苗・株の選び方
良い株は、葉がまっすぐ立ち上がり、縁の波打ちと斑紋がくっきりしていること、葉先の茶色い傷みが少ないこと、株元から巻いた新芽が立ち上がっていることの3点で見分けます。
避けたいのは、葉が外へ大きく倒れて開いている株と、下葉が黄色くなっている株です。前者は暗い場所で育って葉柄が弱っている可能性、後者は根の傷みや冷えの可能性があります。背の高い株は運ぶときに葉柄が折れやすいので、袋で葉をまとめて持ち帰ります。
カラテア・ランシフォリアの育て方の要点
Hapot編集部より
カラテア・ランシフォリアは、細長い葉が上へ立ち上がる、カラテアの中では乾燥に比較的強いとされる品種です。マコヤナやオルナータの卵形の葉と違い、葉は長さ30cm前後の細い槍形で縁が波打ち、明るい緑の地に濃い緑の大小の楕円が中央の葉脈の両側に交互に並びます。葉の裏は深い赤紫で、模様の形から英語ではラトルスネークプラント(ガラガラヘビの植物)と呼ばれます。ブラジルの熱帯雨林が原産とされ、学名は旧名のカラテア・ランシフォリア(Calathea lancifolia)から、現在はゴエッペルティア・インシグニス(Goeppertia insignis)に改められていますが、店頭では今もランシフォリアの名で売られています。葉の幅が狭く、ほかの品種より葉先が傷みにくい傾向があるため、カラテアを初めて育てる人の最初の1株に向きます。高さ50〜70cmほどまで育ち、すらりと縦に伸びる姿は床置きにも映えます。

水やり
土の表面が乾いたら(春〜秋は4〜5日に1回が目安)
日光
日陰
温度の目安
15-30°C
湿度
50-70%
土
水はけと保水を両立した観葉植物用土
大きさの目安
室内の鉢植えで高さ50〜70cm。葉は長さ30cm前後の細長い槍形で、5〜7号鉢での流通が中心です。
成長の速さ
中(春〜夏に細長い葉が次々と立ち上がる)
温度の目安(耐寒〜耐暑)
15-30°C
肥料
5〜9月に月1回、薄めた液肥
成長速度
中(春〜夏に細長い葉が次々と立ち上がる)
毒性
ペットにも安全とされる(カラテアの仲間はASPCAの無毒リストに掲載)
葉が縦に立つ品種なので、横からの光で傾きやすいことを覚えておきます。月1回鉢を回すと、まっすぐな姿を保てます。
良い株は、葉がまっすぐ立ち上がり、縁の波打ちと斑紋がくっきりしていること、葉先の茶色い傷みが少ないこと、株元から巻いた新芽が立ち上がっていることの3点で見分けます。
避けたいのは、葉が外へ大きく倒れて開いている株と、下葉が黄色くなっている株です。前者は暗い場所で育って葉柄が弱っている可能性、後者は根の傷みや冷えの可能性があります。背の高い株は運ぶときに葉柄が折れやすいので、袋で葉をまとめて持ち帰ります。
基本はカラテアと同じで、直射日光を避けた明るい日陰に置きます。ランシフォリアで変わるのは、葉が上へ立ち上がるため、置く高さと光の向きの影響を受けやすいことです。窓から1〜2mの、レースカーテン越しの柔らかい光が目安です。光が片側からだけ当たると、葉が窓の方へ傾いて株の形が崩れるので、月1回、鉢を90度回します。冬は15°C以上を保ち、夜に冷える窓際からは離します。
よくある失敗は、高さがあるからと床に直接置き、冬の足元の冷えで下葉が黄色くなることです。床から20〜30cm上げる台に乗せるだけで冷えが和らぎ、新しい葉は元気に立ち上がります。
乾いたら与える点はカラテアと同じですが、ランシフォリアはほかの品種より少しだけ乾燥に耐えます。春から秋は土の表面が乾いたら、4〜5日に1回を目安に鉢底から流れるまで与えます。冬は表面が乾いて2日ほど待ってから与えます。湿度は50%以上あれば葉先が傷みにくいとされ、葉水は1日1回を基本に、暖房の季節だけ朝夕に増やします。
よくある失敗は、丈夫と聞いて水やりの間隔を空けすぎ、細い葉が縦に丸まって筒のようになることです。土が乾いていたら鉢底から流れるまで与え、葉に霧吹きをすれば1日ほどで開きます。数日開かない場合は根の傷みを疑います。
水はけを少し強めにした保水性のある土が向きます。配合するなら赤玉土(小粒)5、ピートモス2、パーライト2、腐葉土1が目安で、背の高い株を支えるため赤玉土を多めにします。市販の観葉植物用土をそのまま使ってもよく育ちます。鉢底石は2〜3cm敷き、鉢は株の高さに対して倒れにくい、底の広い陶器鉢やプラスチック鉢が扱いやすくなります。元肥は緩効性肥料を少量混ぜる程度で十分です。重心が高い株なので、鉢の直径は株の高さの3分の1以上を目安にすると安定します。
ランシフォリアの剪定は、古い下葉と、傾いて株の形を崩した葉を取り除くのが目的です。時期は問いませんが、5〜8月に行うとすぐ新しい葉が補います。外側で横に倒れた葉や黄色くなった下葉は、葉柄の付け根から切り取ります。波打つ葉の先が茶色くなったときは、枯れた色の内側1〜2mmを残し、葉の細い形に沿って斜めに切ると自然に見えます。
よくある失敗は、傾いた葉をまっすぐにしようと手で起こし、葉柄の付け根を折ってしまうことです。傾きは鉢を回して直し、どうしても倒れる葉だけを切ります。折れた葉は付け根から切れば、株元から新しい葉が出ます。
時期と道具を準備する
5〜8月が適期です。清潔なハサミを用意し、黄色くなった下葉、外へ倒れた葉、葉先が傷んだ葉を見分けます。
下葉と倒れた葉を切る
黄色くなった下葉と、外へ倒れて株の形を崩した葉を、葉柄の付け根で切り取ります。1回に切るのは2〜3枚までにします。
葉先を形に沿って整える
葉先の茶色い部分は、枯れた色の内側1〜2mmを残し、細長い葉の形に沿って斜めに切ります。緑の部分は切りません。
鉢を回して形を保つ
作業のあとは葉水をし、月1回鉢を90度回して光を均等に当てます。新しい葉がまっすぐ立ち上がれば、株の形が整います。
植え替えは2年に1回、5〜7月が目安です。ランシフォリアは地上部が縦に伸びるわりに根の張りが穏やかで、毎年の植え替えはいりません。鉢底から根がのぞく、水がしみ込みにくい、株が鉢に対して大きく倒れやすい、のいずれかが合図です。根鉢を軽くほぐして古い土を3分の1ほど落とし、直径3cm大きく底の広い鉢へ植えます。背が高い株は、植えたあと1〜2週間は支柱で軽く支えます。
よくある失敗は、株を引き抜くときに葉をまとめてつかみ、葉柄が付け根から抜けてしまうことです。鉢の側面を押して土をゆるめ、株元を持って抜いてください。抜けた葉は戻りませんが、株元が無事なら新しい葉が出ます。
時期と道具をそろえる
5〜7月の暖かい日に行います。直径3cm大きく底の広い鉢、観葉植物用土、鉢底石、清潔なハサミ、細い支柱とひもを用意します。
株元を持って抜く
鉢の側面を押して土をゆるめ、株元を手で持って抜きます。葉をまとめてつかむと葉柄が付け根から抜けるので避けます。
古い土を3分の1落とす
根鉢の肩と底をほぐして古い土を3分の1ほど落とし、黒く柔らかい根を切ります。株分けする場合はこの段階で分けます。
植え付けて支柱を添える
鉢底石を2〜3cm敷き、元の高さで植えます。背の高い株は支柱を1本立て、葉柄をひもでゆるく留めて倒れないようにします。
明るい日陰で休ませる
鉢底から流れるまで水を与え、2週間ほど明るい日陰で休ませます。葉が立ち直ったら支柱を外し、肥料は1か月後から始めます。
増やし方は株分けで、5〜7月の植え替えのときに行います。地下茎でつながった株を、葉が3〜4枚以上付いたまとまりになるように手で割り、根を付けたまま植え付けます。ランシフォリアは株分け後の回復が比較的早いとされ、透明な袋をかぶせた湿度の高い環境で、20〜25°Cを保てば1〜2週間で葉に張りが戻ります。挿し木や葉挿しでは増えません。
よくある失敗は、背の高い葉が多い株を小さく分け、根が葉を支えきれずに倒れたまま弱ることです。分けた株は外側の葉を1〜2枚減らし、支柱で軽く支えて養生させると根付きやすくなります。
時期と道具を準備する
5〜7月の植え替えと同時に行います。清潔なナイフ、土を入れた鉢、透明な袋、細い支柱を用意し、前日に水を与えておきます。
分け目を確かめる
株を鉢から抜いて土を落とし、地下茎のつながりを確かめます。葉が3〜4枚以上付き、根が十分あるまとまりを分け目にします。
手で割って分ける
分け目を手でゆっくり広げて割り、離れない部分はナイフで切ります。外側の葉が多い株は1〜2枚減らして負担を軽くします。
植え付けて支える
分けた株を土に植えて水を与え、倒れる葉は支柱で軽く支えます。葉に霧吹きをして透明な袋をかぶせ、明るい日陰に置きます。
張りが戻ったら袋を外す
20〜25°Cなら1〜2週間で葉に張りが戻ります。少しずつ袋を開けて慣らし、新しい葉が出たら薄めの液肥を始めます。
注意する害虫はハダニとカイガラムシです。ランシフォリアは葉が縦に立つため葉裏に目が届きにくく、気づいたときには葉の表に白いかすれが広がっていることがあります。月2回は葉を軽く起こして裏側を確認し、細かい点や糸があればシャワーで洗い流します。カイガラムシは葉柄の付け根に付くので、柔らかい歯ブラシでこすり落とします。発生が続く場合は、殺ダニ剤や殺虫剤を7〜10日おきに2〜3回使います。
よくある失敗は、乾燥に強いと考えて葉水をやめ、冬の暖房の部屋でハダニを増やしてしまうことです。洗い流したうえで1日1回の葉水を再開すれば、次の葉から模様がくっきり戻ります。
気温15°Cを超えたら水を4〜5日に1回へ戻し、5月から液肥を月1回始めます。置き場所は窓から1〜2mの明るい日陰に。新しい葉が立ち上がる時期なので、月1回鉢を回して光を均等に当てます。植え替えと株分けは5月以降に行います。
水は土が乾いたら朝に与え、3〜4日に1回が目安です。液肥は月1回続けます。日差しが強い時期は窓から少し離し、冷房の風が当たらない場所へ。葉水は1日1回、暑い日は朝夕にして、ハダニを防ぎます。
水の間隔を5〜7日に1回へ広げ、液肥は9月で終えます。最低気温が15°Cを下回る前に、窓際から部屋の内側へ移します。床置きの株は台に乗せて足元の冷えを避け、暖房を使い始めたら葉水を朝夕に増やします。
水は土の表面が乾いて2日ほど待ってから、室温の水を午前中に与えます。肥料は与えません。15°C以上の明るい日陰に置き、床に直接置いて冷やさないでください。湿度50%以上を保てば葉先は傷みにくいので、加湿器と葉水で補います。
原因
水切れか、冷暖房の風による乾燥。水分が逃げるのを防ぐため、葉を縦に巻いて閉じる。
対策
土が乾いていれば鉢底から流れるまで水を与え、葉に霧吹きをします。風の当たらない場所へ移し、数日たっても開かない場合は根が傷んでいないか確かめます。
原因
光が片側からだけ当たっている。葉が上へ立つ品種なので、光の方向へ葉柄が伸びて傾く。
対策
月1回、鉢を90度ずつ回して光を均等に当てます。傾いた葉は手で起こすと折れやすいので、大きく倒れた葉だけを付け根から切り取ります。
原因
床置きによる足元の冷えや、15°Cを下回る低温。冷えた土が乾かないまま根が傷む。
対策
床から20〜30cm上げる台に乗せ、部屋の内側の暖かい場所へ移します。水は土が乾いて2日ほど待ってから与え、黄色くなった葉は付け根から切ります。
原因
ハダニの吸汁。葉が縦に立つため葉裏が目に入りにくく、気づくのが遅れやすい。
対策
葉を軽く起こして裏をシャワーで洗い流し、1日1回の葉水を続けます。発生が続く場合は殺ダニ剤を7〜10日おきに2〜3回散布し、月2回は葉裏を確認します。
ここにない症状は症状から調べるで、葉の色・しおれ・虫・病気などから逆引きできます。

カラテア・ランシフォリアも、家庭で花を見る機会は多くない品種です。よく育った株では、春から夏ごろに株元近くから短い花茎が伸び、黄色みを帯びた苞の間から淡い黄色の小さな花がのぞくことがあるとされます。
花は細長い葉の陰に隠れるほど小さく、観賞の中心はあくまで葉の模様です。咲き終わった花茎は付け根から切り取っておきます。
カラテアの仲間の花言葉は「飛躍」「あたたかい心」です。ランシフォリアは細長い葉がまっすぐ上へ伸びる姿から、「飛躍」の言葉が特によく似合う品種です。昇進や新しい挑戦を祝う贈り物に選ばれることもあり、夜に葉を立てて閉じる姿は「あたたかい心」の由来とされます。
風水では、上へ向かって伸びる葉は気を高め、仕事運や向上心を後押しするとされます。ランシフォリアのように縦に立つ細長い葉は、部屋の気の流れを上向きに整えるといわれ、仕事部屋やリビングの角に向きます。尖った葉は悪い気を払うとも考えられ、玄関に置く人もいます。
仲間の中では比較的育てやすいとされますが、湿度の管理は必要です。細長い葉は面積が小さく、マコヤナやオルナータより葉先が乾燥で傷みにくい傾向があります。湿度50%以上を目安にでき、1日1回の葉水で足りることが多いのも利点です。一方で、直射日光や15°Cを下回る寒さに弱い点はほかのカラテアと同じです。明るい日陰と冬の暖かさを守れば、最初の1株として扱いやすい品種です。
水切れか空気の乾燥で、葉から水分が逃げるのを防いでいる状態です。まず土を確かめ、乾いていれば鉢底から流れるまで水を与え、葉に霧吹きをします。1日ほどで葉が開けば心配いりません。土が湿っているのに丸まる場合は、冷房や暖房の風、冬の冷えを疑い、風の当たらない暖かい場所へ移します。数日たっても開かないときは、鉢から抜いて根が黒く傷んでいないか確かめます。
同じ植物で、インシグニスは現在の学名に基づく呼び方です。以前はカラテア・ランシフォリア(Calathea lancifolia)の名で知られていましたが、分類の見直しでゴエッペルティア属に移り、学名はゴエッペルティア・インシグニス(Goeppertia insignis)とされています。園芸店では今もランシフォリアやランキフォリアの名で売られることがほとんどで、育て方は変わりません。
鉢を月1回90度ずつ回せば、新しい葉からまっすぐに戻ります。ランシフォリアは葉が上へ立つ品種のため、光が片側からだけ当たると、その方向へ葉柄が伸びて傾きます。すでに傾いた葉は手で起こすと付け根が折れやすいので、無理に直さないでください。大きく倒れて株の形を崩している葉だけを付け根から切り、置き場所を窓から1〜2mの柔らかい光の場所にすると、締まった姿で育ちます。
カラテア としてまとめている他の品種です。
| 品種 | 大きさの目安 | 難易度 | 水やり |
|---|---|---|---|
| カラテア・ランシフォリア(本記事) | 室内の鉢植えで高さ50〜70cm。葉は長さ30cm前後の細長い槍形で、5〜7号鉢での流通が中心です。 | 中級者向け | 土の表面が乾いたら(春〜秋は4〜5日に1回が目安) |
| カラテア | 室内で30cm〜1m。4〜7号鉢で流通。品種により葉のサイズは様々。 | 中級者向け | 土の表面が乾いたら(乾かしすぎ厳禁) |
| カラテア・オルナータ | 室内の鉢植えで高さ40〜60cm。葉は長さ15〜25cmほどの楕円形で、4〜6号鉢での流通が中心です。 | 上級者向け | 土の表面が乾いたらすぐ(春〜秋は3〜4日に1回が目安) |
| カラテア・マコヤナ | 室内の鉢植えで高さ30〜60cm。葉は長さ15〜25cmほどの卵形で、4〜6号鉢での流通が中心です。 | 中級者向け | 土の表面が乾いたらすぐ(春〜秋は3〜4日に1回が目安) |
10月の季節の作業と、カラテア・ランシフォリアの手入れで迷いやすいところに合わせて選んでいます。
今の季節に読みたい
観葉植物の冬越し
観葉植物を室内に取り込む時期の目安(最低気温15°C)、冬の置き場所、水やりの減らし方、肥料と葉水、寒さで傷んだときの対処まで解説。図鑑の観葉植物を耐えられる最低温度で一覧にしています。
今の季節に読みたい
秋の植え替え
秋は多肉植物や草花、果樹の植え替え・植え付けに向く一方、観葉植物は春まで待つのが基本です。秋の適期の目安、植物タイプ別の可否、根の扱い方と植え替え後の管理を解説します。
植物カレンダー
10月にやること
カラテア・ランシフォリアは今月「部屋の内側へ移動・床置きの株は台に乗せる」の時期です。ほかの植物の植えつけ・植え替え・肥料の適期も月ごとに確認できます。
ツール
水やりチェッカー
植物のタイプ・季節・置き場所・鉢サイズを選ぶだけで、水やり頻度の目安と失敗しないチェックポイントを表示します。
困ったとき
症状から原因を調べる
葉が黄色い・しおれる・虫がついた…症状別に見分け方と対処を解説しています。
ナレッジ
植物別の土の違い
観葉植物の土と野菜・花の土の違いは堆肥と肥料の量、多肉植物の土との違いは乾く速さです。4種類の土の原料・水はけ・保水・肥料分を比較表にし、観葉植物の土で野菜は育つか、多肉の土で観葉植物は育つかなど、代用できる組み合わせと選び方を解説します。
執筆: Hapot編集部
植物を迎えたばかりの人が枯らさずに育てられるように、植物図鑑と症状別の記事を編集しているチームです。農林水産省や農研機構など公的機関の栽培指針を確認したうえで、温度や頻度を数値で示し、迷いやすい判断は結論から書くことを大切にしています。誤りや古くなった情報はお問い合わせから受け付け、確認のうえ更新しています。