苗・株の選び方
良い株は、株元から子株が何本も出て、葉が詰まって茂っていること、葉先が茶色く傷んでいないこと、葉の間に閉じたつぼみが控えていることの3点で見分けます。
避けたいのは、葉が鉢の縁に垂れてしおれ気味の株と、土の表面に白いカビや小さな虫が見える株です。前者は店頭で水切れを繰り返した株、後者は過湿が続いて根が弱っている可能性のある株です。小鉢は数日の水切れで傷むので、持ち帰ったらすぐに土の乾き具合を確かめます。
スパティフィラム・ウォーリシーの育て方の要点
Hapot編集部より
スパティフィラム・ウォーリシーは、草丈20〜40cmほどの小型の原種で、多くのコンパクトな園芸品種のもとになったとされる種類です。一般的なスパティフィラム(園芸交配種)との違いは小ささで、葉は長さ15〜20cmと短く、白い苞も小ぶりで、窓辺の小さな棚や机の上に収まります。コロンビアやベネズエラなど南米北部の湿った林床が原産とされ、日陰と湿り気を好む性質がはっきりしています。小型のぶん鉢も小さく、土の乾きが早いので、水切れさせないことが株を保ついちばんのポイントです。花の時期は春から初夏が中心で、条件が良ければ秋にも咲きます。名前は採集者のグスタフ・ヴァリス(Wallis)にちなむとされ、店頭ではウォーリシーやワリシーの名で売られます。全草にシュウ酸カルシウムを含むのは仲間と同じで、ペットのいる家では置き場所に注意します。限られたスペースで白い花を楽しみたい人に向きます。
水やり
土の表面が乾いたらすぐ(小鉢は乾きが早いので毎日確認)
日光
日陰
温度の目安
15-28°C
湿度
60-80%
土
保水性の高い観葉植物用土
大きさの目安
鉢植えで高さ20〜40cm。葉は長さ15〜20cmほど。3〜4号の小鉢での流通が中心です。
成長の速さ
中(小型のまま、春〜夏に葉を増やす)
温度の目安(耐寒〜耐暑)
15-28°C
肥料
5〜9月に月1回、規定の2倍に薄めた液肥
成長速度
中(小型のまま、春〜夏に葉を増やす)
毒性
全草に不溶性のシュウ酸カルシウムを含み、ASPCAでは犬・猫に有毒とされる。かじると口の痛みやよだれ、嘔吐を起こすことがある
小さな鉢は乾くのも早く、水切れのサインが出たら半日以内に与えます。湿度を好むので、ほかの観葉植物と寄せて置くと葉先が傷みにくくなります。
良い株は、株元から子株が何本も出て、葉が詰まって茂っていること、葉先が茶色く傷んでいないこと、葉の間に閉じたつぼみが控えていることの3点で見分けます。
避けたいのは、葉が鉢の縁に垂れてしおれ気味の株と、土の表面に白いカビや小さな虫が見える株です。前者は店頭で水切れを繰り返した株、後者は過湿が続いて根が弱っている可能性のある株です。小鉢は数日の水切れで傷むので、持ち帰ったらすぐに土の乾き具合を確かめます。
明るい日陰が向いている点は基本のスパティフィラムと同じです。ウォーリシーは原種らしく湿った林床の性質が強く、湿度60%以上を保てる場所を選ぶと葉先が傷みにくくなります。窓から1〜2m離れた棚の上や、ほかの観葉植物と一緒に並べて湿度を分け合える場所が向いています。小さいので、洗面所や明るいキッチンの一角など、湿気のある場所にも置けます。冬は15°C以上を保ち、窓際の冷え込みから離します。
よくある失敗は、小さいからと日当たりの良い窓辺の出窓に置き、夏の強い光と乾燥で葉が黄色く焼けることです。焼けた葉を切って窓から離した明るい日陰に移せば、1か月ほどで新しい葉がそろいます。
基本のスパティフィラムと同じく水好きですが、ウォーリシーは3〜4号の小鉢で育てることが多く、土の量が少ないぶん数日で乾ききります。春〜秋は毎日土を触り、表面が乾いていればすぐたっぷり与えます。夏は毎日、春秋は2日に1回ほどになるのが普通です。冬は表面が乾いて1日ほど置いてから、午前中に与えます。葉水は毎日でも構わず、湿度を保つのに役立ちます。
よくある失敗は、週末の外出で2〜3日水が切れ、葉が鉢の縁に垂れてしまうことです。鉢ごと水を張った容器に10分ほど浸けて吸わせれば数時間で戻ります。留守にするときは、受け皿に水を張らず、鉢を大きめのトレイの湿った砂利に乗せておくと乾きを遅らせられます。
小鉢でも乾きすぎない、保水性の高い土が向きます。配合するなら赤玉土(小粒)3、ピートモス3、腐葉土2、パーライト2が目安で、ピートモスを多めにして湿り気を保ちます。市販の観葉植物用土を使う場合は、ピートモスを2〜3割足します。3〜4号の小鉢では鉢底石は1cmほどにして、土の量を確保します。乾きやすい素焼き鉢は避け、プラスチック鉢を選ぶと水やりの回数を減らせます。元肥は緩効性肥料を少量混ぜる程度にします。
ウォーリシーは小型のまま育つので、形を整える剪定は必要ありません。手入れは、緑色に変わった花と、黄色くなった下葉を付け根から切ることだけです。花茎は株元までたどって根元で切ります。小さな株は葉の数が少ないので、1枚の葉の役割が大きく、葉先だけが茶色い葉は丸ごと切らずに、茶色い部分だけを葉の形に沿って切って残します。作業は通年でき、先の細いハサミを使うと株元の込み入った場所でも切りやすくなります。
よくある失敗は、葉先が傷んだ葉を次々に付け根から切り、葉が3〜4枚まで減って成長が止まることです。葉先は整えるだけにして葉を残し、湿度を上げて新しい葉が出るのを待てば、株は元の大きさに戻ります。
道具を準備する
手入れは通年できます。先の細い清潔なハサミと手袋を用意します。
終わった花を切る
緑色に変わった花は、花茎を株元までたどって根元で切ります。
黄色い下葉を取る
黄色くなった下葉を付け根から切り、株元の風通しを良くします。
葉先は形に沿って整える
葉先だけが茶色い葉は丸ごと切らず、茶色い部分を葉の形に沿って細く切り、葉を残します。
植え替えは1年に1回、5〜6月が目安です。ウォーリシーは小さな鉢で根がすぐに回り、根詰まりすると水がしみ込まなくなって、毎日与えても乾くようになります。鉢を大きくしすぎず、直径3cm大きい鉢までにします。古い土を3分の1ほど落とし、黒い根を切って、保水性の高い土で元の高さに植えます。小型の姿を保ちたいなら、株分けして同じ大きさの鉢に戻します。植え替え後は2週間明るい日陰で休ませます。
よくある失敗は、一気に2回り以上大きな鉢に植えて、土の量に対して根が少なく、いつまでも湿ったまま根を傷めることです。小さな鉢に植え直し、乾き具合を見ながら水を与えれば立て直せます。
時期と道具を準備する
5〜6月に行います。直径3cm大きいプラスチック鉢、ピートモスを多めに混ぜた土、鉢底石、先の細いハサミ、手袋を用意します。
株を鉢から抜く
前日に水を与えておき、鉢の底を押して株を抜きます。小さな株は葉を束ねて持つと、葉を傷めずに抜けます。
根と土を整理する
古い土を3分の1ほど落とし、黒い根を切ります。小型のまま保ちたいなら、ここで株分けします。
元の高さで植え付ける
鉢底石を1cmほど敷いて土を入れ、株元を元の高さに合わせて植えます。指で軽く押さえて株を落ち着かせます。
湿度を保って休ませる
たっぷり水を与え、2週間は明るい日陰に置きます。毎日葉水をし、肥料は1か月後から再開します。
株分けで増やせ、5〜6月の植え替えと同時に行います。ウォーリシーは株元から子株がよく出るので、根鉢を手でほぐすだけで分けやすい種類です。1株に芽が2個以上と根が付くように分け、3号ほどの小鉢に植え付けます。小さな株は乾燥に弱いので、植え付け後は透明なカップや袋をかぶせて湿度を保ち、明るい日陰に置きます。種から育てることもできますが、開花まで年数がかかるため、家庭では株分けが現実的です。
よくある失敗は、小さな子株を1芽ずつ分けて、根が少なく乾燥でしおれたまま回復しないことです。芽を2個以上まとめて分け、袋の中で2〜3週間養生すれば、新しい葉が出て根付きます。
時期と道具を準備する
5〜6月の植え替えと同時に行います。3号の小鉢、保水性の高い土、透明なカップか袋を用意します。
子株の分け目を探す
鉢から抜いた株の土をほぐし、株元から出ている子株のつながりを確かめます。
芽2個以上で分ける
芽が2個以上と根が付くまとまりになるよう、手でゆっくり分けます。1芽ずつの小分けは避けます。
植え付けて覆う
小鉢に植えてたっぷり水を与え、透明なカップか袋をかぶせて湿度を保ち、明るい日陰に置きます。
新しい葉を確かめる
2〜3週間で新しい葉が出たら覆いを外し、通常の管理に戻します。液肥はその後から始めます。
ウォーリシーは湿度を好むため、乾いた部屋ではハダニが付きやすくなります。毎日の葉水が、湿度の確保とハダニ予防を兼ねます。葉の表に細かい白い点が増えたら、浴室で葉の裏をシャワーで洗い流します。小さな株は全体を洗いやすいのが利点です。カイガラムシは葉柄の付け根に付くので、綿棒でこすり落とします。土の表面にキノコバエが出る場合は、表面の土を1cmほど無機質の赤玉土に替えると減ります。
よくある失敗は、湿度を上げようと土をいつも濡らしておき、キノコバエを増やしてしまうことです。湿度は土ではなく葉水と周りの植物で補い、土は表面が乾いてから水を与えると落ち着きます。
新しい葉と花が出始める時期です。水は表面が乾いたらすぐ与え、5月から薄めの液肥を月1回始めます。植え替えと株分けは5〜6月が適期です。春の乾いた風が当たらない場所に置きます。
小鉢は毎日乾くので、朝に土を確かめて与えます。直射日光と冷房の風は小さな株を一気に傷めるので避けます。葉水を毎日行い、留守にするときは湿った砂利のトレイに鉢を乗せて乾きを遅らせます。
秋に花が咲くこともあります。肥料は9月で止め、水は表面が乾いてから与えます。最低気温が15°Cを下回る前に、窓辺から部屋の内側の暖かい場所へ移します。乾燥し始めるので、ほかの植物と寄せて湿度を分け合います。
15°C以上の明るい室内に置き、水は表面が乾いて1日ほど置いて午前中に与えます。肥料は与えません。暖房の温風が当たる場所には置かないでください。小さな株は乾燥で葉先が傷みやすいので、加湿器の近くが向いています。
原因
小鉢で土の量が少なく、2〜3日の水切れで乾ききった。
対策
鉢ごと水を張った容器に10分ほど浸けて吸わせると、数時間で葉が立ち上がります。留守にするときは、湿った砂利を敷いたトレイに鉢を乗せて乾きを遅らせます。
原因
湿度不足。湿った林床の植物で、湿度50%を下回る部屋では葉先から傷みやすい。
対策
毎日葉水をし、ほかの観葉植物と寄せて置いて湿度を分け合います。傷んだ葉先は葉の形に沿って切り、葉は丸ごと切らずに残します。
原因
湿度を上げようと土をいつも濡らしていて、キノコバエが発生している。
対策
土は表面が乾いてから水を与え、湿度は葉水で補います。表面の土を1cmほど無機質の赤玉土に替えると、発生が減ります。
原因
小鉢の根詰まりで、根が鉢いっぱいに回り土がほとんど残っていない。
対策
5〜6月に直径3cm大きい鉢に植え替えるか、株分けして同じ鉢に戻します。鉢を一気に大きくしすぎると過湿になるので避けます。
ここにない症状は症状から調べるで、葉の色・しおれ・虫・病気などから逆引きできます。
スパティフィラムの花言葉は「上品な淑女」「清らかな心」です。ウォーリシーは小さな白い苞が葉の上にすっと立つ控えめな姿で、花言葉の清楚な印象がよく似合います。花言葉は帆のような白い苞の姿に由来するとされます。
風水では、白い花は浄化を表し、小さな鉢植えは身近な場所の気を整えるとされます。ウォーリシーは湿気のある場所を好むため、風水で気がよどみやすいとされる洗面所やキッチンの明るい一角に置くと、場を明るくするといわれます。
ウォーリシーは草丈20〜40cmの小型の原種で、多くのコンパクトな園芸品種のもとになったとされる種類です。一般に売られるスパティフィラムは交配で作られた園芸品種が多く、より大きく育つものが中心です。育て方の基本は同じで、明るい日陰と水切れさせない水やりを守ります。小さな鉢で育てるぶん乾きが早いので、毎日土を確かめるのが違いです。
もともと小型の種類なので、大きくならないのは正常です。草丈は20〜40cmほどが目安で、一般的なスパティフィラムのように1m近くになることはありません。葉の数が増え、株元から子株が出ていれば順調に育っています。反対に葉の数が減る、葉が小さくなる場合は、根詰まりか水切れの繰り返しが考えられるので、5〜6月に植え替えを検討してください。
湿度を上げることと、水切れさせないことの2つが効きます。ウォーリシーは湿った林床の植物で、湿度が50%を下回る部屋では葉先から茶色くなりやすくなります。毎日の葉水と、ほかの観葉植物と寄せて置くことで湿度を分け合えます。小鉢は乾きが早いので、毎日土を確かめて乾いたらすぐ与えてください。傷んだ葉先は葉の形に沿って切ると目立ちません。
主な開花期は春から初夏で、条件が良ければ秋にも咲きます。花は小ぶりな白い苞で、葉の上にすっと立ち上がります。花が咲かないときは、光不足か根詰まりのことが多いので、レースカーテン越しの光が届く位置に近づけ、1年以上植え替えていなければ5〜6月に植え替えます。春〜秋の月1回の液肥も花付きを助けます。
安全ではなく、ほかのスパティフィラムと同じく有毒とされます。全草に不溶性のシュウ酸カルシウムを含み、かじると口の痛みやよだれ、嘔吐を起こすことがあります。小さな鉢は机や低い棚に置きがちですが、ペットが乗れる高さなら避け、届かない場所を選んでください。かじった様子があれば、動物病院に相談します。
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執筆: Hapot編集部
植物を迎えたばかりの人が枯らさずに育てられるように、植物図鑑と症状別の記事を編集しているチームです。農林水産省や農研機構など公的機関の栽培指針を確認したうえで、温度や頻度を数値で示し、迷いやすい判断は結論から書くことを大切にしています。誤りや古くなった情報はお問い合わせから受け付け、確認のうえ更新しています。