苗・株の選び方
種から始めるのが基本かつ最良です(移植嫌いのため)。品種は葉をたくさん採るなら「遅抽性(トウ立ちが遅い)」表記のあるものを。苗を買うなら本葉4〜5枚までの若苗を選び、根鉢を崩さず即定植してください。
Hapot編集部より
パクチー(コリアンダー)は、エスニック料理の主役ハーブを「使う分だけ摘む」贅沢を叶えてくれる、実は栽培簡単な葉物です。スーパーの束は値が張るうえ日持ちしない——だからこそ、ベランダの一鉢が最強のコスパを発揮します。栽培の鍵は2つ:①移植嫌いの直根性なので「直まき」一択、②暑さと長日でトウ立ちして葉が終わるため、秋まき(9〜10月)が春まきより断然長く楽しめること。秋にまけば冬を越して春まで、やわらかい葉を摘み続けられます。花もレースのように美しく、種(コリアンダーシード)はスパイスとして二毛作的に収穫可能。葉・花・種と一株で三度おいしい、キッチンガーデンの隠れた優等生です。

水やり
土の表面が乾いたら(乾燥で葉が硬くなる)
日光
半日陰
適温
15-25°C(冷涼好き。真夏が苦手)
湿度
40-60%
土
水はけの良い培養土
肥料
月2回の薄い液肥(葉物なので切らさない)
成長速度
速い(種まきから50-60日で収穫開始)
毒性
食用
種から始めるのが基本かつ最良です(移植嫌いのため)。品種は葉をたくさん採るなら「遅抽性(トウ立ちが遅い)」表記のあるものを。苗を買うなら本葉4〜5枚までの若苗を選び、根鉢を崩さず即定植してください。
日当たり〜明るい半日陰で育ちます。真夏の直射日光と暑さがトウ立ちを早めるため、春まき株は半日陰が長持ちのコツ。秋まきなら日なたでOKです。プランターは深さ20cm以上(直根が伸びるため)に。冬は霜に当たっても枯れない耐寒性があり、寒さでゆっくり育つ冬パクチーは香りがマイルドで葉も柔らかな別格の味です。
土の表面が乾いたらたっぷりと。乾燥が続くと葉が硬くなり香りも尖るため、「乾かしすぎない」管理が柔らかい葉の秘訣です。夏は朝の水やりで蒸れを回避。冬は控えめでよいですが、乾いたら暖かい午前中に与えます。
市販の野菜用培養土でOKです。直根性のため深さ20cm以上の容器に直まきし、移植はしないこと(根が傷むと生育が止まります)。すじまきか点まき(1か所3〜4粒)で、発芽後に間引いて株間10〜15cmに。パクチーの種は2粒が合わさった殻なので、軽く割ってから一晩水に浸けてまくと発芽が揃います。
収穫がそのまま手入れです。草丈15cm頃から、外側の葉を株元近くでハサミで切って収穫します(内側の新芽を残せば次々と葉が出る「外葉摘み」方式)。一度に株の1/3以上を採らないのが長持ちの掟。トウ立ちの花茎が伸び始めたら葉の収穫は終盤:花を楽しんで種の収穫へ移行するか、株ごと根パクチー(タイ料理の出汁用)として使い切ります。
移植厳禁の直根性のため、植え替えはありません。育てる容器に直まきし、その場で一生を完結させます。ポット苗を買う場合は、根鉢を絶対に崩さず、できるだけ若い苗を選んで早めに定植を。
種まきと自家採種のサイクルが簡単に回ります。花後にできる丸い種が茶色く熟したら、茎ごと刈って乾燥させ、種を採取。半分は翌シーズンの種まき用に、半分はコリアンダーシードとしてスパイス活用(カレーやピクルスに)。こぼれ種でも良く発芽するため、一度育てると毎年どこかから生えてくる頼もしさがあります。
香りの強さゆえ害虫は少なめですが、アブラムシ(春のトウ立ち期に花茎へ付く)とキアゲハの幼虫(セリ科の常連)に注意。見つけ次第、食用ハーブなので手で取るのが基本です。梅雨時の蒸れによる立ち枯れは、間引きによる風通し確保で予防します。
秋まき株の収穫最盛期→トウ立ちで種収穫へ。春まきも可(短期決戦)。
暑さで栽培オフ気味。こぼれ種と秋の準備期間。
9〜10月の種まきがベストシーズン。冬に向けて育成。
冬パクチーの収穫期。霜に耐えながらゆっくり育つ。
原因
移植による直根の損傷。パクチーは移植を極端に嫌う。
対策
残念ながら移植後の回復は難しいことが多いです。次からは育てる容器への直まきを徹底し、苗を買う場合も根鉢を崩さず若苗のうちに定植してください。
原因
乾燥ストレスと高温、または収穫の遅れ。
対策
水切れさせない管理に切り替え、外葉を若いうちにこまめに摘みます。夏は半日陰へ。柔らかい葉は「適湿+若採り」で作られます。
パクチーの花言葉は「隠れた美点」。強い香りの奥にある繊細なレースのような白い花、そして知る人ぞ知る美味しさに由来します。
強い香りのハーブは「気の淀みを払う」とされ、キッチンや窓辺の空気を活性化する植物といわれます。
トウ立ち(抽苔)です。パクチーは高温と長日で花モードに切り替わり、葉は細く硬く、香りも変わります。こうなると葉の収穫は終盤ですが、悲観は不要:①白いレースのような花はエディブルフラワーに、②丸い種は熟せばコリアンダーシードとしてスパイスに、③種を採れば翌シーズンの元手に、と二毛作が始まります。葉を長く楽しみたいなら、次回は秋まき+遅抽性品種+夏の半日陰の3点セットで、トウ立ちを大幅に遅らせられます。
根付きの株なら再生栽培(リボベジ)が狙えます。根から5cmほど茎を残して水に挿し、新芽が動いたら土に植え付けます。ただし直根が切られている場合が多く、本格的な収穫よりは「薬味を数回摘める」程度の期待値が現実的。しっかり収穫したいなら、種からの直まきが結局いちばん確実で収量も別格です。種はスパイス売り場のコリアンダーシード(ホール)でも発芽することがあり、実験として楽しめます。