苗・株の選び方
良い株は、葉の色が鮮やかで、葉先まで縮れや茶色い傷みがないこと、株元から新しい巻いた芽がいくつも出ていること、葉柄がしっかり立って株がこんもりまとまっていることの3点で見分けます。白い筋の入る品種は、模様がはっきりしているものを選びます。
避けたいのは、葉先が広くちりちりに枯れ込んでいる株です。売り場で水切れを繰り返した可能性があり、回復に時間がかかります。土がいつまでも湿って嫌なにおいがする株も、根が傷んでいる可能性があるので選ばないようにします。
Hapot編集部より
プテリスは、明るい日陰と湿り気のある土を好み、半日陰の室内でも育てやすい、小型のシダの仲間です。細い葉柄の先に、細長い小葉が手のひらのように広がる涼しげな姿が特徴で、葉に白い筋が入るもの、葉先が細かく分かれて縮れるものなど、品種によって表情が大きく変わります。観葉植物として流通するのは、オオバノイノモトソウ(クレティカ)系や、白い斑が入るエンシフォルミス系が中心で、カリオなどの名で、葉先が細かく分かれて房状になる品種も売られています。シダの仲間は花も種も付けず、葉の裏にできる胞子で増えます。土の表面が乾き始めたらたっぷり水を与え、根鉢を乾かしきらない、これが枯らさないための一番のポイントです。寒さには観葉植物としては強いほうで、5°C以上あれば室内で冬越しできます。日本にも同じ仲間のイノモトソウが自生しており、湿った石垣や林の縁で見かけることがあります。高さは20〜50cmほどで、テラリウムや寄せ植え、洗面所の小さなグリーンにも向いています。

水やり
春〜秋は土の表面が乾き始めたらたっぷり(夏は毎日確認)。冬は表面が乾いて1〜2日後
日光
間接光
温度の目安
5-30°C(冬は5°C以上。10°C以上あると葉が傷みにくい)
湿度
50-80%
土
水もちと水はけの良い観葉植物用土(腐葉土やピートモスを含むもの)
大きさの目安
鉢植えでは高さ20〜50cmほど。葉の長さは品種により15〜40cm前後です。流通は2.5〜5号鉢の小型の株が中心で、寄せ植えやテラリウム用の小さなポットもあります。
成長の速さ
中(春から秋に新しい葉を次々に出す)
温度の目安(耐寒〜耐暑)
5-30°C(冬は5°C以上。10°C以上あると葉が傷みにくい)
肥料
5〜9月に薄めた液肥を月2回程度。濃い肥料は避ける
成長速度
中(春から秋に新しい葉を次々に出す)
毒性
一般的な資料で強い毒性はとくに知られていないが、詳しい報告は少ない。ペットや子どもが口にしないよう置き場所に注意する
明るい日陰に置き、土を乾かしきらないのが基本です。直射日光と水切れで葉がちりちりに傷むので、夏とエアコンの効いた部屋は特に注意します。
良い株は、葉の色が鮮やかで、葉先まで縮れや茶色い傷みがないこと、株元から新しい巻いた芽がいくつも出ていること、葉柄がしっかり立って株がこんもりまとまっていることの3点で見分けます。白い筋の入る品種は、模様がはっきりしているものを選びます。
避けたいのは、葉先が広くちりちりに枯れ込んでいる株です。売り場で水切れを繰り返した可能性があり、回復に時間がかかります。土がいつまでも湿って嫌なにおいがする株も、根が傷んでいる可能性があるので選ばないようにします。
レースカーテン越しの明るい窓辺や、北向きの明るい部屋が向いています。直射日光に当たると、薄い葉がすぐに茶色く焼けてしまいます。暗すぎる場所でも育ちますが、葉柄がひょろりと伸びて株が倒れやすくなり、白い筋の入る品種は模様がぼやけます。湿度を好むため、浴室の近くや洗面所など湿り気のある場所も相性が良く、窓のない場所に置く場合は週に数日、明るい場所へ移して光を補います。春から秋は屋外の日陰でも育ちますが、強い風が当たる場所は避けます。
よくある失敗は、エアコンや暖房の風が直接当たる場所に置くことです。葉先から乾いて一気にちりちりになるので、風の通り道から外し、葉水で湿度を補います。
プテリスは水切れに弱く、一度根鉢をからからに乾かすと、葉が一気に縮れて戻らなくなります。春から秋は土の表面が乾き始めたら、鉢底から流れるまでたっぷり与えます。夏は乾きが早いので毎日土を確認し、小さな鉢では朝夕に与えることもあります。冬は生育がゆるやかになるので、表面が乾いてから1〜2日あけて、室温に近い水を与えます。空気の乾燥も苦手なので、季節を問わず霧吹きで葉水をすると、葉先の傷みとハダニを防げます。
よくある失敗は、受け皿に水をためたままにして根を傷めることです。水を好む植物ですが、受け皿の水は毎回捨てます。土が湿っているのにしおれる場合は根腐れを疑います。
市販の観葉植物用土がそのまま使えます。自分で配合するなら、赤玉土小粒5、腐葉土3、ピートモスかココピート2が目安で、水もちを確保しながら水はけも保ちます。鉢底には鉢底石を1〜2cm敷きます。シダの根は細く、乾燥にも過湿にも弱いため、重く固まる土や、多肉植物用のように乾きの早い土は向きません。鉢は乾きにくいプラスチック鉢や陶器鉢が管理しやすく、素焼き鉢を使う場合は水やりの回数を増やします。元肥は少なめにし、濃い肥料で根を傷めないようにします。
プテリスには樹形を作る剪定はほとんど必要ありません。手入れの中心は、古くなった葉や傷んだ葉を株元から切り取ることです。茶色く枯れた葉や、黄色くなった下葉を、葉柄の付け根に近い位置で切ると、株元に光と風が通り、新しい葉が出やすくなります。適期は新芽が動く5〜6月ですが、傷んだ葉はいつ切っても構いません。冬に寒さや乾燥で葉が広く傷んだ株は、春に新芽が見えてから古い葉をまとめて切り、株を更新します。
よくある失敗は、葉の裏に並ぶ茶色い点々を病気や虫と思って葉を切ってしまうことです。これは胞子の入った袋で、健康な葉にできる自然なものです。
時期と道具を用意する
古い葉の整理は新芽が動く5〜6月が適期ですが、傷んだ葉はいつでも切れます。清潔なハサミを用意します。
切る葉を見分ける
茶色く枯れた葉、黄色くなった下葉、縮れて戻らない葉を選びます。葉裏の胞子の点々がある葉は健康なので残します。
葉柄の付け根で切る
選んだ葉を、葉柄の付け根に近い位置で切ります。株元の新しい巻いた芽を傷つけないように注意します。
株元の風通しを確認する
切り終えたら株元に光と風が通るか確認します。混み合っている場合は、古い葉をさらに数枚取り除きます。
水やりと葉水を続ける
整理後は明るい日陰で、土を乾かしきらないように水を与え、葉水を続けます。数週間で新しい葉が広がります。
植え替えは1〜2年に1回、気温が上がる5〜6月に行います。鉢底から根が出ている、水が染み込みにくくなった、すぐに水切れするようになったといった様子が合図です。鉢から抜いたら根鉢の周りを軽くほぐし、黒く傷んだ根を取り除いて、一回り大きな鉢に新しい土で植えます。株が大きくなりすぎた場合は、このときに株分けもできます。植え付け後はたっぷり水を与え、明るい日陰で1〜2週間休ませます。
よくある失敗は、根鉢を大きく崩しすぎて株を弱らせることです。プテリスの根は細く傷みやすいので、古い土は肩と底を軽く落とす程度にとどめます。
時期と道具をそろえる
気温が上がる5〜6月に行います。一回り大きな鉢、観葉植物用土、鉢底石、清潔なハサミを用意します。
株を鉢から抜く
鉢の縁を軽く叩き、株元を持って根鉢ごと抜きます。葉柄は折れやすいので、葉ではなく株元を持ちます。
根鉢を軽くほぐす
根鉢の肩と底の古い土を軽く落とし、黒く傷んだ根を取り除きます。白く元気な根はできるだけ残します。
新しい土で植え付ける
鉢底石を1〜2cm敷き、元と同じ深さで植え付けます。株元が埋もれないよう、新芽の出る部分は土の上に出します。
明るい日陰で休ませる
鉢底から流れるまで水を与え、1〜2週間は明るい日陰で管理します。肥料は新しい葉が出てから再開します。
プテリスは株分けで増やすのが確実です。適期は5〜6月で、植え替えのときに株を鉢から抜き、根と葉がそれぞれ付くように手で2〜3つに分けます。かたい場合は清潔なハサミで根元を切り分けます。分けた株は新しい土に植え、たっぷり水を与えて明るい日陰で管理します。シダの仲間なので種はできず、葉の裏の胞子からも増やせますが、発芽して株になるまで半年以上かかるため、家庭では株分けが向いています。
よくある失敗は、小さく分けすぎて株が弱ることです。1つの株に葉を3〜5枚以上残して分けると、根付きが早く、その後の生育もそろいます。
時期と道具を用意する
株分けは植え替えと同じ5〜6月に行います。清潔なハサミ、観葉植物用土、小鉢、鉢底石を用意します。
株を抜いて土を落とす
鉢から株を抜き、根の周りの古い土を軽く落として、株の分かれ目がわかるようにします。
根と葉を付けて分ける
1つに葉が3〜5枚以上と根が付くように、手で2〜3つに分けます。かたい部分は清潔なハサミで切り分けます。
小鉢に植え付ける
分けた株を、それぞれ新しい土を入れた小鉢に植え、鉢底から流れるまでたっぷり水を与えます。
根付くまで日陰で管理
2〜3週間は明るい日陰に置き、土を乾かしすぎないように管理します。新しい葉が出たら根付いた合図です。
病害虫は少ない植物ですが、乾燥した室内ではハダニとカイガラムシが付くことがあります。ハダニは葉の色が白っぽくかすれるのが目印で、葉水を習慣にすると予防できます。カイガラムシは葉柄や葉の裏に付く小さな粒で、綿棒や柔らかい歯ブラシで取り除きます。シダの仲間は薬剤で葉を傷めることがあるので、殺虫剤を使う場合は観葉植物に適用があるものを選び、目立たない葉で試してから使います。過湿で根が傷むと、株全体がしおれて回復しにくくなります。
よくある失敗は、葉の裏の胞子の点々を害虫と間違えて薬をかけることです。点々が葉の縁に沿ってきれいに並んでいれば胞子です。
新しい葉が次々に出始める季節です。土の表面が乾き始めたらたっぷり水を与え、5月から薄めた液肥を始めます。5〜6月は植え替えと株分けの適期です。冬に傷んだ古い葉は、新芽が見えたら株元から切ります。
最もよく育つ一方、水切れしやすい季節です。毎日土を確認し、乾きかけたらたっぷり与えます。直射日光は葉焼けの原因になるので、明るい日陰に置きます。エアコンの風を避け、葉水で湿度を補います。
涼しくなると葉の状態が安定します。水やりは少しずつ間隔を広げ、肥料は9月で終えます。最低気温が10°Cを下回り始めたら、屋外の株は室内の明るい場所へ取り込みます。暖房を使い始めたら葉水を続けます。
5°C以上、できれば10°C以上の明るい室内に置き、表面が乾いて1〜2日後に室温に近い水を与えます。冬は肥料を与えません。暖房の風が当たらない場所で、葉水を続けて乾燥を防ぎます。夜に冷え込む窓際からは離します。
原因
水切れ、空気の乾燥、エアコンや暖房の風。薄い葉は水分を失いやすく、一度乾くと戻らない。
対策
傷んだ葉を株元から切り、土を乾かしきらないよう水やりを見直します。風の当たらない明るい日陰に移し、葉水で湿度を補うと新しい葉はきれいに出ます。
原因
直射日光による葉焼け。窓辺で夏の日差しや西日が当たると、短時間でも葉が傷む。
対策
レースカーテン越しか、直射日光の入らない明るい場所へ移します。焼けた葉は戻らないので、見た目が気になる場合は株元から切ります。
原因
受け皿の水のため込みや水はけの悪い土による根腐れ。冬の低温期に水を与えすぎても起こる。
対策
水やりを止めて鉢から抜き、黒く傷んだ根を取り除いて新しい土に植え替えます。その後は土の表面が乾き始めてから水を与え、受け皿の水は毎回捨てます。
原因
多くは胞子の入った袋(胞子嚢)で、健康な株にできる自然なもの。プテリスでは葉の縁に沿って帯状に並ぶ。
対策
胞子なら取り除く必要はありません。点が不規則に付いていてつまむと取れる場合はカイガラムシなので、綿棒でこすり落とします。
原因
光不足による徒長。暗い場所では葉柄が長く伸び、自分の重さで外側へ倒れやすくなる。
対策
明るい日陰へ移し、倒れた古い葉は株元から切ります。新しい葉は締まって出てくるので、春に古い葉を整理して株を更新します。
ここにない症状は症状から調べるで、葉の色・しおれ・虫・病気などから逆引きできます。
プテリスにはよく知られた固有の花言葉は見当たりません。シダ類全体の花言葉としては、「魅惑」「誠実」などが紹介されることがあります。花を咲かせず、古くから変わらない姿で静かに茂る様子が、誠実さにたとえられたともいわれます。
風水では、下向きにやわらかく広がる葉は気持ちを落ち着かせ、リラックスさせる働きがあるといわれます。湿気を好むシダの仲間は、水回りの気を整える植物として洗面所や浴室の近くに置かれることが多い植物です。ただし暗すぎる場所では弱るので、明るさのある場所を選びます。
病気や害虫ではなく、胞子の入った袋(胞子嚢)です。シダの仲間は花も種も付けず、葉の裏にできる胞子で増えます。プテリスの場合、胞子は葉の縁に沿って帯のように並ぶのが特徴で、株が充実して健康な証拠でもあります。取り除く必要はありません。ただし、点々が葉の縁ではなく不規則に付いていて、つまむと取れる場合はカイガラムシの可能性があるので、綿棒でこすって確かめます。
傷んだ葉は戻りませんが、株元から新しい芽が出れば株は回復します。多くは水切れ、直射日光、エアコンの風による乾燥が原因です。枯れた葉を株元から切り取り、土を乾かしきらないように水やりを見直して、明るい日陰に置きます。葉水で湿度を補うと新しい葉が傷みにくくなります。株元に生きた芽や緑の葉柄が残っていれば、春から初夏に新しい葉が出てきます。
5°C以上の室内なら冬越しでき、10°C以上あれば葉もきれいに保てます。観葉植物のシダとしては寒さに強いほうですが、霜に当たると葉が傷みます。冬は明るい日陰の室内に置き、土の表面が乾いてから1〜2日あけて、室温に近い水を与えます。暖房で空気が乾くと葉先が傷むので、葉水を続けます。夜に冷え込む窓際からは離し、肥料は春まで止めます。寒さで葉が傷んでも、株元が生きていれば春に新しい葉が出ます。
基本の育て方は同じで、明るい日陰と土を乾かしきらない水やりが共通のポイントです。葉先が細かく分かれたり縮れたりする品種は、葉の面積に対して縁が多いぶん、乾燥すると傷みが目立ちやすい傾向があります。普通の品種よりこまめに葉水をし、エアコンの風を避けると形がきれいに保てます。白い筋の入る品種は、暗すぎると模様がぼやけるので、明るさをやや多めに確保します。
鉢底から根が出てきたら、5〜6月に一回り大きな鉢へ植え替えます。目安は1〜2年に1回です。プテリスの根は細く傷みやすいので、根鉢は軽くほぐす程度にとどめます。直径で3cmほど大きい鉢に、観葉植物用土で植え付けます。いきなり大きすぎる鉢に植えると、土が乾きにくくなって根が傷むことがあります。植え替え後は明るい日陰で1〜2週間休ませ、肥料は新しい葉が出てから再開します。
執筆: Hapot編集部
植物を迎えたばかりの人が枯らさずに育てられるように、植物図鑑と症状別の記事を編集しているチームです。農林水産省や農研機構など公的機関の栽培指針を確認したうえで、温度や頻度を数値で示し、迷いやすい判断は結論から書くことを大切にしています。誤りや古くなった情報はお問い合わせから受け付け、確認のうえ更新しています。