苗・株の選び方
良い株の見分け方は3点です。葉の羽根模様が鮮明で葉に厚みがあること、株元から葉が密に出て低くまとまっていること、中心から新芽が立ち上がっていることを確認してください。
避けたいのは、茎が間延びして葉と葉の間隔が空いた株と、下葉が複数枚同時に黄変している株です。前者は暗すぎる環境で育った可能性が高く、後者は根傷みを抱えていることが多いためです。成長が遅い品種なので、最初から希望サイズに近い株を選ぶと待ち時間が短くなります。
Hapot編集部より
アグラオネマ・マリアは、アグラオネマの中で最も寒さと暗さに強い品種で、日当たりの悪い部屋や冬に冷える住まいで初めて観葉植物を育てる人に向いています。銀葉のシルバークイーンより緑が濃く葉幅の広い羽根模様で、通常のアグラオネマが冬に15°Cを求めるところ、マリアは12°C程度まで耐えるのが最大の違いです。成長はごくゆっくりで株は低くこんもりとまとまり、数年育てても4〜6号鉢のまま卓上サイズを保てます。照明だけのオフィスや窓から離れた廊下でも濃緑の葉を維持できる実力派で、失敗の原因はほぼ水のやりすぎに限られます。剪定や植え替えの手間も少なく、年に数回の作業で済むのも魅力です。手間をかけずに落ち着いた緑を長く楽しみたい人や、留守がちで水やりの回数を減らしたい人にとって、これ以上ないほど付き合いやすい一鉢です。

水やり
土の表面が乾いたら(春〜秋は週1-2回)
日光
日陰
温度の目安
12-30°C
湿度
50-70%
土
水はけの良い観葉植物用土
大きさの目安
室内で25〜50cm。低くこんもりまとまり、4〜6号鉢で流通。
成長の速さ
ゆっくり
温度の目安(耐寒〜耐暑)
12-30°C
肥料
春〜秋に月1回緩効性肥料
成長速度
ゆっくり
毒性
樹液に刺激性あり(シュウ酸カルシウム)。ペット・子どもに注意
アグラオネマ随一の丈夫さ。暗い場所・多少の寒さに強く、失敗要因はほぼ「水のやりすぎ」だけです。
良い株の見分け方は3点です。葉の羽根模様が鮮明で葉に厚みがあること、株元から葉が密に出て低くまとまっていること、中心から新芽が立ち上がっていることを確認してください。
避けたいのは、茎が間延びして葉と葉の間隔が空いた株と、下葉が複数枚同時に黄変している株です。前者は暗すぎる環境で育った可能性が高く、後者は根傷みを抱えていることが多いためです。成長が遅い品種なので、最初から希望サイズに近い株を選ぶと待ち時間が短くなります。
基本はアグラオネマと同じです。マリアが違うのは暗さと寒さへの余裕で、他の品種では葉色がくすむような北側の部屋や廊下の奥でも、濃い緑と羽根模様を保ちます。冬の下限も12°Cまで下げられるため、夜間に冷え込む部屋でも他のアグラオネマほど神経質になる必要はありません。ただし暗い場所では土の乾きが遅くなり根腐れの引き金になるので、置き場所が暗いほど水やりの間隔を空けてください。失敗例として多いのが、靴箱の上など光がほとんど届かない場所に置き続け、株全体が間延びして葉が小さくなるケースです。この場合は週の半分を明るい部屋で過ごさせる移動管理に切り替えると、次に出る葉から本来の葉幅が戻ります。
基本はアグラオネマと同じです。違いは水の消費量で、成長が遅く暗い場所に置かれがちなマリアは、同じ鉢サイズの他品種より乾くのに時間がかかります。春〜秋は土の表面が乾いてからさらに1〜2日待って与え、冬は月2〜3回で十分です。迷ったら与えない側に倒すのがこの品種の正解で、軽くしおれてから与えても半日ほどで戻ります。
よくある失敗は、他の観葉植物と同じ週2回の水やりを続けて株元が黒くなり、下葉が次々に黄変するケースです。気づいたら鉢から抜いて黒く傷んだ根を切り、乾いた新しい土に植え直して1週間は水を控えると持ち直します。葉水は週2〜3回続けると艶が保てます。
赤玉土(小粒)5、ピートモスまたは腐葉土3、パーライト2〜3の排水を強めた配合が適します。暗い場所に置かれ成長も遅いマリアは土が乾きにくいため、通常の観葉植物より水はけを一段高めるのが根腐れ防止の要点です。市販の観葉植物用土でも育ちますが、パーライトか軽石を2割ほど混ぜてください。鉢底には鉢底石を2〜3cm敷き、元肥として緩効性肥料を少量入れておけば、植え付け後1か月は追肥が不要です。古い土の使い回しは避けます。
低くまとまる品種なので、日常の手入れは黄変した下葉を付け根から切り取る程度で足ります。成長が遅いため切り戻しの出番は数年に一度、茎が10cm以上立ち上がって株元が寂しくなった時だけです。適期は5〜7月で、茎を株元から10cmほど残して清潔なハサミで切り、切り口から出る樹液に触れないよう手袋をしてください。切り戻し後は新芽が出るまで1〜2か月かかり、他品種より待ち時間が長い点を覚えておくと安心です。失敗例は、秋以降に切り戻して新芽が出ないまま冬を迎え、株が弱るケースです。その場合は12°C以上の明るい日陰で水を控えて春まで待てば、気温の上昇とともに節から芽が動き出します。
時期と道具をそろえる
傷んだ葉の整理は通年、切り戻しは5〜7月に行います。清潔なハサミと樹液対策の手袋を用意し、切り口に素手で触れないよう注意します。
黄変した下葉を取り除く
黄色くなった下葉は付け根を持って軽く引くか、ハサミで茎ぎりぎりの位置から切り取ります。緑の葉は光合成のために残します。
伸びすぎた茎を切り戻す
茎が10cm以上立ち上がって株元が寂しくなった場合だけ、株元から10cmほど残して切ります。切った茎は挿し木に使えます。
切り戻し後の養生と管理
切り戻した株は明るい日陰で12°C以上を保ち、水は控えめにします。新芽が出るまで1〜2か月かかるため、肥料は芽が動いてから与えます。
2年に1回程度、5〜8月に行います。成長が遅いので毎年の植え替えは不要で、水の染み込みが遅くなった、鉢底から根が出た、のどちらかが見えたら一回り大きな鉢へ移します。根鉢は軽くほぐす程度にとどめ、黒く傷んだ根だけを取り除いてください。子株が出ていれば同時に株分けもできます。植え替え後は明るい日陰で2週間ほど養生し、肥料は1か月後から再開します。
よくある失敗は、早く大きくしたいからと二回り以上大きな鉢に植え、土が乾かず根腐れするケースです。マリアは根の量が少ないので鉢は必ず一回りだけ大きくし、過湿になったら元のサイズの鉢に戻して乾かし気味に管理すれば回復します。
時期と道具をそろえる
5〜8月の暖かい日に行います。一回り大きな鉢、鉢底石、排水を強めた観葉植物用土、清潔なハサミ、樹液対策の手袋を用意します。
鉢から株をそっと抜き取る
前日は水を控えて土を乾かし気味にしておくと抜きやすくなります。鉢の縁を軽く叩いて緩め、株元を持ってそっと引き抜きます。
根鉢をほぐして根を整理
根鉢は肩と底を軽くほぐす程度にとどめ、黒く傷んだ根と古い土だけを取り除きます。子株があればこの時に根ごと切り分けます。
新しい鉢に植え付ける
鉢底石を2〜3cm敷いて土を入れ、株の高さを合わせます。隙間に土を詰めて割り箸で突き、鉢底から流れるまで水を与えます。
植え替え後の養生と管理
明るい日陰で2週間ほど養生し、その間は土が乾いてから水を与えます。肥料は1か月後に再開し、新芽が動いたら通常の管理に戻します。
株分けが最も確実です。5〜8月の植え替え時に、株元に出ている子株を根ごと切り分けて別の鉢に植えます。子株には根が3本以上付いていることを確認し、根が少ない場合は無理に分けず翌年に回してください。茎挿しも可能で、6〜8月に茎を5〜10cmに切り、切り口を半日乾かしてから湿らせた挿し木用土に挿すと4〜6週間で発根します。成長が遅い品種のため、他のアグラオネマより発根も立ち上がりもゆっくりです。失敗例として多いのは、挿した後に土を乾かしてしまい、発根前に茎がしぼむケースです。透明の袋をかぶせて湿度を保ち、明るい日陰で20°C以上を維持すると成功率が上がります。
時期と道具をそろえる
株分けは5〜8月の植え替えに合わせて行います。清潔なナイフかハサミ、手袋、小さめの鉢、湿らせた観葉植物用土を用意します。
分ける子株を見極める
株元に出ている子株のうち、葉が3枚以上あり自分の根を持つものを選びます。根が少ない子株は無理に分けず翌年に回します。
親株から子株を切り分ける
親株と子株のつながりをナイフで切り、根を傷めないよう手でほぐして分けます。樹液に触れないよう手袋を着けて作業します。
子株を小鉢に植え付ける
子株の根が収まる小さめの鉢に植え、株元を軽く押さえて固定します。深植えを避け、元の株元と同じ高さになるよう土の量を調整します。
株分け後の養生と管理
明るい日陰で20°C以上を保ち、土を乾かさないよう管理します。新しい葉が出るまで1〜2か月かかるので、肥料は新芽の確認後に始めます。
病害虫は少ない品種ですが、乾燥する秋冬のハダニと、葉の付け根に潜むカイガラムシは定番なので、週2〜3回の葉水と月1回の葉拭きで予防します。マリアならではの注意点は蒸れで、暗い場所は空気が滞りやすく、湿った土と組み合わさると株元から腐りが入ることがあります。ときどき窓を開けるかサーキュレーターで風を通してください。失敗例は、暗い廊下で葉水だけ熱心に続け、乾かないまま葉の付け根が黒ずんでカビが出たケースです。この場合は傷んだ葉を取り除き、葉水を一時やめて風通しの良い明るい場所に移し、土が乾くまで水を止めれば広がりは止まります。
気温が15°Cを超えたら成長が再開します。水は土が乾いてから1〜2日後、肥料は5月から月1回の緩効性肥料を再開。置き場所は明るい日陰へ戻します。冬に間延びした株は切り戻して整え、春先の急な冷え込みによる葉傷みは夜だけ内側に置いて防ぎます。
成長期ですが水の消費は他品種より少なめで、表面が乾いてから与える控えめ管理を続けます。肥料は月1回、置き場所は直射日光を避けた明るい日陰に。蒸れやすい季節なので風通しを確保し、株元の腐りや葉の付け根の黒ずみを防ぎます。
成長が緩むので水やりの間隔を広げ、肥料は9月で終了します。最低気温が12°Cを下回る前に、冷える窓際から部屋の内側へ移してください。日照時間が減って葉色が薄くなりやすい時期なので、明るさを一段確保して羽根模様を保ちます。
休眠期で水は月2〜3回、乾ききってから室温の水を少量与えます。肥料は与えません。12°C以上の部屋の内側が置き場所で、暖房の風は避けます。過湿で下葉が黄変するのが冬に最も多いトラブルなので、迷ったら水を控えるのが鉄則です。
原因
多くは品種特性(マリアは特に成長がゆっくり)か、光量・温度・肥料の不足。冬に動かないのは正常な休眠。
対策
枯れ込みがなければ異常ではありません。成長を促すなら、明るい場所と20°C以上の室温、月1回の緩効性肥料の3点を春〜秋にそろえます。冬は動かなくても水を控えて春を待ちます。
原因
自然な世代交代がほとんど。次いで水のやりすぎによる根傷み。
対策
月1枚程度なら自然現象なので付け根から取り除くだけで済みます。複数枚が同時に黄変するなら過湿を疑い、土が完全に乾いてから1〜2日待って水を与えるリズムに切り替えます。
原因
光量不足。暗さに強いマリアでも、ほとんど光の届かない場所に置き続けると新しい葉が小さくなり、節の間隔が広がる。
対策
レースカーテン越しの明るい日陰へ移すか、週の半分を明るい部屋で過ごさせます。間延びした部分は5〜7月に株元から10cmほど残して切り戻すと、次の葉から本来の葉幅に戻ります。
原因
過湿による根腐れ。暗い場所で土が乾かないまま水を与え続けると、根から茎の基部にかけて腐りが進む。
対策
すぐに鉢から抜き、黒く傷んだ根と茎を清潔なハサミで切り落として乾いた新しい土に植え直します。1週間は水を与えず明るい日陰で養生し、その後は土が乾いてから与える管理に切り替えます。健全な茎が残っていれば挿し木で仕立て直せます。
ここにない症状は症状から調べるで、葉の色・しおれ・虫・病気などから逆引きできます。

アグラオネマ・マリアの花も、基本種と同じく小さな仏炎苞と棒状の肉穂花序からなる地味な花です。マリアは成長がごくゆっくりで、低くこんもりまとまる品種のため、花はびっしり茂った濃い緑の葉の陰に隠れ、咲いても気づきにくいことがよくあります。
暗さや寒さに強いのが持ち味ですが、それは「枯れにくい」という意味で、花を咲かせるにはもう少し条件が要ります。照明だけの部屋や冬に冷える場所では、葉は元気でも花はまず咲かないと考えてよいでしょう。花を見てみたいなら、春から夏は明るい窓辺に近づけ、暖かく育てます。小さな株で花を残すと葉の展開が鈍りやすいので、気づいたら早めに切り取ってかまいません。
アグラオネマ・マリアの花言葉は、アグラオネマ共通の「青春の輝き」「スマート」です。艶のある葉が若々しく輝いて見えることに由来し、濃緑に銀の羽根模様が入るマリアは、落ち着いた大人の輝きとして開業祝いや新築祝いの贈り物にも選ばれます。
濃い緑の葉は風水で「安定と再生」の気を持つとされ、仕事運や健康運を支える植物といわれます。由来は中国で古くから幸運を招く植物とされてきたアグラオネマの伝承で、暗所に強いマリアは窓のない玄関やオフィスの気を整える役として定番です。
より過酷な環境に強いのはマリアです。どちらも育てやすい定番品種ですが、耐陰性と耐寒性はマリアが一段上で、照明だけのオフィスや冬に12°C前後まで冷え込む部屋ならマリアが安心です。一方で明るい銀葉の華やかさを楽しみたいならシルバークイーンが向いています。環境が厳しいならマリア、見た目で選ぶなら好みで、と考えると迷いません。水やりの頻度はマリアの方が少なくて済むため、留守がちな人にもマリアをおすすめします。
枯れ込みがなければ正常です。マリアはアグラオネマの中でも特に成長がゆっくりな品種で、暗めの場所ではほぼ現状維持のペースになります。新芽が年に数枚でも出ていれば健康と考えてください。成長を促したいなら、レースカーテン越しの明るい場所へ移し、春〜秋に月1回の緩効性肥料を与えます。葉が黄変する、株元がぐらつくといった症状がなければ、ゆっくりしたペースはこの品種の個性です。逆に急に葉が増えた場合は肥料過多を疑います。
12°Cが目安です。アグラオネマは一般に15°C以上が安全圏ですが、マリアは品種の中で最も寒さに強く、12°C程度までなら葉を傷めずに冬を越せます。ただし10°Cを下回る環境が続くと葉が水浸状に傷むのは他の品種と同じなので、冬は窓際を避けて部屋の内側に置いてください。耐寒性があるからといって屋外で越冬させることはできません。冬に水を控えて乾かし気味にしておくと、同じ温度でも傷みにくくなります。
同じ品種として流通していることが多く、育て方も同じです。アグラオネマ・マリアは海外ではエメラルドビューティーの名で販売されることがあり、日本でもどちらの名前でも同じ濃緑に銀の羽根模様が入る株が届きます。園芸店によって表記が異なるだけなので、名前の違いで迷う必要はありません。購入時は名前より実物を見て、葉の模様が鮮明で株元が締まったものを選んでください。管理は12-30°Cの範囲で乾かし気味にする、この品種の基本で問題ありません。
アグラオネマ としてまとめている他の品種です。

アグラオネマ
Aglaonema commutatum

アグラオネマ・シルバークイーン
品種: 'Silver Queen'
Aglaonema 'Silver Queen'

アグラオネマ・スノーホワイト
品種: 'Snow White'
Aglaonema 'Snow White'

アグラオネマ・ピクタム・トリカラー
品種: pictum 'Tricolor'
Aglaonema pictum 'Tricolor'

アグラオネマ・レッド
品種: レッド系品種群
Aglaonema 'Red' hybrids

アグラオネマ・ロータスデライト
品種: 'Lotus Delight'
Aglaonema 'Lotus Delight'
アグラオネマ・マリアの季節の作業や、土・鉢・肥料の選び方をくわしく解説した記事です。

観葉植物の冬越し
観葉植物を室内に取り込む時期の目安(最低気温15°C)、冬の置き場所、水やりの減らし方、肥料と葉水、寒さで傷んだときの対処まで解説。図鑑の観葉植物を耐えられる最低温度で一覧にしています。

秋の植え替え
秋は多肉植物や草花、果樹の植え替え・植え付けに向く一方、観葉植物は春まで待つのが基本です。秋の適期の目安、植物タイプ別の可否、根の扱い方と植え替え後の管理を解説します。

植物別の土の違い
観葉植物の土と野菜・花の土の違いは堆肥と肥料の量、多肉植物の土との違いは乾く速さです。4種類の土の原料・水はけ・保水・肥料分を比較表にし、観葉植物の土で野菜は育つか、多肉の土で観葉植物は育つかなど、代用できる組み合わせと選び方を解説します。
10月の作業と、アグラオネマ・マリアの手入れで迷ったときに役立つページです。
執筆: Hapot編集部
植物を迎えたばかりの人が枯らさずに育てられるように、植物図鑑と症状別の記事を編集しているチームです。農林水産省や農研機構など公的機関の栽培指針を確認したうえで、温度や頻度を数値で示し、迷いやすい判断は結論から書くことを大切にしています。誤りや古くなった情報はお問い合わせから受け付け、確認のうえ更新しています。