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ソテツの育て方

Cycas revoluta最終更新日:
編集部

Hapot編集部より

ソテツ(Cycas revoluta)は、恐竜が栄えた中生代からほとんど姿を変えずに生き残ってきた「生きた化石」と呼ばれる裸子植物です。日本の九州南部から沖縄にかけての海岸地帯が原産で、太くごつごつした幹の頂部から、光沢のある硬い羽状の葉を放射状に広げる姿は圧倒的な存在感があります。乾燥や潮風、痩せ地に強く、暖地では街路樹や寺社の庭木として古くから植えられてきました。成長は非常に遅いものの極めて長寿で、一度根付けばほとんど手がかからないため、難易度は見た目より低めです。和風・洋風どちらの庭にも合うシンボルツリーとして、また小型株は鉢植えのインテリアグリーンとしても人気があります。雌雄異株で、夏に雄株は松ぼっくり状の花を、雌株はドーム状の花を付けます。

分類・基本データ

ソテツ科
ソテツ
別名
蘇鉄、サイカス、鳳尾蕉
原産地
日本の九州南部(鹿児島県)から沖縄、台湾、中国南部にかけての海岸沿いの岩場が原産です。強い日差しと潮風にさらされる痩せた土地に自生しており、乾燥や貧栄養に非常に強い性質はこの環境で培われたものです。
大きさ
鉢植えでは高さ30cm〜1m程度でコンパクトに楽しめます。地植えでは数十年かけて高さ2〜5mに達しますが、成長が非常に遅いため、一般家庭の庭では長期間1〜2m程度に収まります。葉の広がりは幹の高さと同等以上になる点に注意が必要です。

育て方サマリ

水やり

土が乾いてから(週1回程度、冬は月1-2回)

日光

直射日光

適温

-5-35°C(霜に注意)

湿度

30-60%

水はけの良い土。赤玉土7:腐葉土2:軽石1

ケアのポイント

肥料

春と秋に緩効性肥料を少量

成長速度

非常に遅い

毒性

種子に強い毒性あり(サイカシン)。ペットや子どもに注意

葉が黄色くなる主な原因は「寒害」「根詰まり」「鉄分不足」です。寒冷地では冬に葉を束ねて藁で巻く防寒対策が必要。古い葉は下から順に黄変するのは自然な現象なので、見た目が気になったら根元から切り取ります。植え替えは5-8月の暖かい時期に。根が太いので大きめの鉢を選びましょう。室内管理も可能ですが、できるだけ日当たりの良い場所に。乾燥にはとても強い植物です。

育て方の詳細

苗・株の選び方

葉の色が濃い緑で、葉先までピンと張りがある株を選びましょう。幹を軽く押してぐらつかないこと、幹がしっかり硬く締まっていることが健康な根の証拠です。葉が全体的に黄色っぽい株や、幹が柔らかくへこむ株は根傷みの可能性があるので避けます。購入適期は生育期に入る5〜7月。鉢植え用なら幹の高さ20〜40cmの若株が扱いやすく、庭のシンボルにするなら幹立ちした株を選ぶと植えた直後から見栄えがします。

置き場所・日当たり

日光が大好きな強健植物です。庭植え・鉢植えとも1日5時間以上日の当たる場所が理想で、日照不足では新葉が細く弱々しくなります。潮風にも排気ガスにも強く、環境適応力は抜群。耐寒性は比較的高く、関東以西の平野部なら庭植えで越冬できます(寒冷地では冬は葉をまとめて縄で巻き、わらで防寒するか、鉢植えにして室内へ)。成長がゆっくりなので、和風・リゾート風どちらの庭でも長く同じ姿を楽しめます。

水やりの詳細

乾燥に非常に強く、庭植えは根付いた後の水やりはほぼ不要です(真夏に日照りが続くときだけたっぷりと)。鉢植えは土の表面が乾いてから2〜3日後に与える乾かし気味の管理で、春〜秋は週1回、冬は月1〜2回が目安。過湿は幹の腐敗を招く大敵で、水はけの悪い場所に植えると数年かけてじわじわ弱ります。植え付け時に土壌の排水性を確保することが、その後の管理を楽にする最大のポイントです。

剪定・切り戻し

年1回、古い葉を切り落とす「葉落とし」が基本の手入れです。適期は新芽が出る前の3〜4月か、新葉が固まった後の梅雨明け。下段の古い葉や黄変した葉を、付け根に数cm残して切り落とします。全部の葉を落とす「丸刈り」もソテツは平気で、夏に新しい葉が一斉に展開して美しい姿に更新されます。葉の縁は硬く鋭いので、作業時は長袖と革手袋を必ず着用してください。

植え替え

鉢植えは3〜4年に1回、5〜7月に。成長が遅いため頻繁な植え替えは不要です。根鉢を軽くほぐし、水はけの良い土(赤玉土6:腐葉土2:川砂2)で一回り大きな鉢へ。庭植えの移植も5〜7月が適期で、ソテツは移植に強く、根を切り詰めても幹の貯蔵養分で復活します。大株の移植は重量があるため、複数人での作業か業者への依頼を検討してください。

増やし方

株分け(子株外し)が現実的な方法です。幹の途中や株元にできるコブ状の子株(不定芽)が拳大以上に育ったら、5〜7月にナイフやノミで幹から切り離します。葉と根はすべて切り落とし、切り口を1〜2週間日陰で乾かしてから、川砂や赤玉土に半分埋めて発根を待ちます。発根までは数か月と気長ですが、成功率は悪くありません。種からも育てられますが、雌雄異株のため結実には両方の株が必要です。

病害虫対策

近年最大の脅威はクロマダラソテツシジミ(チョウ)の幼虫です。夏〜秋に新芽を食害し、柔らかい新葉が茶色くボロボロになります。新芽が出るタイミングで幼虫を見つけたら捕殺し、被害が続く地域では新芽展開期に浸透移行性の薬剤(オルトランなど)で予防を。カイガラムシが葉裏に付くこともあり、見つけ次第こすり落とします。古い葉をこまめに整理して風通しを保つことが基本の予防策です。

季節ごとの管理

春の管理

新葉が展開する時期。肥料を施しましょう。植え替えの適期。

夏の管理

成長期。とはいえ成長は非常にゆっくり。水やりをしっかり行います。

秋の管理

肥料を施します。寒冷地は冬の防寒準備を。

冬の管理

寒冷地では葉を束ねて藁やシートで巻く防寒対策を。暖地では特に対策不要。

よくあるトラブルと対策

葉が黄色くなる

原因

寒害、鉄分不足、根詰まり

対策

防寒対策を行い、鉄分を含む肥料を施す。根詰まりなら植え替え

新芽が出ない

原因

寒さ、栄養不足

対策

暖かい場所で管理し、春に施肥する

ソテツの花言葉・風水

花言葉

ソテツの花言葉は「雄々しい」です。太くたくましい幹と、硬く力強い葉を四方に広げる勇壮な姿に由来します。ソテツは雌雄異株で、10年以上育った成株が夏に開花しますが、毎年咲くわけではなく数年に一度しか咲きません。そのため「ソテツの花が咲くと縁起が良い」といわれる地域もあります。

風水・縁起

ソテツの名は「鉄を蘇らせる」と書き、弱った株の幹に鉄釘を打ち込むと元気を取り戻すという古い言い伝えに由来します。この逞しい生命力から、古来「不老長寿」「繁栄」の縁起木とされてきました。安土桃山時代には大名たちが競って庭園に植え、京都の寺院や城郭には樹齢数百年の名木が今も残ります。風水では、上向きに鋭く伸びる葉が邪気を払うとされ、家の入り口や鬼門の方角に植えると魔除けになるといわれています。

ソテツのよくある質問

Qソテツの葉は全部切っても大丈夫ですか?回答を見る
A

健康な成株であれば、全ての葉を幹の根元から切り落とす「丸坊主」にしても、初夏〜夏に新しい葉が一斉に展開して再生します。葉が古く乱れた株のリフレッシュや、植え替え・移植時の蒸散を抑える目的で行われる手法です。ただし体力を消耗するため、適期は新芽が動く前の3〜5月に限り、幼株や弱った株には行わないでください。通常の手入れでは、下側の古い葉だけを付け根から切り取れば十分です。

Qソテツは何年で大きくなりますか?成長速度は?回答を見る
A

ソテツの幹が伸びる速さは年に1〜3cm程度と非常にゆっくりで、幹の高さが1mになるには数十年かかります。葉は年に1回、初夏に新しい1セットが輪状に展開するのが基本サイクルです。この成長の遅さは欠点ではなく、樹形が長期間崩れず、鉢植えでも何年も同じサイズ感で楽しめるという利点でもあります。早く大きな株が欲しい場合は、最初から幹立ちした大株を購入するのが現実的です。

Qソテツの実や種は食べられますか?毒があると聞きました。回答を見る
A

ソテツの種子(朱色の実)や幹にはサイカシンという強い毒素が含まれており、そのまま食べると嘔吐や肝障害を起こす危険があります。絶対に口にしないでください。犬や猫が齧った場合も中毒を起こすため、雌株に実が付いたら早めに取り除くと安心です。奄美や沖縄では飢饉の際に水さらしと発酵で毒抜きをしてデンプンを利用した歴史がありますが、高度な伝統技術によるもので、家庭での再現は危険です。

Qソテツは室内で育てられますか?回答を見る
A

小型の鉢植えなら室内でも育てられますが、本来は強い日光を好む植物なので、南向きの窓辺など室内で最も明るい場所が必須です。日照不足が続くと、新しい葉が間延びしてひょろ長くなり、本来の締まった樹形が崩れます。可能であれば5〜10月は屋外の日なたに出し、冬だけ室内に取り込む管理が理想です。室内では乾燥気味に管理し、エアコンの風が直接当たらない場所に置いてください。

Qソテツの植え替えや庭への移植はいつ、どうやればいいですか?回答を見る
A

適期は気温が十分に上がる5〜8月です。ソテツは根が太く少ないため、根鉢を崩しすぎないことがポイントです。鉢植えは3〜4年に1回、一回り大きな鉢に水はけの良い土で植え替えます。庭への移植は、葉を全て切り落として蒸散を抑え、幹を傷つけないように掘り上げて行うと活着率が上がります。植え付け後はやや乾かし気味に管理し、新葉が出れば成功のサインです。大株の移植は重量があるため2人以上で行いましょう。

Qソテツのトゲで怪我をしませんか?子どもがいても植えられますか?回答を見る
A

ソテツの葉先は硬く尖っており、刺さると痛く、人によっては腫れることもあります。通路や子どもの遊び場のすぐ脇への植栽は避け、人が通る場所から葉先まで50cm以上の余裕を持たせて植えるのが安全です。手入れの際は厚手の革手袋と長袖を着用してください。また種子に毒があるため、小さな子どもやペットがいる家庭では雌株の実を早めに取り除くか、実の付かない雄株や若株を選ぶと安心です。