苗・株の選び方
良い株の条件は、節間が詰まって枝数が多い、葉色が濃い緑でツヤがある、株元を揺らしてもぐらつかない、の3点です。
避けたいのは、下葉が茶色く落ちて株元がスカスカな株と、根鉢がカチカチに固まってポットの底から根が大量に出ている株です。用途で仕立てを選び、料理用なら立性のトスカナブルー、ハンギングや花壇の縁なら這性が向きます。購入適期は植え付けに向く4-5月か9-10月で、3号ポットの小苗でも1年でしっかり茂ります。
Hapot編集部より
ローズマリーは、乾燥に強く肥料もほとんど要らないため、水やりを忘れがちな人でもむしろ失敗しにくい、ベランダ栽培向きのハーブです。地中海沿岸原産のシソ科の常緑低木で、すっと鼻に抜ける清涼感のある香りは肉料理やジャガイモ料理の香りづけ、ハーブティー、リースづくりまで幅広く使えます。耐寒性は-5°C程度まであり、関東以西の平地なら屋外で冬越しできます。一年草のハーブと違って何年も付き合える木で、上手に育てれば10年以上、収穫を兼ねた剪定で樹形を仕立てる楽しみも生まれます。春や秋には淡い青紫色の小花を咲かせ、観賞価値も十分です。料理用なら3号ポットの小苗からでも1年でしっかり茂り、鉢植えでも樹高30cm-1mに育ちます。唯一の弱点は過湿で、水はけの良い土と風通しさえ確保すれば、いつでも摘める生のローズマリーがある暮らしを楽しめます。

水やり
土が乾いてから(週1回程度)
日光
直射日光
温度の目安
-5-30°C
湿度
30-50%
土
水はけの良いハーブ用土
大きさの目安
立性品種は鉢植えで樹高30cm-1m程度。這性(ほふく性)品種は高さ20-30cmで横に広がります。剪定で好みのサイズに維持できます。
成長の速さ
中
温度の目安(耐寒〜耐暑)
-5-30°C
肥料
春と秋に月1回
成長速度
中
毒性
なし(食用)
過湿に弱い。風通しの良い場所で乾燥気味に管理。剪定すると形が整い新芽も増える。
良い株の条件は、節間が詰まって枝数が多い、葉色が濃い緑でツヤがある、株元を揺らしてもぐらつかない、の3点です。
避けたいのは、下葉が茶色く落ちて株元がスカスカな株と、根鉢がカチカチに固まってポットの底から根が大量に出ている株です。用途で仕立てを選び、料理用なら立性のトスカナブルー、ハンギングや花壇の縁なら這性が向きます。購入適期は植え付けに向く4-5月か9-10月で、3号ポットの小苗でも1年でしっかり茂ります。
1日4-6時間以上の直射日光が当たる、風通しの良い場所に置くほど香りが強く丈夫に育ちます。地中海原産らしく乾燥した環境を好み、半日陰でも枯れませんが枝が間延びして香りも弱まります。耐寒性は立性の多くで-5°C程度まであり、関東以西なら庭植えで越冬できます。寒冷地は鉢植えにして冬は軒下へ移します。
よくある失敗は、梅雨に雨ざらしの場所に置いて株元が蒸れ、内側の葉が茶色く枯れ込むケースです。枯れた枝を付け根から抜き、混み合った枝を透かして雨の当たらない軒下に移せば、残った枝から新芽が出て回復します。キッチンで使うなら収穫しやすい勝手口近くの日なたが実用的です。
乾燥に非常に強く、水のやりすぎだけが失敗の原因と言ってよい植物です。鉢植えは土がしっかり乾いてから株元にたっぷり与え、頻度は春秋で週1回、夏で週2回、冬は10日-2週間に1回が目安です。鉢を持ち上げて軽くなったら与える、と重さで判断するのも確実です。庭植えは根付いた後の水やりは基本不要です。
よくある失敗は、毎日少しずつ水を与えて土が常に湿り、根が呼吸できずにじわじわ弱って突然枯れる根腐れです。葉先が茶色くなり始めた段階なら、水を止めて風通しの良い日なたに移し、土が完全に乾いてから与えるリズムに戻せば持ち直します。受け皿に水を溜めたままにするのは禁物です。
市販のハーブ用土か、赤玉土6:腐葉土2:軽石2の水はけ重視の配合で植え付けます。過湿を嫌うため鉢底石を2-3cm敷き、素焼き鉢を選ぶと根腐れしにくくなります。普通の花用培養土を使う場合は軽石を3割混ぜてください。肥料はほとんど不要で、元肥は緩効性肥料を少量にとどめ、元肥入りのハーブ用土なら追加は不要です。庭植えは水はけの良い日なたに、苦土石灰をひと握り混ぜて高畝で植えると、梅雨の長雨でも根が傷みにくくなります。
収穫がそのまま剪定になる一石二鳥のハーブです。春から秋は必要な分だけ枝先を10cmほど摘み取れば、脇芽が吹いて枝数が増えこんもり茂ります。本格的な刈り込みは4-5月か9-10月に行い、内側の混み合った枝や枯れ枝を付け根から抜いて風通しを確保します。重要なのは、葉のない木質化した部分まで切り込まないことです。ローズマリーは古い枝から芽を吹く力が弱く、深切りした枝はそのまま枯れることがあります。
よくある失敗は、大きくなりすぎた株を半分以下に強剪定して枝が枯れ込むケースで、この場合は緑の葉が残る枝を大切に育て、並行して若い枝を挿し木にして後継株を作るのが現実的な復帰方法です。
時期と道具を用意する
本格的な刈り込みは4-5月か9-10月です。清潔な剪定バサミを用意します。日常の収穫は春から秋に随時行えます。
枝先を10cmほど摘み取る
必要な分だけ枝先を10cmほど摘み取ります。脇芽が吹いて枝数が増え、こんもり茂ります。
葉のある位置で刈り込む
全体を整える場合は、必ず葉が残る位置で切ります。葉のない木質化した部分まで切り込むと、その枝は枯れることがあります。
混み合った枝を間引く
内側の混み合った枝や枯れ枝を付け根から抜きます。風通しが良くなり、蒸れによる枯れ込みを防げます。
作業後は乾かし気味に管理する
剪定後は日当たりと風通しの良い場所に置きます。水やりは土が乾いてからたっぷり与え、過湿を避けます。
鉢植えは1-2年に1回、4-5月か9-10月に一回り大きな鉢へ植え替えます。成長が速く根詰まりしやすいため、水の染み込みが遅くなったらサインです。移植を嫌う性質があるので根鉢はあまり崩さず、外側の古い土を軽く落とす程度にして、ハーブ用土か赤玉土6:腐葉土2:軽石2の水はけの良い土で植え付けます。庭植えは場所をよく選び、植えたら動かさないのが原則です。
よくある失敗は、根鉢を大きく崩して古い根を切りすぎ、植え替え後にぐったりして葉が落ちるケースです。半日陰で1週間ほど養生し、水は土が乾いてから控えめに与えると、枝が緑色のままなら1か月ほどで新芽が動き出します。大株は表土だけ入れ替える方法もあります。
時期と道具を用意する
適期は4-5月か9-10月です。一回り大きな鉢、ハーブ用土(または赤玉土6:腐葉土2:軽石2)、鉢底石、清潔なハサミを用意します。
鉢から抜いて根鉢を確認する
株を鉢から抜き、根の回り具合を確認します。移植を嫌うので根鉢はあまり崩さず、外側の古い土を軽く落とす程度にします。
新しい鉢に土を入れる
鉢底石を2-3cm敷き、水はけの良い用土を鉢の1/3ほど入れます。株元の高さが元の鉢と同じになるよう調整します。
株を置いて隙間に土を足す
株を中央に置き、隙間に用土を入れて軽く押さえます。大株は根への負担を避けるため、表土だけ入れ替える方法もあります。
水やりと置き場所を整える
鉢底から流れ出るまで水を与え、1週間は半日陰で養生します。その後は日当たりと風通しの良い場所で乾かし気味に管理します。
挿し木がとても簡単なハーブです。適期は4-6月と9-10月で、今年伸びた緑色の若い枝を10cmほど切り、下半分の葉をしごき取って30分-1時間水揚げしてから、挿し木用土に3-4cmの深さで挿します。明るい日陰で土を乾かさないよう管理すると2-3週間で発根し、新芽が動き始めたら発根のサインです。発根率は7割前後なので、5本ほど同時に挿しておくと確実です。コップの水に挿す水挿しでも発根します。
よくある失敗は、木質化した硬い枝を使って1か月たっても根が出ず枯れるケースで、先端の柔らかい緑の枝で挿し直せば成功します。木質化して下部がスカスカになった親株の更新用に、若株を常に1-2鉢育てておくと安心です。
時期と道具を用意する
挿し木の適期は4-6月と9-10月です。清潔なハサミ、水を入れたコップ、挿し木用土を入れた小鉢を用意します。
枝先を10cmほど切る
元気な枝先を10cmほど切ります。木質化した硬い枝ではなく、緑色の柔らかい枝を選びます。
下半分の葉をしごき取る
枝の下半分の葉を指でしごき取ります。土に埋まる部分に葉が残ると腐りやすくなります。
水に1時間浸けてから挿す
切り口を水に1時間浸けて水揚げしてから、挿し木用土に3-4cmの深さで挿します。コップの水に挿したままでも2-3週間で発根します。
明るい日陰で発根を待つ
直射日光を避けた明るい日陰に置き、土を乾かさないよう管理します。2-3週間で発根したら小鉢に植え、根が回ったら定植します。
香りの成分に防虫効果があり、病害虫は少なめです。注意するのは3つで、風通しが悪いと葉が白く粉を吹くうどんこ病、乾燥した室内管理で葉がかすれるハダニ、初夏に新芽を糸で綴って食害するベニフキノメイガの幼虫です。食用にするなら薬剤は使わず、剪定による風通し改善と早期発見で対処します。
よくある失敗は、梅雨時に枝が混み合ったまま放置して株の内側が蒸れ、下葉が茶色く枯れて落ちるケースです。枯れ枝を付け根から抜き、全体の1/3ほど枝を透かして軒下に移せば、残った枝は2-3週間で新芽を吹きます。ハダニは屋外の風に当てるのが一番の予防で、発生したらシャワーで葉裏を洗い流します。
成長期に入り、水は土が完全に乾いてから週1回ほど与えます。肥料は緩効性肥料を4月に少量、置き場所は日当たりと風通しの良い屋外へ。4-5月は刈り込みと植え替え、挿し木の適期です。新芽にアブラムシが付いたら水で洗い流します。
高温多湿が最大の敵で、水は土が乾いてから週2回程度にとどめます。肥料は与えません。置き場所は雨の当たらない風通しの良い軒下が安心です。梅雨前に混み合った枝を透かし、株元の蒸れによる枯れ込みを防ぎます。西日で葉が焼ける場合は半日陰に移します。
秋も生育が良く、水は土が乾いてから週1回、肥料は9月に緩効性肥料を少量与えます。置き場所は日当たりの良い屋外のままで、9-10月は挿し木と植え替えの適期です。秋咲き品種は強く刈り込むと花芽を落とすので、収穫程度の軽い摘み取りにとどめます。
水は10日-2週間に1回、土が乾いてから控えめに与え、肥料は与えません。置き場所は-5°C程度まで屋外で耐えますが、寒冷地や寒風の強い場所では軒下や室内の窓辺に移します。室内では乾燥でハダニが出やすいので、週1回は葉裏を確認します。
原因
梅雨時の蒸れと風通し不足
対策
枯れた枝を付け根から抜き、内側の混み合った枝を全体の1/3ほど透かす。鉢は雨の当たらない軒下に移す
原因
水のやりすぎによる根腐れ。常に湿った土で根がじわじわ弱っていた
対策
葉先が茶色くなり始めた段階で水を止め、風通しの良い日なたに移す。以後は土が完全に乾いてから与え、水はけの良い土に植え替える
原因
日照不足による徒長
対策
1日4-6時間以上直射日光が当たる場所に移す。間延びした枝は葉が残る位置で切り戻し、脇芽を吹かせる
原因
葉のない木質化した部分まで切り込んだため、古い枝から芽を吹く力が弱い
対策
緑の葉が残る枝を大切に育て、若い枝を挿し木にして後継株を作る。以後は必ず葉が残る位置で切る
原因
初夏に発生するベニフキノメイガの幼虫
対策
綴られた葉を開いて中の幼虫を捕殺する。食用なので薬剤は使わず、被害枝を切り取って風通しを確保する
原因
風通しが悪い場所でのうどんこ病
対策
白くなった葉を取り除き、混み合った枝を透かして風通しを改善する。水は株元に与え、葉を濡らさない
ここにない症状は症状から調べるで、葉の色・しおれ・虫・病気などから逆引きできます。
ローズマリーの花言葉は「思い出」「記憶」「変わらぬ愛」です。ヨーロッパでは古代から記憶力を高めるハーブと信じられ、シェイクスピアの「ハムレット」でオフィーリアが「ローズマリーは思い出のために」と語る場面が由来とされます。常緑で香りが長く残る性質が変わらぬ愛と重ねられてきました。
風水では、香りの強い常緑のハーブは邪気を払い空間の気を清めるとされ、玄関やベランダの入り口に置くと外から入る悪い気を浄化して良縁を呼ぶといわれます。由来は、ヨーロッパで古くから魔除けや厄除けの薬草として扉に吊るされ、教会の儀式にも使われてきた歴史にあります。一年中緑を絶やさない生命力は健康運の象徴ともされます。
ローズマリーは常緑低木なので、環境が合えば10年以上育てられます。年数が経つと幹や枝の根元が茶色く木のように固くなりますが、これは「木質化」という自然な成長で、病気ではありません。ただし木質化した古い枝からは新芽が出にくいため、剪定は必ず緑色の葉が残っている部分で切るのが鉄則です。深く切り戻しすぎるとそのまま枯れ込むことがあります。株が古くなって枝が間延びしてきたら、若い枝を挿し木にして後継の株を育てておくと、世代交代しながら長く楽しめます。
「何日に1回」と決めるより、土が完全に乾いてから与えるのが正解です。目安として春秋は週1回、夏は2-3日に1回、冬は10日-2週間に1回程度ですが、鉢の大きさや置き場所で変わります。鉢を持ち上げて軽くなった、土の中まで指を入れて湿り気がない、と確認してからたっぷり与えましょう。地中海原産のため乾燥には非常に強い一方、受け皿に水を溜めたままにするのは禁物です。迷ったら「あと1日待つ」くらいの乾燥気味の管理がちょうど良い植物です。
適期は気温が穏やかな5-6月と9-10月です。今年伸びた緑色の若い枝を10cmほど切り、下半分の葉を取り除いて30分-1時間水揚げした後、赤玉土小粒や挿し木用土に2-3cm挿します。明るい日陰に置いて土を乾かさないよう管理すると、3-4週間で発根します。発根率は7割前後なので、5本ほど同時に挿しておくと確実です。新芽が動き始めたら発根のサイン。1-2か月後にポットへ植え替え、根が回ったら鉢や庭に定植します。コップの水に挿す水挿しでも発根しますが、土への移行時に傷みやすいため土挿しがおすすめです。
主な理由は「株が若い」「日照不足」「剪定の時期」の3つです。ローズマリーは植え付けから1-2年は株の成長を優先し、花をあまり付けないことがよくあります。また開花には1日5-6時間以上の日照が必要で、半日陰では葉は茂っても花付きは悪くなります。さらに多くの品種は秋から春に咲くため、秋に強く刈り込むと花芽ごと落としてしまいます。花を楽しみたい年は、強めの剪定を春から初夏までに済ませ、秋以降は収穫程度の軽い摘み取りに留めましょう。マジョルカピンクやトスカナブルーなど花付きの良い品種を選ぶのも近道です。
用途で選ぶのがおすすめです。立性は上にまっすぐ伸びるタイプで、料理用の枝を採りやすく、省スペースで鉢植え向き。香りが強い品種が多いのも特徴です。這性は枝が垂れ下がりながら横に広がるタイプで、ハンギングや花壇の縁取り、グランドカバーに向き、花付きが良い品種が多めです。ベランダのプランターで料理に使うのが目的なら立性(トスカナブルーなど)、見た目の演出重視なら這性(プロストラータスなど)、両方のバランスを取りたければ半立性(マリンブルーなど)が目安になります。耐寒性は品種差があり、一般に立性のほうがやや強い傾向があります。
本当です。ローズマリーは直根性に近い根の性質を持ち、根を強くいじられるのを嫌います。植え替えの際に根鉢を大きく崩したり古い根を切りすぎたりすると、その後ぐったりして枯れ込むことがあります。鉢植えの植え替えは1-2年に1回、適期の春か秋に、根鉢をほぼ崩さずひと回り大きな鉢へ「移すだけ」にするのが安全です。底で固く巻いた根を軽くほぐす程度なら問題ありません。植え替え直後は直射日光を避けて1週間ほど養生させ、水やりは土が乾いてから。地植えにした株の移植は特に失敗しやすいので、植える場所は最初によく考えて決めましょう。
ローズマリーの季節の作業や、土・鉢・肥料の選び方をくわしく解説した記事です。

秋植え野菜
10〜11月に種まき・植え付けできる野菜とハーブ16種を、時期・種か苗か・プランターの深さ・収穫時期で一覧に。10月に植えるもの、11月に植えるもの(タマネギの苗・エンドウ・ソラマメ)の区別、9月までに植える野菜の扱い、土と元肥、寒さ対策とトウ立ちを解説します。

秋の植え替え
秋は多肉植物や草花、果樹の植え替え・植え付けに向く一方、観葉植物は春まで待つのが基本です。秋の適期の目安、植物タイプ別の可否、根の扱い方と植え替え後の管理を解説します。

種まきと苗
コスト・難易度・選べる品種数で「種まき」と「苗買い」を比較。野菜・草花の品目別にどちらが向くかの早見表つきです。
10月の作業と、ローズマリーの手入れで迷ったときに役立つページです。
執筆: Hapot編集部
植物を迎えたばかりの人が枯らさずに育てられるように、植物図鑑と症状別の記事を編集しているチームです。農林水産省や農研機構など公的機関の栽培指針を確認したうえで、温度や頻度を数値で示し、迷いやすい判断は結論から書くことを大切にしています。誤りや古くなった情報はお問い合わせから受け付け、確認のうえ更新しています。