苗・株の選び方
苗は秋(10〜11月)または春(3月)に、2〜3年生の接ぎ木でない挿し木苗を選ぶのが一般的です。良い苗の条件は「株元から太いシュート(新梢)が複数出ている」「葉色が濃く、葉に斑点や縮れがない」「ポットの底から根が少し見える程度の根張り」です。最重要なのは品種選びで、関東以南の暖地ならラビットアイ系(ホームベル、ティフブルーなど)、寒冷地ならノーザンハイブッシュ系を、必ず同じ系統の異なる品種を2本セットで購入してください。ラベルに系統名が明記された苗を選ぶと失敗がありません。
Hapot編集部より
ブルーベリー(Vaccinium corymbosum / V. virgatum)は、北米原産のツツジ科の落葉低木で、家庭果樹人気の頂点に立つベリー類の代表格です。寒冷地向きのハイブッシュ系と暖地向きのラビットアイ系の2大系統があり、地域に合った品種を同系統で2本以上植えるのが成功の最大の秘訣です。春にスズランに似た白い釣鐘型の花、初夏〜夏に甘酸っぱい果実、秋には燃えるような紅葉と、一年を通して見どころが続きます。樹高1〜2mとコンパクトで棘もなく、農薬がほぼ不要なため、鉢植えでベランダ栽培する人も多い果樹です。栽培の鍵はpH4.5〜5.5の酸性土壌の維持で、ピートモスや専用土を使えば初心者でも2〜3年目から毎夏の摘み取りを楽しめます。
水やり
土が乾いたら(週2-3回、夏は毎日)
日光
直射日光
適温
-10-35°C
湿度
50-70%
土
酸性土壌(pH4.5-5.5)。ブルーベリー専用土またはピートモス主体の用土
肥料
年3回(3月・5月・9月)。有機肥料または硫安がおすすめ
成長速度
中
毒性
なし(食用)
苗は秋(10〜11月)または春(3月)に、2〜3年生の接ぎ木でない挿し木苗を選ぶのが一般的です。良い苗の条件は「株元から太いシュート(新梢)が複数出ている」「葉色が濃く、葉に斑点や縮れがない」「ポットの底から根が少し見える程度の根張り」です。最重要なのは品種選びで、関東以南の暖地ならラビットアイ系(ホームベル、ティフブルーなど)、寒冷地ならノーザンハイブッシュ系を、必ず同じ系統の異なる品種を2本セットで購入してください。ラベルに系統名が明記された苗を選ぶと失敗がありません。
日当たりの良い場所で育てます。1日5時間以上の日照が実付きと甘さの条件で、半日陰では収穫量が大きく減ります。最重要ポイントは「酸性土壌」と「2品種植え」の2つ:ブルーベリーはpH4.5〜5.5の酸性土でしか健全に育たず、また同じ系統の異品種を2本以上近くに植えないと実付きが悪くなります(ラビットアイ系同士、ハイブッシュ系同士で揃えること)。温暖地はラビットアイ系、寒冷地はノーザンハイブッシュ系と、地域に合う系統選びも大切です。
浅根性で乾燥に弱いのがブルーベリーの弱点です。鉢植えは土の表面が乾いたらたっぷり、夏は朝夕2回が基本。特に実が肥大する初夏〜収穫期の水切れは、実がしぼむ・落果する直接の原因になります。庭植えでも夏の乾燥期は水やりが必要です。株元にピートモスやウッドチップを敷くマルチングは、乾燥防止と土壌酸度維持の一石二鳥なので強くおすすめします。水道水が強アルカリ性の地域では、時々ピートモスを足して酸度を保ちましょう。
適期は落葉期の12〜2月です。若木のうちは花芽を半分ほど摘んで株の成長を優先させると、後の収穫量が伸びます。成木は①地際から出る古い主軸枝を数年に1本ずつ切って若い枝に更新、②内向きの枝・細く弱い枝・混み合った枝を抜いて日当たりと風通しを確保、が基本。花芽は枝先に付くため、枝先を一律に切り詰めると花がなくなる点に注意してください。夏に伸びすぎた徒長枝は7月までに軽く切り戻すと、翌年の花芽が付きやすくなります。
鉢植えは1〜2年に1回、落葉期の11〜3月に。根鉢がカチカチに固まっていたら底と側面を軽くほぐし、一回り大きな鉢へ。用土は「ブルーベリー専用土」か、ピートモス5:鹿沼土5の酸性配合が鉄則です(普通の培養土では酸度が足りず、葉が黄色くなるクロロシスを起こします)。植え付け時にピートモスをよく湿らせてから使うのがコツ。庭植えの場合も、植え穴にピートモスを2〜3割混ぜ込んでください。
挿し木で増やせます。①休眠枝挿し(2〜3月):前年枝を10〜15cmに切って挿す、②緑枝挿し(6〜7月):今年伸びた枝を使う、の2通り。用土はピートモス+鹿沼土の酸性配合で、乾かさないよう管理すると1〜2か月で発根します。発根率は品種により差がありますが、ラビットアイ系は比較的簡単。収穫まで3〜4年かかるため気長な楽しみですが、好きな品種を自分で増やせるのは果樹栽培の醍醐味です。
果樹の中では病害虫が少なく、家庭で無農薬栽培しやすい優等生です。最大の敵は害虫ではなく「鳥」:実が色づくとヒヨドリなどに一晩でごっそり食べられるため、収穫期は防鳥ネットが必須です。害虫ではイラガ(触ると激痛の毛虫)とコガネムシの幼虫(鉢の中で根を食害)に注意。鉢の土がフカフカになって株が傾いたらコガネムシ幼虫を疑い、植え替え時に取り除きます。葉が黄色くなる場合は病気より土壌酸度不足を疑ってください。
3月に肥料を施します。花が咲いたら人工授粉すると実付きが良くなります。5月に追肥。
6-8月が収穫期。色づいた実から順に摘み取ります。水やりをしっかり行いましょう。収穫後は御礼肥を。
9月に肥料を施し、落葉の準備。紅葉が美しい時期でもあります。
落葉期。12-2月に剪定を行います。古い枝や細い枝を間引き、新しい枝に日光が当たるようにします。
原因
受粉不良(1品種のみ)、土のpHが高い
対策
同系統の異品種を隣に植え、ピートモスで酸性に調整
原因
リン酸不足、根のストレス
対策
リン酸分の多い肥料を施し、根の状態を確認
原因
着果過多、肥料不足
対策
摘果して実の数を減らし、追肥する
ブルーベリーの花言葉は「実りある人生」「知性」「親切」です。「実りある人生」は、小さな白い花が初夏に鈴なりの果実へと変わり、長年にわたって収穫をもたらす姿に由来します。「知性」は、果実に含まれるアントシアニンが目や脳に良いとされ、勉強や仕事のお供の果物として親しまれてきたことから。庭に植える記念樹や新築祝いの贈り物としても人気の高い花言葉を持つ果樹です。
風水では、たわわに実る果樹は「豊穣」と「子孫繁栄」の象徴とされ、ブルーベリーのように毎年実りが増えていく木は家運の上昇を表す縁起木とされます。濃い青紫の実は「水」の気を持ち、落ち着きや信頼運を養う色ともいわれます。受粉のために2本以上を並べて植える性質から「夫婦円満」「良縁」に結びつける説もあり、ペアで育てる果樹として新婚家庭の庭木にも好まれます。家族で摘み取りを楽しむ習慣は家庭運を育む開運行動とされています。
系統によって異なります。ラビットアイ系は自分の花粉では受精しにくい性質(自家不和合性)が強く、1本ではほとんど実がならないため、同じラビットアイ系の別品種が必須です。ハイブッシュ系は1本でもある程度結実しますが、それでも異品種を近くに置くと実の数が増え、粒も大きくなります。スペースが限られるベランダでも、8号鉢2つに別品種を並べれば十分です。これから始めるなら、最初から同系統2品種セットでの購入をおすすめします。
2〜3年生苗を植えた場合、翌年から少量の実がつき始め、本格的な収穫は植え付けから2〜3年後、株が成熟する5〜6年後には1本あたり2〜3kg収穫できるようになります。ただし植え付けから1〜2年目は、花芽を半分以上摘み取って実をならせすぎないことが重要です。若木に実をつけさせすぎると株の成長が止まり、結果的に成木になるのが遅れます。最初の2年は「株を育てる期間」と割り切ると、その後の収穫量が大きく伸びます。
コーヒーかすや酢では確実な酸度調整はできません。コーヒーかすは未分解のまま混ぜると窒素飢餓やカビの原因になり、酢の効果は一時的です。確実なのは「酸度未調整のピートモス」を植え付け土の半量ほど混ぜる方法と、肥料に硫安や硫黄華(イオウ粉末)を使う方法です。ピートモスは必ず「酸度未調整(pH4前後)」表記のものを選んでください(調整済みは中性です)。手軽さを優先するなら、最初からpH調整されたブルーベリー専用培養土を使うのが最も失敗のない選択です。
購入した2〜3年生苗は、まず8号(直径24cm)程度のスリット鉢か素焼き鉢に植え、2年ごとにひと回り大きい鉢へ植え替えて、最終的に10〜12号(30〜36cm)で維持するのが標準です。最初から大鉢に植えると土が乾きにくく根腐れの原因になります。ブルーベリーの根は細く浅く張るため、深鉢より広口の鉢が向いています。鉢底石で水はけを確保し、株元にはピートモスやバークチップでマルチングして乾燥を防ぐと、夏の水切れ事故が大幅に減ります。
実が青く色づき始める直前、緑の実がうっすら白っぽくなる頃(多くの地域で5月下旬〜6月上旬)にはネットを張り終えてください。ヒヨドリやムクドリは色づいた実から正確に食べていくため、対策が1週間遅れるだけで初収穫分をほぼ食べ尽くされることもあります。鉢植えなら園芸支柱3〜4本で枠を作り防鳥ネット(網目20mm以下)をすっぽり被せ、裾を洗濯ばさみで留めれば侵入を防げます。キラキラテープ単体は数日で慣れられるため、ネットとの併用が確実です。
実全体が濃い青紫になってから、さらに4〜7日待つのが食べごろの目安です。色づいた直後はまだ酸味が強く、樹上で完熟させることで糖度が大きく上がります。見分けるポイントは「軸の付け根(果柄の周り)まで青く色づいている」「軽くつまむとポロッと取れる」の2点です。付け根に赤みが残る実はまだ早く、引っ張らないと取れません。収穫は気温の低い朝のうちに行うと日持ちが良くなります。完熟果は常温で傷みやすいので、食べきれない分は冷凍保存が便利です。