苗・株の選び方
まず品種選びが肝心です。初心者にはガムでおなじみの爽快な香りのスペアミント、または清涼感の強いペパーミントがおすすめで、お菓子やティー向きならアップルミントも人気です。苗は春(4〜5月)か秋(9〜10月)に、節間が詰まって葉色が濃く、株元から複数の茎が立ち上がっているものを選びます。葉が白っぽくかすれているものはハダニやうどんこ病の可能性があるので避けましょう。ミントは品種間で交雑しやすく香りが混ざるため、複数品種を同じ鉢に寄せ植えしないことも大切なポイントです。
Hapot編集部より
ミント(Mentha)は、ユーラシア大陸を中心に分布するシソ科ハッカ属の多年草で、清涼感あふれる香りをドリンクやデザート、ハーブティーで手軽に楽しめる人気のハーブです。最大の特徴はその驚異的な生命力。半日陰でも育ち、多少の水切れや寒さにも耐え、冬に地上部が枯れても地下茎が生きていて春にまた芽吹くため、一度植えればほぼ放任で毎年収穫できます。園芸初心者が「枯らさずに収穫まで楽しむ」体験をするには最適の植物といえるでしょう。ペパーミント、スペアミント、アップルミントなど品種ごとの香りの個性も楽しく、摘みたての葉で淹れるミントティーやモヒート風ドリンクは自家栽培ならではの贅沢です。ただし繁殖力が旺盛すぎるため地植えは厳禁で、鉢植え管理が鉄則。その点さえ守れば、ベランダで何年も付き合える頼もしいハーブです。

水やり
土が乾いたら(毎日〜1日おき)
日光
半日陰
適温
-10-30°C
湿度
50-70%
土
一般的なハーブ用土
肥料
月1回液肥
成長速度
非常に速い
毒性
なし(食用)
まず品種選びが肝心です。初心者にはガムでおなじみの爽快な香りのスペアミント、または清涼感の強いペパーミントがおすすめで、お菓子やティー向きならアップルミントも人気です。苗は春(4〜5月)か秋(9〜10月)に、節間が詰まって葉色が濃く、株元から複数の茎が立ち上がっているものを選びます。葉が白っぽくかすれているものはハダニやうどんこ病の可能性があるので避けましょう。ミントは品種間で交雑しやすく香りが混ざるため、複数品種を同じ鉢に寄せ植えしないことも大切なポイントです。
半日陰〜日なたまで幅広く育つ、丈夫さ折り紙付きのハーブです。理想は午前中だけ日の当たる半日陰で、柔らかく香りの良い葉が茂ります。真夏の直射日光と乾燥だけはやや苦手。重要な注意点は「庭に直植えしない」こと:地下茎で爆発的に広がり、数年で庭中がミントだらけになる「ミントテロ」は本当に起こります。庭で育てる場合も鉢やプランターに植えたまま地面に置くか、根止め板で囲ってください。プランター栽培が最も平和な付き合い方です。
水を好むハーブで、乾燥させすぎると葉先から傷み香りも落ちます。土の表面が乾いたらたっぷりと、夏は朝夕2回が目安。半日陰なら乾きが緩やかなので水管理も楽になります。多少の過湿には耐えるため、「乾かすより湿らせ気味」で管理するくらいでちょうど良いバランスです(この点はラベンダーやローズマリーと真逆)。冬は地上部が枯れて休眠しますが、根は生きているので月2〜3回の水やりを続けてください。
収穫がそのまま剪定になります。春〜秋、必要な分だけ枝先を摘み取れば、脇芽が吹いてどんどん茂ります。梅雨前に株全体を1/2ほど刈り込むと、蒸れ防止と株の若返りに効果的(刈った葉はミントティーやシロップに)。花が咲くと葉の香りが落ちるため、つぼみは見つけ次第摘み取りを。冬に地上部が枯れたら地際で刈り取っておくと、春に新芽が勢いよく吹き直します。
鉢植えは1年に1回、3〜4月か9〜10月に。地下茎が鉢の中でぎゅうぎゅうに回るため、放置すると中心部が枯れてドーナツ状になります。鉢から抜いて古い株の中心部を捨て、元気な地下茎を選んで新しい土に植え直す「株の更新」がミントの植え替えの基本です。用土は野菜用培養土やハーブ用土でOK。この更新を毎年行うだけで、何年でも元気な株を維持できます。
増やすのが簡単すぎるほど簡単です。①挿し芽:枝先10cmを水に挿せば数日で発根。②株分け:植え替え時に地下茎を切り分けるだけ。③地下茎の切れ端:5cmもあれば土に埋めておくと芽が出ます。適期は春と秋ですが、ほぼ通年成功します。注意はむしろ「増えすぎ」で、こぼれ種や地下茎の逃げ出しで意図しない場所に広がるため、花がら摘みと鉢管理でコントロールを。異なる品種を近くで育てると交雑して香りが濁ることがあります。
丈夫で病害虫は少なめですが、アブラムシとハダニ、コナジラミが付くことがあります。食用なので薬剤は使わず、水で洗い流すか、被害枝ごと刈り取って対処を(刈ってもすぐ再生するのがミントの強み)。梅雨〜夏に株が混みすぎると蒸れてさび病(葉裏にオレンジ色の斑点)が出ることがあり、発症葉を除去して刈り込みで風通しを改善します。基本は「茂りすぎたら刈る」だけで健康を保てます。
旺盛に成長開始。植え付け、植え替えの適期。
水切れに注意。収穫を兼ねてこまめに摘み取りましょう。
成長が落ち着きます。来年に向けて株を整理。
地上部は枯れますが、根は生きています。屋外でも越冬可能。春にまた芽が出ます。
原因
うどんこ病
対策
風通しを改善し、ひどい場合は病葉を除去
原因
旺盛な繁殖力
対策
鉢植えで管理し、地植えの場合は仕切りを入れる
ミントの花言葉は「美徳」「効能」「爽快」です。ギリシャ神話で冥界の王ハデスに愛された妖精メンテー(ミントの語源)が、嫉妬した王妃ペルセポネに草の姿に変えられながらも、爽やかな香りで人々に愛され続けたという物語が由来とされます。古代から薬草として人々の暮らしに役立ってきた歴史が「効能」「美徳」という言葉に重なっています。
風水では、ミントのような清涼感のある香りの植物は空間に溜まった悪い気をリセットし、新しい気の流れをつくるとされます。特に水回りのそばやキッチンに置くと、湿気とともに淀みがちな気を浄化してくれる存在です。古代ヨーロッパでは客人を迎える部屋にミントを撒いて香りでもてなした風習があり、「歓待」「良い人間関係」を象徴するハーブでもあります。育てて摘んでお茶にする一連の習慣そのものが、暮らしのリズムと運気を整えるとも考えられ、実用と縁起を兼ねたキッチンガーデンの定番です。
本当です。ミントは地下茎を四方に伸ばして増えるため、地植えにすると数年で庭全体に広がり、他の植物の領域まで侵食します。地下茎は数cmの切れ端からでも再生するので、一度広がると完全な駆除は非常に困難で、俗に「ミントテロ」と呼ばれるほどです。庭で育てたい場合は、鉢ごと土に埋める、深さ30cm以上の根止め板で囲うなど、地下茎の逃げ道を物理的に塞ぐ対策が必須です。ベランダでも、鉢底穴から伸びた根が隣の鉢やプランターの土に入り込むことがあるため、受け皿を使い、ランナーが他の鉢に届かない配置にしておくと安心です。
考えられる原因は「肥料の与えすぎ」「日照不足」「株の老化・過密」です。窒素肥料が多いと葉は大きく茂りますが香り成分が薄まり、ぼやけた香りになります。ミントはほぼ無肥料でも育つので、液肥は月1回以下で十分です。また日光に当たることで香り成分(精油)が増えるため、室内の暗い場所では香りが乗りません。午前中だけでも直射日光に当てましょう。さらに植えっぱなしで株が混み合うと細い茎ばかりになり香りも低下します。毎年春の植え替えと、適度な切り戻しで若い茎を維持することが、香りの濃いミントを保つコツです。
地上部が茶色く枯れていても、ほとんどの場合は心配いりません。ミントは耐寒性の強い多年草で、冬は地上部を枯らして地下茎だけで越冬するのが本来の姿です。-10°C程度まで耐えるため、日本の平地なら屋外に置いたままで問題なく、3〜4月になると株元や土の中から新芽が次々と出てきます。冬の間は水やりを控えめにして(月2〜3回程度)、土をカラカラにしすぎない程度に保ちましょう。枯れた地上部は早春に地際で刈り取っておくと、新芽の出が揃ってきれいに茂ります。春になっても芽が出ない場合のみ、根腐れで地下茎ごと傷んでいた可能性を疑います。
最初の1鉢には「スペアミント」をおすすめします。香りに角がなく料理・ドリンク・ティーと用途が広いうえ、性質も丈夫で失敗がほぼありません。ガムのような強い清涼感が好みなら、メントールを多く含む「ペパーミント」を。リンゴのような甘い香りの「アップルミント」は産毛のある丸葉が可愛らしく、ハーブティー向きです。注意したいのは、種から育てると香りにばらつきが出やすいことで、ミントは交雑しやすいため、香りの良い株の苗を買うのが確実です。店頭で実際に葉を軽く触って香りを確かめてから選ぶと失敗がありません。
鉢植えなら毎年、少なくとも2年に1回の植え替えをおすすめします。ミントは地下茎の成長が非常に速く、1年で鉢の中が根でぎゅうぎゅうの「根詰まり」状態になります。そのままにすると水の浸み込みが悪くなり、葉が小さく茎が細くなって株が衰えていきます。適期は新芽が動き出す3〜4月。鉢から抜いた株を半分〜4分の1に切り分け、若く元気な地下茎だけを新しい土に植え直します。残った地下茎は別の鉢に植えたり、水に挿してキッチンで育てたりと再利用できます。植え替えのたびに株が若返り、香りの良い葉が採れるようになります。
ミントは刈り込みにとても強く、生育期(4〜10月)なら株全体を地際から数節残してバッサリ切っても、2〜3週間で新しい茎が伸びてきます。むしろ伸ばしっぱなしより、定期的に切り戻したほうが柔らかく香りの良い若葉が増えるので、遠慮せず収穫しましょう。日常の収穫は茎の先端5〜10cmを節の上で切るのが基本で、切った節から脇芽が2本伸びて枝数が増えます。花が咲き始めると葉が固くなり香りも落ちるため、6〜7月のつぼみの時期に一度大きく切り戻すのがおすすめです。大量に収穫した葉は乾燥させればミントティー用に長期保存できます。