苗・株の選び方
良い株は、葉の色が濃く艶があり、枝の先まで葉がしっかり付いていることで見分けます。幹がぐらつかず、株元の土の表面にカビや虫がいないことも確かめます。新芽が動いている株は、根が元気に育っている証拠です。
避けたいのは、下葉が落ちて枝の途中が丸裸になっている株と、葉の縁が茶色く傷んでいる株です。どちらも寒さや乾燥で弱っている可能性があります。冬に買うと持ち帰る間の冷え込みで葉を落としやすいので、購入は5〜9月が安心です。持ち帰ったあとは置き場所を決め、しばらく動かさずに慣らします。
Hapot編集部より
ポリシャスは、丸い葉やレースのように細かく切れ込んだ葉を、ゆっくり育つ樹形とともに楽しむウコギ科の観葉植物です。熱帯アジアから太平洋の島々に分布する低木の仲間で、日本では丸い濃緑の葉のファビアンや、蝶が羽を広げたような丸葉が段になって付くバタフライ、細かく裂けた葉のフルティコサ(タイワンモミジ)などが流通しています。幹が木のように立ち上がり、盆栽のような落ち着いた姿になるため、インテリア性の高い一鉢として人気があります。性質は丈夫な部類ですが、置き場所が急に変わると葉を落としやすいのが最大のくせです。明るい場所に置いたら動かさず、冬は10°C以上を保つ、この2点を守れば長く育てられます。成長は比較的ゆっくりで、剪定や挿し木で樹形を整える楽しみもあります。この記事では、葉を落とさないための置き場所と水やり、冬越しの温度、剪定と挿し木の手順、葉が落ちたときの見分け方まで順に解説します。

水やり
春〜秋は土の表面が乾いたら(週1〜2回が目安)。冬は表面が乾いて3〜4日後
日光
間接光
温度の目安
10-30°C(冬は10°C以上が安心。5°C前後で葉が傷む)
湿度
50-70%
土
水はけの良い観葉植物用土
大きさの目安
鉢植えでは高さ30cm〜1.5mほどで、成長がゆっくりなため室内でも大きくなりすぎません。卓上サイズの3〜4号鉢から、幹の立ち上がった7〜8号の中型株まで流通しています。
成長の速さ
ゆっくり〜中(鉢植えで年に10〜20cmほど)
温度の目安(耐寒〜耐暑)
10-30°C(冬は10°C以上が安心。5°C前後で葉が傷む)
肥料
5〜9月に緩効性肥料を2か月に1回、または液肥を2週間に1回
成長速度
ゆっくり〜中(鉢植えで年に10〜20cmほど)
毒性
ASPCA(米国動物虐待防止協会)では、同属のバルフォーリー(P. balfouriana など)が犬と猫に有毒とされ、サポニン類による嘔吐やよだれなどの症状が挙げられている。ペットや子どもがかじらない場所に置く
葉が落ちる原因の多くは、環境の急な変化と寒さです。明るい定位置を決めて動かさず、冬は窓から離した暖かい場所で、水を控えめに管理します。
良い株は、葉の色が濃く艶があり、枝の先まで葉がしっかり付いていることで見分けます。幹がぐらつかず、株元の土の表面にカビや虫がいないことも確かめます。新芽が動いている株は、根が元気に育っている証拠です。
避けたいのは、下葉が落ちて枝の途中が丸裸になっている株と、葉の縁が茶色く傷んでいる株です。どちらも寒さや乾燥で弱っている可能性があります。冬に買うと持ち帰る間の冷え込みで葉を落としやすいので、購入は5〜9月が安心です。持ち帰ったあとは置き場所を決め、しばらく動かさずに慣らします。
レースカーテン越しの明るい窓辺が基本の置き場所です。光が足りないと枝が間延びして葉の間隔が空き、下葉から落ちていきます。春から秋は屋外の明るい日陰で育てることもできますが、真夏の直射日光は葉焼けの原因になるので避けます。一度置き場所を決めたら、なるべく動かさないことが大切で、ポリシャスは光や温度、湿度が急に変わると、数日のうちに葉をまとめて落とすことがあります。
寒さには弱く、最低気温が12〜13°Cを下回る前に室内へ取り込み、冬は10°C以上を保ちます。冬の窓際は夜に冷え込むため、夕方以降は部屋の中ほどに移すと安心です。エアコンの風が直接当たる場所は乾燥で葉が傷むので避けます。
春から秋の生育期は、土の表面が乾いたら鉢底から流れ出るまでたっぷり与えます。目安は週1〜2回で、夏は乾きが早いので2〜3日おきに土を確かめます。乾燥が続くと葉がしおれて落ちる一方、常に湿っていると根腐れを起こします。冬は成長がゆるやかになるので、表面が乾いてから3〜4日待ち、暖かい日の午前中に室温に近い水を与えます。
乾燥する季節は、霧吹きで葉に水をかける葉水を毎日続けると、葉の傷みとハダニを防げます。よくある失敗は、葉が落ちたのを水不足と思い込み、冬に水を増やして根を傷めてしまうことです。冬に土が湿ったまま水を足すのは避けてください。落葉の原因はまず寒さや置き場所の変化を疑います。
市販の観葉植物用土がそのまま使えます。自分で配合するなら赤玉土小粒6、腐葉土3、パーライト1を目安にし、水はけを良くしておきます。鉢底には鉢底石を2cmほど敷きます。元肥として緩効性肥料を規定量混ぜておくと、植え替え後の芽吹きがそろいます。鉢は通気性の良い素焼き鉢やスリット鉢が根腐れを防ぎやすく、幹が太くなってきた株は、重心が安定する少し重めの陶器鉢も向いています。水はけの悪い土では、冬に根が傷んで落葉につながります。
剪定の適期は、新芽が動き出す5〜7月です。ポリシャスは枝の途中で切っても、切り口の下の節から新しい芽が出ます。伸びすぎた枝や、樹形から飛び出した枝は、残したい高さにある葉の付け根のすぐ上で切ります。内側に向かって伸びる枝や、混み合った細い枝を間引くと、風が通って病害虫も減ります。
間延びして下葉が落ちた株は、5〜6月に高さの半分ほどまで切り戻すと、1〜2か月で新しい葉が出てきます。ただし一度に葉を全部落とすと回復に時間がかかるため、葉の付いた枝を一部残すのが安全です。切った枝は挿し木に使えます。冬の剪定は株の負担が大きいので避けます。
時期と道具を用意する
剪定は新芽が動き出す5〜7月に行います。清潔な剪定ばさみと手袋を用意し、冬の剪定は避けます。
仕上がりの形を決める
鉢から離れて全体を眺め、樹形から飛び出した枝、内側に向かう枝、混み合った細い枝に目星を付けます。
葉の付け根の上で切る
残したい高さにある葉の付け根のすぐ上で切ります。切り口の下の節から新しい芽が出て、枝数が増えます。
混み合った枝を間引く
内向きの枝や細く弱い枝を付け根から切り、株の中まで光と風が通るようにします。葉は全体の半分以上を残します。
剪定後の管理をする
明るい日陰で管理し、水は土が乾いてから与えます。切った元気な枝は挿し木に使えます。
植え替えは2年に1回、気温が20°C前後になる5〜6月に行います。鉢底から根が出ている、水がしみ込みにくい、新しい葉が小さくなったといった様子が合図です。根鉢の肩と底の古い土を3分の1ほど落とし、黒く傷んだ根を切って、一回り大きな鉢(直径で3cm大きいもの)に新しい土で植えます。根を崩しすぎると葉を落としやすいので、細かい根はなるべく残します。
植え替え後は1〜2週間、直射日光の当たらない明るい日陰で休ませ、肥料は新芽が動いてから再開します。植え替えの刺激で葉が数枚落ちることはよくあるので、慌てて水を増やさず、土が乾いてから与えるリズムを守ります。
時期と道具をそろえる
適期は気温20°C前後の5〜6月です。一回り大きな鉢、観葉植物用土、鉢底石、清潔なハサミを用意し、数日前から水を控えます。
株を鉢から抜く
鉢の縁を軽く叩き、幹の根元を持って根鉢ごと抜きます。根が鉢に張り付いている場合は、鉢の側面を押して土をゆるめます。
古い土と傷んだ根を整理する
根鉢の肩と底の土を3分の1ほど落とし、黒く柔らかい根を切ります。細かい白い根はなるべく残します。
新しい土で植え付ける
鉢底石を2cmほど敷き、元の高さと同じになるように株を置いて周りに用土を詰めます。割り箸で軽くつついてすき間をなくします。
明るい日陰で休ませる
鉢底から流れるまで水を与え、1〜2週間は明るい日陰で動かさずに管理します。肥料は新芽が動いてから再開します。
挿し木で増やせます。適期は気温が上がる5〜7月で、今年伸びた元気な枝を10〜15cmに切り、上の葉を2〜3枚残して挿します。葉が大きい場合は半分に切って水分の蒸発を抑えます。切り口を30分ほど水に浸けてから、湿らせた挿し木用土か赤玉土小粒に挿し、明るい日陰で土を乾かさないように管理します。発根まではおよそ1〜2か月かかり、ほかの観葉植物より時間がかかるので、根が出るまでは鉢を動かさずに待ちます。
幹の太い株は、枝の途中の皮をはいで湿らせた水苔で包む取り木でも増やせます。発根促進剤を使うと成功率が上がります。新しい葉が出てきたら、観葉植物用土の小鉢に植え替えます。
時期と道具を用意する
適期は5〜7月です。清潔なハサミ、湿らせた挿し木用土か赤玉土小粒を入れた小鉢、あれば発根促進剤を用意します。
元気な枝を切る
今年伸びた元気な枝を10〜15cmに切り、下の葉を取って上の葉を2〜3枚残します。大きな葉は半分に切ります。
水を吸わせてから挿す
切り口を30分ほど水に浸け、発根促進剤を付けて用土に3〜5cm挿します。挿したあとはたっぷり水を与えます。
動かさずに発根を待つ
明るい日陰に置き、土を乾かさないように管理します。発根には1〜2か月かかるので、鉢は動かさずに待ちます。
新しい葉が出たら植え替える
新しい葉が開いてきたら根が張った合図です。観葉植物用土を入れた3号鉢に植え替え、1か月後から肥料を与えます。
乾燥した室内では、葉裏にハダニやカイガラムシが付きやすくなります。ハダニは葉の色が白っぽくかすれるのが目印で、毎日の葉水が一番の予防になります。カイガラムシは枝や葉の付け根に白や茶色の小さな塊として付くので、見つけたら歯ブラシでこすり落とし、数が多ければ観葉植物用の殺虫剤を使います。アブラムシが新芽に付くこともあり、見つけ次第水で洗い流します。
風通しの悪い場所では、カイガラムシの排泄物にすす病が出て葉が黒く汚れることがあります。月に1回は葉の表と裏を確かめ、混み合った枝を間引いて風を通しておくと、病害虫が増えにくくなります。
最低気温が15°Cを超えたら成長期に入ります。水は表面が乾いたらたっぷり与え、5月から肥料を再開します。5〜6月は植え替えと剪定、挿し木の適期です。暖かい日はレース越しの窓辺で日光によく当てます。
成長が盛んで乾きやすいので、2〜3日おきに土を確かめます。直射日光は葉焼けの原因になるため、レース越しか明るい日陰に置きます。エアコンの風を避け、葉水を毎日行ってハダニを防ぎます。肥料は続けます。
9月で肥料を止め、水やりの間隔を少しずつ広げます。最低気温が12〜13°Cを下回る前に室内の明るい場所へ移します。取り込むときは暗い場所に急に移さず、窓辺に置いて落葉を防ぎます。
10°C以上の明るい室内に置き、水は表面が乾いて3〜4日後に控えめに与えます。冬は肥料を与えません。夜は窓際から部屋の中ほどへ移し、暖房で乾燥するので葉水を続けます。数枚の落葉なら春に回復します。
原因
置き場所の急な変化、寒さ、乾燥のいずれかです。ポリシャスは環境が変わると数日で葉をまとめて落とすことがあります。
対策
明るく暖かい定位置を決めて動かさず、冬は10°C以上を保ちます。枝がしなやかで皮の下が緑なら生きているので、水は土が乾いてから与えて新芽を待ちます。
原因
空気の乾燥やエアコンの風、または水切れです。冬の暖房の効いた部屋で起こりやすくなります。
対策
風の当たらない場所に移し、毎日葉水をします。傷んだ部分は元に戻らないので、気になる葉は縁に沿って切りそろえます。
原因
光不足による徒長です。暗い場所では節の間が伸び、下葉から落ちていきます。
対策
レース越しの明るい窓辺に移し、5〜7月に間延びした枝を葉の付け根の上で切り戻します。切った枝は挿し木に使えます。
原因
水のやりすぎや冬の過湿による根腐れです。根が傷むと水を吸えず、湿っていてもしおれます。
対策
水やりを止めて土を乾かします。改善しない場合は5〜6月に鉢から抜き、黒く柔らかい根を切って新しい土に植え替えます。
原因
ハダニの被害です。乾燥した室内で増えやすく、葉の汁を吸って色を抜きます。
対策
浴室でシャワーをかけて葉裏を洗い、3日おきに2〜3回繰り返します。予防として毎日の葉水を続けます。
ここにない症状は症状から調べるで、葉の色・しおれ・虫・病気などから逆引きできます。
ポリシャスの花言葉として「大きな愛」が紹介されることがありますが、由来ははっきりしていません。丸く重なり合う葉が、包み込むような優しい印象を与えることから結び付けられたともいわれ、新築祝いや引っ越し祝いに選ばれることがあります。
ポリシャスについて、風水で広く知られた決まった意味づけはありません。一般に、丸い葉の植物は気持ちを穏やかにし、人間関係を和らげるといわれます。丸葉のファビアンやバタフライは、リビングや寝室に置くと落ち着いた雰囲気になり、細かい葉のフルティコサは玄関などの明るい場所に映えます。
枝が生きていれば、多くの場合は回復します。ポリシャスは置き場所の変化や寒さ、乾燥に敏感で、環境が変わると数日で葉をまとめて落とすことがあります。枝先を軽く曲げてしなやかか、爪で皮を少し削って緑色が見えれば生きています。明るく暖かい場所に定位置を決めて動かさず、土が乾いてから水を与えて様子を見てください。寒い時期に落ちた場合は、5月以降に新しい芽が出てくることが多いです。
どちらも丸い葉のポリシャスで、葉の大きさと付き方が違います。ファビアンは手のひら大の丸い濃緑の葉で、葉裏がやや紫がかり、厚みのある葉が幹に沿って付きます。バタフライは小さめの丸い葉が段になって並び、蝶が羽を広げたように見えるのが名前の由来です。育て方はほぼ同じで、明るい日陰と冬の10°C以上が条件です。重厚感ならファビアン、軽やかさならバタフライを選ぶとよいでしょう。
冬は10°C以上を保つのが安心で、5°C前後になると葉が傷みます。熱帯性の植物なので、寒さが続くと葉を落とし、さらに冷えると枝先から枯れ込みます。最低気温が12〜13°Cを下回る前に室内へ取り込み、夜は冷える窓際から部屋の中ほどへ移してください。冬は水を控えめにし、土が乾いてから3〜4日待って与えると、根が冷えて傷むのを防げます。
5〜7月なら、高さの半分ほどまで切り戻しても新しい芽が出ます。残したい高さにある葉の付け根のすぐ上で切ると、その下の節から脇芽が伸びます。一度に葉を全部落とすと回復に時間がかかるため、葉の付いた枝を一部残すのが安全です。切り戻し後は明るい日陰で管理し、新芽が動いてから肥料を再開します。冬の強い剪定は株を弱らせるので避けてください。
かじらない場所に置けば育てられますが、注意が必要です。ASPCA(米国動物虐待防止協会)では、同じ仲間のバルフォーリーが犬と猫に有毒とされ、サポニン類による嘔吐やよだれなどの症状が挙げられています。ペットの届かない棚の上に置き、落ちた葉はこまめに片付けてください。ペットのいる家で安心して置きたい場合は、無毒とされるテーブルヤシやカラテアなども候補になります。
執筆: Hapot編集部
植物を迎えたばかりの人が枯らさずに育てられるように、植物図鑑と症状別の記事を編集しているチームです。農林水産省や農研機構など公的機関の栽培指針を確認したうえで、温度や頻度を数値で示し、迷いやすい判断は結論から書くことを大切にしています。誤りや古くなった情報はお問い合わせから受け付け、確認のうえ更新しています。