苗・株の選び方
良い株は、銅色や赤みを帯びた新芽が株元から出ていること、大きな小葉が銀緑色につやを持っていること、葉柄が黒く張りがあることの3点で見分けます。
避けたいのは、小葉に黒い斑点や黒ずみがある株と、葉柄が倒れて小葉が落ちかけている株です。前者は寒さに当たった株、後者は水切れや根傷みの可能性があります。寒さに弱いので、購入は5〜9月の暖かい時期がおすすめです。大きな株は持ち帰りで葉柄が折れやすいので、袋で包んで立てて運びます。冬に買う場合は、店から家までの冷えに注意します。
アジアンタム・ペルビアナムの育て方の要点
Hapot編集部より
アジアンタム・ペルビアナムは、直径2〜4cmほどの大きな小葉が、銀色を帯びた緑に光る大型のアジアンタムです。基本のアジアンタムとの違いは、小葉が数倍大きく、株の高さも50cm以上になることと、寒さにやや弱いことの2点です。南米のペルーやエクアドル周辺が原産とされ、英語では銀貨に見立てて「シルバーダラー」とも呼ばれます。開いたばかりの若い葉は赤みを帯びた銅色で、成長するにつれて銀緑色に変わるため、1株の中で色の移り変わりを楽しめます。小葉が大きく厚みもあるので、ラディアヌム系の細かい葉より乾燥による縮れが目立ちにくい一方、冬は12°C以上を保つ必要があり、寒さへの備えが育て方の要になります。黒く長い葉柄が弓なりに伸びるので、目線より少し低い棚に置くと、垂れた小葉が光を受けて揺れる姿がよく見えます。大きく育てたい人や、アジアンタムに慣れて次の1株を探している人に向きます。

水やり
表土が乾きかけたらたっぷり(春〜秋は2〜3日に1回が目安)。冬は表面が乾いて1日後
日光
日陰
温度の目安
15-28°C(冬は12°C以上を保つ)
湿度
60-80%
土
水もちが良く、通気もある観葉植物用土
大きさの目安
室内の鉢植えで高さ40〜70cm、幅50〜80cm。小葉は直径2〜4cmと大きく、5〜7号鉢での流通が中心です。
成長の速さ
ふつう(春〜夏に銅色の新しい葉を次々に開く)
温度の目安(耐寒〜耐暑)
15-28°C(冬は12°C以上を保つ)
肥料
5〜9月に月1回、規定の2倍に薄めた液肥
成長速度
ふつう(春〜夏に銅色の新しい葉を次々に開く)
毒性
ペットへの毒性の報告は特にない(アジアンタムの仲間はASPCAの無毒リストに掲載)
銅色の新芽が出ているうちは株が元気な証拠です。冬に新芽が止まるのは自然ですが、葉が黒ずんだら寒さに当たった合図なので、暖かい部屋へ移します。
良い株は、銅色や赤みを帯びた新芽が株元から出ていること、大きな小葉が銀緑色につやを持っていること、葉柄が黒く張りがあることの3点で見分けます。
避けたいのは、小葉に黒い斑点や黒ずみがある株と、葉柄が倒れて小葉が落ちかけている株です。前者は寒さに当たった株、後者は水切れや根傷みの可能性があります。寒さに弱いので、購入は5〜9月の暖かい時期がおすすめです。大きな株は持ち帰りで葉柄が折れやすいので、袋で包んで立てて運びます。冬に買う場合は、店から家までの冷えに注意します。
基本はアジアンタムと同じで、日差しの入らない明るい日陰を選びます。ペルビアナムで気をつけたいのは、大きな小葉が光の向きに合わせて面を向けるため、片側からの光で株が傾きやすいことです。2週間に1回、鉢を半回転させると均整のとれた姿になります。株が大きく葉柄が長いので、周りに直径60cmほどの空間をとります。
寒さには仲間の中でも弱く、冬は12°C以上の部屋に置くことが欠かせません。よくある失敗は、冬の夜に窓際へ置いたままにし、朝には小葉が黒ずんで落ちることです。黒くなった葉は戻らないので付け根で切り、暖かい部屋の内側へ移せば、春に根茎から新芽が出てきます。
小葉が大きく厚みがある分、ラディアヌム系より数時間の乾きには耐えますが、根鉢を乾かし切らないのは同じです。春から秋は表土が乾きかけたら2〜3日に1回、鉢底から流れるまで与えます。株が大きいので、夏は1回の水の量を多めにします。冬は表面が乾いて1日ほど待ち、室温になじませた水を昼前に与えます。霧吹きは朝に1回、大きな小葉の裏側にもかけます。
よくある失敗は、冬に冷たい水道水をそのまま与えることで、寒さに弱い根が傷み、葉が一斉にしおれます。冬は汲み置いて室温に戻した水を使い、しおれた葉を切って暖かい場所で養生させます。
水もちを保ちながら、株が大きくなっても根が蒸れない通気のある土にします。市販の観葉植物用土にピートモスと軽石の小粒を1割ずつ足すのが手軽です。配合するなら赤玉土(小粒)4、ピートモス3、腐葉土2、軽石(小粒)1が目安です。株が大きく重心が高くなるので、鉢は6号以上の安定した陶器鉢が向いています。鉢底石は1〜2cm敷きます。元肥は控えめにし、生育期の薄い液肥で育てます。土の表面にピートモスを薄く敷くと、乾きがさらに穏やかになります。
ペルビアナムの剪定は、傷んだ葉と、伸びすぎて株の形を崩す葉を付け根から外すことです。時期は5〜9月が向いています。大きな小葉が茶色くなった葉や、冬の寒さで黒ずんだ葉は、黒い葉柄を株元までたどって付け根で切ります。葉柄が長く弓なりに伸びる性質なので、片側に偏って伸びた葉を間引くと、株全体の形が整います。
よくある失敗は、傷んだ小葉を1枚ずつ摘み取り、葉柄だけが目立つ葉が残ることです。傷みが半分を超えた葉は、葉ごと付け根で切るほうが見た目もすっきりし、新しい葉に栄養が回ります。一度に切るのは全体の3割までにとどめます。
時期と道具を準備する
5〜9月に行います。先の細い清潔なハサミを用意し、茶色や黒くなった葉と、片側に偏って伸びた葉を確かめます。
傷んだ葉を付け根で切る
傷みが半分を超えた葉は、小葉を摘まずに黒い葉柄を株元までたどり、付け根で切ります。
偏った葉を間引く
片側に偏って長く伸びた葉を付け根から間引き、株全体の形を整えます。銅色の新芽は残します。
鉢を回して形を保つ
作業後は鉢の向きを変え、どの面にも光が当たるようにします。以後も2週間に1回、鉢を半回転させます。
植え替えは2年に1回、5〜7月の暖かい日に行います。ペルビアナムは株が大きくなるにつれて根茎も太り、鉢の中が詰まると水の染み込みが悪くなります。根茎が鉢の縁まで届いたら、一回り大きな鉢へ移します。寒さに弱い種類なので、最低気温が15°Cを超えるまで待つのが安全です。根鉢は外側を軽くほぐす程度にし、根茎の上が少し見える高さで植え付けます。
よくある失敗は、春先のまだ肌寒い時期に植え替え、根が動かないまま葉がしおれることです。植え替えは5月以降に回し、作業後は20°C前後の明るい日陰で2週間ほど養生させます。
暖かくなってから準備する
最低気温が15°Cを超える5〜7月に行います。一回り大きな陶器鉢、通気のある土、鉢底石、清潔なナイフとハサミを用意します。
株を抜いて根を確かめる
前日に水を与え、長い葉柄を束ねてから株を抜きます。根鉢の外側を軽くほぐし、黒く柔らかい根を切ります。
根茎を浅めに植える
鉢底石を敷いて土を入れ、太い根茎の上が少し見える高さで植えます。株が倒れないよう、土を割り箸で突いて隙間をなくします。
たっぷり水を与える
鉢底から流れるまで水を与えます。水は室温になじませたものを使い、冷えで根を傷めないようにします。
暖かい日陰で養生する
20°C前後の明るい日陰で2週間ほど休ませ、霧吹きを続けます。銅色の新芽が出てきたら、元の場所へ戻します。
増やし方は株分けが確実です。5〜7月の植え替えのときに、太い根茎を新芽が3個以上付くまとまりで切り分け、小鉢に植え付けます。ペルビアナムは根茎が太く硬いので、手で割れない部分は清潔なナイフで切り、切り口を乾かさないようすぐに植えます。分けた株は大きな葉を半分ほど切り詰め、透明な袋をかぶせて20〜25°Cの明るい日陰で2〜3週間養生させます。
よくある失敗は、根茎を細かく分けすぎて、新芽の付いていない部分まで植えてしまうことです。新芽のない根茎からは葉が出にくいので、必ず芽が付いた部分を選んで分けます。
時期と道具を用意する
5〜7月の暖かい日に、植え替えと同時に行います。清潔なナイフ、小鉢、保水性のある土、透明な袋を用意します。
新芽付きの根茎を探す
株を抜き、太い根茎の上に新芽が付いている位置を確かめます。新芽が3個以上付くまとまりを分け目にします。
ナイフで切り分ける
硬い根茎は手で割らず、清潔なナイフで切り分けます。切り口が乾かないよう、分けたらすぐ植え付けます。
大きな葉を切り詰める
分けた株の大きな葉を半分ほど切り詰め、水分の消耗を抑えます。植え付けたら鉢底から流れるまで水を与えます。
暖かく湿った環境で待つ
透明な袋をかぶせ、20〜25°Cの明るい日陰で2〜3週間養生させます。銅色の新芽が開けば根付いた合図です。
大きな小葉の裏や葉柄の付け根に、カイガラムシが付くことがあります。黒い葉柄に沿って茶色い粒が並んでいたら、綿棒でこすり落とします。乾燥する冬の暖房部屋では、ハダニで銀緑色の小葉がかすれて見えることがあり、霧吹きを葉の裏まで行うのが予防になります。薬剤は葉の表面を傷めやすいので、株元と葉柄に絞って使います。
よくある失敗は、若い葉の銅色を病気や日焼けと思い込み、新芽を切り取ってしまうことです。ペルビアナムの新芽が赤みを帯びるのは正常な性質で、2〜3週間で銀緑色に変わっていきます。色が変わらず縮れていく場合だけ、乾燥や寒さを疑います。
気温が15°Cを超えたら給水を2〜3日おきへ戻し、5月から薄い液肥を月1回。植え替えは最低気温が15°Cを超えてからにします。銅色の新芽が出始めたら、鉢を回して光を均等に当てます。
表土が乾きかけたら朝のうちにたっぷり与え、追肥は月1回続けます。大きな葉ほど日焼けしやすいので、直射日光は避けます。冷房の風が当たらない、湿度の保てる場所で霧吹きを続けます。
給水は3日おき程度に減らし、追肥は9月で終えます。寒さに弱いので、夜の気温が15°Cを下回り始めたら暖かい部屋へ移します。夏に傷んだ大きな葉は付け根で整理しておきます。
表面が乾いて1日後、室温に戻した水を昼前に与えます。肥料は休みます。12°C以上の明るい日陰に置き、夜の窓際や冷たい床の上には置かないでください。加湿器で湿度を60%近くに保ちます。
原因
冬の寒さ。ペルビアナムはアジアンタムの中でも寒さに弱く、10°Cを下回ると傷みやすい。
対策
黒くなった葉を付け根で切り、12°C以上の暖かい部屋の内側へ移します。冬の水は室温に戻してから与え、春の新芽を待ちます。
原因
大きな小葉が光の方向へ面を向けるため、片側からの光で株全体が傾く。
対策
2週間に1回、鉢を半回転させてどの面にも光を当てます。大きく傾いた葉は付け根で切って新しい葉に入れ替えます。
原因
ペルビアナムの正常な性質。若い葉は銅色で、2〜3週間で銀緑色に変わる。
対策
そのまま育てて問題ありません。古い葉まで赤黒く変色する場合は、寒さや強い光を疑い、置き場所を見直します。
原因
冷たい水道水をそのまま与えたことによる根の冷え。
対策
しおれた葉を切り、暖かい明るい日陰で養生させます。冬は汲み置いて室温に戻した水を昼前に与えます。
ここにない症状は症状から調べるで、葉の色・しおれ・虫・病気などから逆引きできます。
アジアンタムの花言葉は「繊細」「天真爛漫」です。ペルビアナムは大きな小葉が銀色に光る堂々とした姿から、繊細さの中に品のある華やかさを感じさせる植物として、落ち着いた大人への贈り物に選ばれることがあります。
風水では、丸く柔らかな葉は気をやわらげるとされます。ペルビアナムの銀色に光る大きな丸い小葉は、金運を表す硬貨に見立てられることもあり、玄関やリビングの明るい日陰に置くと、穏やかで豊かな気を招くといわれます。
病気ではなく、ペルビアナムの正常な性質です。開いたばかりの若い葉は赤みを帯びた銅色をしていて、成長するにつれて2〜3週間で銀緑色に変わっていきます。1株の中で新しい葉と古い葉の色が違って見えるのは、元気に育っている証拠です。ただし、古い葉まで赤黒く変色している場合は寒さや強い光による傷みが疑われるので、置き場所の温度と明るさを見直してください。
冬も12°C以上を保つのが目安で、アジアンタムの中では寒さに弱い種類です。10°Cを下回る場所に置くと、大きな小葉が黒ずんで落ちることがあります。冬は夜に冷え込む窓際を避け、暖かい部屋の内側の明るい場所へ移してください。暖房の温風が直接当たると乾燥で傷むので、加湿器のそばなど温度と湿度の両方を保てる場所が理想です。
小葉の大きさを見れば、ひと目で見分けられます。店頭で多いラディアヌム系のアジアンタムは、小葉が1cm前後の小さな扇形で、細かく密に茂ります。ペルビアナムは小葉が直径2〜4cmと大きく、銀色を帯びた緑で、1枚ずつがはっきり見えます。株の高さもペルビアナムのほうが大きく、50cmを超えることが多い種類です。
光の当たる方向へ大きな葉が向いているのが原因で、鉢を回せば直ります。ペルビアナムは小葉が大きく、光を受けようと葉の面を窓側へ向けるため、片側からの光だけだと株全体が傾いていきます。2週間に1回ほど鉢を半回転させ、どの面にも光が当たるようにしてください。すでに大きく傾いた葉は、付け根で切って新しい葉に入れ替えると形が整います。
室内の鉢植えでは高さ40〜70cm、幅50〜80cmほどになります。アジアンタムの仲間では大型で、長い葉柄が弓なりに広がるため、思ったより場所を取ります。大きくしたくない場合は、植え替えのときに株分けして同じ大きさの鉢に戻すと、広がりを抑えられます。棚の上に置く場合は、垂れた葉が通路にかからない位置を選びます。
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執筆: Hapot編集部
植物を迎えたばかりの人が枯らさずに育てられるように、植物図鑑と症状別の記事を編集しているチームです。農林水産省や農研機構など公的機関の栽培指針を確認したうえで、温度や頻度を数値で示し、迷いやすい判断は結論から書くことを大切にしています。誤りや古くなった情報はお問い合わせから受け付け、確認のうえ更新しています。