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ローズマリーの育て方

Salvia rosmarinus最終更新日:
編集部

Hapot編集部より

ローズマリー(Salvia rosmarinus)は、地中海沿岸を原産とするシソ科の常緑低木で、すっと鼻に抜ける清涼感のある香りが魅力のハーブです。葉は一年中緑を保ち、肉料理やジャガイモ料理の香りづけ、ハーブティー、アロマやリースづくりまで用途の幅広さは数あるハーブの中でも随一。乾燥に強く肥料もほとんど要らないため、水やりを忘れがちな人でもむしろ失敗しにくい、ベランダ栽培向きの植物です。耐寒性も-5°C程度まであり、関東以西の平地なら屋外で冬越しできます。一年草のハーブと違って何年も付き合える木で、上手に育てれば10年以上、収穫を兼ねた剪定で樹形を仕立てる楽しみも生まれます。春や秋には淡い青紫色の小花を咲かせ、観賞価値も十分。「いつでも摘める生のローズマリーがベランダにある」生活は、料理好きにとって想像以上に豊かなものです。

ローズマリーの姿

分類・基本データ

シソ科
ローズマリー
別名
マンネンロウ、迷迭香(めいてつこう)
原産地
地中海沿岸地方の原産で、日差しが強く乾燥した岩場や海岸沿いの斜面に自生します。属名の由来であるラテン語「ros marinus(海のしずく)」が示す通り、潮風の当たる乾いた土地で育つ植物です。
大きさ
立性品種は鉢植えで樹高30cm〜1m程度。這性(ほふく性)品種は高さ20〜30cmで横に広がります。剪定で好みのサイズに維持できます。

育て方サマリ

水やり

土が乾いてから(週1回程度)

日光

直射日光

適温

-5-30°C

湿度

30-50%

水はけの良いハーブ用土

ケアのポイント

肥料

春と秋に月1回

成長速度

毒性

なし(食用)

過湿に弱い。風通しの良い場所で乾燥気味に管理。剪定すると形が整い新芽も増える。

育て方の詳細

苗・株の選び方

苗選びでまず確認したいのは仕立ての向きです。立性は省スペースで料理用に枝を採りやすく、這性は吊り鉢や寄せ植え向き。初心者には立性の「トスカナブルー」や半立性の「マリンブルー」が育てやすくおすすめです。株は節間が詰まって枝数が多く、葉色が濃い緑でツヤのあるものを選び、下葉が茶色く落ちているものや根鉢がカチカチに固まったものは避けます。購入適期は植え付けに向く春(4〜5月)か秋(9〜10月)。小さなポット苗でも1年でしっかり茂るので、安価な3号ポットからで十分です。

置き場所・日当たり

日当たりの良い場所に置くほど香りが強く、丈夫に育ちます。1日4〜6時間以上の直射日光が理想で、地中海原産らしく乾燥した風通しの良い環境が大好物。耐寒性は品種によりますが、立性の多くは-5°C程度まで耐え、関東以西なら庭植えで問題なく越冬します。半日陰でも枯れませんが、枝が間延びして香りも弱まります。キッチンで使うなら、収穫しやすいベランダや勝手口近くの日なたに鉢を置くのが実用的。這性(ほふく性)品種は花壇の縁やハンギングにも向きます。

水やりの詳細

乾燥に非常に強く、水のやりすぎだけが失敗の原因と言ってよい植物です。鉢植えは土がしっかり乾いてから、株元にたっぷりと。頻度は春秋で週1回、夏でも週2回程度が目安です。常に湿った土では根が呼吸できず、じわじわ弱って突然枯れる「根腐れの遅効パターン」に陥ります。庭植えは根付いた後の水やりは基本不要。葉が細く水切れに気づきにくいので、鉢が軽くなったら与える、と重さで判断するのも確実な方法です。

剪定・切り戻し

収穫がそのまま剪定になる、一石二鳥のハーブです。春〜秋、必要な分だけ枝先を10cmほど摘み取れば、脇芽が吹いて枝数が増えこんもり茂ります。本格的な刈り込みは4〜5月か9〜10月に。重要な注意点は「葉のない木質化した部分まで切り込まない」こと。ローズマリーは古い枝から芽を吹く力が弱く、深切りした枝はそのまま枯れることがあります。株の下部が木質化してスカスカになってきたら、挿し木で若株を作って更新するのが賢明です。

植え替え

鉢植えは1〜2年に1回、4〜5月か9〜10月に。成長が速く根詰まりしやすいため、水の染み込みが遅くなったらサインです。根鉢はあまり崩さず、一回り大きな鉢に水はけの良い土(ハーブ用土、または赤玉土6:腐葉土2:軽石2)で植え付けます。ローズマリーは移植を嫌うため、庭植えにする場合は場所をよく選び、植えたら動かさないのが原則です。大株の植え替えは根への負担が大きいので、土の表面だけ入れ替える「表土替え」でしのぐ手もあります。

増やし方

挿し木がとても簡単なハーブです。適期は4〜6月と9〜10月。元気な枝先を10cmほど切り、下半分の葉をしごき取って水に1時間浸けてから、挿し木用土に挿します。水挿しでも発根し、コップの水に挿しておくだけで2〜3週間で根が出ます。発根したら小鉢に植え付け、根が回ったら定植を。料理用に何鉢もストックしたり、木質化した親株の更新用に若株を育てたりと、挿し木を覚えるとローズマリーとの付き合いが格段に楽になります。

病害虫対策

香りの成分に防虫効果があり、病害虫は少なめです。注意するのは、①うどんこ病:風通しが悪いと葉が白く粉を吹く。混んだ枝を透かして予防を。②ハダニ:乾燥した室内管理で発生しやすく、葉がかすれる。屋外の風に当てるのが一番の予防です。③ベニフキノメイガ:初夏に新芽を糸で綴って食害する幼虫で、見つけ次第捕殺を。食用にするなら薬剤は使わず、剪定による風通し改善と早期発見で対処しましょう。

季節ごとの管理

春の管理

成長期。剪定して形を整え、収穫もしましょう。花が咲く品種は春に開花。

夏の管理

高温多湿に注意。梅雨時は特に蒸れやすいので、枝を透かして風通しを確保。

秋の管理

秋も生育良好。挿し木の適期です。

冬の管理

耐寒性は比較的高いですが、-5°C以下になる地域は防寒を。鉢植えなら軒下に移動。

よくあるトラブルと対策

下葉が枯れる

原因

蒸れ、風通し不足

対策

込み合った枝を剪定し、風通しを改善

株が枯れる

原因

過湿による根腐れ

対策

水はけの良い土に植え替え、水やりを減らす

ローズマリーの花言葉・風水

花言葉

ローズマリーの花言葉は「思い出」「記憶」「変わらぬ愛」です。ヨーロッパでは古代から「記憶力を高めるハーブ」と信じられ、学生が勉強の際に枝を身につけた風習や、シェイクスピアの「ハムレット」でオフィーリアが「ローズマリーは思い出のために」と語る場面が由来とされます。常緑で香りが長く残る性質が、変わらぬ愛や追憶の象徴と重ねられてきました。

風水・縁起

風水では、香りの強い常緑のハーブは邪気を払い、空間の気を清める植物とされ、ローズマリーはその代表格です。特に玄関やベランダの入り口に置くと、外から入る悪い気を浄化し良縁を呼び込むといわれます。ヨーロッパでも古くから魔除け・厄除けの薬草として扉に吊るされ、教会の儀式にも使われてきた歴史があり、洋の東西を問わず「守りの植物」として扱われてきました。一年中緑を絶やさない生命力は健康運の象徴ともされ、すっきりした香りは集中力を高めたい仕事部屋との相性も良好です。

ローズマリーのよくある質問

Qローズマリーは何年くらい育てられますか?木質化したらどうすればいいですか?回答を見る
A

ローズマリーは常緑低木なので、環境が合えば10年以上育てられます。年数が経つと幹や枝の根元が茶色く木のように固くなりますが、これは「木質化」という自然な成長で、病気ではありません。ただし木質化した古い枝からは新芽が出にくいため、剪定は必ず緑色の葉が残っている部分で切るのが鉄則です。深く切り戻しすぎるとそのまま枯れ込むことがあります。株が古くなって枝が間延びしてきたら、若い枝を挿し木にして後継の株を育てておくと、世代交代しながら長く楽しめます。

Qローズマリーの水やりは何日に1回が正解ですか?回答を見る
A

「何日に1回」と決めるより、土が完全に乾いてから与えるのが正解です。目安として春秋は週1回、夏は2〜3日に1回、冬は10日〜2週間に1回程度ですが、鉢の大きさや置き場所で変わります。鉢を持ち上げて軽くなった、土の中まで指を入れて湿り気がない、と確認してからたっぷり与えましょう。地中海原産のため乾燥には非常に強い一方、受け皿に水を溜めたままにするのは禁物です。迷ったら「あと1日待つ」くらいの乾燥気味の管理がちょうど良い植物です。

Qローズマリーの挿し木はいつ、どうやればいいですか?回答を見る
A

適期は気温が穏やかな5〜6月と9〜10月です。今年伸びた緑色の若い枝を10cmほど切り、下半分の葉を取り除いて30分〜1時間水揚げした後、赤玉土小粒や挿し木用土に2〜3cm挿します。明るい日陰に置いて土を乾かさないよう管理すると、3〜4週間で発根します。発根率は7割前後なので、5本ほど同時に挿しておくと確実です。新芽が動き始めたら発根のサイン。1〜2か月後にポットへ植え替え、根が回ったら鉢や庭に定植します。コップの水に挿す水挿しでも発根しますが、土への移行時に傷みやすいため土挿しがおすすめです。

Qローズマリーの花が咲かないのはなぜですか?回答を見る
A

主な理由は「株が若い」「日照不足」「剪定の時期」の3つです。ローズマリーは植え付けから1〜2年は株の成長を優先し、花をあまり付けないことがよくあります。また開花には1日5〜6時間以上の日照が必要で、半日陰では葉は茂っても花付きは悪くなります。さらに多くの品種は秋〜春に咲くため、秋に強く刈り込むと花芽ごと落としてしまいます。花を楽しみたい年は、強めの剪定を春〜初夏までに済ませ、秋以降は収穫程度の軽い摘み取りに留めましょう。マジョルカピンクやトスカナブルーなど花付きの良い品種を選ぶのも近道です。

Q立性と這性のローズマリー、どちらを選べばいいですか?回答を見る
A

用途で選ぶのがおすすめです。立性は上にまっすぐ伸びるタイプで、料理用の枝を採りやすく、省スペースで鉢植え向き。香りが強い品種が多いのも特徴です。這性は枝が垂れ下がりながら横に広がるタイプで、ハンギングや花壇の縁取り、グランドカバーに向き、花付きが良い品種が多めです。ベランダのプランターで料理に使うのが目的なら立性(トスカナブルーなど)、見た目の演出重視なら這性(プロストラータスなど)、両方のバランスを取りたければ半立性(マリンブルーなど)が目安になります。耐寒性は品種差があり、一般に立性のほうがやや強い傾向があります。

Qローズマリーは植え替えを嫌うって本当ですか?回答を見る
A

本当です。ローズマリーは直根性に近い根の性質を持ち、根を強くいじられるのを嫌います。植え替えの際に根鉢を大きく崩したり古い根を切りすぎたりすると、その後ぐったりして枯れ込むことがあります。鉢植えの植え替えは2〜3年に1回、適期の春か秋に、根鉢をほぼ崩さずひと回り大きな鉢へ「移すだけ」にするのが安全です。底で固く巻いた根を軽くほぐす程度なら問題ありません。植え替え直後は直射日光を避けて1週間ほど養生させ、水やりは土が乾いてから。地植えにした株の移植は特に失敗しやすいので、植える場所は最初によく考えて決めましょう。