苗・株の選び方
良い株は、枝先まで葉が緑で詰まって付き、株元の葉が茶色くなっていないこと、蕾が多く、まだ咲き始めの段階であること、鉢を持ったときに土が乾ききっていないことの3点で見分けます。
避けたいのは、株の内側や下の方の葉が茶色く枯れ込んでいる株と、鉢を揺らすと葉がぱらぱら落ちる株です。どちらも店頭で水切れや蒸れを起こしている可能性があります。暖房の効いた売り場に長く置かれた株も弱っていることがあるので、屋外や涼しい売り場の株を選ぶと安心です。
Hapot編集部より
エリカは、秋から春にかけて、細い枝を埋め尽くすように小さな花を咲かせるツツジ科の花木です。南アフリカやヨーロッパに数百種が分布し、日本の園芸店では、冬に淡いピンクの小花に黒いおしべがのぞくジャノメエリカ、鈴のような白い花を下向きに付けるスズランエリカ、寒さに強く地面を覆うように咲くエリカ・カルネアなどが鉢花として出回ります。針のように細い葉が密に付き、花のない時期も小さな針葉樹のような姿を楽しめます。育てるうえでの要点は、ツツジの仲間らしく酸性の土を好むこと、細い根が乾燥にも過湿にも弱いこと、そして日本の夏の高温多湿が苦手なことです。花が終わったらすぐに剪定し、夏は風通しの良い半日陰で乾かしすぎずに管理する、この2点を守れば毎年花を楽しめます。ジャノメエリカは関東以西の平地なら庭植えで冬を越せますが、霜の強い地域では鉢植えで軒下に移すと安心です。

水やり
土の表面が乾いたらたっぷり(春秋は2〜3日に1回、夏は毎日確認)。冬も乾かしすぎない
日光
直射日光
温度の目安
0-25°C(ジャノメエリカは-3°C前後まで耐えるとされる。夏の30°Cを超える蒸れに弱い)
湿度
40-60%(蒸れを嫌い、風通しを好む)
土
水はけの良い酸性土。鹿沼土とピートモス(酸度未調整)を主体にした配合
大きさの目安
鉢植えでは草丈30〜60cmほどが一般的です。ジャノメエリカは庭植えで1〜2mになることもあり、エリカ・カルネアは高さ20〜30cmほどで横に広がります。葉は長さ数mmの針のような形です。
成長の速さ
中(鉢植えで草丈30〜60cm。年に10〜20cmほど枝が伸びる)
温度の目安(耐寒〜耐暑)
0-25°C(ジャノメエリカは-3°C前後まで耐えるとされる。夏の30°Cを超える蒸れに弱い)
肥料
花後の4〜5月と9〜10月に、緩効性肥料を少量(リン酸の多い草花用)
成長速度
中(鉢植えで草丈30〜60cm。年に10〜20cmほど枝が伸びる)
毒性
エリカの毒性について、はっきりした報告は多くない。ツツジ科には有毒成分を含む植物もあるため、ペットや子どもが口にしないよう置き場所に注意する
花後すぐの剪定と、夏の蒸れ対策が翌年の花を左右します。土は酸性で水はけの良いものを使い、乾かしきらないように水を与えます。
良い株は、枝先まで葉が緑で詰まって付き、株元の葉が茶色くなっていないこと、蕾が多く、まだ咲き始めの段階であること、鉢を持ったときに土が乾ききっていないことの3点で見分けます。
避けたいのは、株の内側や下の方の葉が茶色く枯れ込んでいる株と、鉢を揺らすと葉がぱらぱら落ちる株です。どちらも店頭で水切れや蒸れを起こしている可能性があります。暖房の効いた売り場に長く置かれた株も弱っていることがあるので、屋外や涼しい売り場の株を選ぶと安心です。
秋から春の花の時期は、日当たりの良い場所で育てます。日照が足りないと花付きが悪くなり、枝が間延びします。ジャノメエリカは寒さに比較的強く、関東以西の平地なら冬も屋外の日なたで管理できますが、霜や寒風が強く当たる場所では花や葉先が傷むので、鉢植えは軒下や日当たりの良い玄関先へ移します。暖房の効いた室内は乾燥しやすく、花が早く終わるため、室内に飾るのは数日にとどめ、普段は屋外で育てるのが基本です。
苦手なのは日本の夏です。梅雨から夏は、雨の当たらない風通しの良い半日陰に移します。西日や照り返しの強いコンクリートの上は避け、鉢をすのこや台の上に置いて鉢の中の温度を下げると、根腐れや株の蒸れを防げます。
エリカは細い根が土の浅いところに広がり、一度強く水切れさせると葉がぱらぱら落ちて回復しにくい植物です。土の表面が乾いたら、鉢底から流れ出るまでたっぷり与えます。春と秋は2〜3日に1回、夏は朝に土を確かめ、乾いていれば与えます。花の時期の冬も、晴れて風の強い日は鉢土が意外に早く乾くので、こまめに確認します。
よくある失敗は、乾燥を恐れて毎日少しずつ水を与え続け、夏に根腐れさせてしまうことです。受け皿に水をためたままにしないでください。鉢が軽くなってから与える、というリズムを覚えると水やりの加減がつかみやすくなります。水道水を与え続けても問題はありませんが、石灰分の多い土や肥料で土がアルカリ性に傾くと葉が黄ばむので注意します。
ツツジの仲間なので、酸性で水はけの良い土が欠かせません。市販のブルーベリー用土やツツジ・サツキ用土がそのまま使えます。自分で配合するなら、鹿沼土小粒6、ピートモス(酸度未調整のもの)3、パーライト1が目安です。一般的な草花用培養土は苦土石灰などで中性に調整されていることが多く、エリカには合わないことがあります。鉢底には鉢底石を2cmほど敷き、水がすっと抜けるようにします。庭植えでは、植え穴に鹿沼土とピートモスを多めに混ぜ、水はけの悪い場所では土を盛り上げて植え付けます。苦土石灰や草木灰は混ぜないでください。
エリカの多くは、夏から秋にかけて枝先に翌シーズンの花芽を作ります。そのため、剪定は花が終わった直後の3〜5月に済ませるのが鉄則です。花の咲いた枝の部分を、葉の付いているところまで3分の1ほど切り戻すと、脇から新しい枝が伸び、その先に次の花が付きます。花がらを残したままにすると株が種づくりに体力を使い、枝の更新も遅れます。
よくある失敗は、夏や秋に伸びた枝を「整えよう」と切って、作りかけの花芽を落としてしまうことです。初夏以降は、枯れた枝や混み合った枝を付け根から抜く程度にとどめます。古い株で枝元が木質化して葉がなくなった部分は、葉のない部分まで強く切ると芽が出にくいので、必ず葉の付いた位置で切ります。
時期を見極める
花が終わった直後の3〜5月に行います。夏以降は翌シーズンの花芽を切り落とすので、強い剪定はしません。
道具を用意する
清潔な剪定ばさみを用意します。細い枝が密集しているので、刃先の細いハサミが使いやすいです。
花の咲いた枝を切り戻す
花の咲いた部分を含め、枝の先から3分の1ほどを、葉の付いている位置で切ります。葉のない部分まで切り込みません。
混み合った枝を抜く
株の内側の枯れ枝や、交差して混み合った枝を付け根から切り取り、株の中に風が通るようにします。
肥料を与えて育てる
剪定後に緩効性肥料を少量与え、日当たりの良い場所で新しい枝を育てます。この枝の先に次の花が咲きます。
植え替えは2年に1回、花後の4〜5月か、暑さが落ち着いた9〜10月に行います。鉢底から根が出ている、水がしみ込みにくい、といった様子が合図です。エリカの根は細く傷みやすいので、根鉢は大きく崩さず、肩と底の古い土を軽く落とす程度にして、一回り大きな鉢に酸性の用土で植え付けます。
購入したばかりの鉢花は、蒸れやすいビニールポットや装飾用の鉢カバーに入っていることが多いので、花が終わってから素焼き鉢やスリット鉢に植え替えると夏越しが楽になります。植え替え後は鉢底から流れるまで水を与え、1週間ほど明るい日陰で休ませてから元の場所へ戻します。真夏と真冬の植え替えは株を弱らせるので避けます。
時期と道具をそろえる
花後の4〜5月か、9〜10月に行います。一回り大きな鉢、ブルーベリー用土などの酸性の用土、鉢底石、清潔なハサミを用意します。
株を鉢から抜く
鉢の縁を軽く叩き、株元を持って根鉢ごと抜きます。ポット苗は鉢を切り開くと根を傷めずに取り出せます。
根鉢を軽く整える
根鉢は大きく崩さず、肩と底の古い土を軽く落とします。黒く傷んだ根があれば切り取ります。
酸性の用土で植え付ける
鉢底石を2cmほど敷き、元と同じ高さになるように植えます。株元に土を寄せすぎず、すき間に用土を詰めます。
明るい日陰で休ませる
鉢底から流れるまで水を与え、1週間ほど明るい日陰で休ませます。肥料は根が落ち着く2〜3週間後から与えます。
エリカは挿し木で増やすのが一般的です。適期は新しい枝が少し硬くなる6月ごろと、9月ごろです。その年に伸びた元気な枝の先を5〜7cmに切り、下半分の葉を取って挿し穂にします。1時間ほど水を吸わせてから、湿らせた鹿沼土小粒や挿し木用土に3cmほど挿します。
挿した後は直射日光の当たらない明るい日陰に置き、土と空気を乾かさないように管理すると、1〜2か月で根が出ます。透明なカップをかぶせて湿度を保つと成功しやすくなりますが、蒸れてカビが出ないよう、ときどき換気します。根が出たら小鉢に酸性の用土で植え付け、先端を摘んで枝数を増やすと、2年ほどで花の咲く株に育ちます。
時期と道具を用意する
適期は6月ごろと9月ごろです。清潔なハサミ、湿らせた鹿沼土小粒か挿し木用土を入れた小鉢、透明なカップを用意します。
挿し穂を作る
その年に伸びた元気な枝の先を5〜7cmに切り、下半分の葉を取ります。花や蕾の付いた枝は避けます。
水を吸わせて挿す
切り口を1時間ほど水に浸けてから、用土に3cmほど挿します。挿した後は、たっぷり水を与えます。
湿度を保って発根を待つ
透明なカップをかぶせて明るい日陰に置き、土を乾かさないようにします。ときどき換気し、1〜2か月で根が出ます。
根が出たら鉢に植える
新しい芽が伸び始めたら、酸性の用土で小鉢に植え付けます。先端を摘んで枝数を増やし、2年ほどで開花株に育てます。
エリカは病害虫の比較的少ない植物ですが、春から秋の乾燥した時期にはハダニ、新芽にはアブラムシが付くことがあります。ハダニは葉が白っぽくかすれるのが目印で、ときどき株全体にシャワーをかけると予防になります。見つけたら水で洗い流し、数が多ければ園芸用の殺虫剤を使います。
最も注意したいのは、梅雨から夏の蒸れと過湿による根腐れや灰色かび病です。株の内側の葉が茶色くなる、枝がまとめて枯れ込む、といった症状が出たら、枯れた枝を取り除いて風通しを良くし、雨の当たらない場所へ移します。土がいつまでも湿っている場合は水やりの間隔を空け、水はけの良い用土への植え替えを検討します。
花が終わったら、3〜5月のうちに花の咲いた枝を3分の1ほど切り戻します。剪定後に緩効性肥料を少量与え、4〜5月は植え替えの適期です。日当たりの良い場所で新しい枝を育てます。
梅雨入り前に、雨の当たらない風通しの良い半日陰へ移します。鉢をすのこの上に置いて蒸れを防ぎ、水は朝に土を確かめて与えます。この時期に花芽ができるので、夏以降は枝を切り戻しません。
暑さが落ち着いたら日なたへ戻し、9〜10月に少量の肥料を与えます。9〜10月は植え替えと挿し木もできる時期です。ジャノメエリカなどは秋の終わりから蕾が色づき、花の季節が始まります。
花の時期です。日当たりの良い屋外か軒下で管理し、霜や寒風が強く当たる夜は軒下へ移します。水は土の表面が乾いたら、暖かい日の午前中に与えます。暖房の効いた室内に長く置くと花が早く終わります。
原因
水切れか、夏の蒸れによる根の傷みです。エリカの細い根は乾燥にも過湿にも弱く、一度強く水切れさせると葉が落ちて戻りにくくなります。
対策
土が乾いていれば水やりの間隔を短くし、湿っていれば風通しの良い半日陰へ移して水を控えます。枯れた枝は付け根から切り、緑の残る枝から芽が出るのを待ちます。
原因
夏以降に枝を切って花芽を落としたか、日照不足、夏の蒸れで株が弱ったことが考えられます。窒素の多い肥料の与えすぎでも花が減ります。
対策
剪定は花後すぐの3〜5月だけにし、秋から春は日当たりの良い場所で育てます。肥料はリン酸の多い草花用を少量にとどめます。
原因
梅雨から夏の蒸れです。枝が密集して風が通らず、株の中が湿ったままになると起こります。灰色かび病が出ていることもあります。
対策
枯れた枝を取り除き、混み合った枝を付け根から抜いて風を通します。雨の当たらない風通しの良い半日陰へ移し、水は朝に与えます。
原因
土がアルカリ性に傾いて、根が養分を吸えなくなっている可能性があります。一般的な培養土や石灰を混ぜた土で起こりやすくなります。
対策
花後か秋に、ブルーベリー用土など酸性の用土へ植え替えます。苦土石灰や草木灰は与えず、肥料は控えめにします。
原因
ハダニです。春から秋の乾燥した時期や、暖房の効いた室内に置いたときに発生しやすくなります。
対策
株全体にシャワーをかけてハダニを洗い流し、ときどき葉に水をかけて予防します。数が多い場合は園芸用の殺ダニ剤を使います。
ここにない症状は症状から調べるで、葉の色・しおれ・虫・病気などから逆引きできます。

エリカは鉢花として出回るとおり、家庭でも毎年たくさんの花を咲かせる植物です。ジャノメエリカは11〜3月ごろ、枝を埋めるように直径数mmの淡いピンクの壺形の花を付け、花の口から黒いおしべがのぞくのが「蛇の目」の名の由来です。スズランエリカは、白い小さな鈴形の花を枝に沿って下向きに連ねます。
花は数か月にわたって次々に咲き、株全体が花に覆われたようになります。咲き終わった花はそのまま枝に残って茶色くなるので、花の季節が終わったら3〜5月のうちに枝ごと切り戻すと、次の花が付く新しい枝が育ちます。
エリカの花言葉として、「孤独」「寂しさ」などがよく紹介されます。ヨーロッパの荒涼とした荒れ地に咲く姿に由来するといわれます。一方で「幸福な愛」とされることもあり、冬の寂しい季節に明るい花を咲かせる鉢花として贈り物にも使われます。
エリカについて、風水で広く知られた決まった意味づけはありません。一般に、ピンクの花は人間関係や恋愛運に良いといわれ、冬の玄関先やベランダを明るくする鉢花として置く人が多い植物です。
多くは、剪定の時期が遅く花芽を切り落としていることが原因です。エリカの多くは夏から秋に枝先へ翌シーズンの花芽を作るため、花が終わったらすぐ、遅くとも5月までに切り戻しを済ませます。夏以降に枝を切ると、花のない冬になってしまいます。ほかには、日当たりの悪い場所に置いている、夏の蒸れで株が弱った、窒素の多い肥料を与えすぎて枝葉ばかり茂った、土がアルカリ性に傾いて根が弱った、といった原因が考えられます。日なたで育て、花後の剪定と夏の半日陰を守ると、翌年は花が戻ってきます。
水切れか、夏の蒸れによる根の傷みが最も多い原因です。エリカは細い根が乾燥に弱く、一度強く水切れさせると葉が茶色くなって落ち、その枝は戻りにくくなります。反対に、土がいつも湿っている状態や梅雨の蒸れでも根が傷み、同じように葉が落ちます。土の状態を確かめ、乾いていれば水やりの間隔を短くし、湿っていれば風通しの良い半日陰に移して水を控えます。枯れた枝は付け根から切り取り、緑の残っている枝から新しい芽が出るのを待ちます。
梅雨から夏を、雨の当たらない風通しの良い半日陰で過ごさせれば夏越しできます。エリカが苦手なのは暑さそのものより、高温と多湿が重なる蒸れです。鉢をすのこや台の上に置いて下からも風を通し、西日や照り返しを避けます。水は朝に土を確かめ、乾いていればたっぷり与え、夕方に土が湿ったままなら翌朝まで待ちます。花後に枝を切り戻して株の中を透かしておくと、蒸れにくくなります。夏の間は肥料を与えず、株を休ませます。
酸性の土を好むので、ブルーベリー用土やツツジ・サツキ用土を使うのが確実です。一般的な草花用培養土は中性に調整されていることが多く、エリカには合わない場合があります。自分で作るなら、鹿沼土小粒6、酸度未調整のピートモス3、パーライト1が目安です。土がアルカリ性に傾くと、葉が黄ばんだり根が弱ったりします。苦土石灰や草木灰は混ぜないでください。
花の時期に数日飾るのはよいですが、普段は屋外で育てるのが基本です。エリカは日当たりと風通しを好み、暖房の効いた室内では乾燥と日照不足で花が早く終わったり、葉が落ちたりします。冬の寒さには比較的強く、ジャノメエリカなら関東以西の平地では屋外で冬を越せます。室内に飾った後は、屋外の日当たりの良い場所に戻し、霜の強い夜だけ軒下や玄関先に移してください。
執筆: Hapot編集部
植物を迎えたばかりの人が枯らさずに育てられるように、植物図鑑と症状別の記事を編集しているチームです。農林水産省や農研機構など公的機関の栽培指針を確認したうえで、温度や頻度を数値で示し、迷いやすい判断は結論から書くことを大切にしています。誤りや古くなった情報はお問い合わせから受け付け、確認のうえ更新しています。