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アジアンタムの種類一覧|5品種の違いと選び方

アジアンタムは、黒く細い葉柄に薄い小葉が幾重にも重なる、「緑のレース」とも呼ばれるシダの仲間です。乾燥に弱いのはどの品種にも共通ですが、小葉の大きさによって性質が大きく変わり、小葉が小さいほど繊細で乾燥に弱く、大きいほど乾燥の影響は出にくい一方で寒さに気をつかう傾向があります。店頭でアジアンタムとして売られている株の多くはラディアヌムの仲間で、そのほかにペルビアナムやテネルムなどの別の種も流通しています。図鑑に掲載している品種を一覧で比べ、置き場所と好みに合う選び方と、迷いやすい種類の見分け方をまとめました。

アジアンタムの品種を比較

横にスクロールすると、ほかの項目も比べられます

アジアンタムの品種ごとの写真・大きさ・難易度・日当たり・水やり・温度の比較
品種大きさの目安難易度日当たり水やり冬の最低温度
アジアンタムの写真アジアンタム室内で20〜50cm。3〜6号鉢で流通し、ハンギングも人気。中級者向け日陰土を乾かさない(表面が乾く前に)+毎日の葉水15°C 以上
アジアンタム・テネルムの写真テネルム室内の鉢植えで高さ30〜60cm、幅50〜70cm。葉は大きく三角形に広がって垂れ、4〜6号鉢での流通が中心です。中級者向け日陰表土が乾きかけたらすぐ(夏はほぼ毎日、春秋は2日に1回が目安)。冬も乾き切らせない15°C 以上
アジアンタム・フラグランスの写真フラグランス室内の鉢植えで高さ30〜40cm、幅30〜50cm。こんもり密に茂り、3〜5号鉢での流通が中心です。中級者向け日陰表土が乾きかけたらすぐ(夏はほぼ毎日、春秋は2〜3日に1回が目安)。冬も乾き切らせない15°C 以上
アジアンタム・ペルビアナムの写真ペルビアナム室内の鉢植えで高さ40〜70cm、幅50〜80cm。小葉は直径2〜4cmと大きく、5〜7号鉢での流通が中心です。中級者向け日陰表土が乾きかけたらたっぷり(春〜秋は2〜3日に1回が目安)。冬は表面が乾いて1日後15°C 以上
アジアンタム・ミクロフィラムの写真ミクロフィラム室内の鉢植えで高さ15〜30cm、幅20〜30cm。小葉は数ミリと小さく、2.5〜4号鉢での流通が中心です。上級者向け日陰表土が乾く前に(夏は毎日、春秋は1〜2日に1回が目安)。冬も乾かさない15°C 以上

アジアンタムの選び方

初めて育てるならフラグランス

アジアンタムを初めて育てるなら、生育が旺盛で傷んでも回復の早いフラグランスが向いています。葉が縮れてしまっても、株元から刈り込んで湿らせ続ければ2〜3週間で新しい葉がそろいやすく、失敗からやり直しがききます。

置き場所の湿度で選ぶ

加湿器のない一般的な部屋なら、フラグランスかペルビアナムが育てやすい品種です。浴室やガラス容器など、湿度70%以上を保てる場所があるなら、極小の葉のミクロフィラムも美しく育てられます。部屋の湿度に合わせて選ぶのが、枯らさないための一番の近道です。

冬の室温で選ぶ

冬に10°C前後まで下がる部屋なら、フラグランスなどのラディアヌム系が向いています。ペルビアナムは寒さに弱く冬も12°C以上が必要で、テネルムも新芽を楽しむなら15°C以上が目安です。暖かい部屋を用意できるかで候補が絞れます。

大きさと飾り方で選ぶ

小さな棚やテラリウムには高さ15〜30cmのミクロフィラム、テーブルや窓辺には30〜40cmにまとまるフラグランスが収まります。存在感のある1鉢にするなら、50cm以上に育つペルビアナム、棚の端から葉を垂らすならテネルムが映えます。

葉の色を楽しむなら

若い葉の色の移り変わりを楽しむなら、新芽が銅色になるペルビアナムや、品種によって新芽がローズピンクに染まるテネルムが候補です。色は光と温度が足りているときにきれいに出るので、明るい日陰と暖かい室温を用意します。

どの品種も乾かさないのが基本

アジアンタムはどの品種も、土を乾き切らせないことと、エアコンや暖房の風に当てないことが共通の要点です。小葉が小さい品種ほど乾燥の影響が早く出るので、水やりの間隔と置き場所の湿度を品種に合わせて調整します。

似た品種の見分け方

フラグランスとミクロフィラム、普通のアジアンタムの違い

どれもラディアヌムの仲間で、扇形の小葉が細かく付きます。フラグランスは小葉がひと回り大きく、株がこんもり密に茂ります。ミクロフィラムは小葉が数ミリと極小で、霧のように細かく見えます。品種名のない株は、小葉の大きさがこの中間程度のものが多く見られます。

ペルビアナムとほかの品種の違い

ペルビアナムは小葉が直径2〜4cmと大きく、銀色を帯びた緑に光ります。若い葉は赤みを帯びた銅色で、成長とともに銀緑色に変わります。小葉の大きさがほかの品種と比べてひと目でわかるほど違い、株も50cm以上の大型になります。

テネルムとラディアヌム系の違い

テネルムは小葉が扇形から菱形に近く、1枚の葉が三角形に大きく広がって弓なりに垂れます。ラディアヌム系は葉がこんもり立ち上がるのに対し、テネルムはゆったり垂れる姿です。新芽がピンクに色づく株は、テネルムの園芸品種である可能性が高くなります。

品種ごとの特徴

品種に共通する水やり・置き場所・植え替えの方法はアジアンタムの育て方にまとめています。

そのほかの珍しい種類

国内ではほとんど流通していないため、図鑑に個別のページは作っていない種類です。名前を見かけたときの参考にしてください。

クジャクシダ(Adiantum pedatum など)

日本の山地にも自生する、寒さに強いアジアンタムの仲間です。葉柄の先から小葉の付いた枝が手のひらのように放射状に広がり、クジャクが羽を広げた姿にたとえられます。冬は地上部が枯れて春に芽吹く性質で、室内の観葉植物というより、日陰の庭や山野草の鉢植えとして育てられます。

ホウライシダ(Adiantum capillus-veneris)

世界の暖かい地域に広く分布し、日本でも関東以西の湿った石垣や井戸の周りなどに自生するアジアンタムです。小葉は扇形で、ラディアヌムに似ていますが、やや大きく切れ込みが深い傾向があります。園芸店での流通は少ないものの、和名のホウライシダはアジアンタム全体の呼び名として使われることもあります。

アジアンタム・フリッツルーシー(Adiantum raddianum 'Fritz Luthi')

ラディアヌムの園芸品種で、小葉がやや大きく、葉が三角形に整ってふんわり広がる姿が特徴とされます。海外では丈夫な品種として知られていますが、国内での流通は多くありません。育て方はフラグランスに準じます。