苗・株の選び方
良い株の目安は、枝先に色づいた苞やつぼみが付いていること、幹が太く節間が詰まっていること、葉に艶があり黄変や落葉がないことの3点です。
避けたいのは、鉢の大きさに対してつるばかり長く伸びて葉が薄い株と、葉裏に白いかすれや虫が見える株です。冬に暖かい店内から持ち帰ると環境変化で苞が落ちやすいので、購入は5-6月か9-10月が安心です。品種は苞の色だけでなく、鉢向きの小型種か生垣向きの大型種かも確認します。
Hapot編集部より
ブーゲンビリアは、水と肥料を控えて日光にたっぷり当てるという「あえて手をかけない管理」ができる人に向いた、南国らしい鮮やかな花木です。花に見える赤やピンク、紫の部分は苞葉で、本当の花は中心の小さな白い筒状の花です。中南米原産で1日6時間以上の直射日光を好み、生育適温は20-30°C、暑さには非常に強い一方で10°C以下になると葉を落とし始めます。最大の失敗要因は過保護で、心配して水と肥料を与えるほど葉ばかり茂って咲かなくなります。葉が軽くしおれるまで待ってからたっぷり与える水絞りと、鉢を大きくしすぎない根詰まり気味の管理が開花のスイッチです。つるは年に数m伸びる旺盛さで、行灯仕立てなら1-1.5mの鉢で管理でき、初夏と秋の年2回の開花期があります。冬は5°C以上の明るい室内に取り込めば、落葉しても春に復活します。葉の付け根に鋭いトゲがあるため、手入れは革手袋が必須です。

水やり
乾かし気味(花芽促進期はさらに絞る)
日光
直射日光
温度の目安
5-35°C(寒さが苦手。冬は室内へ)
湿度
40-60%
土
水はけの良い土
大きさの目安
つるは2〜5m。鉢の行灯仕立てなら1〜1.5mで管理可能。
成長の速さ
旺盛(つるは年数m)
温度の目安(耐寒〜耐暑)
5-35°C(寒さが苦手。冬は室内へ)
肥料
控えめ(春と秋に少量。多肥は葉ボケの元)
成長速度
旺盛(つるは年数m)
毒性
トゲによるケガに注意。樹液で稀にかぶれ
水と肥料を控えて日光に当てるのが基本です。過保護が最大の失敗要因という、リゾートの花らしいスパルタ設計です。
良い株の目安は、枝先に色づいた苞やつぼみが付いていること、幹が太く節間が詰まっていること、葉に艶があり黄変や落葉がないことの3点です。
避けたいのは、鉢の大きさに対してつるばかり長く伸びて葉が薄い株と、葉裏に白いかすれや虫が見える株です。冬に暖かい店内から持ち帰ると環境変化で苞が落ちやすいので、購入は5-6月か9-10月が安心です。品種は苞の色だけでなく、鉢向きの小型種か生垣向きの大型種かも確認します。
1日6時間以上の直射日光が当たる屋外が定位置です。日照不足では苞葉が色づかず、緑の葉ばかりになります。生育適温は20-30°Cで真夏の直射日光にも耐えるため、遮光は不要です。10°C以下で葉を落とし始め、5°C前後で丸裸になるため、最低気温が10°Cを下回る11月には明るい室内の窓辺へ取り込みます。冬は暖房の直風を避け、日中はできるだけ日光に当てます。失敗例として、室内の明るい場所に一年中置いて全く咲かないことがありますが、5月から屋外の日なたに出して水絞りを始めれば、早ければ6-8週間で枝先の苞が色づきます。開花中の移動は苞が落ちる原因になるので、置き場所は花が咲く前に決めておきます。
乾かし気味が基本です。春から秋の生育期は土の表面が乾いてから1-2日待ってたっぷり与え、夏の鉢植えなら2-3日に1回が目安です。花芽を付けたい5-6月と9月は、葉が軽くしおれるまで待ってから与える水絞りを2-3週間繰り返すと、乾燥ストレスで花芽が付きます。ただし極端な断水は苞やつぼみが落ちる原因になるので、葉が軽くしおれた時点で必ず与えます。冬の室内では月に2-3回、土が完全に乾いてから少量与える程度に抑えます。失敗例として、毎日水を与えた鉢がつるばかり伸びて葉が茂り咲かないことがありますが、水を絞って日なたに置き、肥料を止めれば1-2か月で枝先に色づいた苞が見え始めます。受け皿の水は必ず捨ててください。
水はけの良い土が絶対条件です。市販の花用培養土にパーライトか軽石を2割混ぜるか、赤玉土小粒5、腐葉土3、軽石2の配合にし、鉢底には鉢底石を3cm敷きます。肥料分の多い土は葉ボケの元なので、元肥は緩効性肥料を規定量の半分にとどめます。鉢は根詰まり気味のほうが咲くため、株に対して一回り小さめの鉢を選びます。庭植えは関東以西の暖地で霜の当たらない南向きの壁際に限られ、腐葉土と川砂を混ぜて高めに植えます。
剪定は花後に行います。初夏の花が終わった7月と秋の花が終わった11月に、咲き終わった枝を2-3節残して切り戻すと、新しく伸びた枝の先に次の花が付きます。伸びすぎたつるは随時2-3節残して切り、行灯やトレリスに誘引して形を整えます。花は新しく伸びた枝の先に付くため、春の芽吹き後の枝は切らずに残します。葉の付け根に鋭いトゲがあるので、作業は革手袋と長袖で行います。失敗例として、5月に伸びたつるを邪魔だからと切って夏の花が全く咲かないことがありますが、7月以降に伸びる枝に秋の花が付くので、水絞りと日光で秋の開花を狙えます。冬の取り込み前に全体を1/3ほど切り詰めると、室内での管理が楽になります。
時期と道具を用意する
切り戻しの適期は花後の7月と11月です。清潔な剪定バサミ、革手袋、長袖を用意します。葉の付け根に鋭いトゲがあるので素手では作業しません。
咲き終わった枝を2-3節残して切る
苞が色あせて落ちた枝を、付け根から2-3節残して切り戻します。次の花は新しく伸びる枝の先に付くので、切った位置から出る枝を待ちます。
伸びすぎたつるを整理する
行灯や支柱からはみ出したつるは2-3節残して切り、残したつるは支柱に緩く誘引します。混み合った内側の枝は付け根で間引きます。
冬前は全体を1/3ほど詰める
11月の取り込み前は全体を1/3ほど切り詰めて室内で扱いやすい大きさにします。春に伸びる枝は切らずに残します。
作業後は日なたで水絞りを始める
切り戻し後は日なたに置き、肥料は止めたまま、葉が軽くしおれるまで待ってから水を与える水絞りを始めます。6-8週間で新しい枝先が色づきます。
植え替えは5月に、根が鉢底から出て水の染み込みが悪くなった株だけ行います。ブーゲンビリアは根詰まり気味のほうが花が付くため、2-3年に1回、一回り大きな鉢に替える程度で十分です。根鉢は崩さず、傷んだ根だけを取り除いて水はけの良い土で植え付けます。根を切りすぎると回復に時間がかかります。失敗例として、大きすぎる鉢に植え替えて葉ばかり茂り2年咲かないことがありますが、その場合は植え替えずに根詰まりを待つか、翌春に元の大きさの鉢に戻して根を整理すると開花が戻ります。植え替え後は半日陰で1週間養生し、その後は日なたに出します。肥料は植え替えの1か月後から少量ずつ再開します。
時期と道具を用意する
適期は5月です。一回り大きな鉢、軽石を2割混ぜた水はけの良い土、鉢底石、清潔なハサミ、革手袋、長袖を用意します。トゲに注意します。
鉢から抜いて根の状態を確認する
鉢の縁を叩いて株を抜き、根鉢は崩さず、黒く傷んだ根だけをハサミで切ります。根を切りすぎると回復に時間がかかるので最小限にします。
鉢底石と土を入れて高さを決める
鉢底石を3cm敷き、土を鉢の1/3まで入れます。株元の高さが元の鉢と同じになるよう調整し、元肥は規定量の半分にとどめます。
土を足して支柱に誘引する
株を中央に置いて隙間に土を入れ、割り箸で軽く突きます。行灯支柱を立ててつるを緩く結び、トゲが外を向かないよう整えます。
水を与えて半日陰で養生する
たっぷり水を与え、1週間は半日陰で管理します。その後は日なたに出し、土が乾いてから水を与えます。肥料は1か月後から少量ずつ再開します。
挿し木で増やせます。適期は5-7月で、今年伸びた枝を10-15cmに切り、下葉を取って葉を2-3枚残し、水はけの良い挿し木用土に5cmほど挿します。明るい日陰で土を乾かさないよう管理すると、25°C前後なら4-6週間で発根します。発根率はやや低めなので、5本ほどまとめて挿すと安心です。発根後は3号ポットに鉢上げし、翌春から日なたで育てると2-3年で開花します。失敗例として、切り口を乾かさず挿して腐らせることがありますが、切り口を1時間ほど乾かし、発根促進剤を付けてから挿すと成功率が上がります。トゲがあるため、挿し穂の準備も革手袋で行います。取り木も可能で、枝の一部の皮をはいで湿らせた水苔を巻き、2-3か月で発根させます。
時期と道具を用意する
挿し木の適期は5-7月です。清潔なハサミ、挿し木用土を入れた3号ポット、発根促進剤、革手袋を用意します。25°C前後の時期が発根しやすくなります。
今年伸びた枝を10-15cmで切る
今年伸びて少し硬くなった枝を10-15cmで切り、下葉を取って葉を2-3枚残します。大きな葉は半分に切って蒸散を減らします。
切り口を乾かして挿す
切り口を1時間ほど乾かし、発根促進剤を付けて用土に5cmほど挿します。発根率はやや低いので、5本ほどまとめて挿すと安心です。
明るい日陰で乾かさず管理する
直射日光を避けた明るい日陰に置き、土の表面が乾いたら水を与えます。4-6週間で発根し、新芽が動き始めます。
発根したら鉢上げして育てる
新芽が伸びたら3号ポットに1本ずつ鉢上げし、翌春から日なたで育てます。水は乾かし気味にし、2-3年で開花サイズになります。
病害虫は少ない丈夫な花木ですが、アブラムシとハダニ、カイガラムシに注意します。アブラムシは春の新芽に付くので水で洗い流し、ハダニは乾燥する夏と冬の室内で葉裏に発生するため、週1回の葉水と葉裏のシャワーで予防します。カイガラムシは枝に白い粒状に付き、歯ブラシでこすり落とします。多発時は市販の殺虫剤を1週間おきに2回散布します。病気は過湿による根腐れがほとんどで、水はけの良い土と乾かし気味の水やりで防げます。失敗例として、冬の室内でハダニが広がり葉が白くかすれて落ちることがありますが、葉裏をシャワーで洗い流して殺ダニ剤を2回散布し、5月に屋外へ出せば新しい葉が展開して回復します。
気温の上昇とともに生育を再開します。最低気温が10°Cを超える4-5月に屋外の日なたへ出し、土の表面が乾いてから水を与えます。5月に緩効性肥料を少量与え、植え替えと挿し木もこの時期です。新芽に付くアブラムシに注意します。
第一の開花期です。水は葉が軽くしおれるまで待ってからたっぷり与える水絞りで咲かせ、肥料は与えません。1日6時間以上の直射日光に当てます。花後の7月に2-3節残して切り戻します。極端な断水による苞の落下に注意します。
短日で色づく第二の最盛期です。9月に水絞りを繰り返し、肥料は少量にとどめます。日なたで管理し、最低気温が10°Cを下回る前に室内取り込みの準備をします。急な移動で苞が落ちることがあるので、開花中の置き場所は変えません。
5°C以上の明るい室内の窓辺で管理します。水は月に2-3回、土が完全に乾いてから少量与え、肥料は与えません。10°C以下で落葉しますが枝が緑なら生きています。暖房の乾燥で葉裏にハダニが出やすいので、週1回は葉水をします。
原因
肥料(特に窒素)と水の与えすぎ、日照不足、または大きすぎる鉢です。ブーゲンビリアは乾燥ストレスと根詰まりで花芽を付ける性質があります。
対策
肥料を止め、1日6時間以上日光が当たる場所に移します。葉が軽くしおれるまで待ってからたっぷり与える水絞りを2-3週間繰り返すと花芽が付き始めます。鉢が大きすぎる場合は植え替えず、根詰まりを待ってください。
原因
10°C以下の低温による休眠落葉です。5°C前後まで下がると丸裸になることがあります。
対策
枝を爪で軽く削って緑色なら生きています。5°C以上の明るい室内に置き、水は月2-3回の最小限にして春を待ちます。4-5月に新芽が吹いたら通常の管理に戻してください。来季は最低気温10°Cの頃に早めに取り込むと葉を残せます。
原因
置き場所の急な変更、真夏の極端な断水、購入直後の環境変化によるストレスです。
対策
開花中は移動を避け、水絞りも葉が軽くしおれる程度で止めます。落ちた後は新しく伸びる枝に次の花が付くので、伸びたつるを2-3節残して切り戻し、日光に当てて回復を待ってください。
原因
ブーゲンビリアは葉の付け根に鋭いトゲを持ち、つるが伸びると動線にかかりやすくなります。
対策
剪定や誘引は必ず革手袋と長袖で行い、鉢は通路や子どもの動線から離して置きます。伸びすぎたつるは花後に2-3節残して切り戻し、行灯やトレリスに誘引してトゲが外に向かないよう整えてください。
原因
ハダニの被害です。乾燥する真夏と暖房の効いた冬の室内で葉裏に発生します。
対策
葉裏をシャワーで洗い流し、週1回の葉水を続けます。多発時は殺ダニ剤を1週間おきに2回散布します。5月に屋外へ出せば新しい葉が展開して回復します。
ここにない症状は症状から調べるで、葉の色・しおれ・虫・病気などから逆引きできます。
ブーゲンビリアの花言葉は「情熱」「あなたしか見えない」「魅力」です。18世紀のフランスの探検家ブーガンヴィルが南米で発見した際、鮮烈な色に魅了されたことに由来し、燃えるような苞葉の色が情熱の象徴とされました。白は「純粋」、ピンクは「あなたは魅力に満ちている」とされます。
ブーゲンビリアは「陽の気が強い花木」とされ、南向きのベランダや玄関に置くと家に活力を呼び込むといわれます。強い日光を好み真夏でも咲き続ける性質から、太陽のエネルギーを蓄える植物とされたことが由来です。赤やピンクの苞は仕事運や対人運を高める色とされ、トゲは魔除けの意味も持ちます。
原因はほぼ過保護です。処方箋は4つで、肥料を止める(特に窒素)、葉が軽くしおれるまで待ってからたっぷり与える水絞りを2-3週間繰り返す、1日6時間以上の日光を確保する、大きすぎる鉢なら植え替えず根詰まりを待つ、です。この管理に切り替えると、早ければ6-8週間で枝先に色づいた苞が見え始めます。心配だから水と肥料を与えるのが一番の遠回りで、愛情は日光で注いでください。
多くは寒さによる休眠落葉で、枯れてはいません。ブーゲンビリアは10°C以下で葉を落とし始め、5°C前後では丸裸になることもありますが、枝がしなやかで爪で軽く削ると緑色なら生きています。冬は5°C以上の明るい室内に置き、水は月2-3回の最小限にして肥料は与えずに春を待ちます。4-5月に暖かくなると新芽が吹き、その年の秋にはまた咲きます。来季は最低気温10°Cの頃に早めに取り込むと葉を残せます。
乾燥ストレスで花芽を付けさせる水やりの方法です。土が乾いても水を与えず、葉が軽くしおれてきた時点でたっぷり与える、を2-3週間繰り返します。適期は花芽を付けたい5-6月と9月で、日なたに置き肥料は止めた状態で行います。注意点は絞りすぎないことで、葉がぐったり垂れるまで放置するとつぼみや苞が落ちます。葉が軽くしおれた朝に与えるのが目安で、苞が色づき始めたら通常の乾いたら与える水やりに戻します。
置き場所の急な変更、極端な断水、購入直後の環境変化によるストレスが原因です。開花中は移動を避け、水絞りも葉が軽くしおれる程度で止めます。落ちた後は新しく伸びる枝の先に次の花が付くので、伸びたつるを2-3節残して切り戻し、日なたに置いて回復を待ちます。6-8週間で次の苞が色づきます。冬に暖かい店内から持ち帰った株は落ちやすいので、購入は5-6月か9-10月が安心です。
ブーゲンビリアの季節の作業や、土・鉢・肥料の選び方をくわしく解説した記事です。
10月の作業と、ブーゲンビリアの手入れで迷ったときに役立つページです。
執筆: Hapot編集部
植物を迎えたばかりの人が枯らさずに育てられるように、植物図鑑と症状別の記事を編集しているチームです。農林水産省や農研機構など公的機関の栽培指針を確認したうえで、温度や頻度を数値で示し、迷いやすい判断は結論から書くことを大切にしています。誤りや古くなった情報はお問い合わせから受け付け、確認のうえ更新しています。