苗・株の選び方
良い苗の目安は、株元から太いつるが2本以上出ていること、節間が詰まって葉が濃い緑であること、ラベルに系統名(剪定タイプ)が明記されていることの3点です。系統名は剪定の判断に必須なので、ラベルは捨てずに記録します。
避けたいのは、株元のつるが茶色く乾いて折れやすい株と、鉢が小さく根が回りきって水の染み込みが悪い株です。1年生の小苗は開花まで2-3年かかるため、すぐに花を楽しみたいなら2年生以上の開花株を選びます。
Hapot編集部より
クレマチスは、自分の株がどの剪定タイプかを一度覚えてしまえば、フェンスやアーチを毎年花で覆ってくれる、つる性植物の女王と呼ばれる宿根草です。世界に約300種があり、日本のカザグルマや中国のテッセンが大輪園芸品種の親になりました。耐寒性は強く-10°Cにも耐え、日当たりと肥料を好みます。つるは年に1.5-4m伸び、系統によって去年の枝に咲く旧枝咲き、春に伸びた枝に咲く新枝咲き、その両方に咲く新旧両枝咲きに分かれ、この違いを知らずに冬に切ると花芽を失います。植え付けは地中に1-2節埋める深植えが特徴で、これが株元の病気や立ち枯れからの復活の保険になります。水切れにやや弱く、夏の乾燥では株元のマルチングが欠かせません。手間はかかりますが、初夏の大輪から秋の返り咲きまで長く楽しめ、系統名をラベルで確認して記録しておくことが上達の9割といえる、育てる楽しみの深い花です。

水やり
土の表面が乾いたら(乾燥にやや弱い)
日光
直射日光
温度の目安
-10〜30°C(系統により差はあるが総じて耐寒性強)
湿度
40-60%
土
水はけと保水を兼ねた肥沃な土(深植えが特徴)
大きさの目安
つるは1.5〜4m(系統差)。フェンス・オベリスク・アーチ・行灯鉢仕立てに。
成長の速さ
速い(つるは年数m)
温度の目安(耐寒〜耐暑)
-10〜30°C(系統により差はあるが総じて耐寒性強)
肥料
生育期に月1回の置き肥+液肥(肥料好き)
成長速度
速い(つるは年数m)
毒性
全草に毒性(プロトアネモニン)。汁液でかぶれることも。ペット注意
「自分の株の剪定タイプを知る」ことが上達の9割。ラベルの系統名は捨てずに記録してください。
良い苗の目安は、株元から太いつるが2本以上出ていること、節間が詰まって葉が濃い緑であること、ラベルに系統名(剪定タイプ)が明記されていることの3点です。系統名は剪定の判断に必須なので、ラベルは捨てずに記録します。
避けたいのは、株元のつるが茶色く乾いて折れやすい株と、鉢が小さく根が回りきって水の染み込みが悪い株です。1年生の小苗は開花まで2-3年かかるため、すぐに花を楽しみたいなら2年生以上の開花株を選びます。
日当たりの良い場所で、株元は涼しく保つのが理想です。1日5時間以上の日照で花付きが良くなりますが、株元に直射日光が当たると乾燥と高温で根が傷むため、株元には他の草花を植えるか敷きわらでマルチングします。耐寒性は強く-10°C程度まで屋外で越冬し、生育適温は15-25°Cです。つるは年に1.5-4m伸びるので、フェンスやオベリスク、アーチなど絡ませる構造物を植え付け時に用意します。失敗例として、南向きのコンクリート壁際で夏に葉が茶色く枯れ込むことがありますが、株元を鉢や草花で日陰にし、朝夕の水やりを続ければ秋に新しい葉が出ます。鉢植えなら8号以上の深鉢を選び、真夏は鉢の側面に日が当たらないよう置き場所を工夫します。
土の表面が乾いたらたっぷり与えます。乾燥にやや弱く、特に鉢植えの夏は水切れで一気に葉が枯れ込むため、7-8月は朝夕の1日2回、春秋は2-3日に1回が目安です。地植えも植え付け後1年は乾いたら与え、根付いた後も晴天が10日以上続くときは株元にたっぷり注ぎます。水は株元に与え、葉や花にかけると病気の原因になります。冬の休眠期は週1回程度に減らしますが、鉢が完全に乾ききらないよう注意します。失敗例として、真夏に1日水切れさせて葉がすべて茶色くなることがありますが、つるが緑なら生きているので、株元にたっぷり水を与えて敷きわらで乾燥を防ぎ、朝夕の水やりを続ければ2-3週間で新芽が出ます。株元のマルチングは水切れ予防に最も効果的です。
水はけと保水を兼ねた肥沃な土を好みます。市販の花用培養土に赤玉土小粒を2割混ぜるか、赤玉土小粒5、腐葉土3、鹿沼土2の配合にし、鉢底には鉢底石を3cm敷きます。鉢は根が深く伸びるため8号以上の深鉢を選びます。庭植えは直径と深さ40cmの穴を掘り、腐葉土と緩効性肥料を混ぜた土で埋め戻します。酸性土を嫌うため2週間前に苦土石灰を1平方メートルあたり100g混ぜます。植え付けは地中に1-2節埋める深植えにし、株元に敷きわらでマルチングします。
剪定は系統によって変わり、自分の株のタイプを知ることが上達の9割です。旧枝咲き(モンタナ系、パテンス系)は去年の枝に咲くため冬は切らず、花後に伸びすぎた枝を整理するだけにします。新枝咲き(ビチセラ系、テキセンシス系)は春に伸びた枝に咲くため、2月に地際から2-3節残してバッサリ切ります。新旧両枝咲き(大輪四季咲きの多く)は花後に花の1-2節下で軽く切り、冬は枯れた枝を整理する程度にします。失敗例として、旧枝咲きを冬に地際で切って春に全く咲かないことがありますが、株は生きているので翌年からは花後の整理だけにすれば戻ります。タイプが不明なら1年観察し、去年の枝に咲けば旧枝咲きと判断します。
時期と道具を用意する
剪定は系統で時期が違います。新枝咲きは2月、旧枝咲きと両枝咲きは花後です。清潔な剪定バサミと手袋を用意し、系統名をラベルで確認します。
新枝咲きは地際2-3節で切る
ビチセラ系などの新枝咲きは、2月に地際から2-3節残してすべてのつるを切ります。春に伸びる新しい枝に花が付きます。
旧枝咲きは花後に整理だけする
モンタナ系などの旧枝咲きは冬に切りません。花後に伸びすぎた枝や混み合った枝を付け根で間引く程度にし、来年咲く枝を残します。
両枝咲きは花の1-2節下で切る
大輪四季咲きの多くは、花が終わったら花の1-2節下で切ります。切った位置から新しい枝が伸び、二番花が咲きます。
作業後は誘引と追肥をする
剪定後は残したつるを支柱に緩く誘引し、月1回の置き肥を与えます。株元は敷きわらで乾燥を防ぎ、土が乾いたら水を与えます。
植え付けと植え替えは休眠期の12-2月か、秋の10-11月が適期です。鉢植えは2年に1回、根が鉢底から出たら一回り大きな深鉢に植え替えます。根鉢はあまり崩さず、傷んだ根だけを取り除きます。植え付けの最大の特徴は深植えで、地中に1-2節が埋まるよう元の土の高さより5cmほど深く植えます。埋めた節から新しい芽が出て株が充実し、立ち枯れ病で地上部が枯れても地中の芽から復活する保険になります。失敗例として、浅植えして株元が傷み1本しか芽が出ないことがありますが、秋に掘り上げて深植えし直せば翌春から芽数が増えます。植え付け後は支柱を立てて誘引し、株元に敷きわらを敷いて日なたで管理します。
時期と道具を用意する
適期は10-11月か12-2月の休眠期です。8号以上の深鉢、赤玉土を2割混ぜた花用培養土、鉢底石、支柱、清潔なハサミ、敷きわらを用意します。
鉢から抜いて根を確認する
鉢の縁を軽く叩いて株を抜き、根鉢はあまり崩さず、黒く傷んだ根だけをハサミで切ります。つるは支柱から外さず、折らないよう注意します。
鉢底石と土を入れて深さを決める
鉢底石を3cm敷き、土を入れます。元の土の高さより5cmほど深く、つるの1-2節が地中に埋まる深植えになるよう土の量を調整します。
深植えにして支柱を立てる
株を中央に置いて隙間に土を入れ、割り箸で軽く突きます。支柱かオベリスクを立ててつるを緩く結び、株元に敷きわらを敷きます。
水を与えて日なたで管理する
たっぷり水を与え、日なたに置きます。冬は週1回程度の水やりで鉢を乾ききらせず、2月に寒肥として緩効性肥料を与えて春の芽出しを待ちます。
挿し木が一般的です。適期は5-7月で、今年伸びたつるの中間部を節が1つ入るように上下2-3cmずつ残して切り、葉を半分に切って湿らせた挿し木用土に節が埋まるまで挿します。明るい日陰で乾かさないよう管理すると、20-25°Cなら4-6週間で発根します。発根率はやや低いので5本ほどまとめて挿すと安心です。つるを地面に伏せて節に土をかける取り木も確実で、2-3か月で発根したら親株から切り離します。株分けは12-2月の休眠期に大株を掘り上げて芽を2-3個ずつ付けて分けます。失敗例として、太い古枝を挿して発根せず枯らすことがありますが、今年伸びた緑色の柔らかいつるでやり直せば成功率が上がります。発根した苗は翌春に鉢上げし、開花は2-3年後です。
時期と道具を用意する
挿し木の適期は5-7月です。清潔なハサミ、挿し木用土を入れた3号ポット、発根促進剤、割り箸を用意します。20-25°Cの時期が発根しやすくなります。
今年のつるを1節ずつ切り分ける
今年伸びた緑色のつるの中間部を、節の上2-3cm、下2-3cmで切り分けます。太い古枝は発根しにくいので使いません。葉は半分に切ります。
節が埋まるまで挿す
切り口に発根促進剤を付け、割り箸で開けた穴に節が土に埋まる深さまで挿します。5本ほどまとめて挿すと安心です。
明るい日陰で乾かさず管理する
直射日光を避けた明るい日陰に置き、土の表面が乾いたら水を与えます。4-6週間で発根し、節から新芽が動き始めます。
翌春に鉢上げして育てる
冬はそのまま霜の当たらない場所で管理し、翌春に4号鉢へ深植えで鉢上げします。日なたで育て、開花は2-3年後です。
立ち枯れ病がクレマチス特有の病気で、株元の傷から菌が入り、元気だったつるが1本から株全体まで急にしおれます。枯れたつるを地際で切除して処分し、株元を清潔に保ちます。深植えしてあれば地中の芽から数週間から翌春に新しいつるが出て復活する例が多いので、すぐに株を捨てず1年は水やりを続けて様子を見ます。予防は深植え、株元を傷つけない、清潔なハサミの3点です。害虫は春の新芽に付くアブラムシと、夏の乾燥時に葉裏へ出るハダニ、夜間に新芽をかじるナメクジで、早めの駆除と葉水、夜の見回りで対処します。失敗例として、うどんこ病で葉が白くなることがありますが、発症葉を取り除き風通しを確保すれば新しい葉は健全に育ちます。
旧枝咲きと両枝咲きの開花本番です。土が乾いたら株元にたっぷり水を与え、3月から月1回の置き肥を始めます。伸びるつるは週1回フェンスやオベリスクに誘引します。日なたで管理し、新芽に集まるアブラムシと株元の傷からの立ち枯れ病に注意します。
新枝咲きの開花期です。水切れに弱いため鉢は朝夕の1日2回与え、株元は敷きわらで乾燥を防ぎます。肥料は6月まで続け、真夏は休みます。株元に直射日光が当たらないよう草花や鉢で日陰にします。挿し木の適期で、乾燥によるハダニに注意します。
四季咲き系の返り咲きの季節です。水は土が乾いたら与え、9月に月1回の置き肥を再開して株を充実させます。10-11月は植え付けと植え替えの適期で、深植えを守ります。日なたで管理し、秋雨の多湿でうどんこ病が出たら病葉を取り除きます。
休眠期で、剪定タイプ別の冬作業をします。新枝咲きは2月に地際から2-3節でバッサリ、旧枝咲きは触りません。水は週1回程度で鉢を乾ききらせず、2月に寒肥を与えます。-10°Cまで屋外で越冬できます。枯れ枝の整理で株元を傷つけないようにします。
原因
立ち枯れ病。株元の傷や病菌で導管が詰まるクレマチス特有の病気です。
対策
枯れたつるを地際で切除して処分します。深植えしてあれば地中の芽から高確率で吹き替わるため、株は諦めず水やりを継続して復活を待ちます。
原因
旧枝咲きタイプを冬にバッサリ切り、花芽ごと失ったためです。
対策
今年は株の回復を優先し、来季から花後すぐの整理だけにして冬は触らないよう変更します。系統名の確認(モンタナ系やパテンス系は旧枝咲き)が再発防止のすべてです。
原因
水切れと株元の高温乾燥です。鉢植えや南向きの壁際で起こりやすくなります。
対策
つるが緑なら生きています。株元にたっぷり水を与え、敷きわらで乾燥を防ぎ、朝夕の水やりを続けると2-3週間で新芽が出ます。株元は草花や鉢で日陰にします。
原因
肥料不足、鉢の根詰まり、または株元の高温乾燥です。
対策
3-6月と9月に月1回の置き肥、2月に寒肥を与えます。鉢は2年に1回、休眠期に一回り大きな深鉢へ植え替えます。株元をマルチングして乾燥を防ぎます。
原因
うどんこ病。風通し不足と乾湿の差で発生し、春と秋に多く見られます。
対策
発症葉を取り除き、混み合ったつるを間引いて風を通します。多発時は専用薬剤を1週間おきに2回散布します。新しい葉は健全に育ちます。
ここにない症状は症状から調べるで、葉の色・しおれ・虫・病気などから逆引きできます。
クレマチスの花言葉は「精神の美」「旅人の喜び」「策略」です。細いつるからは想像できない大輪の花を咲かせる姿が精神の美とされ、ヨーロッパで旅人が宿の軒先に咲くクレマチスを見て休んだことから旅人の喜びと呼ばれました。策略は葉の汁で物乞いがわざと肌をただれさせた逸話に由来します。
つるを上へ伸ばして咲くクレマチスは「運気を上昇させる花」とされ、玄関脇のフェンスや門に絡ませると家に良い縁を引き寄せるといわれます。つるが成長して構造物を覆う姿が、発展と繁栄の象徴とされたことが由来です。紫や青の花は仕事運、白や淡いピンクの花は家庭運を高める色とされています。
怖さの正体はタイプを知らないことだけです。まずラベルや購入記録で系統名を調べます。モンタナ系やパテンス系は旧枝咲き、ビチセラ系やテキセンシス系は新枝咲き、大輪四季咲きの多くは新旧両枝咲きです。不明なら1年観察し、春一番の花が去年からある古い枝に咲けば旧枝咲き、春に伸びた新しい枝に咲けば新枝咲きと判断します。旧枝咲きは花後の整理だけで冬は触らず、新枝咲きは2月に地際2-3節で切り、両枝咲きは花後に1-2節下で軽く切ります。
クレマチス特有の立ち枯れ病の典型です。株元の傷から菌が入り、水を運ぶ管が詰まって1本から株全体が急にしおれます。枯れたつるを地際で切除して処分し、株元を清潔にして水はけを確認します。深植えしてあれば地中に埋めた節の芽が生きており、数週間から翌春に新しいつるが吹き替わって復活する例が非常に多いので、すぐに株を捨てず1年は水やりを続けて様子を見てください。予防は深植え、株元を傷つけない、清潔なハサミの3点です。
地中に埋めた節から新しい芽が出て株が充実し、立ち枯れ病などで地上部が枯れても復活できる保険になるからです。植え付けの際は、元の土の高さより5cmほど深く、つるの1-2節が地中に埋まるように植えます。浅植えの株は芽が1本しか出ず株元が傷みやすいため、秋に掘り上げて深植えし直すと翌春から芽数が増えます。深植えした株は2-3年で地際から複数のつるが立ち上がり、フェンスを覆う株に育ちます。
肥料不足か根詰まり、または株元の高温乾燥が原因です。クレマチスは肥料好きで、3-6月と9月に月1回の置き肥と2月の寒肥が必要です。鉢植えは2年に1回、10-11月か12-2月に一回り大きな深鉢に植え替えます。株元に直射日光が当たる場所では根が傷むため、敷きわらや草花で株元を日陰にし、夏は朝夕の水やりで乾燥を防ぎます。この3点を整えれば翌年から花の大きさと数が戻ります。
クレマチス としてまとめている他の品種です。
| 品種 | 大きさの目安 | 難易度 | 水やり |
|---|---|---|---|
| クレマチス(本記事) | つるは1.5〜4m(系統差)。フェンス・オベリスク・アーチ・行灯鉢仕立てに。 | 中級者向け | 土の表面が乾いたら(乾燥にやや弱い) |
| センニンソウ | つるの長さは2〜5mほどで、フェンスや低木に絡んで広がります。花は直径2〜3cmの白い十字形で、葉は3〜7枚の小葉に分かれた羽状の複葉です。 | 初心者向け | 鉢植えは土の表面が乾いたらたっぷり。地植えは根付いた後はほぼ雨まかせ(真夏の日照り続きのみ与える) |
クレマチスの季節の作業や、土・鉢・肥料の選び方をくわしく解説した記事です。
10月の作業と、クレマチスの手入れで迷ったときに役立つページです。
執筆: Hapot編集部
植物を迎えたばかりの人が枯らさずに育てられるように、植物図鑑と症状別の記事を編集しているチームです。農林水産省や農研機構など公的機関の栽培指針を確認したうえで、温度や頻度を数値で示し、迷いやすい判断は結論から書くことを大切にしています。誤りや古くなった情報はお問い合わせから受け付け、確認のうえ更新しています。