苗・株の選び方
11〜12月に実の付いた株を買うと、実付きと実の色をその場で確かめられます。赤い実か、黄色い実のキミノセンリョウかを名札で確認します。
良い株は、根元から3本以上の枝が立っているもの、葉が濃い緑でツヤがあり下葉まで残っているもの、実が枝先にまとまって付き、しなびていないものです。葉が黄色く焼けた株や、枝に白い殻のカイガラムシが付いた株は避けます。正月用の寄せ植えは根が少ない株が混ざることがあるので、長く育てるなら単独の鉢苗を選びます。
Hapot編集部より
センリョウ(千両)は、日陰に強く、庭の北側や玄関脇の暗い場所でも赤い実を楽しめる常緑の小低木で、手間をかけずにお正月の彩りがほしい人に向いています。高さは50cm〜1mほどで、6〜7月に花びらのない黄緑色の小さな花を咲かせ、11〜12月に実が赤く熟します。実が葉の上に集まって上向きに付くのが特徴で、葉の下に実を垂らすマンリョウとはここで見分けられます。実の付いた枝は正月の生け花や寄せ植えの定番で、黄色い実のキミノセンリョウもあります。庭植えでも鉢植えでも育ち、植えたあとの手入れは年に数回で済みます。育て方の要点は、夏の直射日光と乾燥を避けることと、実を付け終えた古い枝を根元から切って株を若返らせることの2つです。いっぽうで、色づいた実はヒヨドリなどの鳥に食べられやすく、「実がならない」「実が消えた」という悩みが多い木でもあります。毒性は特に知られていませんが、実は食用にはしません。

水やり
庭植えは根付けば雨任せ。鉢は表面が乾き始めたら
日光
日陰
温度の目安
-5〜35°C程度(霜と夏の直射日光に弱い)
湿度
50-70%
土
水はけと水もちのよい、腐植の多い弱酸性の土
大きさの目安
高さ50cm〜1m、横幅40〜60cm前後の株立ち。鉢植えは30〜60cmほど。
成長の速さ
ゆっくり(年に10〜15cm。高さ50cm〜1m)
温度の目安(耐寒〜耐暑)
-5〜35°C程度(霜と夏の直射日光に弱い)
肥料
2月の寒肥と、9月に少量の追肥
成長速度
ゆっくり(年に10〜15cm。高さ50cm〜1m)
毒性
毒性は特に知られていない。実は食用にはしない
実が葉の上に上向きに付くのがセンリョウ、葉の下に垂れるのがマンリョウです。センリョウの実は鳥に食べられやすいので、11月に色づき始めたら防鳥ネットで守ります。
11〜12月に実の付いた株を買うと、実付きと実の色をその場で確かめられます。赤い実か、黄色い実のキミノセンリョウかを名札で確認します。
良い株は、根元から3本以上の枝が立っているもの、葉が濃い緑でツヤがあり下葉まで残っているもの、実が枝先にまとまって付き、しなびていないものです。葉が黄色く焼けた株や、枝に白い殻のカイガラムシが付いた株は避けます。正月用の寄せ植えは根が少ない株が混ざることがあるので、長く育てるなら単独の鉢苗を選びます。
センリョウは木漏れ日が当たる程度の明るい日陰でいちばんよく育ちます。もともと暖地の林の中に自生する植物で、強い日差しが苦手です。夏の直射日光に半日以上当たると、葉が黄色く焼けて実付きも悪くなります。午前中だけ日が差す東側や、建物の北側、高い木の下が向いています。寒さにはやや弱く、-5°C前後を下回る地域や霜が直接降りる場所では葉が傷むため、寒冷地は鉢植えにして冬は軒下や玄関に移します。室内で実を観賞するのは1〜2週間にとどめ、暖房の風が当たらない場所に置きます。
よくある失敗は、日なたの花壇に植えて夏に葉が茶色く焼けることです。春か秋に日陰へ移植し、焼けた葉は新しい葉に入れ替わるのを待ちます。
根が浅く広がり乾燥に弱いので、土の表面が乾き始めたらたっぷり与えるのが基本です。鉢植えは春と秋は2〜3日に1回、夏は朝に毎日確認し、冬は土が乾いてから1〜2日おいて与えます。庭植えは根付けば雨任せで育ちますが、梅雨明けから晴天が1週間以上続くときは、朝か夕方に株元へ与えます。6〜7月の開花中は花に水をかけず、株元に注ぎます。夏の水切れは青い実が落ちる原因になります。株元に腐葉土を敷いておくと乾きにくくなります。
よくある失敗は、真夏に鉢をからからにして葉がしおれ、実がぽろぽろ落ちることです。日陰に移し、水を張ったバケツに鉢ごと10分ほど浸けると、数日で葉が戻ります。
水はけと水もちを両立した、腐葉土の多い弱酸性の土が向いています。鉢植えは赤玉土小粒5、腐葉土3、鹿沼土2の配合か、市販の花木用培養土に腐葉土を1〜2割足して使います。鉢底には鉢底石を1〜2cm敷きます。庭植えは植え穴を根鉢の2倍に掘り、掘った土に腐葉土や堆肥を3割ほど混ぜます。粘土質で水がたまる場所は10cmほど高く盛って植え、乾きやすい砂地は腐葉土を多めにします。植え付け後は株元をバークチップや腐葉土で覆うと、夏の乾燥と冬の霜から浅い根を守れます。
センリョウは、春から伸びた新しい枝の先に花を咲かせ、冬に実を付けます。実を付けた枝は翌年は花が付きにくくなるため、実を楽しんだあとの2〜3月に、実の付いた古い枝を地際から切り、根元から出る若い枝と入れ替えます。正月飾り用に実の付いた枝を年末に根元から切れば、そのまま剪定を兼ねられます。株全体で5〜10本の枝が残るようにすると、風通しもよくなります。4月以降に枝の先を切ると、その年の花をまとめて落とします。
よくある失敗は、背丈をそろえようと春に枝先を切りそろえ、冬に実がまったく付かないことです。その年はそのまま伸ばし、翌年の2〜3月に古い枝の更新だけを行うと実付きが戻ります。
時期と道具を確かめる
実を楽しんだあとの2〜3月に、清潔な剪定ばさみで行います。4月以降は枝先に花が付くので先端は切りません。
切る枝を選ぶ
実を付け終えた古い枝、下葉が落ちて上だけに葉が残る枝、枯れた枝、株の内側で混み合った枝を選びます。
地際から切る
選んだ枝を地際に近い位置で切ります。株全体で5〜10本の枝が残るようにし、根元から出た若い枝はそのまま残します。
寒肥と片付け
剪定が終わったら株の周りに有機質肥料の寒肥を施します。切った枝にカイガラムシが付いていれば、袋に入れて処分します。
植え付けと植え替えの適期は、新芽が動く前の4月か、暑さの落ち着いた9月下旬から10月です。鉢植えは根が鉢いっぱいに回って水の染み込みが悪くなったら、2〜3年に1回、一回り大きな鉢に植え替えます。根が細く浅く張るので、根鉢は肩と底を軽くほぐす程度にとどめ、黒く傷んだ根だけを取り除きます。深植えにせず、根鉢の上面が鉢の縁より2〜3cm下になる高さで植えます。植え替え後は2週間ほど明るい日陰で休ませ、肥料は新芽が伸び始めてから与えます。
よくある失敗は、真夏に植え替えて根を崩し、葉がほとんど落ちることです。日陰で水を切らさずに管理すると地際から新しい芽が出てくることが多いので、捨てずに待ちます。
時期と用意するもの
4月か、9月下旬から10月に行います。一回り大きな鉢、赤玉土と腐葉土と鹿沼土、鉢底石、清潔なハサミを用意します。
株を抜いて根を確認する
鉢から抜き、根鉢の肩と底を軽くほぐす程度にとどめます。根が細く浅いので大きく崩さず、黒く傷んだ根だけを切り取ります。
浅めに植え直す
鉢底石を敷いて土を入れ、根鉢の上面が鉢の縁より2〜3cm下になる高さで据えます。周りに土を入れ、棒で突いて隙間をなくします。
水やりと養生
鉢底から流れ出るまで水を与え、2週間ほど明るい日陰で休ませます。新芽が伸び始めたら、株元に腐葉土を敷いて乾燥を防ぎます。
家庭では赤い実から種を採る実まきと、4月の株分けが手軽です。実まきは、熟した実の果肉を水の中でつぶして洗い落とし、乾かさないうちにすぐまくか、湿らせた砂に混ぜて冷蔵庫で保管し、3月にまきます。土を1cmほどかけて日陰で乾かさずに管理すると春から初夏に芽が出て、実が付くまでには3年ほどかかります。株分けは、根元から何本も枝が出た株を掘り上げ、1株に枝2〜3本と根が付くように分けます。挿し木も6〜7月にできますが、発根には時間がかかります。
よくある失敗は、果肉を付けたまままいて芽が出ないことです。果肉には発芽を妨げる成分があるとされるので、しっかり洗ってからまき直します。
時期と実の準備
12月から3月に、よく熟した赤い実を摘みます。種まき用土か赤玉土小粒、鉢、目の細かいざるを用意します。
果肉を洗い落とす
実を水の中で指でつぶし、果肉と皮をざるでこすって洗い流します。底に沈んだ種を使い、乾かさないうちにまきます。
種をまく
湿らせた用土に種を2cm間隔で並べ、土を1cmほどかけます。すぐにまけないときは湿った砂に混ぜて冷蔵庫で保管し、3月にまきます。
発芽まで管理する
明るい日陰で土を乾かさないように管理します。春から初夏に芽が出たら、本葉が3〜4枚になった株から1本ずつ鉢に分けます。
病害虫は少ない木ですが、風通しの悪い株にはカイガラムシが付き、排せつ物からすす病が出ます。枝に白や茶色の小さな殻が付き、葉が黒く汚れてきたら、歯ブラシでこすり落とし、古い枝を間引いて風を通します。冬に用途に登録のあるマシン油乳剤をラベルどおりに散布すると予防になります。室内や乾いた軒下では、葉裏にハダニが付いて葉がかすれたように白くなることがあり、霧吹きで葉裏に水をかけると減らせます。もう一つの困りごとは鳥で、11月ごろから色づいた実をヒヨドリなどが食べに来ます。
よくある失敗は、正月用に残した実が年末に一晩でなくなることです。実が色づき始めたら防鳥ネットをふんわりかけ、使う枝は早めに切って水にいけておきます。
4月は植え替えと株分けの適期です。肥料は2月の寒肥が効いているので追加しません。置き場所は明るい日陰のままにし、土の表面が乾き始めたら水を与えます。4月以降は枝先を切らず、新芽に付くアブラムシに注意します。
6〜7月に花が咲きます。直射日光と西日の当たらない日陰に置き、鉢は朝に毎日乾き具合を見て水を与えます。夏は肥料を与えません。開花中の長雨は実付きを悪くするので鉢は軒下へ移し、葉焼けと水切れに注意します。
9月に少量の追肥をして株の体力を保ちます。暑さが落ち着いたら水やりを控えめにし、明るい日陰で育てます。11月ごろから実が赤く色づくので、鳥に食べられないよう防鳥ネットを用意します。
実の付いた枝は正月飾りに切って使えます。寒冷地の鉢は霜の当たらない軒下へ移し、水は土が乾いてから与えます。2月に寒肥を施し、2〜3月に実を付けた古い枝を根元から切ります。乾いた室内ではハダニと実のしなびに注意します。
原因
6〜7月の開花中に雨が続いて受粉しなかったか、日陰が暗すぎる、夏の直射日光で株が弱った、実を付けた古い枝ばかりの株であることが多い原因です。
対策
鉢植えは開花中だけ軒下へ移し、置き場所は木漏れ日程度の明るい日陰にします。2〜3月に実を付けた古い枝を根元から切り、若い枝に入れ替えます。
原因
ヒヨドリなどの鳥が冬の餌として実を食べたためです。センリョウの実はマンリョウより鳥に好まれやすいとされます。
対策
実が色づき始める11月に防鳥ネットを株全体にふんわりかけます。正月飾りに使う枝は、色づいたら早めに根元から切って水にいけておきます。
原因
夏の直射日光や西日による葉焼けか、真夏の水切れが考えられます。冬に霜や寒風に当たった場合も葉が茶色く傷みます。
対策
明るい日陰へ移し、土の表面が乾き始めたら水を与えます。傷んだ葉は戻らないので、新しい葉が出るのを待ち、春の更新剪定で古い枝ごと整理します。
原因
鉢の水切れか、暖房の効いた乾いた室内に長く飾ったことが原因です。
対策
室内での観賞は1〜2週間にとどめ、暖房の風が当たらない涼しい場所に置きます。鉢土が乾いていればたっぷり水を与え、屋外の軒下へ戻します。
原因
風通しの悪い株に付いたカイガラムシの排せつ物にカビが生えるすす病です。
対策
枝の殻を歯ブラシでこすり落とし、混み合った古い枝を根元から間引きます。冬に用途に登録のあるマシン油乳剤をラベルどおりに散布すると予防になります。
ここにない症状は症状から調べるで、葉の色・しおれ・虫・病気などから逆引きできます。
センリョウの花言葉は「富」「財産」「恵まれた才能」とされます。千両という名前が大金を思わせることや、寒い時期に実をたわわに付ける姿から生まれた言葉といわれます。名前は、マンリョウより実が少なく軽やかに見えることから千両と呼ばれたという説があります。
センリョウは名前の縁起から商売繁盛や金運の木とされ、マンリョウやアリドオシと並べて「千両万両有り通し」と、お金に困らないことを願う寄せ植えにする習わしがあります。風水では玄関に置くとよいとされますが、根拠の薄い話なので、日陰に強い性質を生かせる場所を優先して選びます。
いちばん分かりやすい違いは、実が葉の上に付くか下に付くかです。センリョウは枝の先の葉の上に実が上向きに集まり、マンリョウは葉の下に実が垂れ下がります。葉はセンリョウのほうが縁のギザギザが鋭く、枝の節に向かい合って付きます。マンリョウの葉は縁が波打ち、枝に互い違いに付きます。分類もセンリョウはセンリョウ科、マンリョウはサクラソウ科(旧ヤブコウジ科)で別の仲間です。センリョウの実は鳥に食べられやすく、マンリョウの実は春まで残りやすい傾向があります。
多い原因は、置き場所の光の加減と、開花期の雨、古い枝の3つです。暗すぎる日陰では花が少なく、夏の直射日光では株が弱って実が付きにくくなります。6〜7月の開花中に雨が続くと受粉しにくくなり、実を付けた古い枝ばかりの株も花が減ります。木漏れ日程度の明るい日陰に置き、開花中は鉢を軒下へ移し、2〜3月に古い枝を根元から切って若い枝に入れ替えると、実付きがよくなります。
実が色づき始める11月に、防鳥ネットを株全体にかけておくのが確実です。センリョウの実は葉の上に目立って付くため、ヒヨドリなどに見つかりやすく、年末に一晩でなくなることもあります。ネットは実に触れないようふんわりかけ、すそを株元で留めます。正月飾りに使う枝は、色づいたら早めに根元から切り、水を入れた花瓶にいけておくと鳥に取られずに済みます。
育ちます。むしろ木漏れ日程度の明るい日陰が最も向いています。建物の北側や高い木の下、午前中だけ日が差す東側など、ほかの花木が育ちにくい場所でも葉がよく茂ります。ただし、一日中ほとんど光の入らない場所では花が減り、実付きが悪くなります。反対に夏の直射日光は葉焼けの原因になるので、日なたの庭なら午後に日陰になる位置を選びます。
切り枝は茎の先を水の中で斜めに切り直し、涼しい場所に飾るのが長持ちのコツです。暖房の風が当たる場所や日の差す窓辺では、実と葉がしなびやすくなります。花瓶の水は2〜3日ごとに替え、そのたびに切り口を少し切り戻します。鉢植えを室内に飾る場合は1〜2週間を目安にし、松の内が明けたら屋外の軒下へ戻して、土が乾いていれば水を与えます。
実を楽しんだあとの2〜3月に、実を付けた古い枝を地際から切ります。センリョウは春から伸びた新しい枝に花と実を付け、実を付けた枝は翌年は花が付きにくくなるため、古い枝を若い枝に入れ替えていくのが基本です。年末に正月飾り用の枝を根元から切るのも同じ剪定になります。4月以降に枝先を切るとその年の花を落とすので、春から夏は形が乱れても先端は切りません。
10月の季節の作業と、センリョウの手入れで迷いやすいところに合わせて選んでいます。
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執筆: Hapot編集部
植物を迎えたばかりの人が枯らさずに育てられるように、植物図鑑と症状別の記事を編集しているチームです。農林水産省や農研機構など公的機関の栽培指針を確認したうえで、温度や頻度を数値で示し、迷いやすい判断は結論から書くことを大切にしています。誤りや古くなった情報はお問い合わせから受け付け、確認のうえ更新しています。