苗・株の選び方
良い株は、新しい葉のピンクの線がくっきりと鮮やかであること、葉先や葉縁に茶色い傷みがほとんどないこと、株の中心から巻いた新芽が立ち上がっていることの3点で見分けます。
避けたいのは、線が白っぽく抜けた葉が多い株と、葉裏に細かい白い点やかすれがある株です。前者は強い光か乾燥で傷んだあとの株、後者はハダニが付いている可能性があります。オルナータは環境の変化で葉先を傷めやすいので、購入は気温と湿度の安定する5〜6月がおすすめです。
カラテア・オルナータの育て方の要点
Hapot編集部より
カラテア・オルナータは、濃い緑の葉にピンクの細い線が2本ずつ対になって入る、カラテアの中でも特に繊細な品種です。マコヤナやランシフォリアのような斑紋ではなく、葉脈に沿って筆で引いたような線模様で、葉の裏は深い赤紫になります。南米北部のコロンビアやベネズエラ周辺が原産とされ、現在の分類ではゴエッペルティア属(Goeppertia ornata)に移されていますが、園芸店では今もカラテア・オルナータの名で売られています。線の色は若い葉ほど鮮やかなピンクで、葉が古くなるにつれて白っぽく変わっていくため、1株の中で色の移り変わりを楽しめます。一方で、仲間の中でも空気の乾燥と水質の変化に敏感とされ、葉先の茶色い傷みが出やすいのが難しいところです。湿度60%以上と、くみ置きした水の2点を守れるかが育てられるかの分かれ目です。ペットに無毒とされるのはほかのカラテアと同じで、模様の美しさを優先したい中級以上の人に向きます。

水やり
土の表面が乾いたらすぐ(春〜秋は3〜4日に1回が目安)
日光
日陰
温度の目安
15-30°C
湿度
60-80%
土
ピートモスを多めに混ぜた、保水性のある観葉植物用土
大きさの目安
室内の鉢植えで高さ40〜60cm。葉は長さ15〜25cmほどの楕円形で、4〜6号鉢での流通が中心です。
成長の速さ
ゆっくり(春〜夏に月1〜2枚の新しい葉)
温度の目安(耐寒〜耐暑)
15-30°C
肥料
5〜9月に月1回、規定の2倍に薄めた液肥
成長速度
ゆっくり(春〜夏に月1〜2枚の新しい葉)
毒性
ペットにも安全とされる(カラテアの仲間はASPCAの無毒リストに掲載)
ピンクの線は光と湿度の具合を映す鏡です。線がぼやけたら光が弱すぎ、線ごと葉が白っぽくなったら光が強すぎ、葉先が茶色くなったら空気が乾いている合図です。
良い株は、新しい葉のピンクの線がくっきりと鮮やかであること、葉先や葉縁に茶色い傷みがほとんどないこと、株の中心から巻いた新芽が立ち上がっていることの3点で見分けます。
避けたいのは、線が白っぽく抜けた葉が多い株と、葉裏に細かい白い点やかすれがある株です。前者は強い光か乾燥で傷んだあとの株、後者はハダニが付いている可能性があります。オルナータは環境の変化で葉先を傷めやすいので、購入は気温と湿度の安定する5〜6月がおすすめです。
基本はカラテアと同じで、直射日光の入らない明るい日陰に置きます。オルナータで気をつけたいのは、ピンクの線が強い光で真っ先に色あせることです。北向きの窓辺か、南向きならレースカーテン2枚越しで窓から1.5m以上離すのが目安です。逆に暗すぎると新しい葉の線が細く少なくなり、全体が緑に寄ります。冬は15°C以上を保ち、暖房の温風が届かない、加湿器の近くの棚などが向いています。
よくある失敗は、模様を目立たせようと窓際に置き、ピンクの線が数週間で白く抜けてしまうことです。抜けた線は戻りませんが、柔らかい光の場所へ戻せば、次に開く葉から鮮やかな線が入ります。
乾いたらすぐ与えるリズムはカラテアと同じです。オルナータで変わるのは水の質で、水道水の塩素や、硬い水に含まれる成分が葉先の傷みにつながりやすいとされます。水はひと晩くみ置きして、室温になじませてから与えます。春から秋は土の表面が乾いたら鉢底から流れるまで、3〜4日に1回が目安です。冬は表面が乾いて1〜2日後に、午前中に与えます。葉水は朝夕2回、葉の表と裏の両方にかけ、湿度を60%以上に保ちます。
よくある失敗は、受け皿にたまった水を何日も残すことで、根が傷んで下葉から黄色くなります。受け皿の水は毎回捨て、土の表面が乾くまで次の水を待てば、新しい葉から元に戻ります。
水を含みやすく、それでいて根の周りに水がたまらない土が向きます。配合するなら赤玉土(小粒)3、ピートモス4、パーライト2、くん炭1が目安で、ピートモスを多めにして乾きすぎを防ぎます。市販の観葉植物用土を使う場合は、ピートモスを2割ほど足すとオルナータの好む湿り気に近づきます。鉢底石は2cmほど敷き、鉢は乾きの早い素焼き鉢よりプラスチック鉢や陶器鉢を選びます。元肥は少なめにし、緩効性肥料を規定の半量ほど混ぜるにとどめます。
オルナータの剪定は、葉先の傷みを整えることと、古い葉を減らして株元に風を通すことが目的です。時期は問いませんが、新しい葉がよく動く5〜8月に行うと株の負担が軽く済みます。葉先の茶色い部分は、枯れた色の内側1〜2mmを残して葉の形に沿って切ります。線模様が残っている葉はできるだけ残し、全体が黄色くなった葉や、線が白く抜けて傷みの多い古い葉だけを、葉柄の付け根から切り取ります。
よくある失敗は、茶色い葉先を気にして一度に何枚も切り、株の葉が半分以下になって新しい葉が止まることです。整理は月に2〜3枚までにとどめ、残した葉で光合成を続けさせると、1〜2か月で新しい葉が開きます。
時期と道具を準備する
新しい葉が動く5〜8月が適期です。先の細い清潔なハサミを用意し、葉先が傷んだ葉と、全体が黄色くなった古い葉を見分けます。
葉先は形に沿って整える
葉先の茶色い部分は、枯れた色の内側1〜2mmを残し、葉の丸みに沿って斜めに切ります。緑の部分まで切ると、切り口から新たに傷みます。
古い葉を付け根から切る
全体が黄色くなった葉や、線が白く抜けて傷みの多い葉は、葉柄の付け根で切り取ります。1回に切るのは2〜3枚までにします。
葉水で回復を助ける
作業のあとは葉の表と裏に霧吹きをし、湿度60%以上を保ちます。傷みの原因になった乾燥や冷房の風を取り除き、新しい葉の状態で確かめます。
植え替えは2年に1回、5〜7月が目安です。オルナータは根が細く、根鉢を崩されるのを嫌うとされるため、根鉢の肩と底を軽くほぐす程度にとどめます。鉢底から根がのぞく、水がしみ込むまで時間がかかる、葉が小さくなってきた、のいずれかが合図です。鉢は直径3cm大きいものを選び、植え替え後は2週間ほど明るい日陰で湿度を高めにして休ませます。植え替えから1か月は肥料を与えないでください。
よくある失敗は、根をきれいにしようと古い土を全部落とし、葉が丸まったまま開かなくなることです。この場合は水を控えめにし、透明な袋を軽くかぶせて湿度を保てば、2〜3週間で葉の張りが戻ります。
時期と道具をそろえる
5〜7月の暖かい日に行います。直径3cm大きいプラスチック鉢か陶器鉢、ピートモスを多めに混ぜた土、鉢底石、清潔なハサミ、透明な袋を用意します。
株元を支えて抜く
鉢の側面を押して土をゆるめ、株元を手で支えながら鉢を傾けて抜きます。葉柄を持って引っ張ると、細い葉柄が折れやすいので避けます。
根鉢は軽くほぐす
根鉢の肩と底だけを指で軽くほぐし、黒く柔らかい根をハサミで切ります。根が細く傷みやすいので、古い土を全部落とすことはしません。
元の高さで植え付ける
鉢底石を2cm敷いて土を入れ、株元の高さを元と同じにして植えます。割り箸で軽く突いて隙間をなくし、鉢底から流れるまで水を与えます。
高い湿度で2週間休ませる
葉に霧吹きをして透明な袋を軽くかぶせ、明るい日陰に置きます。1日1回袋を開けて換気し、葉が開いたら外します。肥料は1か月後から再開します。
増やし方は株分けだけで、挿し木や葉挿しでは増えません。適期は5〜7月の植え替えのときです。地下茎でつながった株を、葉が3〜4枚以上付いたまとまりになるように手で割り、根の付いた状態で植え付けます。オルナータはほかのカラテアより株分け後に葉が傷みやすいため、分けた株は透明な袋をかぶせた湿度90%近い環境で、気温20〜25°Cを保って2〜3週間養生させます。
よくある失敗は、小さく分けすぎて根が少なく、どの株も葉が茶色く枯れ込んでしまうことです。弱った株は傷んだ葉を減らして袋の中で養生を続け、新芽が巻いた状態で立ち上がってくれば根付いた合図です。
時期と道具を準備する
5〜7月の植え替えと同時に行います。清潔なナイフ、保水性のある土を入れた鉢を株の数だけ、透明な袋と霧吹きを用意します。
地下茎の分け目を探す
株を鉢から抜き、根を傷めないよう土を落として地下茎のつながりを確かめます。葉が3〜4枚以上付くまとまりになる位置を分け目にします。
手で割ってから切り分ける
分け目を手でゆっくり広げ、離れない部分だけをナイフで切ります。それぞれに根が付いていることを確かめ、傷んだ葉は付け根から取ります。
植え付けて袋をかぶせる
分けた株を保水性のある土に植えて水を与え、葉に霧吹きをして透明な袋をかぶせます。20〜25°Cを保てる明るい日陰に置きます。
新芽が立てば根付いた合図
2〜3週間、袋の中で養生させます。巻いた新芽が立ち上がってきたら少しずつ袋を開けて慣らし、1か月後から薄めの液肥を始めます。
注意する害虫はハダニとアザミウマで、オルナータでは葉裏の赤紫の面に付くと見つけにくいのが難点です。ハダニは葉の表に細かい白い点が増え、線模様がかすれて見えるのが初期の合図です。週1回、葉裏をライトで照らして確認し、見つけたら浴室のシャワーで葉裏を洗い流します。アザミウマは新しい葉に銀色のかすり傷のような跡を残すので、傷のある葉を取り除き、殺虫剤を7〜10日おきに2〜3回散布します。
よくある失敗は、線模様のかすれを色あせだと思って放置し、株全体にハダニが広がることです。洗い流しと湿度60%以上の管理を2週間続ければ、次の葉から模様がくっきり戻ります。
気温15°Cを超えたら水を3〜4日に1回へ戻し、5月から薄めの液肥を月1回始めます。置き場所は明るい日陰のままにし、日差しが強まる4〜5月は窓からの距離を見直します。植え替えと株分けは5月以降に。ピンクの線が白く抜け始めたら光が強すぎる合図です。
水は土が乾いたらすぐ、2〜3日に1回を目安に朝に与えます。液肥は月1回続けます。冷房の風が当たると葉先が一気に傷むので、吹き出し口から2m以上離します。朝夕の葉水を葉の裏まで行い、乾燥で増えるハダニを防ぎます。
気温が下がるにつれて水の間隔を4〜5日に1回へ広げ、液肥は9月で終えます。最低気温が15°Cを下回る前に、窓際から部屋の内側へ移します。暖房を使い始める10〜11月は湿度が急に下がり、葉先の茶色い傷みが出やすい時期なので、加湿器を早めに用意します。
水は土の表面が乾いて1〜2日後、室温になじませたくみ置きの水を午前中に与えます。肥料は与えません。15°C以上の明るい日陰に置き、暖房の温風が当たる場所には置かないでください。加湿器で湿度60%を保つと、ピンクの線と葉先の傷みの両方を守れます。
原因
直射日光や窓辺の強い光による葉焼け。古い葉の線が白っぽくなるのは自然な変化だが、新しい葉まで白い場合は光が強すぎる。
対策
北向きの窓辺か、レースカーテン2枚越しで窓から1.5m以上離した場所へ移します。抜けた線は戻らないので、次に開く葉で色が戻るかを確かめます。
原因
湿度50%以下の乾燥と、水道水の塩素や硬い水の影響。オルナータは仲間の中でも葉先に出やすいとされる。
対策
加湿器で湿度60%以上を保ち、朝夕に葉水をします。水はひと晩くみ置きして室温にしてから与え、液肥は規定の2倍に薄めます。傷んだ葉先は枯れた色の内側で切りそろえます。
原因
ハダニの吸汁。葉裏の赤紫の面に付くため見つけにくく、乾燥した部屋で増えやすい。
対策
浴室のシャワーで葉裏を洗い流し、湿度を上げます。発生が続く場合は殺ダニ剤を7〜10日おきに2〜3回散布し、週1回は葉裏をライトで照らして確認します。
原因
受け皿の水の放置や冬の過湿による根腐れ。細い根が傷むと、外側の古い葉から黄色くなる。
対策
受け皿の水を捨て、土の表面が乾くまで水を止めます。株元が黒く柔らかい場合は鉢から抜き、傷んだ根を切って新しい土に植え替え、湿度の高い明るい日陰で休ませます。
ここにない症状は症状から調べるで、葉の色・しおれ・虫・病気などから逆引きできます。

カラテア・オルナータが家庭の室内で花を咲かせることは、多くはないと考えておくとよいでしょう。株が充実すると、春から夏ごろに株元近くから短い花茎が伸び、淡いクリーム色の苞が重なった小さな花穂を付けることがあるとされます。
花は苞の間からのぞく白から淡い紫の小さな筒状で、葉の陰に隠れるほど控えめです。咲き終わった花穂は付け根から切り取り、株の体力を葉の成長に回します。
カラテアの仲間の花言葉は「飛躍」「あたたかい心」です。オルナータは、細い線が葉脈に沿って規則正しく並ぶ姿から、落ち着いた品のある贈り物として選ばれることがあります。夜に葉を立てて閉じる姿が祈る手に見えることが「あたたかい心」の由来とされ、この性質はオルナータにも見られます。
風水では、縦に伸びる線模様は気の流れを整え、仕事や勉強の集中を助けるとされます。オルナータの濃い緑とピンクの組み合わせは、穏やかさと華やかさを併せ持つ配色として、書斎や寝室の一角に向くといわれます。夜に葉を閉じて朝に開く動きを、生活のリズムを整える象徴と見る考え方もあります。
古い葉の線が白っぽくなるのは、自然な色の変化です。オルナータの線は開いたばかりの葉ほど鮮やかなピンクで、葉が古くなるにつれて白に近い色へ変わります。ただし、新しい葉まで白っぽい場合や、線の周りまで色が抜けている場合は、直射日光や強すぎる光で葉焼けしている可能性があります。北向きの窓辺など、柔らかい光の場所へ移せば、次に開く葉からピンクの線が戻ります。
空気の乾燥と水質の2つを同時に見直すのが近道です。湿度が50%を下回る部屋では、薄い葉の先から水分が抜けて茶色くなります。加湿器で60%以上を保ち、朝夕に葉水をします。あわせて、水道水はひと晩くみ置きして塩素を抜き、室温になじませてから与えてください。肥料の与えすぎでも葉先が傷むため、液肥は規定の2倍に薄めます。傷んだ部分は戻らないので、新しい葉で改善を確かめます。
サンデリアーナは、オルナータの型の一つとして扱われることが多い名前です。オルナータ・サンデリアーナの名で、葉の幅がやや広く、ピンクの線の本数が多い株が売られています。育て方はどちらも同じで、湿度と柔らかい光を好みます。流通名の付け方は店によって違うため、名前より葉の形と線の入り方を見て、好みの株を選ぶのが確実です。
カラテアの中でも手がかかる部類で、湿度を保つ準備ができてから迎えるのがおすすめです。冬の室内の乾燥と水道水に敏感で、環境が合わないと葉先がすぐ茶色くなります。逆に、加湿器のある部屋で、くみ置きの水を使い、北向きの窓辺のような柔らかい光に置ければ、育てる手間はほかのカラテアと大きく変わりません。最初の1株なら、乾燥に比較的強いランシフォリアから始める方法もあります。
カラテア としてまとめている他の品種です。
| 品種 | 大きさの目安 | 難易度 | 水やり |
|---|---|---|---|
| カラテア・オルナータ(本記事) | 室内の鉢植えで高さ40〜60cm。葉は長さ15〜25cmほどの楕円形で、4〜6号鉢での流通が中心です。 | 上級者向け | 土の表面が乾いたらすぐ(春〜秋は3〜4日に1回が目安) |
| カラテア | 室内で30cm〜1m。4〜7号鉢で流通。品種により葉のサイズは様々。 | 中級者向け | 土の表面が乾いたら(乾かしすぎ厳禁) |
| カラテア・マコヤナ | 室内の鉢植えで高さ30〜60cm。葉は長さ15〜25cmほどの卵形で、4〜6号鉢での流通が中心です。 | 中級者向け | 土の表面が乾いたらすぐ(春〜秋は3〜4日に1回が目安) |
| カラテア・ランシフォリア | 室内の鉢植えで高さ50〜70cm。葉は長さ30cm前後の細長い槍形で、5〜7号鉢での流通が中心です。 | 中級者向け | 土の表面が乾いたら(春〜秋は4〜5日に1回が目安) |
10月の季節の作業と、カラテア・オルナータの手入れで迷いやすいところに合わせて選んでいます。
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執筆: Hapot編集部
植物を迎えたばかりの人が枯らさずに育てられるように、植物図鑑と症状別の記事を編集しているチームです。農林水産省や農研機構など公的機関の栽培指針を確認したうえで、温度や頻度を数値で示し、迷いやすい判断は結論から書くことを大切にしています。誤りや古くなった情報はお問い合わせから受け付け、確認のうえ更新しています。