苗・株の選び方
苗は、名札で実ザクロの品種かを確かめて選びます。八重咲きの花ザクロは花を楽しむ種類で、実はほとんどなりません。ヒメザクロは鉢で飾るのに向きますが、食べる実を求めるなら水晶ザクロなどの実ザクロを選びます。
良い苗は、幹が太くしっかりしていて、枝に短い枝や芽がたくさん付いていて、根元がぐらつかないものです。避けたいのは、枝に白や茶色の殻のようなカイガラムシが付いた苗と、細くひょろ長い枝ばかりの苗です。すでに実がついた鉢植え苗なら、品種と実の大きさを確かめてから選べます。
Hapot編集部より
ザクロは、暑さや乾燥に強く病気も少ないので、手をかけすぎなくても育つ丈夫な果樹で、鉢植えで花と実の両方を楽しみたい人に向いています。6〜7月に朱赤色の花を咲かせ、9〜10月に熟した実は果皮が割れて、中に詰まった透き通った赤い粒(種の周りの果肉)を食べます。1本で実がなるので受粉樹はいりません。ただし、八重咲きの花ザクロは観賞用で実がほとんどならず、矮性のヒメザクロは実が直径3〜5cmと小さく、食べるより飾って楽しむ種類です。食べる実を収穫したいなら、水晶ザクロやワンダフルなどの実ザクロの品種を選びます。
接ぎ木苗や挿し木苗なら植えてから3〜5年ほどで実がなり始め、ヒメザクロは2〜3年で小さな実をつけます。花が咲いても実にならない花が多いのはザクロの性質で、付け根がふくらんだ花が実になります。管理は冬の剪定とひこばえ取り、年2回の肥料が中心です。

水やり
鉢は表面が乾いたら。庭植えは根付けば雨任せ
日光
直射日光
温度の目安
-10〜38°C(暑さと乾燥に強い)
湿度
30-60%
土
水はけのよい、やや乾きぎみの土
大きさの目安
庭植えで3〜5m。鉢植えは1〜1.5mに保てる。ヒメザクロは30cm〜1mほど。
成長の速さ
中(苗木から3〜5年で結実)
温度の目安(耐寒〜耐暑)
-10〜38°C(暑さと乾燥に強い)
肥料
2月と10月(収穫後)の年2回
成長速度
中(苗木から3〜5年で結実)
毒性
実は食用。樹皮や根は食べない
花が咲いても実がならない主な原因は、品種と枝先の切りすぎです。実ザクロの苗を選び、花芽がつく短い枝を残して冬に剪定すれば、毎年実をつけやすくなります。
苗は、名札で実ザクロの品種かを確かめて選びます。八重咲きの花ザクロは花を楽しむ種類で、実はほとんどなりません。ヒメザクロは鉢で飾るのに向きますが、食べる実を求めるなら水晶ザクロなどの実ザクロを選びます。
良い苗は、幹が太くしっかりしていて、枝に短い枝や芽がたくさん付いていて、根元がぐらつかないものです。避けたいのは、枝に白や茶色の殻のようなカイガラムシが付いた苗と、細くひょろ長い枝ばかりの苗です。すでに実がついた鉢植え苗なら、品種と実の大きさを確かめてから選べます。
一日中日の当たる、風通しのよい屋外が向いています。ザクロは日光を好み、日照が足りないと花が少なくなり、実も色づきにくくなります。暑さに強く、真夏の直射日光にも耐えます。寒さには-10°C前後まで耐えるので関東以西の平地では庭植えにでき、寒冷地では鉢植えにして冬は軒下や無加温の明るい場所へ移します。鉢植えは実ザクロなら8〜10号鉢、ヒメザクロなら5〜7号鉢が目安です。開花期の6〜7月に長雨に当たると受粉しにくくなるので、鉢は雨の当たらない軒下へ移すと実つきがよくなります。
よくある失敗は、半日陰の玄関先に置いて葉ばかり茂り、何年も花が咲かないことです。春に日なたへ移せば、その年か翌年から花が付き始めます。
ザクロは乾燥に強く、水のやりすぎのほうが失敗につながりやすい果樹です。鉢植えは土の表面がしっかり乾いてから、鉢底から流れ出るまでたっぷり与えます。春と秋は3〜4日に1回、夏は毎朝確認して乾いていれば与え、冬の落葉期は乾いてから4〜5日後で十分です。庭植えは根付いた後は雨任せで構いません。
避けたいのは、実が大きくなる夏から秋に乾かしすぎた後で、急に大量の水を与えることです。実が一気に水を吸い、熟す前に皮が割れる原因になります。受け皿に水をためたままにしないことも大切です。失敗例として、毎日水を与えて根腐れを起こし、葉が黄色く落ちることがあります。土が乾くまで水を止めると、新しい葉が出て回復します。
水はけのよい土を好み、やせた土地でも育ちます。鉢植えは赤玉土小粒6、腐葉土3、川砂1ほどの配合が目安で、市販の果樹用培養土も使えます。水はけをよくするため、鉢底には鉢底石を2〜3cm敷きます。庭植えは直径・深さ40〜50cmの植え穴を掘り、掘り上げた土に腐葉土か堆肥を2〜3割混ぜます。粘土質で水が溜まりやすい場所では、土を盛り上げて高植えにすると根腐れを防げます。肥沃すぎる土や窒素の多い肥料は枝葉ばかり茂らせるので、元肥は控えめにします。
剪定は、葉が落ちた12〜2月の休眠期に行います。ザクロは充実した短い枝の先に翌年の花芽がつくので、短い枝は切らずに残すのが基本です。長く勢いよく伸びた徒長枝は花がつきにくいので付け根から切るか、3分の1ほどに切り詰めます。枯れ枝、内側へ向かう枝、交差する枝も付け根から間引きます。根元から出るひこばえは養分を奪うので、冬に限らず見つけしだい切り取ります。鉢植えは高さ1〜1.5mを目安に、上へ伸びた枝を外向きの枝の分かれ目で切り戻します。
よくある失敗は、生け垣のように枝先を全部刈り込み、翌年の花がほとんど咲かなくなることです。翌冬は短い枝を残して間引くだけにすると、花が戻ってきます。
時期と道具を準備する
葉が落ちた12〜2月に行います。剪定ばさみ、太い枝用のノコギリ、癒合剤、細いトゲから手を守る手袋を用意します。
ひこばえと不要な枝を切る
根元から出たひこばえを付け根から切ります。枯れ枝、内側へ向かう枝、交差する枝も付け根から間引きます。
徒長枝を整理する
長く勢いよく伸びた枝は花がつきにくいので、付け根から切るか3分の1ほどに切り詰めます。花芽のつく短い枝は残します。
高さを抑えて仕上げる
鉢植えは高さ1〜1.5mを目安に、上へ伸びた枝を外向きの枝の分かれ目で切ります。太い枝の切り口には癒合剤を塗ります。
鉢植えは根が詰まってくる2〜3年ごとに、落葉期の11〜3月に植え替えます。寒さの厳しい地域では、根を傷めないよう3月に行います。購入した苗の植え付けも同じ時期で、最初は7号鉢ほどから始め、実ザクロは最終的に8〜10号鉢まで大きくします。鉢から抜いて古い土を3分の1ほど落とし、黒く傷んだ根や長く巻いた根を切って、一回り大きな鉢に新しい土で植えます。大きさを保ちたいときは、根鉢を一回り削って同じ鉢に植え戻します。
よくある失敗は、花が咲く前の5〜6月に植え替えて根を切り、その年の花が落ちてしまうことです。植え替えは休眠期に済ませ、生育期は根に触れないようにします。
時期と用意するもの
落葉期の11〜3月に行い、寒冷地は3月にします。一回り大きな鉢、果樹用培養土、鉢底石、清潔なはさみを用意します。
根を整える
鉢から株を抜いて古い土を3分の1ほど落とします。黒く傷んだ根と、鉢底で長く巻いた根をはさみで切り詰めます。
新しい鉢に植える
鉢底石を2〜3cm敷いて土を入れ、元と同じ深さで株を置きます。周りに土を入れ、棒で突いて根の間の隙間を埋めます。
水やりと養生
鉢底から流れ出るまで水を与え、日当たりのよい屋外に置きます。寒冷地では軒下に置き、肥料は2月の寒肥から与えます。
ザクロは挿し木で根付きやすく、家庭でも手軽に増やせます。芽が動く前の3月に、前年に伸びた鉛筆ほどの太さの枝を15〜20cmに切り、1時間ほど水を吸わせてから赤玉土小粒や挿し木用土に挿します。6〜7月に、その年に伸びた枝を使う緑枝挿しもでき、明るい日陰で土を乾かさなければ1か月ほどで根が出ます。挿し木苗は、3〜5年で実をつけ始めます。種まきもできますが、実がなるまで5年以上かかることが多く、親と同じ実になるとは限りません。根元のひこばえを根ごと掘り上げて植える方法もあります。
よくある失敗は、挿した後に日なたへ置いて土を乾かし、挿し穂がしおれることです。根が出るまでは明るい日陰で管理します。
時期と挿し穂の用意
芽が動く前の3月に、前年に伸びた鉛筆ほどの太さの枝を選びます。清潔なはさみ、挿し木用土、小さな鉢を用意します。
挿し穂をつくる
枝を15〜20cmに切り、下の切り口を斜めに切り直します。1時間ほど水に挿して、切り口から十分に水を吸わせます。
挿し木用土に挿す
湿らせた挿し木用土に、挿し穂の半分ほどが埋まる深さで挿します。明るい日陰に置き、土を乾かさないように管理します。
根付いたら鉢上げする
新芽が伸びて根が回ったら、翌年の3月に一回り大きな鉢へ植え替えます。日なたで育て、3〜5年で実がなり始めます。
ザクロは病害虫が比較的少ない果樹ですが、春の新芽に付くアブラムシと、枝や幹に付くカイガラムシには注意します。アブラムシは水で洗い流すか、芽ごと取り除きます。カイガラムシは白や茶色の殻をかぶっていて薬が効きにくいので、冬の間に歯ブラシでこすり落とします。カイガラムシやアブラムシの排せつ物から、葉や枝が黒く汚れるすす病が出ることもあります。夏から秋は、カメムシが実の汁を吸って表面に傷や変色を残すことがあり、見つけたら取り除きます。割れた実は鳥にも狙われやすくなります。葉に茶色の斑点が広がる場合は、落ちた葉を拾って処分します。
よくある失敗は、混み合った枝をそのままにしてカイガラムシを広げることです。冬の剪定で枝を間引くと、発生を抑えられます。
4月に芽吹き、新しい枝が伸びます。新芽に付くアブラムシを早めに取り除きます。鉢は表面が乾いたら水を与え、日なたに置きます。肥料は2月の寒肥で足りるので、この時期は追加しません。植え替えは3月までに終えます。
6〜7月に朱赤色の花が咲き、付け根のふくらんだ花が実になります。開花期の長雨を避けて鉢を軒下へ移すと実がつきやすくなります。夏の鉢は乾きやすいので朝に確認し、肥料は与えません。実にならない花が落ちるのは自然なことです。
9〜10月に実が赤や黄色に色づき、収穫期を迎えます。皮が割れ始めたら早めに収穫します。収穫後の10月にお礼の肥料を与えます。秋の大雨で実が割れて傷みやすいので、鉢は雨の当たらない場所へ移します。
落葉中の12〜2月に剪定し、ひこばえを根元から切ります。2月に寒肥を与えます。鉢の水やりは乾いてから4〜5日後で十分です。寒冷地では鉢を軒下へ移し、枝に付いたカイガラムシをブラシで落とします。
原因
八重咲きの花ザクロは観賞用で、実がほとんどなりません。実ザクロでも、付け根がふくらんでいない花は自然に落ちるほか、開花期の長雨で受粉がうまくいかないことがあります。
対策
名札で実ザクロの品種かを確かめます。開花期は鉢を軒下へ移して花を雨から守り、肥料は2月と収穫後の年2回にとどめて、窒素の多い肥料を控えます。
原因
実にならない花が落ちるのは自然な現象です。小さな実がまとまって落ちる場合は、6〜8月の水切れや日照不足が考えられます。
対策
付け根のふくらんだ花が残っていれば心配ありません。夏は鉢の土を朝に確認して乾いていればたっぷり与え、日当たりのよい場所に置きます。
原因
夏から秋に乾いた後の大雨や、急な水やりで実が水を吸い、皮が割れたためです。割れ口から雨やカビが入ると腐ります。
対策
鉢植えは実が色づき始めたら雨の当たらない場所へ移します。割れた実は食べられる部分が傷む前に早めに収穫し、腐った実は取り除きます。
原因
春の新芽にはアブラムシ、枝や幹には白や茶色の殻をかぶったカイガラムシが付きやすくなります。
対策
アブラムシは水で洗い流すか、芽ごと取り除きます。カイガラムシは歯ブラシでこすり落とし、冬の剪定で混んだ枝を間引いて風通しをよくします。
原因
ザクロはひこばえ(根元から出る枝)が出やすい性質です。そのままにすると養分が分散し、花や実が減ります。
対策
見つけしだい、根元の付け根から切り取ります。冬の剪定のときにまとめて確認し、残す幹を1〜3本に決めておくと株の形が整います。
ここにない症状は症状から調べるで、葉の色・しおれ・虫・病気などから逆引きできます。
ザクロの花言葉は「円熟した優美」「優美」などとされます。夏の強い日差しの中で、つやのある朱赤色の花を落ち着いた姿で咲かせる様子から生まれたといわれます。一方、実には「結合」という言葉があり、たくさんの粒がひとつの実にまとまる姿に由来するとされます。
風水では、ひとつの実にたくさんの種が詰まった姿から、子孫繁栄や家族の円満を象徴する縁起物とされます。中国では古くから、結婚の祝いにザクロの絵や実を贈る習わしがあるといわれます。根拠のある話ではないので、植え場所は日当たりと水はけを優先して決めます。
鉢植えでも実がなります。実ザクロは8〜10号鉢で高さ1〜1.5mに保てば、ベランダでも1鉢で数個から10個ほどの実が見込めます。ヒメザクロは5〜7号鉢で育てられ、小さな実を早くからつけます。日当たりのよい屋外に置き、開花期の長雨を避けること、水を与えすぎないことが実をつけるコツです。寒冷地でも、鉢植えなら冬に軒下へ移して育てられます。
ザクロは自分の花粉で実がつく性質があり、1本で実がなります。受粉樹を用意する必要はありません。ただし、開花期に雨が続くと虫が来にくく、受粉がうまくいかないことがあります。確実に実をつけたいときは、晴れた日の午前中に筆で花の中を軽くなでて、人工授粉すると実つきがよくなります。八重咲きの花ザクロは、1本でも2本でも実はほとんどなりません。
ザクロには実になる花と、実にならず落ちる花があるためです。花の付け根がつぼのようにふくらんだ花が実になり、ふくらみの少ない花は自然に落ちます。そのうえで実がまったくならない場合は、八重咲きの花ザクロの品種、植えて間もない若木、枝先を刈り込んで花芽を切った、開花期の長雨、肥料のやりすぎが考えられます。剪定は短い枝を残して行います。
熟した実の皮が自然に割れるのは、ザクロの収穫の合図です。日本で多く育てられる品種は、熟すと皮が裂けて赤い粒が見えてきます。一方、まだ色づく前に割れるのは、乾いた後の大雨や急な水やりで実が水を吸ったためです。割れ口から雨が入ると腐りやすいので、鉢植えは秋に軒下へ移し、割れた実は早めに収穫します。割れたまま木に残すと、鳥に食べられることもあります。
収穫は9〜10月で、皮全体が品種本来の色に色づき、少し割れ始めた頃が目安です。皮にややつやがなくなり、指ではじくと硬い音がするのも熟したサインです。枝ごとはさみで切って収穫します。割れずに残る品種は、色づきを見て収穫します。収穫した実は冷蔵庫で保存し、粒を取り出して生で食べるほか、果汁を搾ってジュースやシロップにします。収穫量は鉢植えで数個から10個ほどが目安です。
食べられますが、実が小さく可食部も少ないので、主に観賞用として楽しみます。ヒメザクロは高さ30cm〜1mほどの矮性のザクロで、直径3〜5cmほどの小さな実をつけます。花を長く咲かせ、盆栽や小さな鉢でも実がなるのが魅力です。実を味わいたいなら、水晶ザクロやワンダフルなどの実ザクロの品種を選ぶと、大きな実を収穫できます。ヒメザクロの実も、粒を取り出せば生で口にできます。
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執筆: Hapot編集部
植物を迎えたばかりの人が枯らさずに育てられるように、植物図鑑と症状別の記事を編集しているチームです。農林水産省や農研機構など公的機関の栽培指針を確認したうえで、温度や頻度を数値で示し、迷いやすい判断は結論から書くことを大切にしています。誤りや古くなった情報はお問い合わせから受け付け、確認のうえ更新しています。