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アップルミントの育て方

Mentha suaveolens公開日: 最終更新日:

アップルミントの育て方の要点

水やり
土の表面が乾いたらたっぷり。乾燥には比較的強い
置き場所
半日陰
冬越し
-10°C 以上を保つ

Hapot編集部より

アップルミントは、リンゴのような甘くやさしい香りと、産毛に覆われた丸い葉が特徴の、とても丈夫なミントで、香りの刺激が苦手な人や、庭の彩りとしても楽しみたい人に向いています。ほかのミントとの違いは葉の形と手触りで、ペパーミントやスペアミントのような細長くつるりとした葉ではなく、丸みのある厚手の葉に細かい毛が生え、触るとふわふわしています。

ヨーロッパ南部から地中海沿岸が原産とされ、和名はマルバハッカ(丸葉薄荷)です。メントールは少なく、清涼感はごく穏やかです。暑さや乾燥にも比較的強く、ミントの中でも特に丈夫で、草丈は60cm以上に伸びることもあります。

葉に白い斑が入るパイナップルミントは、アップルミントの近縁の品種とされ、性質はやや繊細です。葉の毛が口当たりに残るので、生で料理に添えるより、ハーブティーやゼリー、ポプリなど香りを楽しむ使い方が向いています。

アップルミントの姿

分類・基本データ

科
シソ科
属
ハッカ属 Mentha
種
アップルミント
別名
マルバハッカ、丸葉薄荷、Apple mint
原産地
ヨーロッパ南部から地中海沿岸、北アフリカが原産とされ、湿り気のある草地や道端に自生します。

アップルミントの育て方の5つのポイント

水やり

土の表面が乾いたらたっぷり。乾燥には比較的強い

日光

半日陰

温度の目安

-10-30°C

湿度

40-70%

土

野菜用培養土かハーブ用土

アップルミントはどれくらい大きくなる?

大きさの目安

草丈40〜80cm。条件がよいと1m近くになることもあります。地下茎で横に広がります。

成長の速さ

非常に速い

温度の目安(耐寒〜耐暑)

-10-30°C

ケアのポイント

肥料

春に緩効性肥料を少量。ほぼ不要

成長速度

非常に速い

毒性

葉は食用。ペットが大量に食べないよう、手の届かない場所で育てる

ミントの中でも特に丈夫で、肥料もほとんどいりません。背が高くなりやすいので、梅雨前の刈り込みで株を低く保ちます。

育て方の詳細

苗・株の選び方

良い苗は、葉が丸く厚みがあり、産毛がそろって銀色がかって見えること、こするとリンゴのような甘い香りがすること、茎が太く節間が詰まっていることの3点で見分けます。

避けたいのは、株元の葉が黒っぽく傷んでいる苗と、茎がひょろりと間延びした苗です。斑入りのパイナップルミントを選ぶ場合は、白い斑がはっきり入り、緑一色の茎が混じっていない苗を選びます。購入適期は4〜5月か9〜10月で、ハーブ苗が多く並ぶ春のほうが、香りを比べて選びやすくなります。

置き場所・日当たり

基本はミントと同じく半日陰から日なたで育ちますが、アップルミントは葉の毛が強い日差しと乾燥から葉を守るため、日なたにも比較的強い品種です。日当たりのよい場所では茎が太く締まり、葉の毛も密になって銀色がかった姿になります。

草丈が60cm以上になることもあるため、ほかのハーブと並べる場合は後ろ側に置きます。鉢植えで育てるのが基本ですが、どうしても庭で楽しみたい場合は、深さ30cm以上の根止め板で囲った一角に限ります。

よくある失敗は、日陰で育てて茎が間延びし、背丈ばかり伸びて倒れることです。日当たりのよい場所に移し、茎を半分に切り戻せば、2〜3週間で節の詰まった姿に戻ります。

水やりの詳細

アップルミントは、ミントの中では乾燥に比較的強い品種です。水やりの基本はミントと同じですが、葉に毛があり水分が逃げにくいので、土の表面が乾いてからたっぷり与えれば十分で、真夏も朝1回で足りることが多くあります。夕方に葉がしおれている日だけ追加します。

毛のある葉は水滴が残りやすく、蒸れると傷みやすいので、葉の上から水をかけず株元に注ぐようにします。

よくある失敗は、ほかのミントと同じつもりで朝夕に水を与え続け、梅雨に株元の葉が黒く傷むことです。水やりを土が乾いてからに改め、傷んだ下葉を取って株元の風通しをよくすると、新しい葉は元気に育ちます。

最適な土の作り方

市販の野菜用培養土かハーブ用土で育てられます。アップルミントは乾燥に比較的強く過湿を嫌うので、配合するなら赤玉土小粒6、腐葉土3、軽石1と、ほかのミントより水はけを重視します。鉢底石は2〜3cm敷きます。背が高くなるので、鉢は深さ20cm以上の安定したものが倒れにくく、元肥はほとんど必要ありません。プラスチック鉢より素焼き鉢のほうが土が乾きやすく、梅雨の蒸れを防ぎやすくなります。古い土の使い回しは避けます。

剪定・切り戻し

アップルミントは背丈が伸びやすいので、梅雨前の6月と、夏の終わりの8〜9月に、株全体を半分ほどの高さに刈り込みます。刈り込むと株元から新しい茎が出て、低くこんもりした姿に戻ります。日常の収穫は、茎の先の若い葉を2〜3節分摘みます。

夏に伸びる花穂は淡いピンクから白で観賞にも向きますが、咲かせると葉が硬くなり、こぼれ種で増えすぎることもあります。花を楽しんだら、種ができる前に花穂を切り取るのが目安です。

よくある失敗は、伸ばしたままにして茎が倒れ、株の中心が蒸れて枯れることです。倒れた茎は地際から数節残して切り戻し、株元に日と風を通せば、新しい芽が次々に出てきます。

  1. 1

    時期と道具を用意する

    刈り込みは梅雨前の6月と8〜9月、日常の収穫は4〜10月に随時行います。清潔なはさみを用意します。

  2. 2

    若い葉を2〜3節摘む

    ハーブティーなどに使うときは、茎の先の若い葉を2〜3節分、節のすぐ上で摘み取ります。

  3. 3

    梅雨前に半分の高さに刈る

    6月に株全体を半分ほどの高さに刈り込みます。毛のある葉が蒸れにくくなり、株元から新しい茎が出ます。

  4. 4

    種ができる前に花穂を切る

    花を楽しんだら、種ができる前に花穂ごと茎を切ります。こぼれ種や交雑で増えすぎるのを防げます。

  5. 5

    冬は地際で刈り取る

    冬に地上部が枯れたら地際で刈り取ります。春に地下茎から新しい芽が出てくるのを待ちます。

植え替え

アップルミントは地下茎の勢いがとても強く、鉢植えは1年に1回、3〜4月か9〜10月に植え替えます。鉢から抜いて中心の古い地下茎を取り除き、外側の元気な地下茎を10cmほどに切り分けて植え直します。背の高い株を支えるため、植え替えのときに深さのある鉢を選びます。

斑入りのパイナップルミントと一緒に育てている場合、植え替えのときに緑一色の茎が混じっていないか確かめます。緑の茎は勢いが強く、斑入りの部分を覆ってしまうので、取り除いておきます。

よくある失敗は、植えっぱなしで鉢の中が地下茎でいっぱいになり、水が染み込まなくなることです。外側の地下茎を切り分けて新しい土に植えれば、1か月ほどで元気な芽が出てきます。

  1. 1

    3〜4月か9〜10月に準備する

    適期は3〜4月か9〜10月で、毎年1回行います。深さ20cm以上の安定した鉢、ハーブ用土、軽石、鉢底石、はさみを用意します。

  2. 2

    古い地下茎を取り除く

    株を鉢から抜き、中心の古い地下茎を取り除きます。斑入りの株なら、緑一色の茎が出ている地下茎もここで外します。

  3. 3

    元気な地下茎を植え直す

    外側の元気な地下茎を10cmほどに切り分け、2〜3cmの深さに寝かせて植えます。用土は水はけのよい配合にします。

  4. 4

    水を与えて日なたに戻す

    鉢底から流れるまで水を与え、半日陰で1週間休ませます。新芽が動き出したら日当たりのよい場所に戻します。

増やし方

アップルミントは挿し芽と株分けで簡単に増やせます。挿し芽は茎の先を10cmほど切って下葉を取り、水に挿せば数日で根が出ます。株分けは植え替えのときに地下茎を切り分けるだけで、短い切れ端からも芽が出るほど丈夫です。適期は4〜6月と9〜10月です。

こぼれ種でも増えますが、ほかのミントと交雑した株が出ることがあり、葉の形や香りが変わることがあります。香りのよい株を残すには、挿し芽で増やすのが確実です。

よくある失敗は、パイナップルミントの挿し芽に斑のない緑の茎を使い、育ててみたらアップルミントのような緑の株になることです。挿し穂は白い斑がはっきり入った茎から選びます。

  1. 1

    春か秋に道具を用意する

    適期は4〜6月か9〜10月です。清潔なはさみ、水を入れたコップ、小鉢と水はけのよいハーブ用土を用意します。

  2. 2

    茎の先を10cm切る

    つぼみのない元気な茎の先を10cmほど切り、下の葉を取ります。パイナップルミントは斑のはっきりした茎を選びます。

  3. 3

    水に挿して発根させる

    節が水に浸かるようにコップに挿し、明るい日陰に置きます。毎日水を替えると、数日で節から根が出ます。

  4. 4

    鉢に植えて日に当てる

    根が3cmほど伸びたら小鉢に植え付けます。根付いたら日当たりのよい場所で育て、土が乾いてから水を与えます。

病害虫対策

アップルミントは葉の毛のおかげか、ミントの中でも病害虫が少ない丈夫な品種とされます。それでも春の新芽にはアブラムシが付くことがあり、見つけしだい水で洗い流すか、付いた茎ごと摘み取ります。

注意したいのは梅雨の蒸れで、毛のある葉に水滴が残ると、株元の葉が黒っぽく傷んだり、うどんこ病やさび病が出たりします。梅雨前に半分の高さに刈り込み、株元に風を通すのが予防になります。食用にするので薬剤は使いません。

よくある失敗は、混み合った株元の傷んだ葉を放置して、傷みが株全体に広がることです。傷んだ茎を地際近くで刈り取り、水やりを土が乾いてからに改めれば、2〜3週間で健全な新芽に置き換わります。

年間カレンダー

1月
2月
3月
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月
開花
肥料
手入れ
手入れの内容
  • 3月植え替え・地下茎の更新・肥料を少量
  • 6月梅雨前に半分の高さに刈り込み
  • 8月伸びた茎の刈り込み・花穂切り
  • 9月植え替え・挿し芽
  • 12月枯れた茎を地際で刈り取り

季節ごとの管理

春の管理

3〜4月に植え替えと株の更新を行い、肥料は緩効性肥料を少量だけ施します。水は土の表面が乾いてから与えます。日当たりのよい場所に置き、新芽に付くアブラムシに注意します。

夏の管理

梅雨前に半分の高さに刈り込み、蒸れを防ぎます。水は朝1回が目安で、葉にかけず株元に与えます。肥料は与えません。花穂は種ができる前に切り取り、梅雨の株元の葉の傷みに注意します。

秋の管理

8〜9月に伸びた茎を刈り込み、9〜10月に植え替えや挿し芽をします。水は土が乾いてから与え、肥料は与えなくて構いません。日なたで株を充実させ、こぼれ種で増えた苗は抜き取ります。

冬の管理

地上部が枯れて休眠します。枯れた茎を地際で刈り取り、水は月2〜3回、土が乾ききらない程度にします。肥料は与えません。屋外で-10°C程度まで耐え、過湿で地下茎が傷まないよう受け皿の水を捨てます。

11月の作業をくわしく知りたいときは秋植え野菜や秋の植え替えの記事も参考になります。

よくあるトラブルと対策

株元の葉が黒っぽく傷む

原因

毛のある葉に水滴が残り、梅雨の蒸れや水のやりすぎで株元の葉が傷んでいます。

対策

傷んだ茎を地際近くで刈り取り、株元に風を通します。水は土が乾いてから株元に与え、葉の上からかけないようにします。

背が高くなりすぎて倒れる

原因

アップルミントは草丈が伸びやすく、日陰では茎が間延びしてさらに倒れやすくなります。

対策

梅雨前の6月と8〜9月に株全体を半分の高さに刈り込みます。日当たりのよい場所に置くと、茎が太く締まります。

パイナップルミントの斑が消えて緑になる

原因

斑のない緑の茎(先祖返り)が出て、勢いよく伸びて株を覆っています。

対策

緑一色の茎は見つけしだい地際から切り取ります。植え替えのときに緑の茎の地下茎も外し、斑のはっきりした茎から挿し芽をとり直します。

こぼれ種で周りに増える

原因

花穂を咲かせたままにして種ができ、鉢の周りや庭に芽が出ています。

対策

花穂は種ができる前に切り取ります。周りに出た苗は小さいうちに抜き取ります。交雑した株は香りが変わることがあるので残しません。

ここにない症状は症状から調べるで、葉の色・しおれ・虫・病気などから逆引きできます。

アップルミントの花言葉・風水

花言葉

アップルミントの花言葉には「美徳」「効能」が挙げられます。ミント全体に共通する花言葉で、古くから香りと効能で暮らしに役立ってきた歴史にちなむとされます。やさしいリンゴのような香りは、人をもてなす気持ちの表れとして親しまれてきました。

風水・縁起

風水では、丸い葉は角の取れた穏やかな人間関係を表すとされ、アップルミントはリビングや玄関に置くと場の雰囲気を和らげるといわれます。リンゴのような甘い香りは、家庭運や恋愛運を高めるとされます。

アップルミントのよくある質問

Qアップルミントとスペアミントの違いは何ですか?回答を見る
A

一番の違いは葉の形で、アップルミントは丸く毛のある葉、スペアミントは細長くしわのある葉です。アップルミントはリンゴのような甘くやさしい香りで、清涼感はごく穏やかです。スペアミントは甘さの中にミントらしいさわやかさがあり、料理やモヒートに向きます。アップルミントは葉の毛が口当たりに残るので、ハーブティーやゼリー、ポプリなど香りを楽しむ使い方が向いています。

Qアップルミントとパイナップルミントの違いは?回答を見る
A

パイナップルミントは、アップルミントの近縁で葉に白い斑が入る品種です。葉の形や毛の感じはアップルミントとよく似ていますが、緑の葉の縁にクリーム色から白の斑が入り、香りはパイナップルを思わせるとされます。性質はアップルミントよりやや繊細で、成長もゆるやかです。斑のない緑の茎が出ると勢いよく伸びるので、見つけたら早めに取り除きます。

Qアップルミントは食べられますか?回答を見る
A

食べられます。ハーブティーやゼリー、シロップなどに向いています。アップルミントは葉に細かい毛があるため、生のまま料理に添えると口当たりが気になることがあります。熱湯を注いでハーブティーにしたり、煮出してゼリーやシロップにしたりすると、リンゴのような甘い香りを楽しめます。乾燥させてポプリにするのもおすすめです。ペットが大量に食べないよう、手の届かない場所で育てます。

Qアップルミントが増えすぎたときはどうすればいいですか?回答を見る
A

鉢植えなら植え替えで地下茎を減らし、庭なら根止め板で範囲を区切ります。アップルミントはミントの中でも特に地下茎の勢いが強く、庭に植えると数年で広がります。鉢植えは毎年3〜4月か9〜10月に、外側の地下茎だけを残して植え直します。庭に広がった場合は、地下茎を掘り上げて土をふるいにかけ、残りを取り除きます。花穂を種ができる前に切ると、こぼれ種で増えるのも防げます。

Qアップルミントの葉が黒っぽく傷むのはなぜですか?回答を見る
A

多くは梅雨の蒸れと水のやりすぎが原因です。アップルミントは毛のある葉に水滴が残りやすく、株元が混み合うと葉が黒っぽく傷みます。乾燥に比較的強い品種なので、水は土の表面が乾いてから株元に与え、葉の上からはかけません。梅雨前に株全体を半分の高さに刈り込んで風を通すと予防になります。傷んだ茎は地際近くで刈り取れば、2〜3週間で新しい葉が出ます。

Qアップルミントは日なたで育てても大丈夫ですか?回答を見る
A

大丈夫です。アップルミントはミントの中では日差しと乾燥に比較的強い品種です。葉の毛が強い日差しから葉を守り、日なたでは茎が太く締まって葉の毛も密になります。ただし鉢植えは真夏に乾きが早くなるので、朝に土の乾きを確かめて水を与えます。半日陰でも育ちますが、暗すぎると茎が間延びして倒れやすくなるので、1日3時間以上は日に当てます。

Qアップルミントの花は咲かせてもいいですか?回答を見る
A

観賞用に咲かせても構いませんが、種ができる前に花穂を切るのがおすすめです。アップルミントは夏に淡いピンクから白の花穂を伸ばし、花も楽しめます。ただ花が咲くと葉が硬くなり香りも落ちやすく、こぼれ種で増えたりほかのミントと交雑したりすることがあります。花が咲き終わる頃に花穂ごと茎を半分に切り戻すと、秋に柔らかい葉が再び伸びてきます。

ミントのほかの品種

ミント としてまとめている他の品種です。

ミントの種類一覧(4種)を写真で比較する

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この記事について

執筆: Hapot編集部

植物を迎えたばかりの人が枯らさずに育てられるように、植物図鑑と症状別の記事を編集しているチームです。農林水産省や農研機構など公的機関の栽培指針を確認したうえで、温度や頻度を数値で示し、迷いやすい判断は結論から書くことを大切にしています。誤りや古くなった情報はお問い合わせから受け付け、確認のうえ更新しています。

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