正常です。ノンリーフはストレリチアの中でも特に成長が遅く、1年で1〜3本程度しか葉が増えない株も珍しくありません。成長を急がせようと肥料や水を増やすと、根を傷めて逆効果になります。日当たりの良い場所に置き、春から秋に少量の肥料を与えれば、数年かけて株元の芽が増え、株が充実していきます。
成長が遅く、売れる大きさになるまでに年数がかかるためといわれます。種から育てた苗が見栄えのする株になるまで数年かかり、株分けで増やせる数も多くありません。そのため流通量が少なく、レギネやオーガスタと同じ高さでも価格が数倍になることがあります。購入するときは、高さよりも葉柄の本数と太さを見て選ぶと、株の年数と状態を判断しやすくなります。
株が十分に成熟すれば、レギネに似たオレンジと青の花を咲かせます。ただし花が咲くまでには苗から5年以上かかることが多いとされ、室内の窓辺だけでは光が足りずに咲かないこともあります。花を目指すなら、春から秋は屋外の日なたで育て、鉢は大きくしすぎないようにします。花茎は葉柄の間から伸び、葉柄より低い位置で咲くこともあります。
ストレリチア としてまとめている他の品種です。
| 品種 | 大きさの目安 | 難易度 | 水やり |
|---|---|---|---|
| ストレリチア・ノンリーフ(本記事) | 鉢植えで高さ50cm〜1.2m、株張り30〜60cm。5〜8号鉢で流通することが多く、年に伸びる葉柄は数本程度。 | 中級者向け | 土の中まで乾いてから数日後(春秋は10日に1回、冬は3週に1回) |
| オーガスタ | 鉢植えで高さ1〜2.5m、株張り1m前後。7〜10号鉢で流通することが多く、年に数枚ずつ大きな葉を出して背が伸びる。 | 初心者向け | 土の中まで乾いたら(春秋は週1回、冬は2週に1回) |
| ストレリチア | レギネは室内で50cm〜1.5m、オーガスタ(ニコライ)は1〜3m。5〜10号鉢で流通。 | 初心者向け | 土がしっかり乾いたら(週1回程度) |
| ストレリチア・レギネ | 鉢植えで高さ60cm〜1.2m、株張り50cm〜1m。6〜8号鉢で流通することが多い。 | 中級者向け | 土の中まで乾いたら(春秋は週1回、冬は2〜3週に1回) |
執筆: Hapot編集部
植物を迎えたばかりの人が枯らさずに育てられるように、植物図鑑と症状別の記事を編集しているチームです。農林水産省や農研機構など公的機関の栽培指針を確認したうえで、温度や頻度を数値で示し、迷いやすい判断は結論から書くことを大切にしています。誤りや古くなった情報はお問い合わせから受け付け、確認のうえ更新しています。