苗・株の選び方
良い苗は、葉が明るい緑で柔らかく、こすると甘く穏やかな香りがすること、節と節の間が詰まっていること、株元から茎が何本も出ていることの3点で見分けます。料理に使うなら、葉の大きな株より、葉数が多くこんもりした株を選びます。
避けたいのは、葉が黄色くなっている株と、葉裏に小さな虫や白いかすれがある株です。スペアミントには葉が縮れる系統など見た目の違う系統もあるので、好みの香りかを店頭で確かめます。購入適期は4〜5月か9〜10月です。
スペアミントの育て方の要点
Hapot編集部より
スペアミントは、甘く穏やかな香りで料理にも飲み物にも使いやすい、最初の一鉢に向くミントです。ペパーミントとの違いはメントールの少なさで、鼻に抜ける刺激が控えめなぶん、サラダや肉料理、モヒートなど幅広い用途に合います。チューインガムの「スペアミント味」の香りといえば、思い浮かべやすいかもしれません。
ヨーロッパから西アジアが原産とされ、古くから栽培されてきたミントの代表種です。名前の「スペア(spear)」は槍のことで、穂のように細長く伸びる花穂の形にちなむとされます。葉は明るい緑で、表面に細かいしわがあり、縁に鋸歯があります。葉が縮れるタイプや、モロッコの紅茶に使われる系統など、香りや葉の形が少しずつ違う系統が流通しています。
性質は丈夫で、半日陰でも育ち、収穫を兼ねて切るほどよく茂ります。ほかのミントと同じく地下茎で広がるので、鉢植えで育てます。

水やり
土の表面が乾いたらたっぷり(夏は朝夕)
日光
半日陰
温度の目安
-10-30°C
湿度
50-70%
土
野菜用培養土かハーブ用土
大きさの目安
草丈30〜60cm。花穂が伸びると80cm近くになることもあります。地下茎で横に広がります。
成長の速さ
非常に速い
温度の目安(耐寒〜耐暑)
-10-30°C
肥料
春と秋に緩効性肥料を少量。摘み取りが多い株は月1回液肥
成長速度
非常に速い
毒性
葉は食用。ペットが大量に食べないよう、手の届かない場所で育てる
料理に使うなら、柔らかい若葉をこまめに摘むのが一番のコツです。摘むほど脇芽が増え、葉数の多い株になります。
良い苗は、葉が明るい緑で柔らかく、こすると甘く穏やかな香りがすること、節と節の間が詰まっていること、株元から茎が何本も出ていることの3点で見分けます。料理に使うなら、葉の大きな株より、葉数が多くこんもりした株を選びます。
避けたいのは、葉が黄色くなっている株と、葉裏に小さな虫や白いかすれがある株です。スペアミントには葉が縮れる系統など見た目の違う系統もあるので、好みの香りかを店頭で確かめます。購入適期は4〜5月か9〜10月です。
基本はミントと同じく、午前中に日が当たる半日陰が最も育てやすい場所です。スペアミントは葉が柔らかく、強い日差しに長く当たると葉が硬くなって料理に使いにくくなるため、日なたに置く場合も真夏は午後の日差しを避けます。
キッチンで使いやすいよう、勝手口やベランダの手の届く場所に置くと、必要なときにすぐ摘めます。室内で育てる場合は、1日3時間以上直射日光の入る窓辺が目安で、それより暗いと茎が間延びします。
よくある失敗は、日当たりのよいコンクリートの上に鉢を直に置き、照り返しで葉が縮れて硬くなることです。鉢をスタンドに載せて半日陰へ移し、傷んだ茎を切り戻せば、2週間ほどで柔らかい葉が出そろいます。
水やりの基本はミントと同じく、土の表面が乾いたらたっぷりと与え、夏は朝夕の2回が目安です。スペアミントは葉が薄く柔らかいので、水切れすると葉がすぐに垂れ、そのまま乾くと葉先から茶色く傷みます。料理用に柔らかい葉を収穫したいなら、土を乾かしすぎないことが大切です。
摘み取りを頻繁にする株ほど新しい葉を次々に出すため、水と肥料を多めに使います。夏は朝に鉢底から流れるまで与え、夕方に土の表面が乾いていれば追加します。
よくある失敗は、旅行などで数日水を切らし、株全体がしおれて下葉が落ちることです。しおれた茎を数節残して切り、鉢ごと水に20分ほど浸けて吸水させると、多くは1週間ほどで新芽が動き出します。
市販の野菜用培養土かハーブ用土がそのまま使えます。配合するなら赤玉土小粒5、腐葉土4、バーミキュライト1と、やや水もちのよい配合が柔らかい葉を育てます。鉢底石は2cmほど敷きます。料理によく使うなら、直径20〜25cmのプランターに1株植えると、夏に収穫が途切れにくくなります。元肥には緩効性肥料を少量混ぜ込みます。同じ土を使い回すと地下茎の残りや病気が混ざるので、植え替えのたびに新しい土を使い、古い土は日に当てて乾かしてから再利用します。
スペアミントの剪定は、ほぼ収穫と同じです。料理に使うときは、茎の先の柔らかい葉を2〜3節分摘み取ります。切った節から脇芽が2本伸びるので、こまめに摘むほど枝数が増えます。
株が混み合ってきたら、梅雨前に全体を半分ほどの高さに刈り込みます。刈った葉はモヒートやミントシロップ、冷凍保存などにまとめて使えます。スペアミントは花穂を伸ばしやすいので、つぼみが見えたら花穂ごと摘み取ると、葉の柔らかさが長く保てます。
よくある失敗は、収穫を遠慮して茎を伸ばしっぱなしにし、株元が蒸れて下葉が黒く傷むことです。地際から数節を残して全体を切り戻せば、2〜3週間で柔らかい新芽が伸びてきます。
時期と道具を用意する
日常の収穫は4〜10月に随時、株全体の刈り込みは梅雨前の6月に行います。清潔なはさみと、収穫した葉を入れる容器を用意します。
柔らかい葉を2〜3節摘む
料理に使うときは、茎の先の柔らかい葉を2〜3節分、節のすぐ上で摘みます。脇芽が伸びて枝数が増えます。
つぼみは花穂ごと摘む
細長い花穂が見えたら、花穂ごと摘み取ります。花を咲かせないことで、葉の柔らかさと香りが長く保てます。
梅雨前に半分の高さに刈る
6月に株全体を半分ほどの高さに刈り込み、蒸れを防ぎます。刈った葉はシロップや冷凍保存にまとめて使えます。
冬は地際で刈り取る
冬に地上部が枯れたら、地際で刈り取って処分します。春に地下茎から柔らかい新芽が出てきます。
鉢植えは1年に1回、3〜4月か9〜10月に植え替えます。スペアミントは収穫量が多いぶん株の消耗も早く、植えっぱなしにすると2年目から葉が小さく硬くなりがちです。鉢から抜いて中心の古い地下茎を取り除き、外側の元気な地下茎を10cmほどに切り分けて、新しい土に植え直します。
料理用にたくさん収穫したい場合は、切り分けた地下茎を2鉢に分けて植え、交互に摘むと株が休む時間を作れます。
よくある失敗は、根詰まりした鉢のまま夏を迎え、水をやってもすぐにしおれることです。夏でも、外側の地下茎を切り分けて一回り大きな鉢に植え直し、半日陰で1週間休ませれば、新しい芽が伸びてきます。
3〜4月か9〜10月に準備する
適期は3〜4月か9〜10月で、毎年1回行います。直径20〜25cmの鉢かプランター、野菜用培養土、鉢底石、はさみを用意します。
古い地下茎を取り除く
株を鉢から抜き、中心の古く黒ずんだ地下茎を取り除きます。外側の白く元気な地下茎を残します。
地下茎を切り分けて植える
地下茎を10cmほどに切り分け、2〜3cmの深さに寝かせて植えます。たくさん収穫したいなら2鉢に分けて植えます。
半日陰で1週間休ませる
鉢底から流れるまで水を与え、半日陰で1週間休ませます。新芽が動き出したら、いつもの置き場所に戻します。
スペアミントは挿し芽、株分け、種まきのどれでも増やせます。挿し芽は茎の先を10cmほど切って水に挿すと、数日で節から根が出ます。株分けは植え替えのときに地下茎を切り分けるだけです。種は4〜5月にまけますが、発芽しても親と香りが違う株が出ることがあるので、香りを確かめてから残す株を選びます。
キッチンで料理に使った残りの茎も、コップの水に挿しておくと根が出ることがあり、手軽に株を増やせます。
よくある失敗は、種から育てた株の香りが弱く、スペアミントらしい甘さが出ないことです。香りのよい苗を1株買い、そこから挿し芽で増やせば、同じ香りの株を確実に育てられます。
春か秋に道具を用意する
挿し芽の適期は4〜6月か9〜10月です。清潔なはさみ、水を入れたコップ、小鉢と野菜用培養土を用意します。
柔らかい茎の先を切る
つぼみのない柔らかい茎の先を10cmほど切り、下の葉を取り除きます。料理で使った残りの茎でも構いません。
水に挿して根を出す
節が水に浸かるようにコップに挿し、明るい日陰に置きます。毎日水を替えると、数日で節から白い根が出てきます。
根が伸びたら鉢に植える
根が3cmほど伸びたら小鉢に植え付け、土が乾いたら水を与えます。ほかのミントとは鉢を分けて育てます。
スペアミントは葉が柔らかいぶん、アブラムシとハダニ、ヨトウムシの食害を受けやすい品種です。アブラムシは新芽に群がるので、見つけたら水で洗い流すか、付いた茎ごと摘み取ります。ハダニは乾燥した時期に葉裏に付き、葉が白くかすれます。葉裏に水をかけると予防になります。
料理に使う葉なので薬剤は使わず、虫の付いた茎は刈り取って処分します。梅雨時は蒸れでさび病やうどんこ病が出ることがあるので、梅雨前の刈り込みで風通しを確保します。
よくある失敗は、夜に出てくるヨトウムシに葉を穴だらけにされ、原因がわからないまま放置することです。夜に懐中電灯で葉裏や株元を探して取り除き、食べられた茎は切り戻せば新しい葉が出ます。
3〜4月の芽吹きに合わせて植え替え、緩効性肥料を少量施します。水は土の表面が乾いたらたっぷりと与えます。置き場所は午前中に日が当たる半日陰で、柔らかい新芽に付くアブラムシを見回ります。
朝夕2回の水やりで柔らかい葉を保ちます。梅雨前に半分の高さに刈り込み、つぼみは摘み取ります。摘み取りの多い株には月1回液肥を与えます。強い日差しを避け、ヨトウムシとハダニに注意します。
9〜10月は植え替えと挿し芽の適期で、夏に傷んだ株を更新します。水は土が乾いたら与え、肥料は緩効性肥料を少量1回にします。日当たりのよい場所で、冬前の最後の収穫を楽しみます。
地上部が枯れて休眠します。枯れた茎は地際で刈り取り、水は月2〜3回、土が乾ききらない程度に与えます。肥料は与えません。屋外で-10°C程度まで耐え、受け皿の水は捨てて地下茎の傷みを防ぎます。
原因
真夏の強い日差し、水切れ、花穂が伸びたことで葉が硬くなっています。
対策
午後は日陰になる場所へ移し、夏は朝夕に水を与えます。つぼみは花穂ごと摘み、硬くなった茎は数節残して切り戻すと、2〜3週間で柔らかい葉が出ます。
原因
夜に活動するヨトウムシやハスモンヨトウの幼虫が、柔らかい葉を食べています。
対策
夜に懐中電灯で葉裏や株元を探して取り除きます。食用なので薬剤は使わず、食べられた茎は切り戻せば新しい葉が出ます。
原因
アブラムシです。柔らかい新芽に付きやすく、肥料の与えすぎでも増えやすくなります。
対策
水で洗い流すか、虫の付いた茎の先ごと摘み取ります。窒素の多い肥料を控え、風通しのよい場所に置きます。
原因
植えっぱなしで鉢の中が地下茎でいっぱいになり、根詰まりしています。摘み取りが多い株は肥料切れも起こります。
対策
3〜4月か9〜10月に植え替え、外側の元気な地下茎を10cmほどに切り分けて植え直します。摘み取りの多い時期は月1回液肥を与えます。
原因
乾燥した時期に葉裏に付くハダニです。室内やコンクリートの照り返しのある場所で増えやすくなります。
対策
シャワーで葉裏を洗い流し、葉裏への水かけを数日続けます。被害の大きい茎は切り取り、照り返しの少ない半日陰へ移します。
ここにない症状は症状から調べるで、葉の色・しおれ・虫・病気などから逆引きできます。
スペアミントの花言葉には「あたたかい心」が挙げられます。料理やお茶でもてなしに使われてきた、親しみやすく穏やかな香りにちなむとされます。古代ギリシャやローマでも、客人を迎える食卓をミントの香りで整えたと伝えられます。
風水では、甘く穏やかな香りの植物は人間関係を和らげるとされ、スペアミントはダイニングやキッチンに置くと家族の団らんを後押しするといわれます。明るい緑の葉は成長と健康を表す色とされ、東側の窓辺に置くのがよいとされます。
料理に使うなら、香りが甘く穏やかなスペアミントが向いています。スペアミントはメントールが少なく、サラダや肉料理、ヨーグルトのソースなどに加えても香りが強すぎません。ペパーミントはメントールが多く清涼感が強いので、ハーブティーやデザートの香り付けに向きます。迷ったら、用途の広いスペアミントを最初の一鉢に選ぶと使い道に困りません。
グラス1杯に、枝先の柔らかい葉を10枚前後使うのが目安です。モヒートには、甘く穏やかな香りのスペアミントが定番です。葉はグラスの底でライムと砂糖と一緒に軽くつぶし、香りを引き出します。強くつぶしすぎると苦みが出るので、押しつけて香りを立たせる程度にします。ノンアルコールなら、炭酸水で作るとさわやかな飲み物になります。若葉ほど香りが柔らかいので、摘みたてを使います。
チューインガムのスペアミント味は、スペアミントの香りの成分をもとにした味です。スペアミントの香りの中心はカルボンという成分とされ、メントールが中心のペパーミントとは香りの系統が違います。そのため、ガムのスペアミント味は甘く、ペパーミント味は冷たく感じます。育てたスペアミントの葉をこすると、ガムと同じ系統の甘い香りが確かめられます。
強い日差し、水切れ、花が咲いたことが主な原因です。スペアミントは葉が柔らかい品種ですが、真夏の直射日光に長く当たったり、土が乾ききったりすると葉が硬くなります。花穂が伸びると葉に養分が回らず、さらに硬くなります。午後は日陰になる場所へ移し、夏は朝夕に水を与え、つぼみは見つけしだい摘みます。硬くなった茎は数節残して切り戻すと、2〜3週間で柔らかい葉が出ます。
1日3時間以上直射日光が入る窓辺なら育てられます。スペアミントは半日陰に強いミントですが、室内の暗い場所では茎が間延びして香りも弱くなります。窓辺に置き、土の表面が乾いたらたっぷり水を与えます。室内はハダニが出やすいので、葉裏に霧吹きで水をかけます。春から秋は時々ベランダに出して日に当てると、葉が締まって香りもよくなります。
種から育てられますが、親と香りが違う株が出ることがあります。スペアミントの種は4〜5月にまき、発芽まで土を乾かさないように管理します。ミントは交雑しやすく、種から育てた株は香りにばらつきが出やすいので、育ったら葉をこすって香りのよい株を選んで残します。確実に好みの香りを育てたい場合は、苗を1株買って挿し芽で増やすほうが失敗がありません。
すぐ使うなら水に挿して冷蔵、長く保存するなら冷凍か乾燥がおすすめです。摘んだ茎はコップの水に挿してポリ袋をかぶせ、冷蔵庫に入れると数日はみずみずしさを保てます。長く保存するなら、葉を洗って水気を拭き、製氷皿に水と一緒に入れて凍らせると、飲み物にそのまま使えます。乾燥させる場合は、束ねて風通しのよい日陰に吊るし、乾いたら密閉容器に入れます。
ミント としてまとめている他の品種です。
スペアミントの季節の作業や、土・鉢・肥料の選び方をくわしく解説した記事です。

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執筆: Hapot編集部
植物を迎えたばかりの人が枯らさずに育てられるように、植物図鑑と症状別の記事を編集しているチームです。農林水産省や農研機構など公的機関の栽培指針を確認したうえで、温度や頻度を数値で示し、迷いやすい判断は結論から書くことを大切にしています。誤りや古くなった情報はお問い合わせから受け付け、確認のうえ更新しています。