苗・株の選び方
良い苗は、株元から太いシュートが2〜3本以上出ていること、葉色が濃く縮れや斑点がないこと、ラベルに品種名と「ラビットアイ系」の表記があることの3点で選びます。
避けたいのは、系統や品種名の書かれていない苗と、ポットの中で根が固く回りきって葉が黄ばんでいる苗です。必ず同じラビットアイ系の別品種を2品種以上選び、開花期が重なる組み合わせにします。たとえば「ティフブルー」と「ホームベル」は、昔からよく組み合わされてきた品種です。2〜3年生の苗なら、植えた翌年から少し実が付き始めます。
ラビットアイ系ブルーベリーの育て方の要点
Hapot編集部より
ラビットアイ系ブルーベリーは、暑さに強く樹勢が旺盛で、暖地の家庭果樹として育てやすいブルーベリーです。ブルーベリー全般と比べると、樹高が1.5〜3mと大きく育ち、土質を選ばない方で多少の乾燥にも耐える一方、自分の花粉ではほとんど実がならず、同じラビットアイ系の別品種を2品種以上植えることが必須です。
学名は Vaccinium virgatum(以前は V. ashei)で、アメリカ南東部が原産です。名前の由来は、熟す前の実がピンク色に色づく様子をうさぎの赤い目にたとえたものとされます。収穫は7月中旬〜9月と遅く、ハイブッシュ系の収穫が終わる頃から始まります。粒は中粒が多く、皮がやや厚くしっかりした甘みがあり、日持ちのよさも特徴です。
代表的な品種には「ティフブルー」「ホームベル」「ウッダード」「パウダーブルー」「ブライトウェル」などがあります。冬の低温要求が少ないので関東以西の平野部なら庭植えでもよく育ち、株元から新しい枝が次々に出るため、長く収穫を楽しめます。

水やり
鉢は土の表面が乾いたら。真夏は朝夕2回、庭植えは晴天続きのときに
日光
直射日光
温度の目安
-10〜35°C(暑さに強い)
湿度
50-70%
土
酸性土壌(pH4.5〜5.5)。ハイブッシュ系より土質を選ばない
大きさの目安
樹高1.5〜3m、株張り1.5m前後。鉢植え(12号以上)では剪定で1.5m前後に保てます。
成長の速さ
速い(樹勢が強い)
温度の目安(耐寒〜耐暑)
-10〜35°C(暑さに強い)
肥料
3月・5月・収穫後の9月に少量。硫安などの酸性肥料
成長速度
速い(樹勢が強い)
毒性
なし(食用)
同じラビットアイ系の別品種を必ず2品種以上植えます。樹勢が強いので、冬の剪定は枝を減らすことが中心です。
良い苗は、株元から太いシュートが2〜3本以上出ていること、葉色が濃く縮れや斑点がないこと、ラベルに品種名と「ラビットアイ系」の表記があることの3点で選びます。
避けたいのは、系統や品種名の書かれていない苗と、ポットの中で根が固く回りきって葉が黄ばんでいる苗です。必ず同じラビットアイ系の別品種を2品種以上選び、開花期が重なる組み合わせにします。たとえば「ティフブルー」と「ホームベル」は、昔からよく組み合わされてきた品種です。2〜3年生の苗なら、植えた翌年から少し実が付き始めます。
日当たりのよい場所で育てる点はブルーベリー全般と同じで、ラビットアイ系は暑さに強く、関東以西の暖地で最も育てやすい系統です。1日5〜6時間以上日の当たる庭に、同じ系統の別品種を1.5〜2m間隔で並べて植えるのが理想です。樹高が2〜3mになるので、ベランダより庭植えに向き、鉢植えなら10号以上の大鉢で剪定しながら育てます。冬の低温要求が少ないため、九州や四国の温暖な地域でも花芽がよく動きます。
寒冷地では、-10°Cを下回る冷え込みで枝先が傷んだり、秋の冷え込みまでに実が熟しきらなかったりすることがあるため、ハイブッシュ系のほうが向いています。
よくある失敗は、1本だけ植えて、花は咲くのに実がほとんど付かないことです。開花期の合う別品種の鉢を隣に置くだけでも、翌年から実付きが目に見えて変わります。
ラビットアイ系はハイブッシュ系より根が深く張り、乾燥に比較的強い系統ですが、浅根性のブルーベリーであることに変わりはありません。庭植えは根付けば普段は雨任せでよく、梅雨明けから9月は晴天が5日以上続いたら朝にたっぷり与えます。実が熟す7月中旬〜9月は真夏と重なるため、鉢植えは朝夕2回の水やりを欠かさないようにします。株元のマルチングは、地温の上昇を抑える効果もあります。
冬は土が乾いたら月2〜3回、暖かい日の午前中に与えます。
よくある失敗は、8月の帰省中に鉢の水を切らし、熟しかけた実と葉が一度にしおれることです。帰宅後は日陰で鉢ごと水に浸けて吸わせ、傷んだ実は摘み取ります。翌年からは留守の間だけ鉢を半日陰に移し、受け皿に水を張っておくと乾きを和らげられます。
ラビットアイ系はブルーベリーの中では土質を選ばない方で、pH5.5前後のやや酸性の弱い土や、有機質の少ない土にも比較的よく適応します。それでも基本は酸性土で、鉢植えはブルーベリー専用土か、酸度未調整のピートモス4、鹿沼土小粒6の配合に鉢底石を2〜3cm敷きます。庭植えは直径・深さ50cm以上の植え穴に、掘り上げた土と同量のピートモスを混ぜて植えます。苦土石灰や草木灰は土をアルカリ性に傾けるので入れません。粘土質の庭では10〜20cm盛り土をして、水はけを確保します。
ラビットアイ系は樹勢が強く、株元から新しい枝(シュート)が毎年たくさん出るのが特徴で、剪定の中心は枝を減らすことです。落葉期の12〜2月に、主軸になる太い枝を5〜7本ほど残して、細いシュートや株元から離れて出るひこばえを付け根から切ります。背が2mを超えて手が届かなくなった枝は、低い位置の勢いのよい枝の上で切り下げます。花芽は枝先に付くので、残す枝の先は切り詰めません。
よくある失敗は、樹勢の強さに任せて剪定を怠り、枝が混み合って株の中が暗くなり、実が小さく甘みも落ちることです。一度に切りすぎると翌年の収穫が大きく減るので、古い枝を毎冬1〜2本ずつ根元から抜き、2〜3年かけて風通しのよい株に整え直します。
12〜2月にノコギリと剪定ばさみを用意する
落葉期に行います。太い枝を切るノコギリ、剪定ばさみ、高い枝に届く脚立を用意します。
主軸を5〜7本に絞る
株元から伸びる太い枝のうち、勢いのよい5〜7本を主軸として残し、それ以外の細いシュートを付け根から切ります。
ひこばえを根元から切る
株元から離れて出るひこばえを根元から切ります。株分けに使う場合は、太い根を付けて掘り上げます。
高すぎる枝を切り下げる
2mを超えた枝は、低い位置の勢いのよい枝の上で切ります。一度に全部切らず、毎冬1〜2本ずつ進めます。
枝先は切り詰めずに残す
花芽は枝先に付くので、残した枝の先端は切り詰めません。剪定後は3月に酸性肥料を与えて芽吹きを支えます。
ラビットアイ系は大きく育つので、鉢植えは2年に1回、落葉期の11〜3月に植え替え、最終的に12号以上の大鉢で維持します。根の量が多く鉢の中ですぐ根が回るため、鉢底から根が出ていたら、前回から1年でも植え替えます。根鉢の外側をほぐし、湿らせた酸性用土でひと回り大きな鉢に植え直します。株元から離れて出たシュートは、植え替えのときに根ごと切り分けると新しい株にできます。
庭植えは11月か3月に、株間1.5〜2mで、必ず別品種と組み合わせて植えます。
よくある失敗は、根詰まりのまま夏を迎え、毎日水を与えても昼に葉がしおれることです。その年は朝夕の水やりで乗り切り、落葉後の11月にひと回り大きな鉢へ植え替えると、翌春の新梢の勢いが戻ります。
11〜3月に大鉢と酸性用土を用意する
落葉期に行います。ひと回り大きな鉢(最終的に12号以上)、ブルーベリー専用土かピートモス4・鹿沼土小粒6の配合土、鉢底石を用意します。
ピートモスを湿らせておく
ピートモスはバケツで水を含ませ、軽く絞ってから使います。乾いたままだと水をはじき、植え付け後に根が乾きます。
根鉢をほぐしてシュートを分ける
株を抜いて根鉢の外側をほぐします。株元から離れて出たシュートは、太い根を付けて切り分けると新しい株にできます。
酸性用土で植え直す
鉢底石を2〜3cm敷き、元と同じ深さで植えます。苦土石灰や草木灰は入れず、株元にバークチップを敷いて乾燥を防ぎます。
別品種の鉢と並べて置く
鉢底から流れるまで水を与え、日当たりのよい場所に、受粉の相手になる別品種の鉢と並べて置きます。
ラビットアイ系はブルーベリーの中で挿し木が成功しやすい系統とされます。6月の緑枝挿しなら、今年伸びた充実した枝を10cmほどに切り、上の葉を2〜3枚残して酸性の挿し木用土に挿すと、1〜2か月で発根します。2〜3月の休眠枝挿しも、前年枝を10〜15cmに切って同じように挿せます。増やした苗で受粉の相手を作るなら、親とは別の品種の枝を挿すことが大切で、同じ品種どうしでは受粉の相手になりません。
株元から少し離れて出たシュートを、3月に根を付けて切り分ける株分けもできます。
よくある失敗は、親株のシュートを細い根ごと無理に引き抜き、根が足りずに枯れることです。株分けは太い根が付いたシュートを選び、地上部を半分に切り詰めて植えると活着しやすくなります。
6月に挿し穂と酸性用土を用意する
緑枝挿しは6月が適期です。清潔なハサミ、鹿沼土かピートモスと鹿沼土の混合土を入れた鉢、品種名を書くラベルを用意します。
今年の枝を10cmに切る
今年伸びた充実した枝を10cmほどに切り、下側を斜めに整えます。受粉の相手を作るなら、親と別の品種から取ります。
上の葉を2〜3枚残す
下の葉を取り、上の葉を2〜3枚残します。大きな葉は半分に切って、水分が抜けすぎないようにします。
湿らせた用土に挿す
湿らせた酸性用土に3〜4cmの深さで挿し、周りを押さえます。挿した後は鉢底から流れるまで水を与えます。
明るい日陰で1〜2か月管理する
直射日光の当たらない明るい場所で、用土を乾かさないよう管理します。1〜2か月で発根したら、翌春に鉢上げします。
ラビットアイ系は丈夫で病気が少なく、家庭ではほぼ無農薬で育てられる系統です。収穫期が7月中旬〜9月と長いため、防鳥ネットは実がピンク色に色づき始めた時点で張り、収穫が終わるまで外さないようにします。夏は葉を食べるイラガの幼虫がつきやすく、触ると強く痛むので、葉の裏に集団でいる若い幼虫のうちに葉ごと切り取ります。枝が混み合うと幹にカイガラムシがつくことがあり、冬の剪定で古い枝を抜くと予防になります。鉢植えはコガネムシの幼虫にも注意します。
よくある失敗は、ネットを早く外して、遅く熟す品種の最後の実を鳥にすべて食べられることです。晩生の品種が残っているうちはネットを張り続け、裾を地面まで下ろして留めます。
3月に酸性肥料を与え、4〜5月の開花期は別品種と花期が重なっているかを確かめ、筆で花をなでて受粉を助けます。水は土が乾いたら与え、日当たりのよい場所に置きます。5月に追肥し、新梢につくアブラムシに注意します。
実はピンク色から青紫に変わり、全体が色づいてから1週間ほど樹上で待つと甘くなります。7月中旬〜9月に何度かに分けて収穫します。水は朝夕2回、肥料は収穫中は与えません。防鳥ネットを張り、イラガの幼虫に注意します。
収穫が終わった9月にお礼肥を与え、水は土が乾いたら与えます。日当たりのよい場所で、秋の紅葉と花芽の充実を待ちます。11月は植え付けの適期で、別品種と組み合わせて植えます。鉢の土の中のコガネムシの幼虫に注意します。
落葉して休眠し、水は土が乾いたら月2〜3回、肥料は与えません。屋外の日なたに置き、-10°C程度まで耐えます。12〜2月に混み合ったシュートを間引く剪定を行い、伸びすぎた株は高さを切り下げます。寒冷地では寒風による枝先の傷みに注意します。
原因
受粉の相手がいないことが原因です。ラビットアイ系は自分の花粉ではほとんど実が付かず、同じ品種どうしでも受粉しません。
対策
開花期の重なる同じラビットアイ系の別品種を近くに植えるか、鉢を隣に置きます。開花中に筆で品種間の花粉を移すとさらに確実です。
原因
まだ熟していない実です。ラビットアイ系の実はピンクから青紫へ時間をかけて色づき、ピンクの段階では酸味が強いままです。
対策
全体が青紫になり、軸の付け根まで色が回ってから1週間ほど待って収穫します。待つ間に鳥に食べられないよう防鳥ネットを張っておきます。
原因
剪定不足です。樹勢が強くシュートが毎年たくさん出るため、放置すると枝が混み合い、株の中が暗くなって実が小さくなります。
対策
12〜2月に主軸を5〜7本に絞り、細いシュートやひこばえを付け根から切ります。高すぎる枝は毎冬1〜2本ずつ低い位置で切り下げます。
原因
イラガの幼虫です。夏に葉の裏に集団でつき、成長すると葉を食べ尽くします。触ると強い痛みがあります。
対策
手袋をして、幼虫が集団でいる葉ごと切り取って処分します。7〜9月は葉の裏を見回り、若い幼虫のうちに取り除きます。
原因
カイガラムシです。枝が混み合って風通しが悪いと発生しやすく、樹液を吸って枝を弱らせます。
対策
歯ブラシでこすり落とし、ひどい枝は冬の剪定で切り取ります。混み合った枝を間引いて、株の中に風と光を通します。
ここにない症状は症状から調べるで、葉の色・しおれ・虫・病気などから逆引きできます。
ブルーベリーの花言葉には「実りある人生」「知性」「親切」などがあります。ラビットアイ系は、別品種と寄り添って植えることで初めて実を結ぶ系統で、互いに花粉を分け合う姿は「親切」の言葉によく重なります。品種独自の花言葉は特に定められていないとされます。
風水では、たわわに実る果樹は豊かさと家庭円満の象徴とされます。2品種以上を並べて植えて実を結ぶラビットアイ系は、良縁や夫婦円満を表す縁起木ともいわれます。秋の鮮やかな紅葉も、南の庭に置くと明るい気を呼び込むとされます。
熟す前の実がピンク色に色づく様子を、うさぎの赤い目にたとえた名前とされます。ラビットアイ系の実は、緑からピンク、赤紫を経て、最後に青紫に色づきます。このピンク色の時期が長く目立つことから、英語で rabbiteye(うさぎの目)と呼ばれるようになりました。ピンク色の実はまだ酸っぱいので、全体が青紫になってから1週間ほど樹上で待って収穫します。鳥はピンクの頃から狙うので、色づき始めたら防鳥ネットを張ります。
1本だけではほとんど実がならないので、同じラビットアイ系の別品種を2品種以上植えることが必須です。ラビットアイ系は自分の花粉では受精しにくい性質が強く、同じ品種を2本植えても受粉の相手になりません。開花期の重なる別品種を、庭なら1.5〜2m間隔、鉢なら隣に並べて置きます。4〜5月の開花中に筆で花をなでて、品種間で花粉を移すと実付きがさらによくなります。3品種以上あると、受粉がより安定します。
開花期が重なる品種どうしを組み合わせるのが条件で、「ティフブルー」と「ホームベル」は昔からよく組まれてきた組み合わせです。ほかに「ウッダード」「パウダーブルー」「ブライトウェル」なども家庭向けによく流通しています。苗を買うときは、ラベルの系統が両方とも「ラビットアイ系」であることを確かめます。熟期の違う品種を組み合わせると、7月中旬〜9月まで長く収穫できる利点もあります。迷ったら、園芸店で受粉用の組み合わせを相談するのが確実です。
関東の平野部では7月中旬〜9月が目安で、ハイブッシュ系より遅く熟します。実はピンク色から青紫へ変わり、全体が色づいてから1週間ほど樹上で待つと甘みが増します。軸の付け根まで青紫になり、軽くつまんでポロッと取れる実から、数日おきに分けて収穫します。熟期は品種によって違うので、早めの品種と遅めの品種を組み合わせると収穫期間が延びます。収穫が終わったら、9月にお礼肥を与えます。
-10°C程度までは耐えますが、寒冷地ではハイブッシュ系、特にノーザンハイブッシュのほうが向いています。ラビットアイ系は暖かい地域の出身で、厳しい冷え込みで枝先が傷むことがあるうえ、収穫が7月中旬〜9月と遅いため、秋の早い地域では実が熟しきらないことがあります。寒冷地でどうしても育てたい場合は、鉢植えにして真冬は寒風の当たらない軒下へ移し、早めに熟す品種を選びます。
育てられますが、樹が大きくなる系統なので、最終的に12号以上の大鉢と毎年の剪定が必要です。ラビットアイ系は庭植えでは樹高2〜3mになり、鉢でも根の量が多くすぐに根詰まりします。2年に1回、落葉期の11〜3月にひと回り大きな鉢へ植え替え、冬の剪定で主軸を5〜7本ほどに絞って高さを抑えます。受粉の相手として別品種の鉢も必要なので、ベランダの広さに余裕がない場合は、コンパクトなハイブッシュ系も検討します。
落葉期の12〜2月に、高すぎる枝を低い位置の勢いのよい枝の上で切り下げます。一度に全部の枝を短くすると翌年の実がほとんどなくなるので、古い枝を毎冬1〜2本ずつ根元から抜き、2〜3年かけて背を低くしていきます。株元から出る細いシュートやひこばえも付け根から切り、主軸を5〜7本ほどに絞ります。花芽は枝先に付くため、残す枝の先は切り詰めないようにすると、剪定した冬の翌年も収穫を楽しめます。
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執筆: Hapot編集部
植物を迎えたばかりの人が枯らさずに育てられるように、植物図鑑と症状別の記事を編集しているチームです。農林水産省や農研機構など公的機関の栽培指針を確認したうえで、温度や頻度を数値で示し、迷いやすい判断は結論から書くことを大切にしています。誤りや古くなった情報はお問い合わせから受け付け、確認のうえ更新しています。