苗・株の選び方
良い苗は、葉に軽く触れたときにしっかりレモンの香りがすること、葉色が明るい緑で艶があり、葉先まで傷んでいないこと、幹が細すぎず支柱なしでも立っていることの3点で見分けます。
避けたいのは、下葉が落ちて上だけに葉が残っている苗と、枝がひょろひょろ伸びた苗です。前者は水切れや根傷みを経験している可能性があり、後者は日陰の売り場に長く置かれて体力が落ちていることがあります。秋から冬に買う場合は、寒さで葉が茶色く傷んでいないかも確認します。
Hapot編集部より
レモンユーカリは、葉に触れるとレモンのようなさわやかな香りが立つ、香りを楽しむユーカリです。オーストラリア東部の暖かい地域が原産で、以前はユーカリ属に分類されていましたが、現在は近縁のコリンビア属に移され、学名からシトリオドラとも呼ばれます。香りの主成分はシトロネラールという精油成分で、葉を軽くこするだけで部屋にレモンの香りが広がります。細長い披針形の葉は、ポポラスやグニーのような丸い銀葉とは見た目が大きく異なり、明るい緑で軽やかな印象です。性質はほかのユーカリと同じく成長が速く、鉢植えでも1年で50cm〜1m伸びることがあるため、芯止めで背丈を管理するのが前提になります。一番の注意点は寒さで、グニーなどの寒さに強いユーカリと違い、霜に当てると枯れ込みます。冬は室内か霜の当たらない軒下で育てられる、鉢植えで楽しむのが向いています。

水やり
鉢の土が乾いたらたっぷり(春秋は3〜4日に1回、夏は毎日確認、冬は1週間に1回程度)
日光
直射日光
温度の目安
5-35°C(冬は5°C以上が安心。霜に当たると葉や枝が傷む)
湿度
30-60%
土
水はけの良い土(赤玉土と軽石を多めにした配合)
大きさの目安
鉢植えでは芯止めして1〜2mに保つのが一般的。自生地や暖地の庭植えでは10m以上の高木になります。
成長の速さ
速い(鉢植えでも年に50cm〜1m伸びることがある)
温度の目安(耐寒〜耐暑)
5-35°C(冬は5°C以上が安心。霜に当たると葉や枝が傷む)
肥料
4〜6月と9月に緩効性肥料を少量。与えすぎない
成長速度
速い(鉢植えでも年に50cm〜1m伸びることがある)
毒性
ユーカリの仲間は ASPCA(米国動物虐待防止協会)で犬・猫・馬に有毒とされ、葉の精油成分による嘔吐やよだれなどが挙げられている。とくに猫は精油に弱いので、葉をかじらせない
香りを強く保つ鍵は、よく日に当てることと、芯止めで背丈を抑えることです。冬は霜を避け、5°C以上の場所で管理します。
良い苗は、葉に軽く触れたときにしっかりレモンの香りがすること、葉色が明るい緑で艶があり、葉先まで傷んでいないこと、幹が細すぎず支柱なしでも立っていることの3点で見分けます。
避けたいのは、下葉が落ちて上だけに葉が残っている苗と、枝がひょろひょろ伸びた苗です。前者は水切れや根傷みを経験している可能性があり、後者は日陰の売り場に長く置かれて体力が落ちていることがあります。秋から冬に買う場合は、寒さで葉が茶色く傷んでいないかも確認します。
レモンユーカリは日光を好み、日当たりが良いほど葉が締まって香りも強くなります。春から秋は屋外の日なたが最適で、ベランダなら南向きの風通しの良い場所に置きます。室内だけで育てると光が足りず、枝がひょろひょろ伸びて香りも弱くなりがちです。成長が速く背が高くなるうえ根が浅いため、鉢植えでも風で倒れやすく、高さ1mを超えたら支柱を添えます。
ほかのユーカリとの一番の違いは寒さへの弱さです。霜に当たると葉が茶色く枯れ込むので、最低気温が5°Cを下回る前に、日当たりの良い室内か霜の当たらない軒下へ移します。暖地では軒下で冬を越せることもありますが、寒波の夜は室内に取り込んでください。室内では暖房の風が当たらない、窓辺の明るい場所を選びます。
鉢の土が表面から2〜3cm乾いたら、鉢底から流れるまでたっぷり与えます。春と秋は3〜4日に1回、夏は乾きが早いので毎日土を確かめ、乾いていれば朝に与えます。乾燥地のユーカリの中では水を好む方で、鉢植えで水切れさせると葉がしおれてぱらぱら落ちます。一方で、受け皿に水がたまったままでは根腐れするので、水はけの良い土と鉢底からの排水を両立させます。冬は成長が緩むので、土の中まで乾いてから暖かい日の午前中に、1週間に1回程度与えます。
よくある失敗は、真夏のベランダで1〜2日水を忘れ、葉がまとめて落ちるケースです。枝が緑で折るとしなるなら生きているので、たっぷり水を与えて半日陰で休ませれば、2〜3週間で新しい葉が出てきます。
水はけを最優先にした土を使います。赤玉土小粒5、軽石(日向土)小粒3、腐葉土2の配合が目安で、市販の観葉植物用土を使うなら軽石を2〜3割足します。鉢底には鉢底石を2〜3cm敷きます。成長が速く根も早く回るので、鉢は苗より一回り大きいものを選び、高さが出てきたら7〜8号以上の重みのある鉢に移すと倒れにくくなります。元肥は緩効性肥料を少量にとどめます。肥料が多いと枝ばかりが伸びて、かえって管理しにくくなります。
レモンユーカリの剪定の目的は、背丈を抑えることと、香りの良い若い葉を増やすことです。適期は4〜5月と9月で、まず主幹の先端を好みの高さで切る芯止めをします。切った位置の下の節から脇芽が出て、枝分かれしたこんもりした姿になります。その後も伸びた枝を3分の1ほど切り戻すと、背丈を1〜1.5mに保ちながら、香りの強い若い葉が次々に出てきます。切った枝は葉をちぎってポプリや香りを楽しむ材料にできます。
よくある失敗は、背が伸びるのを放っておいて、高さ2mを超えてから一気に切り、枝が吹かずに弱るケースです。毎年少しずつ切って背丈を保つ方が株への負担が少なく、真冬の強い剪定は寒さで枯れ込む原因になるので避けます。
時期と道具を用意する
適期は4〜5月と9月です。清潔な剪定ばさみと、太い枝用のノコギリ、手袋を用意します。真冬と真夏の強い剪定は避けます。
主幹の先を芯止めする
好みの高さを決め、その位置の節のすぐ上で主幹の先端を切ります。目線くらいの高さで切ると、管理しやすい樹形になります。
伸びた枝を切り戻す
芯止め後に伸びた枝は、長さの3分の1ほどを目安に、葉の付け根の上で切り戻します。内側に向かう枝や混み合った枝も整理します。
切った枝を香りに使う
切り取った枝は花瓶に挿して飾るか、葉を乾燥させてポプリにします。ペットが口にしない場所で楽しみます。
日なたで新芽を育てる
剪定後は日当たりの良い場所に置き、土が乾いたら水を与えます。2〜4週間で切り口の下から香りの強い新しい葉が出てきます。
植え替えは1年に1回、気温が上がる4〜5月に行います。成長が速く、鉢底から根が出る、水やりのたびにすぐ乾く、といった根詰まりのサインが出やすい樹です。ユーカリの仲間は根をいじられるのを嫌うので、根鉢は崩さず、底で回った根だけを軽くほぐして、一回り大きな鉢に植え付けます。背丈を今以上に大きくしたくない場合は、同じ鉢に戻す方法もあります。その場合は根鉢の外側を2cmほど削り、枝も3分の1ほど切り戻して、根と葉の量の釣り合いをとります。
よくある失敗は、根鉢をしっかり崩して植え替え、葉がしおれて落ちてしまうことです。植え替え後1〜2週間は明るい日陰で休ませ、新しい葉が動き出してから日なたに戻します。
時期と道具をそろえる
適期は気温が上がる4〜5月です。一回り大きな鉢、赤玉土と軽石と腐葉土、鉢底石、支柱、麻ひも、清潔なハサミを用意します。
株を鉢から抜く
前日に水やりを控え、鉢の縁を叩いて株元を持ち、根鉢ごと抜きます。根鉢は崩さないように扱います。
底の根だけを軽くほぐす
鉢底で回っている根だけを指で軽くほぐし、黒く傷んだ根があれば切ります。根鉢の上や側面の土はそのまま残します。
植え付けて支柱を立てる
鉢底石を敷き、元と同じ深さに植えて土を足します。高さ1m以上の株は支柱を立て、麻ひもで幹を8の字に結んで固定します。
明るい日陰で休ませる
鉢底から流れるまで水を与え、1〜2週間は明るい日陰に置きます。新しい葉が動き出したら日なたに戻し、肥料は1か月後から与えます。
レモンユーカリは、ほかのユーカリと同じく挿し木では根が出にくく、増やすなら種まきが現実的です。適期は気温が20°C前後になる4〜6月で、細かい種を種まき用土の表面にまき、ごく薄く土をかけるか、かけずに霧吹きで湿らせます。明るい日陰で乾かさないよう管理すると、2〜3週間ほどで発芽します。本葉が4〜6枚になったら、3号ポットに1本ずつ植え替えます。発芽したばかりの苗の葉はやや丸く毛があり、育つにつれて細長いレモンユーカリらしい葉に変わっていきます。
よくある失敗は、発芽後の苗を暗い場所に置いて細く倒れさせてしまうことです。本葉が出たら、日当たりの良い場所に少しずつ慣らしてください。
時期と道具を準備する
適期は気温20°C前後の4〜6月です。レモンユーカリの種、清潔な種まき用土、浅い鉢か育苗トレー、霧吹き、3号ポットを用意します。
種を表面にまく
湿らせた種まき用土の表面に、重ならないよう種をまきます。種は細かいので、土はごく薄くかけるか、かけずに軽く押さえます。
乾かさずに発芽を待つ
霧吹きで土を湿らせ、明るい日陰に置きます。土の表面を乾かさないように管理すると、2〜3週間ほどで発芽します。
本葉が出たら鉢上げする
本葉が4〜6枚になったら、根を傷めないように土ごと掘り上げ、水はけの良い土を入れた3号ポットに1本ずつ植えます。
日なたに慣らして育てる
鉢上げ後1週間は明るい日陰で休ませ、その後少しずつ日なたに慣らします。苗が徒長しないよう、日当たりを十分に確保します。
精油成分の多いレモンユーカリは、病害虫が比較的少ない樹です。気を付けたいのは、乾燥する夏に葉裏に付くハダニと、枝に付くカイガラムシです。ハダニが付くと葉の表面が白っぽくかすれるので、葉裏に霧吹きやシャワーで水をかけて洗い流します。カイガラムシは見つけたら歯ブラシでこすり落とします。屋外の鉢では、コガネムシの幼虫が土の中で根を食べることがあり、元気がないのに土が湿っている場合は、鉢を抜いて確認します。
病気よりも多いトラブルは、冬の寒さと、鉢の水切れや過湿による落葉です。葉が落ち始めたら、まず置き場所の温度と土の湿り具合を確認しましょう。
気温が上がり成長が始まる季節です。最低気温が10°Cを超えたら屋外の日なたへ移します。4〜5月は芯止め・剪定と植え替えの適期です。緩効性肥料を少量与え、水は土の表面が乾いたらたっぷり与えます。
最もよく伸びる時期で、鉢の土がすぐ乾くので毎日確かめます。真夏の西日で葉が傷む場合は、午後だけ日陰になる場所へ移します。乾燥でハダニが増えるので、葉裏に水をかけて予防します。台風の前は鉢を倒しておくか、室内へ入れます。
9月は剪定と追肥の適期です。10月からは水やりの間隔を広げ、肥料を止めます。最低気温が5°Cを下回る前に、日当たりの良い室内か霜の当たらない軒下へ移します。取り込む前に葉裏の害虫を確認します。
室内の日当たりの良い窓辺で、5°C以上を保ちます。水は土の中まで乾いてから、1週間に1回程度、暖かい日の午前中に与えます。冬は肥料を与えません。暖房の風が直接当たる場所は乾燥で葉が傷むので避けます。
原因
寒さや霜による傷みです。レモンユーカリはほかのユーカリより寒さに弱く、霜に当たったり、5°Cを下回る場所に置いたりすると葉が傷みます。
対策
日当たりの良い室内へ移し、水は控えめにします。枝を折ってみて中が緑ならまだ生きているので、春に傷んだ部分を切り戻すと新しい芽が出ます。
原因
鉢の水切れが多く、夏のベランダでは1〜2日で土が乾き切ります。逆に、土が湿ったままなのに落ちる場合は根腐れが考えられます。
対策
土が乾いていればたっぷり水を与え、半日陰で休ませます。湿っている場合は水を止め、根の傷みを確認して水はけの良い土に植え直します。
原因
日照不足と、成長の速さに対して支えが足りないことが原因です。室内の暗い場所では枝が細く伸びやすくなります。
対策
日当たりの良い場所に移し、支柱を立てて幹を固定します。4〜5月に芯止めと切り戻しをして、背丈を抑えながら枝数を増やします。
原因
日照不足で精油が十分に作られていないことが主な原因です。肥料の与えすぎで枝葉ばかり伸びた場合にも、香りが弱く感じられることがあるといわれます。
対策
春から秋は屋外の日なたで育て、肥料は控えめにします。芯止めや切り戻しで新しい葉を出させると、若い葉ほど香りがはっきりします。
原因
ハダニです。乾燥する夏や、暖房の効いた室内で葉裏に付き、汁を吸って葉をかすれさせます。
対策
葉裏にシャワーや霧吹きで水をかけて洗い流し、乾燥する時期は葉水を続けます。数が多い場合は殺ダニ剤を使います。
ここにない症状は症状から調べるで、葉の色・しおれ・虫・病気などから逆引きできます。

レモンユーカリの花は、自生地や暖かい地域の庭で大きく育った木に咲くもので、鉢植えで背丈を抑えて育てている株が咲くことはまれです。
花は白〜クリーム色で、花びらがなく、たくさんの細いおしべが筆先のように広がる、ユーカリの仲間らしい姿です。枝先に数輪ずつまとまって咲き、つぼみには帽子のようなふたが付いていて、咲くときに外れます。家庭では香りの良い葉を楽しむ植物と考え、もし咲いたら記念に眺めましょう。
ユーカリの花言葉として「再生」「新生」「思い出」などが知られています。山火事の後でも焼けた幹から新しい芽を吹き、森がよみがえる力強さに由来するといわれます。レモンユーカリ固有の花言葉は定まっていないため、贈るときはユーカリ全体の意味を添えるとよいでしょう。
風水では、すっきりと上へ伸びる細い葉の植物は、気の流れを良くして空間を浄化するといわれます。レモンユーカリはさわやかな香りも相まって、リフレッシュや集中を助ける植物として、書斎や仕事部屋に置く人が多い植物です。日当たりを好むので、東や南の明るい窓辺に置くと、植物にも良い環境になります。
鉢を置くだけで虫よけになるほどの効果は、あまり期待できません。市販の虫よけに使われる「レモンユーカリ油」は、葉から採った精油を加工して、虫よけ成分(PMD)を高めたものです。葉の香りの主成分シトロネラールにも虫が嫌う性質があるといわれますが、生の葉をこすったり置いたりするだけでは、製品と同じ効果にはなりません。また、精油をそのまま肌に塗ると肌荒れの原因になります。虫よけを目的にするなら、表示に従って市販の製品を使い、鉢植えは香りを楽しむ植物として育てましょう。
霜が降りる地域では、冬は室内に取り込む方が安全です。レモンユーカリはグニーやポポラスなどのユーカリより寒さに弱く、霜に当たると葉が茶色く傷み、強い冷え込みでは枝まで枯れ込むことがあります。最低気温が5°Cを下回る前に、日当たりの良い室内か、霜の当たらない軒下へ移しましょう。関東以西の暖地で軒下に置く場合も、寒波の予報が出た夜は室内に入れると安心です。室内では、暖房の風が直接当たらない窓辺を選びます。
多くは日照不足で、葉の精油が十分に作られていないことが原因です。室内の暗い場所で育てると、葉が薄く大きくなり、香りも弱くなりがちです。春から秋は屋外の日なたで育てると、葉が締まって香りが戻ってきます。また、肥料を与えすぎると枝葉ばかり伸びて、香りが弱く感じられることがあるといわれます。芯止めや切り戻しで若い葉を出させると、新しい葉ほど香りがはっきりするので、剪定も香りを保つのに役立ちます。
4〜5月に主幹の先を好みの高さで切る「芯止め」をして、毎年伸びた分を切り戻します。レモンユーカリは鉢植えでも年に50cm〜1m伸びることがあり、放っておくと天井に届くほどになります。芯止めした位置の下から脇芽が出るので、目線くらいの高さで切れば、そこから枝分かれしてこんもりまとまります。その後は9月にも、伸びた枝を3分の1ほど切り戻します。毎年少しずつ切る方が、大きくなってから一気に切るより株が弱りません。
香りを楽しむのはポプリや部屋に飾る使い方にとどめ、口にするのは避けるのが安心です。ユーカリの仲間の葉や精油には、多く摂ると体に害のある成分が含まれるとされ、家庭で育てた葉を安全に食べる量の目安は示されていません。切った枝を花瓶に挿したり、乾燥させた葉を布袋に入れたりすれば、さわやかな香りを長く楽しめます。ペット、とくに猫は精油に弱いので、飾る場所にも気を付けましょう。
ユーカリ としてまとめている他の品種です。
| 品種 | 大きさの目安 | 難易度 | 水やり |
|---|---|---|---|
| レモンユーカリ(本記事) | 鉢植えでは芯止めして1〜2mに保つのが一般的。自生地や暖地の庭植えでは10m以上の高木になります。 | 中級者向け | 鉢の土が乾いたらたっぷり(春秋は3〜4日に1回、夏は毎日確認、冬は1週間に1回程度) |
| ユーカリ | 放任で5〜10m。剪定管理で2〜3m、鉢植えなら1〜2mを維持。 | 中級者向け | 乾かし気味(庭植えは根付けば基本不要) |
執筆: Hapot編集部
植物を迎えたばかりの人が枯らさずに育てられるように、植物図鑑と症状別の記事を編集しているチームです。農林水産省や農研機構など公的機関の栽培指針を確認したうえで、温度や頻度を数値で示し、迷いやすい判断は結論から書くことを大切にしています。誤りや古くなった情報はお問い合わせから受け付け、確認のうえ更新しています。