苗・株の選び方
苗は、トゲの有無と、つるの伸び方(直立性か、はう性質か)を名札で確かめて選びます。ベランダの鉢植えなら、ソーンフリーやトリプルクラウンなどのトゲなし品種が扱いやすく、直立性のナバホなどは支柱が少なくてすみます。
良い苗は、太いつるが2本以上あるもの、ポットの底から白い根が見えているもの、葉が濃い緑で病斑のないものです。つるが細く1本だけの苗や、株元に穴や木くずのようなフンがある苗は避けます。秋から冬に出回る大苗は、翌年の夏から収穫しやすくなります。
Hapot編集部より
ブラックベリーは、暑さにも寒さにも強く、関東以西の平地でもよく実る、果樹の中でも特に育てやすいつる性の低木です。同じキイチゴの仲間のラズベリーが夏の暑さを苦手とするのに対し、ブラックベリーは暖地でも株が弱りにくく、初めての果樹にも向いています。1本で実がなるので受粉樹はいらず、苗を植えた翌年の7〜8月から収穫できます。実は緑から赤、そして黒へと色が変わり、赤いうちは酸味が強く、真っ黒に熟してから摘むと甘くなります。つるは1年に2〜3m伸びるので、フェンスやトレリス、鉢植えならオベリスクに誘引して育てます。以前はトゲが鋭いことで知られていましたが、今はソーンフリーやトリプルクラウンなどトゲなし品種が主流で、ベランダでも扱いやすくなりました。管理の柱は、新しいつるの誘引と摘心、収穫後に実のついたつるを根元から切ることの2つです。

水やり
鉢は表面が乾いたらたっぷり。夏は毎朝
日光
直射日光
温度の目安
-15〜35°C(暑さにも寒さにも比較的強い)
湿度
40-70%
土
水はけがよく、有機質に富んだ土
大きさの目安
つるの長さは1年で2〜3m。鉢植えは支柱に巻き付けて高さ1〜1.5mに保てる。庭植えはフェンス沿いに横へ2〜3m広がる。
成長の速さ
速い(新しいつるが1年に2〜3m伸びる)
温度の目安(耐寒〜耐暑)
-15〜35°C(暑さにも寒さにも比較的強い)
肥料
2月の寒肥と、収穫後9月のお礼肥
成長速度
速い(新しいつるが1年に2〜3m伸びる)
毒性
実は食用。毒性は知られていない。トゲのある品種に注意
実がつくのは前の年に伸びたつるです。今年伸びたつるは翌年の収穫のために切らずに誘引し、実をつけ終わったつるだけを根元から切ります。
苗は、トゲの有無と、つるの伸び方(直立性か、はう性質か)を名札で確かめて選びます。ベランダの鉢植えなら、ソーンフリーやトリプルクラウンなどのトゲなし品種が扱いやすく、直立性のナバホなどは支柱が少なくてすみます。
良い苗は、太いつるが2本以上あるもの、ポットの底から白い根が見えているもの、葉が濃い緑で病斑のないものです。つるが細く1本だけの苗や、株元に穴や木くずのようなフンがある苗は避けます。秋から冬に出回る大苗は、翌年の夏から収穫しやすくなります。
日当たりのよい場所で育てるほど、実が多く甘くなります。半日陰でも育ちますが、日照が足りないと花数が減り、実の色づきも遅れます。ブラックベリーは暑さに強く、関東以西の平地でも夏に株が弱りにくいのが利点です。耐寒性も-15°C前後あり、寒冷地でも冬に枝先が傷む程度で冬越しできます。つるが長く伸びるので、庭植えはフェンスやトレリス沿いに、鉢植えはオベリスクやあんどん支柱を立てて場所を決めます。鉢は西日の照り返しが強い場所を避け、台の上に置くと根が傷みにくくなります。
失敗例として、支柱のない場所に置いてつるが地面をはい、実が泥で汚れて傷むことがあります。伸びたつるを順に支柱へ結び直せば、翌年からきれいな実が採れます。
鉢植えは土の表面が乾いたら、鉢底から流れ出るまでたっぷり与えます。目安は春と秋が2〜3日に1回、実が太る7〜8月は毎朝で、葉が多く茂った株は夕方にも乾き具合を確認します。冬は落葉して休むので、土が乾いて2〜3日後に与える程度にします。庭植えは根付いた後は雨任せで育ちますが、実の時期に晴天が1週間以上続いたら株元に与えます。実が色づく時期の水切れは、実が小さくなったり一部の粒が赤いまま残ったりする原因になります。
失敗例として、乾いた鉢に一度に大量の水を与えた後で実が割れたり、水っぽくなったりすることがあります。乾ききる前に、一定の間隔で与えるようにすると防げます。
水はけがよく、腐葉土などの有機物を多く含んだ土が向いています。土の酸度はあまり選ばず、弱酸性から中性(pH5.5〜7.0)でよく育ちます。鉢植えは赤玉土小粒6、腐葉土3、バーミキュライト1の配合か、市販の果樹用培養土をそのまま使えます。鉢底には鉢底石を2〜3cm敷きます。庭植えは植え穴を直径・深さ40cmほど掘り、掘り上げた土に堆肥か腐葉土を3割ほど混ぜます。粘土質で水がたまる場所は、10〜15cmほど盛り土して植えると根腐れを防げます。
ブラックベリーは前の年に伸びたつるに実がつき、実をつけたつるは翌年は実らずに枯れていきます。そのため、収穫が終わった8〜9月に、実のついたつるを根元から切ります。その年に伸びた新しいつるは切らずにフェンスや支柱へ誘引し、翌年の実をつける枝として育てます。新しいつるが1.5〜2mや支柱の上端に届いたら、先端を切って止めます。摘心すると横に枝が出て、そこに翌年の花が咲きます。冬の12〜2月には、横に出た枝を2〜3芽残して20〜30cmに切り詰めます。
失敗例として、冬に新しいつるまで短く切り、翌年に実がほとんどつかないことがあります。その年は新しいつるを伸ばして育て直します。
時期と道具を確かめる
収穫後の8〜9月と冬の12〜2月に行います。よく切れる剪定バサミと、トゲのある品種なら厚手の手袋を用意します。
実のついたつるを切る
収穫が終わったら、実をつけたつるを根元から切ります。皮が茶色く硬いのが古いつるで、緑色の若いつるは残します。
新しいつるを摘心する
その年に伸びたつるが1.5〜2mや支柱の上端に届いたら、先端を切って止めます。横に出た枝に翌年の花が咲きます。
冬に横枝を切り詰める
12〜2月に、横に出た枝を2〜3芽残して20〜30cmに切り詰めます。細い枝や混み合った枝は付け根から切ります。
植え付けと植え替えは、落葉して休眠している11〜3月(厳寒期を除く)が適期です。鉢植えはつるの量に対して根が多く張るので、最初から10号以上の深めの鉢を選び、オベリスクやあんどん支柱を一緒に立てます。根が鉢いっぱいに回ってくる2年ごとに、一回り大きな鉢に植え替えるか、根鉢の周りを3cmほど削って新しい土で植え戻します。鉢底から根が出る、水がなかなか染み込まないのが植え替えの合図です。庭植えはフェンスから30cmほど離して植え、株間は1.5〜2mとります。
失敗例として、つるの伸び始めた5月に植え替えて根を切り、新しいつるがしおれることがあります。半日陰で水を切らさずに休ませると持ち直します。
時期と用意するもの
落葉している11〜3月の厳寒期を除いた時期に行います。10号以上の深めの鉢、果樹用培養土、鉢底石、ハサミ、オベリスク支柱を用意します。
根を整える
鉢から抜き、根鉢の肩と底をほぐします。黒く傷んだ根や鉢底で巻いた根を切り、古い土を3分の1ほど落とします。
植えて支柱を立てる
鉢底石を敷いて土を入れ、根鉢の上面が鉢の縁より3cmほど下になるように植えます。鉢の縁に沿ってオベリスク支柱を差し込みます。
誘引と水やり
つるを支柱にらせん状に巻き付けてひもで結び、鉢底から流れ出るまで水を与えます。2週間ほど半日陰で休ませます。
家庭では、伸びたつるの先を土に埋めて根を出させる「先端取り木」がいちばん簡単です。8〜9月に、その年に伸びたつるの先を地面や別の鉢の土に5〜10cm埋め、ピンで留めておくと、1〜2か月で根が出ます。翌年の3月に親株とつながるつるを切り離し、鉢に植えます。挿し木もでき、6〜7月に新しいつるを2〜3節の長さに切り、下の葉を取って挿し木用土に挿すと、1か月ほどで根が出ます。品種登録のある品種は、自分で育てる分を超えて増やし、人に譲ったり売ったりすることはできません。
失敗例として、埋めた部分が浅く、風で抜けて根が出ないことがあります。ピンでしっかり留め、上に土を盛ると成功しやすくなります。
時期と用意するもの
8〜9月に、その年に伸びた元気なつるを選びます。培養土を入れた小さめの鉢と、つるを留めるU字のピンを用意します。
つるの先を埋める
つるの先端を曲げて鉢の土に5〜10cmほど埋め、ピンで動かないように留めます。上から土を盛って軽く押さえます。
根が出るまで管理する
土を乾かさないように水を与え、1〜2か月待ちます。埋めた部分から新しい芽が出てきたら、根が出た合図です。
切り離して植える
翌年の3月に、親株とつながるつるを切り離します。根を崩さずに一回り大きな鉢へ植え替え、支柱を立てて育てます。
注意したい害虫は、茎の中に入り込むカミキリムシの幼虫(テッポウムシ)です。株元に木くずのようなフンが出ていたら、被害のつるを根元から切って処分します。鉢植えではコガネムシの幼虫が根を食べ、株が急にしおれることがあるので、植え替えのときに土の中を確かめます。春の新芽にはアブラムシ、夏の乾燥時にはハダニが付きやすく、ハダニは葉裏に水をかけて防ぎます。病気では、梅雨から夏に実が灰色のカビで覆われる灰色かび病が出ることがあり、傷んだ実は早めに取り除きます。熟した実は鳥に狙われるので、色づき始めたら防鳥ネットをかけます。
失敗例として、混み合ったつるを放置して灰色かび病が広がることがあります。収穫後に古いつるを切り、風通しをよくすると被害が減ります。
新しいつるが伸び始めたら、日なたに置いた支柱やフェンスに順に誘引します。肥料は2月の寒肥が効いているので追加は不要です。鉢は土の表面が乾いたらたっぷり水を与えます。5〜6月に白や淡いピンクの花が咲き、新芽のアブラムシに注意します。
7〜8月が収穫期で、黒く熟した実を毎日摘みます。新しいつるは支柱の上端で先を切って止めます。鉢は毎朝水を与え、実の時期の水切れを防ぎます。鳥とハダニの被害が出やすいので、防鳥ネットをかけ、葉裏に水をかけます。
収穫が終わったら、実のついたつるを根元から切ります。9月にお礼肥を与えて株を回復させます。鉢は日なたに置いたまま、水やりは土が乾いてからに減らします。取り木の適期で、株元にテッポウムシのフンがないかも確かめます。
落葉後の11〜3月は植え付けと植え替えの適期です。横に出た枝を2〜3芽残して切り詰め、2月に寒肥を施します。水は土が乾いて2〜3日後に与えます。耐寒性は強く屋外で冬越しできますが、寒冷地では寒風で枝先が傷むので軒下へ移します。
原因
赤い段階はまだ未熟で、酸味が強いのが普通です。黒くなってからも完熟まで数日かかります。一部の粒だけ赤く残る場合は、夏の水切れや微小なダニの被害も考えられます。
対策
実全体が黒くなり、少しツヤが落ちて軽く触れるだけで取れるまで待って収穫します。実が太る7〜8月は鉢の水切れを防ぎ、赤い粒の残る実は取り除きます。
原因
ブラックベリーは前の年に伸びたつるに実がつきます。植えた1年目のつるだけの株や、冬に新しいつるを短く切りすぎた株は実がつきません。
対策
その年に伸びたつるは切らずに誘引し、翌年の実をつける枝として育てます。冬は横に出た枝を2〜3芽残して切る程度にとどめます。
原因
ブラックベリーは生育が旺盛で、新しいつるが1年に2〜3m伸びます。誘引と摘心をしないと四方に広がります。
対策
新しいつるは伸びるそばからフェンスやオベリスクに結び、支柱の上端に届いたら先を切って止めます。収穫が終わったつるは根元から切って整理します。
原因
黒く熟した実はヒヨドリなどの鳥に好まれ、色づき始めると毎日のようにつつかれます。
対策
実が赤く色づき始めたら、株全体を防鳥ネットで覆います。鉢植えは、収穫期だけ鳥の来にくい軒下や人の出入りの多い場所へ移すのも効果があります。
ここにない症状は症状から調べるで、葉の色・しおれ・虫・病気などから逆引きできます。
ブラックベリーの花言葉は「人を思いやる心」「素朴な愛」などとされ、「嫉妬」という言葉もあるといわれます。野山で素朴な白い花を咲かせ、甘い実を人や鳥に分け与えるつる植物の姿から生まれたと考えられています。
風水では、黒や紫の実は落ち着きをもたらす色とされ、実のなる植物は家に実りを招く縁起物と考えられています。つるが伸びる植物は人との縁をつなぐともいわれます。根拠のある話ではないので、日当たりとつるを誘引できる広さを優先して置き場所を決めます。
大きな違いは、暑さへの強さと、実の芯の取れ方です。ブラックベリーは暑さに強く関東以西の平地でもよく育ちますが、ラズベリーは涼しい気候を好み夏の暑さが苦手です。収穫すると、ラズベリーは芯が株に残って実の中が空洞になり、ブラックベリーは芯ごと取れて中が詰まっています。ブラックベリーは収穫期が7〜8月と遅く、つるが長く伸びるのでフェンスやトレリスに誘引して育てます。どちらも1本で実がなります。
赤い実はまだ熟していない状態で、酸っぱいのが普通です。ブラックベリーは緑から赤、黒へと色が変わり、黒くなってからさらに数日おくと甘くなります。収穫の目安は、実全体が真っ黒になり、ツヤが少し落ちて、軽く触れるだけで取れるくらいです。一部の粒だけがいつまでも赤く固いまま残る場合は、夏の水切れや微小なダニの被害が考えられるので、実の時期は水を切らさず、そうした実は取り除きます。
鉢植えでもよく実がなります。10号以上の深めの鉢にオベリスクやあんどん支柱を立て、つるを巻き付けるように誘引すれば、ベランダでも育てられます。収穫量は株の大きさで変わりますが、鉢植えでも株が育てば1株数百gから1kgほど採れるといわれます。鉢は根が詰まりやすいので2年ごとに植え替え、実の時期は毎朝水を与えます。トゲなし品種を選ぶと、狭い場所でも作業しやすくなります。
1本で実がなります。ブラックベリーは自分の花粉で実をつける性質があり、受粉用に別の品種を植える必要はありません。花にはミツバチなどの虫が集まって受粉を助けます。虫が来にくい高層階のベランダでは、開花中に花を筆で軽くなでると実つきがよくなります。熟す時期の違う品種を並べて植えると、収穫期を長くできます。
その年に伸びた新しいつるを、伸びるそばからフェンスや支柱にひもで結んでいきます。庭植えはフェンスやトレリスにつるを扇形や横向きに広げると、日がよく当たり実が多くなります。鉢植えはオベリスクやあんどん支柱に、らせん状に巻き付けます。つるが支柱の上端に届いたら先を切って止め、横に枝を出させます。実をつけ終わったつるは収穫後に根元から切り、空いた場所に新しいつるを誘引し直します。
ソーンフリー、トリプルクラウン、ブラックサテン、チェスター、ナバホなどが代表的なトゲなし品種です。ソーンフリーは古くから栽培されている丈夫な品種で、トリプルクラウンは大粒で甘みが強いといわれます。ナバホはつるが立ち上がる直立性で、支柱が少なくてすみます。ボイセンベリーのようにトゲのある系統とない系統がある品種もあるので、名札でトゲなしと書かれているかを確かめて選びます。
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執筆: Hapot編集部
植物を迎えたばかりの人が枯らさずに育てられるように、植物図鑑と症状別の記事を編集しているチームです。農林水産省や農研機構など公的機関の栽培指針を確認したうえで、温度や頻度を数値で示し、迷いやすい判断は結論から書くことを大切にしています。誤りや古くなった情報はお問い合わせから受け付け、確認のうえ更新しています。