HapotHapot植物のことなら、ハポット。
観葉植物中級者向け

マランタ・エリスロネウラの育て方

Maranta leuconeura var. erythroneura('Fascinator' など)公開日: 最終更新日:

マランタ・エリスロネウラの育て方の要点

水やり
土の表面が乾いたら(春〜秋は3〜4日に1回)
置き場所
間接光
冬越し
15°C 以上を保つ

Hapot編集部より

マランタ・エリスロネウラは、濃い緑の葉に鮮やかな赤い葉脈が魚の骨のように走る、マランタの中で最も華やかな品種です。基本のマランタ(レウコネウラ)との違いは葉脈の色で、赤い主脈と側脈に加え、中央に明るい黄緑の模様が入り、3色が重なって見えることからトリカラーとも呼ばれます。流通名はファッシネーターやレッドベインなどさまざまで、英語ではレッドプレイヤープラントの名で知られます。葉の裏は赤紫を帯び、夜に葉を立てて閉じると裏の色がのぞいて昼とは違う表情になります。性質は基本のマランタと同じく明るい日陰と湿度を好みますが、赤い葉脈は光の当たり方で色の出方が変わり、暗すぎると赤がくすみ、強すぎると色があせるのが特徴です。草丈20〜30cmで茎が横や下へ伸びるので、吊り鉢や棚の上に向きます。犬や猫に無毒とされ、ペットのいる家でも選びやすい品種です。

分類・基本データ

科
クズウコン科
属
マランタ属 Maranta
種
マランタ・エリスロネウラ leuconeura var. erythroneura
別名
エリスロネウラ、ファッシネーター、マランタ・ファッシネーター、レッドベイン、トリカラー、レッドプレイヤープラント
原産地
ブラジルの熱帯雨林原産のマランタ・レウコネウラの変種で、赤い葉脈を持つ型として観葉植物に広まりました。

マランタ・エリスロネウラの育て方の5つのポイント

水やり

土の表面が乾いたら(春〜秋は3〜4日に1回)

日光

間接光

温度の目安

15-30°C(冬は10°C以上)

湿度

50-70%

土

水もちと水はけの良い観葉植物用土

マランタ・エリスロネウラはどれくらい大きくなる?

大きさの目安

鉢植えで草丈20〜30cm、茎が垂れると株幅40cmほど。葉は長さ10〜13cmの楕円形で、3.5〜5号鉢や吊り鉢での流通が中心です。

成長の速さ

中(春〜夏に新しい葉を次々に出し、茎が垂れ下がる)

温度の目安(耐寒〜耐暑)

15-30°C(冬は10°C以上)

ケアのポイント

肥料

5〜9月に2〜3週に1回、規定より薄めた液肥

成長速度

中(春〜夏に新しい葉を次々に出し、茎が垂れ下がる)

毒性

ASPCAでは犬と猫に無毒とされる。たくさん食べると嘔吐などを起こすことがあるので、かじらせないようにする

赤い葉脈の色は光の具合を映します。赤がくすんだら光が足りず、葉全体が白っぽくなったら光が強すぎる合図です。

育て方の詳細

苗・株の選び方

良い株は、葉脈の赤がくっきりして、中央の黄緑の模様との境目がはっきりしていること、葉が平らに開いていて丸まっていないこと、株元から巻いた新しい葉が出ていることの3点で見分けます。

避けたいのは、葉脈の赤が茶色っぽくくすんだ株と、茎だけが長く垂れて株元に葉の少ない株です。前者は光不足の環境に長く置かれた株、後者は伸びすぎて形が崩れた株で、整えるのに時間がかかります。葉の裏に白い点がある株はハダニの可能性があります。

置き場所・日当たり

明るい日陰が基本なのはマランタと同じです。エリスロネウラでは赤い葉脈の色を保つ明るさを意識し、東向きの窓のレースカーテン越しか、明るい窓から1m前後を目安にします。朝のやわらかい光が当たる場所では葉脈の赤がよく冴え、北向きの暗い部屋では赤が茶色っぽくくすんでいきます。茎が下へ垂れる性質を生かすなら、窓辺の吊り鉢や高い棚の端が向いています。冬は10°C以上を保ち、夜に冷え込む窓際から離します。

よくある失敗は、色を濃くしようと南向きの窓辺に置き、赤い葉脈ごと葉が白っぽくあせることです。あせた葉は戻りませんが、レースカーテン越しの位置に戻せば、次に開く葉から鮮やかな赤が入ります。

水やりの詳細

土の乾き方に合わせて与えるリズムは基本のマランタと同じです。エリスロネウラは吊り鉢で育てることが多く、高い位置は暖かい空気がたまって鉢が乾きやすいため、吊り鉢なら夏は毎日、指で土の表面を確かめます。表面が乾いていたら、鉢を下ろしてシンクで鉢底から流れるまで与え、水が切れてから戻します。冬は表面が乾いて2〜3日後に、室温に近い水を与えます。葉水は1日1回、葉の裏にもかけます。

よくある失敗は、吊り鉢に上から少しずつ水を足して、鉢の中まで水が届かず根が乾くことです。葉が内側に巻いたら、鉢ごとバケツの水に10分ほど浸けて土全体に吸わせると、翌日には葉が開きます。

最適な土の作り方

水もちと水はけの両方を備えた、軽めの土が向きます。吊り鉢にするなら重さも考え、赤玉土(小粒)4、ピートモス3、パーライト2、くん炭1が目安です。市販の観葉植物用土を使う場合は、パーライトを1割ほど足して軽くします。根が浅く広がる性質なので、浅めの鉢が合います。鉢底石は1〜2cm敷き、吊り鉢は鉢底石も軽石を選ぶと軽く仕上がります。元肥は緩効性肥料を少量混ぜる程度にし、植え替えのたびに新しい土へ替えて水はけを保ちます。

剪定・切り戻し

エリスロネウラは茎が長く垂れ下がって、株元がまばらになりやすい品種です。5〜8月に、伸びすぎた茎を葉の付いた節のすぐ上で切ると、切り口の近くから新しい芽が出て株元が茂ります。垂れる姿を楽しむなら長い茎を数本残し、残りを切り戻して全体のバランスを取ります。黄色や茶色に枯れた葉は葉柄の付け根から切ります。切った茎は節を1〜2つ付ければ挿し芽に使えます。

よくある失敗は、垂れる姿を惜しんで切らずにおき、株元の葉が落ちて茎だけが垂れた寂しい姿になることです。一度に切るのは茎の半分までにして、2〜3週間おきに分けて切り戻すと、株元から新しい葉が戻ります。

  1. 1

    時期と道具を準備する

    茎の切り戻しは5〜8月、枯れた葉の整理は通年行います。清潔なハサミを用意します。

  2. 2

    切る茎を決める

    垂れる姿を残す長い茎を数本決め、それ以外の伸びすぎた茎を切り戻しの対象にします。

  3. 3

    節のすぐ上で切る

    葉の付いた節のすぐ上で切ります。一度に切るのは茎の半分までにします。

  4. 4

    枯れた葉を付け根から取る

    黄色や茶色に枯れた葉を葉柄の付け根で切り、株元の風通しを良くします。

植え替え

植え替えは1〜2年に1回、気温20°C前後の5〜6月が目安です。エリスロネウラは根に小さないも状のふくらみを付けることがあり、これは養分をためる部分なので切らずに残します。鉢は浅めで、直径3cm大きいものまでにします。鉢から抜いたら根鉢の周りを軽くほぐし、黒く傷んだ根だけを切って、新しい土で元の高さに植えます。植え替え後は1週間ほど明るい日陰に置き、葉水を多めにして湿度を保ちます。

よくある失敗は、吊り鉢から下ろすのが面倒で植え替えを先延ばしにし、根詰まりで葉が小さく色も薄くなることです。植え替えれば、1〜2か月で葉の大きさと赤い葉脈が戻ります。

  1. 1

    時期と道具をそろえる

    気温20°C前後の5〜6月に行います。直径3cm大きい浅めの鉢、軽めに配合した土、軽石の鉢底石、清潔なハサミを用意します。

  2. 2

    垂れた茎をまとめて抜く

    垂れた茎を手で軽くまとめ、鉢の縁を叩いて根鉢ごと抜きます。茎が絡んでいればほどいてから抜きます。

  3. 3

    根を整理する

    根鉢の周りを軽くほぐし、黒く傷んだ根を切ります。根の小さないも状のふくらみは養分をためる部分なので残します。

  4. 4

    浅めの鉢に植える

    鉢底石を1〜2cm敷き、元と同じ高さに植えます。株元がまばらなら、挿し芽で育てた苗を一緒に植え込みます。

  5. 5

    明るい日陰で湿度を保つ

    鉢底から流れるまで水を与え、1週間は明るい日陰に置いて葉水を多めにします。肥料は2〜3週間後から再開します。

増やし方

増やすなら挿し芽が手軽で、切り戻した茎がそのまま使えます。適期は5〜7月です。節を1〜2つ付けて10cmほどに切り、下の葉を取って、節が水に浸かるようにコップに挿します。20〜25°Cなら3〜4週間で節から白い根が出ます。根が2〜3cmに伸びたら、元の鉢の株元のまばらな場所に植え込むと、株元が茂って見栄えが良くなります。株分けは植え替えのときに、芽と根が付くように2〜3つに分けます。

よくある失敗は、節のない茎の途中を挿して、いつまでも根が出ないことです。マランタは節から根を出すので、必ず節を水に浸けてください。水は2〜3日おきに替えると腐りにくくなります。

  1. 1

    時期と道具を準備する

    5〜7月に行います。清潔なハサミ、透明なコップ、小鉢と土を用意します。切り戻しで出た茎を使えます。

  2. 2

    節を付けて茎を切る

    節が1〜2つ付くように10cmほどに切り、下の葉を取ります。上の葉は1〜2枚残します。

  3. 3

    節を水に浸ける

    節が水に浸かるようにコップに挿し、明るい日陰に置きます。水は2〜3日おきに替えます。

  4. 4

    根が出たら植える

    3〜4週間で根が2〜3cmに伸びたら、小鉢か元の鉢の株元のまばらな場所に植え込みます。

  5. 5

    新しい葉を待つ

    植え付け後は乾かしすぎないよう管理し、新しい葉が開いてから薄めの液肥を始めます。

病害虫対策

乾燥した部屋ではハダニが付きやすく、エリスロネウラでは赤い葉脈の周りが白っぽくかすれて見えるのが初期の合図です。吊り鉢は葉の裏が見えにくいので、週1回は鉢を下ろして葉の裏を確かめます。白い点や細い糸があれば、浴室でシャワーをかけて洗い流します。茎の付け根にカイガラムシが付くこともあるので、歯ブラシでこすり落とします。毎日の葉水が、湿度の確保とハダニ予防を兼ねます。

よくある失敗は、高い場所に吊るしたまま確認せず、気づいたときには葉全体がかすれて色あせていることです。洗い流しを週1回、2〜3週間続けて葉水を習慣にすれば、新しい葉は鮮やかな模様で開きます。

年間カレンダー

1月
2月
3月
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月
肥料
手入れ
手入れの内容
  • 5月植え替え・株分け
  • 6月切り戻し・挿し芽
  • 7月吊り鉢の水切れ注意・葉水
  • 8月葉裏のハダニ確認
  • 9月肥料を止める
  • 10月吊り鉢を部屋の内側へ

季節ごとの管理

春の管理

赤い葉脈の新しい葉が開き始める時期です。吊り鉢は暖かい空気で乾きやすくなるので、土の確認を2日おきにし、5月から薄めの液肥を始めます。植え替えは5〜6月に。日差しの角度が変わるので、赤があせない窓との距離を探します。

夏の管理

吊り鉢は乾きが早いので、毎日土を確かめます。伸びすぎた茎の切り戻しと挿し芽に向く時期です。直射日光は赤い葉脈ごと色をあせさせるので当てません。冷房の風が当たる高い位置は避け、毎日葉水をします。

秋の管理

液肥は9月の1回で終わりにし、吊り鉢の水やりは2〜3日おきの確認に戻します。夜の冷え込みが始まったら、フックの位置を窓から50cm以上離します。日が短くなると赤い葉脈が沈んで見えるので、東向きの窓辺など朝日の入る場所に寄せます。

冬の管理

吊り鉢は天井近くに暖房の熱がこもり、土が思ったより早く乾くことがあります。暖房の温風が当たる高い位置に吊るさないでください。下ろして棚に置くのも手です。水は室温にしてから与え、肥料は止めます。10°Cを切る窓辺は避けます。

10月の作業をくわしく知りたいときは観葉植物の冬越しや秋の植え替えの記事も参考になります。

よくあるトラブルと対策

赤い葉脈が茶色っぽくくすむ

原因

光不足。暗い部屋に置くと、葉脈の赤が沈んで見える。

対策

東向きの窓のレースカーテン越しなど、やわらかい光が当たる場所へ移します。くすんだ葉は戻らないので、新しい葉の色で改善を確かめます。

茎だけが長く垂れて株元がスカスカ

原因

切り戻しをせずに茎を伸ばし続け、株元の古い葉が落ちた。光不足で茎が間延びしていることもある。

対策

5〜8月に伸びた茎を節のすぐ上で半分ずつ切り戻します。切った茎を水に挿して根を出させ、株元のまばらな場所に植え込みます。

吊り鉢の葉が内側に巻いて開かない

原因

高い位置で暖かい空気に当たり、鉢が乾ききっている。上から少しずつ足した水が鉢の中まで届いていないことも多い。

対策

鉢を下ろしてバケツの水に10分ほど浸け、土全体に吸わせます。夏は毎日土を確かめ、暖房や冷房の風が当たる高さに吊るさないようにします。

赤い葉脈の周りが白っぽくかすれる

原因

ハダニの吸汁。吊り鉢は葉の裏が見えにくく、気づくのが遅れやすい。

対策

週1回は鉢を下ろして葉の裏を確かめ、白い点や糸があれば浴室のシャワーで洗い流します。毎日の葉水で予防します。

ここにない症状は症状から調べるで、葉の色・しおれ・虫・病気などから逆引きできます。

マランタ・エリスロネウラの花言葉・風水

花言葉

マランタの仲間には、「祈る心」「尊重」といった花言葉が紹介されることがあります。夜に葉を立てて閉じる姿が、手を合わせて祈る姿に見えることが由来とされます。エリスロネウラは葉を閉じると赤紫の葉裏が見え、昼とは違う色合いになります。

風水・縁起

マランタについて、風水で広く知られた決まった意味づけはありません。一般に、赤は活力や情熱を表す色とされ、赤い葉脈のエリスロネウラは、明るく人が集まるリビングに彩りを添える植物として選ばれることがあります。葉の開閉を生活のリズムに重ねる人もいます。

マランタ・エリスロネウラのよくある質問

Qエリスロネウラとファッシネーターは同じ植物ですか?回答を見る
A

店頭ではほぼ同じものとして扱われています。どちらも赤い葉脈を持つマランタ・レウコネウラの型で、エリスロネウラは変種の名、ファッシネーターは流通名や園芸品種名として使われることが多い呼び名です。ほかにレッドベインやトリカラーの名で売られることもあります。名前による育て方の違いはなく、赤い葉脈の色合いや葉の大きさを見て選べば問題ありません。

Qエリスロネウラの赤い葉脈がくすんできたのはなぜですか?回答を見る
A

多くは光不足で、暗い場所に置くと赤が茶色っぽく沈みます。東向きの窓のレースカーテン越しなど、やわらかい光が当たる場所へ移すと、次に開く葉から赤が冴えてきます。反対に、葉全体が白っぽくあせている場合は光が強すぎるので、窓から離してください。くすんだ葉の色は元に戻らないため、新しい葉の色で置き場所が合っているかを確かめます。

Qエリスロネウラの茎が垂れて株元がスカスカです。回答を見る
A

5〜8月に伸びた茎を切り戻し、挿し芽を株元に植え込むのが効果的です。茎を葉の付いた節のすぐ上で切ると、切り口の近くから新しい芽が出ます。切った茎は節を付けて水に挿し、根が出たら元の鉢のまばらな場所に植えると、株元が早く茂ります。一度に全部切らず、半分ずつ分けて切り戻すと、垂れる姿を楽しみながら形を整えられます。

Qエリスロネウラは夜に葉を閉じないのですが、弱っていますか?回答を見る
A

夜も明るい部屋では、葉の動きが小さくなることがあります。マランタの就眠運動は光の変化に合わせて起こるため、夜遅くまで照明の当たる場所では、葉の立ち上がりがはっきりしないことがあります。葉の色が良く、新しい葉が出ていれば弱ってはいません。反対に、昼も葉が閉じたまま丸まっている場合は、水切れか乾燥が原因なので、土と湿度を確かめてください。

Qエリスロネウラは猫や犬がいても大丈夫ですか?回答を見る
A

ASPCAでは犬と猫に無毒とされ、ペットのいる家でも選びやすい植物です。ただし、無毒でもたくさん食べれば嘔吐などを起こすことがあります。エリスロネウラは茎が垂れ下がり、揺れる葉に猫がじゃれつきやすいので、吊り鉢はペットが跳び乗れない高さに吊るすと安心です。かじられた葉は付け根から切れば、株はまた新しい葉を出します。

マランタのほかの品種

マランタ としてまとめている他の品種です。

マランタの種類と選び方を比較する

マランタ・エリスロネウラを育てる人が次に読んでいるページ

10月の季節の作業と、マランタ・エリスロネウラの手入れで迷いやすいところに合わせて選んでいます。

この記事について

執筆: Hapot編集部

植物を迎えたばかりの人が枯らさずに育てられるように、植物図鑑と症状別の記事を編集しているチームです。農林水産省や農研機構など公的機関の栽培指針を確認したうえで、温度や頻度を数値で示し、迷いやすい判断は結論から書くことを大切にしています。誤りや古くなった情報はお問い合わせから受け付け、確認のうえ更新しています。

編集ポリシー

参考にしたウェブサイト